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アテレック錠(シルニジピン)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 廣瀬安國
更新日:2024年02月29日

更新日:2024年02月29日

アテレック錠(シルニジピン)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
アテレックという医薬品をご存知でしょうか?アテレックは、高血圧治療薬として多くの医療機関や調剤薬局で採用されているので目にする機会があるかもしれません。

血圧を下げる医薬品であるため使用には注意点が存在します。使用上の注意点を理解しておくことで思わぬ副作用を予防できるようにしておくといいでしょう。

今回は、アテレック錠(シルニジピン)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説します。

アテレック錠(シルニジピン)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

アテレックという医薬品をご存知でしょうか?アテレックは、高血圧治療薬として多くの医療機関や調剤薬局で採用されているので目にする機会があるかもしれません。

 

血圧を下げる医薬品であるため使用には注意点が存在します。使用上の注意点を理解しておくことで思わぬ副作用を予防できるようにしておくといいでしょう。

 

今回は、アテレック錠(シルニジピン)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説します。

アテレック錠(シルニジピン)とは

アテレック錠(シルニジピン)は、1995年からEAファーマが製造販売元となっているカルシウム拮抗薬です。

 

毎朝1日1回の服用で昼、夜、翌日の早朝まで長時間にわたって良好な血圧コントロールができるのが特徴です。

 

また、軽度、中等度の本態性高血圧症だけでなく、腎障害を伴う高血圧症や重度高血圧症に対しても有用性があると認めらています。

ジェネリック医薬品が存在する

アテレック錠にはジェネリック医薬品が存在します。ジェネリック医薬品は、新薬に比べると薬代が安くなる医薬品です。

 

新薬には、莫大な開発費がかかっているため特許を取得して独占して販売することで開発費を回収することで次の新薬を開発する資金を得ます。

 

しかし、特許には期限があり、特許が切れると他の製薬会社が製造、販売できます。そのため、開発費などのコストをかけずに販売できるジェネリック医薬品は、新薬に比べると価格が安くなるのがメリットです。

 

厚生労働省は、医療費削減の目的からジェネリック医薬品への変更を推奨しています。

アテレック錠(シルニジピン)の成分について

一般的なカルシウム拮抗薬は、血管に存在するL型Caイオンチャンネルに作用して、Caの流入を抑制して血管を拡張させることで血圧を下げます。

しかし、アテレック錠(シルニジピン)は、L型Caイオンだけでなく、交感神経に存在するN型CaイオンチャンネルのCa流入も抑制することで交感神経の興奮を抑え、ノルアドレナリンの分泌を抑えます。

アテレック錠には、血管拡張作用と交感神経の興奮抑制作用の二つの方向から血圧を下げられます。

Caイオンチャネルとは

イオンチャネルは、細胞膜に存在するたんぱく質であり、刺激に応じて開閉して対応したイオンが通過します。血管などの平滑筋に存在するCaイオンチャネルが開閉してカルシウムイオンが流入することで、平滑筋が収縮します。

ノルアドレナリンの作用は?

ノルアドレナリンは、副腎髄質から分泌されるホルモンの一つで交換神経の情報伝達に関与する神経伝達物質です。ノルアドレナリンが分泌されると交感神経の活動が活性化されます。

 

交換神経が働くと血圧が上昇したり、心拍数が上がったりして体を活動状態にします。ストレスを感じるとノルアドレナリンが分泌されるため、慢性的なストレスは高血圧の原因になる可能性があるので注意が必要です。

アテレック錠(シルニジピン)はどんな症状に効果がある?

高血圧症に使用されます。高血圧の状態が続くと血管にダメージが蓄積され、心疾患や脳出血、腎障害など様々な疾患のリスクを上昇させるので良好な血圧コントロールは、重大な疾患を予防することにもつながります。

アテレック錠(シルニジピン)の用法・用量は?

通常、アテレック錠(シルニジピン)は1日1回5〜10mgを朝食後に服用します。

しかし、年齢や症状によって増減できます。最大で1日1回20mgまで増量できます。
重症高血圧症の場合には1日1回10〜20mgを朝食後に服用します。

アテレック錠(シルニジピン)の副作用

重大な副作用として肝機能障害、黄疸、血小板減少があらわれることがあります。肝機能障害や黄疸があらわれるとAST、ALT、γ-GTPなどの肝臓に関する検査値が上昇することがあるので注意が必要です。

 

その他には、血圧の急激な下降によってふらつきやめまい、頭痛などがあらわれることがあります。アテレック錠(シルニジピン)を服用して体調に変化があらわれたら医療機関へ受診してください。

アテレック錠(シルニジピン)に関する注意点

アテレック錠(シルニジピン)は優れた降圧作用を持った高血圧症治療薬ですが、医薬品であるため副作用や注意点も存在します。

服用の際には気をつけるべきポイントを理解した方がいいでしょう。こちらでは、アテレック錠(シルニジピン)に関する注意点を解説します。

妊婦、妊娠している可能性のある女性には使えない

動物実験ではラットで胎児に対して毒性が認められ、妊娠期間や分娩期間の延長が報告されています。また、乳汁中への移行も認められているため妊婦や授乳婦、妊娠している可能性のある女性には使用できません。

