医療機関・薬局向け

オンライン診療における研修の受講は必須?医師が診療を実施する要件とは

監修医師 木村眞樹子
更新日:2024年02月21日

更新日:2024年02月21日

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病院やクリニックなどの医療機関でオンライン診療を開始するためには医師が研修を受講しなければなりません。

その一方で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴うオンライン診療に関する規制の緩和により、一時的に研修を未受講でもオンライン診療が実施できます。

今回は、オンライン診療の研修の目的と受講期限などを解説します。

オンライン診療とは

医療に対する患者のアクセシビリティや医療の質を向上させる目的で遠隔診療からオンライン診療へ言い換えられるようになりました。

 

オンライン診療は2018年3月に厚生労働省が出した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(2019年7月に一部改訂)に基づいて運用されています。

 

この指針が出る以前は遠隔診療と呼ばれており,医師の少ない地域で医療を提供することを重点を置いた診察方法でした。情報通信機器の発展や普及に伴って、オンライン診療へと変化しました。

 

さらに、日本における新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、2020年4月からオンライン診療に関する規制が期間限定で緩和されています。

 

オンライン診療は新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として有用だと考えられているため、この規制緩和はオンライン診療のさらなる普及を目的としています。

オンライン診療の研修って何?

オンライン診療を実施するにあたり、医師が受講しなければならない研修があります。

この研修は、オンライン診療に関する制度や情報セキュリティなどオンライン診療の実施に必要な知識の習得を目的としています。

厚生労働省が策定した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に記載

オンライン診療の研修については、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に記載されています。

また、当該の指針によると、病院やクリニックでのオンライン診療によって診察を実施しようとする場合、研修の受講は義務化されています。

どんな研修プログラム?

オンライン診療に関する研修はe-learning形式で実施します。

研修プログラムの内容は、
・オンライン診療の基本的理解とオンライン診療に関する諸制度
・オンライン診療の提供に当たって遵守すべき事項
・オンライン診療の提供体制
・オンライン診療とセキュリティ
・実臨床におけるオンライン診療の事例
の5科目で、それぞれ動画とテキストが用意されています。各科目ごとに演習問題が10題あり、一定以上の正答率で合格となります。

 

また、産婦人科医以外の医師が初回から緊急避妊薬を処方しようとする場合にも、研修の受講が義務化されており、

そのプログラムは、
・経口避妊薬(OC)について理解すべき事項-各種避妊法とOC全般
・緊急避妊(Emergency Contraception:EC)
の2科目です。

オンライン診療の研修に関するこれまでの流れ

「オンライン診療の適切な実施に関する指針」によると、2020年4月以降にオンライン診療を開始する医師は研修の受講が必須とされ、それ以前にオンライン診療を開始していた医師は2020年10月までの受講が義務付けられていました。

 

しかしながら、2020年4月10日に出された事務連絡「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」により、オンライン診療に関する限定的な規制緩和のひとつとして、研修を受講していない医師でもオンライン診療が可能となりました。

従来のオンライン診療ガイドラインに記載されている研修について

2018年3月に厚生労働省から出され、2019年7月に改訂されたオンライン診療ガイドラインでは、2020年4月以降に病院やクリニックでオンライン診療を開始しようとする医師に対して関連する研修の受講が義務化されています。

 

また、それ以前からオンライン診療を実施していた医師に対しては、2020年10月を期限として、研修の受講を求めています。

新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴い医療現場の対応が変更

オンライン診療について、日本での新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴ってその規制が緩和され、オンラインによる診察を受けやすい環境が整ってきています。

一時的に研修を受けていない医師でもオンラインを用いた診察が可能

新型コロナウイルス感染症に感染防止策のひとつとして、自宅で医師の診療を受けることができるオンライン診療が挙げられます。

 

そして、2020年4月10日に厚生労働省から出された事務連絡によってオンライン診療を普及させる目的でオンライン診療に関する規制が緩和され、研修を受講していない医師でもオンライン診療を実施できるようになりました。

初診患者でも診療可能

規制緩和が行われる以前、オンライン診療は再診患者を対象とした制度でした。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴うオンライン診療に関する規制の緩和により、初診患者でもオンライン診療による医師の診療が可能となりました。

オンライン診療の研修に関する期間が延長

2020年8月26日の厚生労働省からの事務連絡では、オンライン診療にかかわる研修の受講は遅くとも2021年3月末までに済ませることが求められています。

医療機関やクリニック等で導入・利用する施設が増えている

各医療機関の感染防止策の一環として、オンライン診療を導入・利用している施設が増えています。

また、オンライン診療に対応している病院やクリニックなどの医療機関の一覧は厚生労働省のホームページで確認できます。

 

内科・耳鼻咽喉科・消化器内科など、受診を考えている診療科が対応しているかも同時に見ておきましょう。

オンライン診療の研修を受講するには

オンライン診療に関する研修は、「オンライン診療研修お申込み」から受講の申し込みができます。この申し込みには、氏名・医師資格証ID・医籍登録番号・医療機関名などを記入する必要があります。

 

また、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」によると、研修の対象は医師であり、歯科医師の受講は不要となっています。

参考文献
厚生労働省 オンライン診療の適切な実施に関する指針
厚生労働省 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について
厚生労働省 オンライン診療研修実施概要

最近ではオンライン診療を行っている病院も増えており、誰でも気軽に相談できるという状況が生まれています。

 

オンライン診療は、
・受付や会計の待ち時間が短縮される。
・自宅や外出先で診療が受けられる。
・院内処方の場合くすりが自宅に届く。
・院内感染・二次感染のリスクがない。
などのメリットがあり、非常に便利なサービスです。

 

SOKUYAKUでは、多数の診療科目や全国から病院を探すことができます。

 

また、新型コロナウイルス感染症の検査は、医療機関以外の自宅でも実施が可能です。

 

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周辺への感染の可能性を配慮して外出を控えたいやその他事情により、病院に行くことが難しい場合は、オンライン診療を検討してみてはいかがでしょうか。

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監修医師 木村眞樹子
現役医師、産業医 10年以上大学病院で臨床に従事、産業医として企業の健康経営にも携わる 2019年より医療ライターとしても活動している
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