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リポバス錠(シンバスタチン)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 小村 稜
更新日:2024年02月19日

更新日:2024年02月19日

リポバス錠(シンバスタチン)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
リポバス錠は有効成分としてシンバスタチンを含む高脂血症治療剤です。医療用医薬品であるリポバス錠は高脂血症に対して治療効果が認められている一方で、重篤な副作用を引き起こす可能性があります。
今回はリポバス錠の用法用量や服用するときに注意すべき点などを解説し、シンバスタチンを有効成分として市販薬の有無も紹介します。

リポバス錠(シンバスタチン)とは

リポバス錠はシンバスタチンを有効成分として含む高脂血症治療剤です。日本ではMSD株式会社が1991年10月に製造販売の承認を受け、2021年7月にオルガノン株式会社に製造販売承認が移管されました。

 

現在は有効成分であるシンバスタチンの含有量の違いから、リポバス錠5(シンバスタチン5mg含有)・リポバス錠10(シンバスタチン10mg含有)・リポバス錠20(シンバスタチン20mg含有)の3製剤が流通しています。

リポバス錠(シンバスタチン)の成分について

リポバス錠に有効成分として含まれているシンバスタチンはHMG-CoA還元酵素阻害薬に分類される医薬品成分のひとつです。

HMG-CoA還元酵素阻害薬とは?

HMG-CoA還元酵素阻害薬はコレステロール合成の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素の働きを特異的に阻害することでコレステロールの合成を抑制する医薬品成分の総称です。

 

シンバスタチンの他にメバロスタチンやロスバスタチンなどがあり、成分名から分かるようにHMG-CoA還元酵素阻害薬を「スタチン系」と呼ぶこともあります。

シンバスタチンはプロドラッグ

リポバス錠の有効成分であるシンバスタチンはプロドラッグと呼ばれ、シンバスタチンそのものは体内でコレステロール合成を抑制する働きを示しません。

 

実際には、シンバスタチンが体内で代謝された後の活性体が作用することで高脂血症治療剤としての効果を発揮しています。

 

シンバスタチンの他にもプロドラッグはいくつか上市されていますが、シンバスタチンはコレステロール合成を担っている肝臓への効率的な移行を目的としてプロドラッグ化されました。

リポバス錠(シンバスタチン)はどんな症状に効果がある?

リポバス錠(シンバスタチン)は高脂血症、家族性高コレステロール血症に対して効果があります。
1日にシンバスタチンとして5mg(リポバス錠5mgを1日1錠)服用することによって血清中の総コレステロールが21%、LDL-コレステロールが29%、トリグリセリドが20%低下することが臨床試験で明らかになっています。

リポバス錠(シンバスタチン)の用法・用量は?

成人はシンバスタチンとして1回5mgを1日1回服用します。リポバス錠は年齢や症状により適宜増減が可能で、特にLDL-コレステロール値の低下が不十分な場合は1日20mgまで増量できます。

リポバス錠(シンバスタチン)の副作用

リポバス錠の服用によって起こる副作用として、横紋筋融解症・肝機能障害・間質性肺炎・そう痒・頭痛・めまいなどが報告されています。

なお、リポバス錠10mgとリポバス錠20mg の安全性はリポバス錠5mgと差がないことが報告されています。

リポバス錠(シンバスタチン)に関する注意点

リポバス錠を服用するときは以下の点に注意してください。

リポバス錠を服用できない場合(禁忌)

以下に該当する方はリポバス錠を服用できません。
・重篤な肝障害のある患者:肝障害が悪化するおそれがあるため

 

・妊婦または妊娠している可能性のある患者:動物実験でシンバスタチンの代謝活性代謝物や他のHMG-CoA還元酵素阻害薬の服用により胎児の骨格奇形が報告されているため

 

・授乳中の患者:動物実験でシンバスタチンが血漿中から乳汁中へ移行することが観察されているため

 

・イトラコナゾール・ミコナゾール・ポサコナゾールを服用中の患者:シンバスタチンの代謝が抑制されることで、急激な腎機能低下に伴う横紋筋融解症があらわれやすいため

 

・アタザナビル・サキナビルメシル酸塩・コビシスタットを含有する製剤を服用中の患者:シンバスタチンの代謝が抑制されることで、ミオパチーなどの重篤な副作用が起きる可能性があるため

 

・オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビルを服用中の患者:シンバスタチンの代謝や肝臓への取り込みが抑制されることで、ミオパチーなどの重篤な副作用が起きる可能性があるため

 

