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乳児湿疹はなぜ起こる?原因や改善方法について詳しく解説

監修医師 山田 克彦
更新日:2024年09月25日

更新日:2024年09月25日

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赤ちゃんの肌はとてもデリケートです。みずみずしくてすべすべしていますが、実は顔や頭にブツブツとした湿疹ができることがあります。この湿疹を「乳児湿疹」といいます。乳児湿疹は赤ちゃんの肌にかゆみや赤みを引き起こし、親にとって不安になるかもしれません。

この記事では、乳児湿疹の原因とその改善方法について詳しく説明します。乳児湿疹について知ることで、安心してケアができるようになるでしょう。

乳児湿疹はなぜ起こる?

赤ちゃんの肌はまだ発達途中であり、外部の刺激に対して敏感であるため、さまざまな要因で肌トラブルが起こりやすくなります。

乳児湿疹とは

乳児湿疹は、母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんの肌に現れる、赤いブツブツやカサカサした湿疹のことです。生後6ヶ月頃までに見られる湿疹は、原因が特定しにくいため、すべてまとめて「乳児湿疹」と呼びます。

乳児湿疹の症状

口や顎の周り、頭部、首回り、手首、足首などに湿疹が見られます。これらの部位は、食べ物や衣類の刺激を受けやすく、皮脂の分泌が多かったり、汗がたまりやすかったりするためです。

 

湿疹が水ぶくれやただれ、かさぶたのようになることもあります。また、強いかゆみを伴うため、赤ちゃんが顔をこすりつけたり、寝つきが悪くなったりするかもしれません。

乳児湿疹の種類と原因

皮脂が多く分泌される顔や頭皮に特に現れやすい湿疹は、赤くブツブツとしたり、瘡蓋ができたりとさまざまなタイプがあります。乳児湿疹には、以下のような種類があります。

乳児脂漏性湿疹(新生児脂漏性湿疹)

「乳児脂漏性湿疹」は、生後1〜2か月の赤ちゃんに見られる皮膚のトラブルです。頭の髪の生え際や顔、胸、脇の下など皮脂が多い部分に、黄色っぽいカサブタや乾燥した部分ができることがあります。場合によっては、かゆみを伴うこともあります。

 

この湿疹の原因の一つは、お母さんから受け継いだホルモンが赤ちゃんの皮脂分泌を活発にすることです。また、「マラセチア」という皮膚に常在する真菌が関与しているとも考えられています。この真菌は皮脂を好むため、皮脂が多い部分に湿疹ができやすくなります。

新生児中毒性紅斑

新生児中毒性紅斑は、生後数日以内に赤ちゃんの胸や背中に赤い斑点やブツブツ、小さな水ぶくれが現れる皮膚のトラブルです。この現象の原因ははっきりしていませんが、赤ちゃんが胎内から外の世界に適応する過程で起こる自然な変化と考えられています。通常、2週間ほどで自然に治ります。

新生児ざそう(新生児ニキビ)

新生児ざそうは、新生児にできるニキビのことです。男の子に多く見られ、新生児の約20%に発症します。通常、生後2週間頃から現れ始め、生後数か月で自然に消えていくことが特徴です。

 

このニキビは、母親のホルモンが胎盤を通じて赤ちゃんに移行することで、赤ちゃんの皮脂分泌が活発になるために起こると考えられています。また、皮膚に常在するマラセチアという菌も関与している可能性があります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が慢性的に現れたり消えたりする皮膚の病気です。乳幼児の場合、最初は頭や顔に湿疹ができ、その後お腹や背中、手足に広がることが多くみられます。湿疹は左右対称に広がり、最初は乾燥し、その後赤くなり、ひどくなるとブツブツができてかゆみが強くなるのが特徴です。長期間続くと、皮膚が硬くなりゴワゴワしてくることもあります。

 

耳の付け根がただれて切れたようになる「耳切れ」は、アトピー性皮膚炎の症状です。他にも、手首や足首がカサカサしたり、ひざの裏が赤く腫れてカサカサしたり、お腹や背中にカサカサしたブツブツの湿疹ができるなど、さまざまな皮膚症状が見られます。

 

アトピー性皮膚炎について

おむつかぶれ

おむつかぶれ(おむつ皮膚炎)は、おむつをしている部分にできる皮膚の炎症でアレルギーが原因ではありません。赤ちゃんが排尿や排便をすると、おむつがぬれてしまい皮膚も湿った状態になります。湿った皮膚は柔らかくなり、刺激に対して弱くなります。

 