やめるときには徐々に減量する

アテレックなどのカルシウム拮抗薬は、急に投与を中止するとまれに症状が悪化することがあります。そのため、徐々に減量をしてから休薬することが多いです。医師の指示なしに自己判断で服薬を中止しないようにしてください。

車の運転には注意

高血圧治療薬の共通した注意点として車の運転があります。血圧が急に低下するとめまいやふらつきなどがあらわれることがあるため運転の際には気をつけたほうがいいでしょう。運転以外にも仕事で高いところに登る必要がある、機械を使った危険な作業をする場合にも注意が必要です。

肝機能が低下している場合には注意

アテレック錠は、肝臓で代謝されて胆汁を介して糞便中に排泄されます。そのため、腎臓への負担が比較的少ないですが、肝機能が低下しているとうまく分解できないため血中濃度が上昇する可能性があります。

肝機能が低下している患者さんの場合には副作用があらわれる可能性があるので注意が必要です。

グレープフルーツジュースに注意

グレープフルーツと飲み合わせの悪い医薬品が存在します。グレープフルーツには薬の代謝を抑制する成分が含まれ、アテレック錠(シルニジピン)もグレープフルーツとの飲み合わせの悪い医薬品の一つです。グレープフルーツと一緒に服用すると血圧が必要以上に低下する可能性があります。

高齢者は注意

年齢を重ねると肝臓や腎臓の機能が低下するため、若いときに比べると薬をうまく代謝や排泄ができない傾向があります。そのため、高齢者に対しては少ない量から開始した方がいいでしょう。

食生活の改善と運動が基本

高血圧症の原因として考えられているのが塩分の摂りすぎと肥満があります。そのため、薬物療法と並行して食生活を改善して摂取カロリーと塩分を少なくして運動をすることで体重を減らすことが基本的な治療法です。

アテレック錠(シルニジピン)と同じ成分の市販薬はある?

アテレック錠(シルニジピン)は高い降圧作用があるため幅広い医療機関で採用されいます。しかし、医療用医薬品であるため入手するには医師の診断を受ける必要があります。

 

血圧が少し気になるけど病院に行くほどではないと感じている場合には市販薬使用してみるのもいいでしょう。アテレック錠(シルニジピン)には市販薬は存在するのでしょうか。

アテレック錠(シルニジピン)と同じ成分の市販薬は存在しない

残念ながらアテレック錠(シルニジピン)と同じ成分の市販薬は存在しません。カルシウム拮抗薬は、血圧を下げる効果が高いですが、低血圧などの副作用のリスクもあるので受診する必要があります。

 

血圧が気になる方には、市販薬として高血圧上昇に伴う症状に対して効果が期待できる漢方薬があるので薬剤師に相談してみてもいいでしょう。

七物降下湯エキス顆粒

七物降下湯は、日本で開発された漢方薬で高血圧に効果があります。体力中等度以下の人ののぼせ、肩こり、耳鳴り、頭が重いなど高血圧に伴う症状に使用します。

釣藤散

体力中等度で、慢性に経過する頭痛、めまい、肩こりなどのある慢性頭痛、神経症、高血圧の傾向のあるものに使用されます。

八味地黄丸

四肢が冷えやすく、尿量減少また多尿で、ときに口渇がある状態に使用され、高血圧に伴う肩こり、耳鳴りなどの効果があるとされています。

防風通聖散

お通じや肥満に対して使用することが多い漢方薬ですが、高血圧症に伴うむくみやのぼせなどにも使われます。

大柴胡湯

胃炎、便秘、高血圧に伴う肩こり、頭痛などにも使われます。

気になることがあれば医療機関へ

高血圧症は、自覚症状が見られないため自分で気づくことが難しい病気です。高血圧を放っておくと血管にダメージが蓄積され、心疾患や脳出血、腎障害などの重大な病気のリスクが高くなります。

市販薬は、お客さんの判断で購入できるため入手は容易ですが、副作用のリスクを下げるために効果が少ないこともあります。市販薬で対応が難しい場合や血圧が気になる場合には医療機関へ受診してください。

参考文献
アテレック錠インタビューフォーム
https://www.info.pmda.go.jp/go/interview/2/111890_2149037F1032_2_008_2F.pdf
アテレック錠添付文書
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/111890_2149037F1032_2_07
クラシエ七物降下湯添付文書
https://www.kracie.co.jp/ph/k-suisinkai/product/packages/4987045070440/
釣藤湯添付文書
https://www.kracie.co.jp/ph/k-suisinkai/product/packages/4987045182631/item/4987045182631.pdf
クラシエ八味地黄丸添付文書
https://www.kracie.co.jp/products/pdf/4987045049231.pdf
ツムラ大柴胡湯添付文書
https://www.tsumura.co.jp/products/pdf/jp/PI_N-008_304008.pdf
ツムラ防風通聖散添付文書
https://www.tsumura.co.jp/products/pdf/jp/PI_N-062_311062.pdf

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監修薬剤師 廣瀬安國
調剤薬局で薬剤師として従事。 薬剤師として学んだ知識と経験を活かして、医療用医薬品だけでなく身近に存在している市販薬についてもわかりやすく伝えることを意識して記事を執筆しています。
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