・リポバス錠に含まれる成分に対して過敏症が起きた経験がある患者

基本的な注意事項

・高脂血症の治療はリポバス錠などの服用による薬物療法の他に食事療法や運動療法があります。医師と相談の上で高脂血症の治療方針を決め、自己判断による治療の中止は避けてください。

 

・リポバス錠の服用により肝機能が低下することがあるため、定期的に肝機能検査などを実施して肝機能に異常はないか確認してください。

 

・シンバスタチンは肝臓で活性体に代謝されて作用するため、アルコール中毒者がリポバス錠を服用すると肝機能障害を悪化させるおそれがあります。

・甲状腺機能低下症の患者・遺伝性の筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者・薬剤性の筋障害の既往歴のある患者。

 

アルコール中毒患者はリポバス錠の服用によって発症する横紋筋融解症があらわれやすいことが明らかになっています。

 

これらに該当する方はリポバス錠を服用する前に医師へ伝えておきましょう。
・リポバス錠服用による副作用のひとつである横紋筋融解症を発症した患者の多くは腎機能障害を有していたことや、横紋筋融解症の発症に伴って急激に腎機能が低下することが知られています。

腎機能が低下しているもしくは腎機能障害の経験がある方は事前に医師へ相談しておくと良いでしょう。

併用に注意が必要な医薬品成分

リポバス錠と併用が禁忌ではなくとも、併用する場合は十分に注意が必要な医薬品成分を紹介します。
<ワルファリン>
・臨床症状:併用によりワルファリンの作用を増強する可能性あり
・措置方法:プロトロンビン時間を測定してワルファリンの用量を調節

<フィブラート系薬剤・ダナゾール・ニコチン酸>
・臨床症状:急激な腎機能低下を伴う横紋筋融解症が引き起こされる可能性あり
・措置方法:併用する場合はリポバス錠の用量を1日あたりシンバスタチンとして10mgを超えないように調節

<エリスロマイシン・クラリスロマイシン・HIVプロテアーゼ阻害剤・シクロスポリン>
・臨床症状:急激な腎機能低下を伴う横紋筋融解症が引き起こされる可能性あり
・機序:シンバスタチンの代謝に関与する酵素(CYP3A4)の働きを阻害するため
・措置方法:筋肉痛や脱力感などの自覚症状や腎機能の低下が認められた場合は直ちに服用を中止

<エファビレンツ>
・臨床症状:併用によりシンバスタチンの血中濃度が低下する可能性あり
・機序:エファビレンツのCYP3A4誘導作用によってシンバスタチンの代謝が促進される可能性があるため

<ジルチアゼム>
・臨床症状:併用によりシンバスタチンの血中濃度が上昇して横紋筋融解症やミオパチーが起きる可能性あり
・機序:ジルチアゼムがCYP3A4の働きを阻害することによってシンバスタチンの代謝を抑制するため

<グレープフルーツジュース>
・臨床症状:併用によりシンバスタチンの血中濃度が上昇する可能性あり
・機序:グレープフルーツジュースがCYP3A4の働きを阻害することによってシンバスタチンの代謝を抑制するため

<グラゾプレビル>
・臨床症状:併用によりシンバスタチンの血中濃度が上昇する可能性あり
・機序:グラゾプレビルがCYP3Aや排泄に関与するタンパク質(BCRP)の働きを阻害することによってシンバスタチンの代謝や排泄を抑制するため

リポバス錠(シンバスタチン)と同じ成分の市販薬はある?

リポバス錠の有効成分であるシンバスタチンを含む市販薬は販売されていません。リポバス錠を服用するときは症状によって用法用量を医師が調節する必要があります。

 

また、横紋筋融解症をはじめとする重篤な副作用を引き起こす可能性があるため、自己判断によるリポバス錠の服用は危険です。そのため、リポバス錠を服用するときは医師の診察や定期的な検査を欠かすことができません。

 

今回は高脂血症治療剤であるリポバス錠について紹介しました。将来的に虚血性心疾患など重篤な合併症を併発する可能性がある高脂血症は早期に治療を開始する必要があります。

 

リポバス錠を服用するときは医師の診察や肝機能や腎機能の検査を定期的に受けた上で、体調に少しでも異変があれば病院を受診してください。

参考資料
リポバス錠5/リポバス錠10/リポバス錠20

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監修薬剤師 小村 稜
医療編集プロダクションMEDW代表
Webディレクター / 薬剤師

今後の医療に変化をもたらすために、デジタルチーム医療を発足。
「メディアから医療を支える」をミッションに活動している
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