症状は湿疹です。おむつかぶれが進行すると、おしり全体が赤くなったり、小さな湿疹ができることがあります。かゆみや痛みを伴い、さらに悪化すると皮膚がただれて血がにじむこともあります。

 

頻回にオムツを換えることが大切です。おむつの中に尿や便が長時間あると、おむつ内がアルカリ性になります。アルカリ性の皮膚は便中の酸素と反応しやすくなるため、特に便が柔らかい場合は皮膚が傷つきやすくなります。

乳児湿疹の治し方・治療方法

乳児湿疹の主な原因は汗と乾燥になります。そのため、日常的なケアで改善しましょう。

 

たとえば、低刺激の石鹸で皮膚を清潔に保ち、保湿剤を使ってしっかりとスキンケアを行います。また、赤ちゃんが汗をかきすぎないように、室温を適切に調整することも重要です。

 

治療法は湿疹のタイプによって異なります。

 

乳児脂漏性湿疹は、生後8〜12ヶ月頃には自然に治ることが一般的です。ただし、赤みやかゆみがある場合は、外用薬を使って治療することが必要になります。

 

新生児中毒性紅斑は、生理的な変化のため、通常は2週間ほどで自然に治ります。特別な治療は必要ありません。

 

新生児ざそうは一時的なもので、生後数か月以内に自然に消えます。ぬるま湯で優しく洗って清潔を保ちましょう。

 

アトピー性皮膚炎の場合、肌の水分を保つためにこまめな保湿が重要です。また、自己判断せずに病院で処方された薬を使って、炎症やかゆみを抑えてください。

おむつかぶれは、こまめにおむつを交換し、ぬるま湯を含ませた柔らかい布で優しく拭いて清潔を保ちましょう。ワセリンなどで皮膚を保護することで、症状の改善が期待できます。

症状が改善しない場合は早めに医師に相談しましょう

乳児湿疹は、多くの場合、特別な治療をしなくても成長とともに自然に治ります。ただし、症状が長引いたり、かゆみや赤みが強い場合は、トピー性皮膚炎かもしれません。

 

赤ちゃんや子どもの場合は、自己判断で市販薬を使わず医療機関を受診しましょう。小児科や皮膚科で適切なケア方法や治療を教えてもらえます。炎症がある場合は、医師がステロイド外用剤などを処方することもあります。

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まとめ

乳児湿疹とは赤ちゃんの皮膚に発生する湿疹のことです。赤ちゃんの肌はとてもデリケートなため、皮膚のトラブルが発生しやすくなります。乳児湿疹を防ぐためには、適切なスキンケアが重要です。

 

また、必要に応じて医師の診断を受けることも大切です。日々のケアをしっかり行い、湿疹が見られた場合は早めに対処することで、赤ちゃんの肌を守れます。

コメント 赤ちゃんの皮膚トラブルは小児科医と皮膚科医どちらにみせたら良いのか?というご質問をよくいただきます。まず、発熱や元気がないなど皮膚以外の問題を同時に抱えている皮膚症状の場合、それは感染症などの全身疾患の一部かもしれないので小児科医を頼ってください。逆にアトピー性皮膚炎など赤ちゃんの慢性的な皮膚症状への対応力は、小児が得意な皮膚科医>>平均的な小児科医>=平均的な皮膚科医の順だと思います。よく話を聞いてくれる小児科クリニックをかかりつけ医に選び、乳児健診や予防接種を含めて相談しやすい安心な環境を作っておけば、必要な時には良い皮膚科医を教えてくれるハズです。

監修医コメント

医師
山田 克彦

赤ちゃんの皮膚トラブルは小児科医と皮膚科医どちらにみせたら良いのか?というご質問をよくいただきます。まず、発熱や元気がないなど皮膚以外の問題を同時に抱えている皮膚症状の場合、それは感染症などの全身疾患の一部かもしれないので小児科医を頼ってください。逆にアトピー性皮膚炎など赤ちゃんの慢性的な皮膚症状への対応力は、小児が得意な皮膚科医>>平均的な小児科医>=平均的な皮膚科医の順だと思います。よく話を聞いてくれる小児科クリニックをかかりつけ医に選び、乳児健診や予防接種を含めて相談しやすい安心な環境を作っておけば、必要な時には良い皮膚科医を教えてくれるハズです。

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監修医師 山田 克彦
大分医科大学(現・大分大学)医学部 卒業 / 現在は佐世保中央病院勤務 / 専門は小児科一般、小児循環器、小児肥満、小児内分泌、動機づけ面接
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