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プリンペラン(メトクロプラミド)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 伊波 綾乃
2021年08月30日
プリンペラン(メトクロプラミド)は吐き気や嘔吐を和らげる作用のある「制吐剤」のひとつです。胃腸炎などで吐き気・嘔吐の症状があるときに処方された方も多いのではないでしょうか。
ここでは、プリンペラン(メトクロプラミド)の作用機序や効果、副作用について細かく解説していきます。

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プリンペラン(メトクロプラミド)とは

プリンペラン(メトクロプラミド)は,フランスの Delagrange 社の SESIF 研究所(現サノフィ)において研究開発された医薬品です。日本では​​​​​​藤沢薬品工業株式会社(現アステラス製薬株式会社)が1965 年に錠剤、シロップ及び注射液を1967年には細粒剤を発売しました。 今回は内服薬(錠剤、シロップ、細粒)について解説をしていきます。

プリンペラン(メトクロプラミド)の作用機序について

作用機序について理解するために、まずは吐き気・嘔吐の仕組みについて説明します。

吐き気・嘔吐の仕組み

嘔吐の原因は、視覚や嗅覚、味覚などの大脳皮質からの刺激や、頭蓋内圧亢進によるもの、心臓や消化器などに分布する自律神経の刺激を介するもの、薬物や毒物などの化学的刺激によるもの、乗り物酔いのように前庭器官への刺激によるものなど様々です。

嘔吐は、脳の延髄と呼ばれる部位にある「嘔吐中枢」が刺激されることにより引き起こされます。嘔吐中枢には化学受容器引金帯(Chemoreceptor Trigger Zone;CTZ)と呼ばれる構造を介して、ある一定のレベルを超えてしまうと実際に嘔吐が起きます。または、直接嘔吐中枢が刺激されると吐き気を伴わず嘔吐を引き起こしてしまうこともあります。

プリンペラン(メトクロプラミド)の作用を説明する上で欠かせないのが「化学受容器引金帯(CTZ)」です。CTZを介して起こる吐き気・嘔吐の仕組みについて簡単に説明します。

CTZは第4脳室底部というところにある神経細胞です。通常は血液脳関門という部分によって血液中の物質が中枢神経組織に入るのを阻止しているのですが、CTZは血液脳関門の外に存在するため血液中の物質の影響をそのまま直接受けてしまいます。CTZが反応すると、隣接する嘔吐中枢が刺激され吐き気・嘔吐が起こります。

CTZにはドパミン受容体(D2)、セロトニン受容体(5-HT3)、ニューロキニン(NK1)受容体が存在しています。これらの受容体にドパミン、セロトニン、サブスタンスPという伝達物質が結合することで嘔吐が誘発されることがわかっています。

プリンペラン(メトクロプラミド)の作用機序

プリンペラン(メトクロプラミド)はCTZにあるドパミン受容体(D2)を阻害することで吐き気や嘔吐の症状を緩和しています。また、末梢のD2受容体の作用も阻害することで消化管運動の促進をする作用も持ち合わせています。

同様の作用をする医薬品としてナウゼリン(ドンペリドン)があります。どちらも末梢のドパミン受容体体(D2)を阻害する作用をもっていますが、プリンペラン(メトクロプラミド)は血液脳関門を通過してしまうため、長期連用すると神経障害をきたしやすいといわれています。

プリンペラン(メトクロプラミド)はどんな症状に効果がある?

プリンペラン(メトクロプラミド)の添付文書上の適応は以下の通りになります。
1. 次の場合における消化器機能異常(悪心・嘔吐・食欲不振・腹部膨満感) 胃炎,胃・十二指腸潰瘍,胆嚢・胆道疾患,腎炎,尿毒症,乳幼児嘔吐,薬剤(制癌剤・抗生物質・抗結 核剤・麻酔剤)投与時,胃内・気管内挿管時,放射線照射時,開腹術後

2. X 線検査時のバリウムの通過促進

消化器の機能がうまく働かない状況での吐き気・嘔吐や吐き気・嘔吐が起こると事前にわかっている薬剤を投与する前に予防薬として使用されることが多いです。

プリンペラン錠(メトクロプラミド)の用法・用量は?

プリンペラン(メトクロプラミド)には錠剤、細粒、シロップの3種類の剤型があり、ぞれぞれで用法用量が異なります。それぞれの添付文書上の用法用量は以下の通りです。

<プリンペラン錠5>
メトクロプラミドとして,通常成人 1 日 7.67~23.04mg(塩酸メトクロプラミドとして 10~30mg,2~6 錠)を 2~3 回に分割し,食前に経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。

<プリンペラン細粒 2%>
メトクロプラミドとして,通常成人 1 日 7.67~23.04mg(塩酸メトクロプラミドとして 10~30mg,細粒: 0.5~1.5g)を 2~3 回に分割し,食前に経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。

<プリンペランシロップ0.1%>
メトクロプラミドとして、通常成人1日7.67〜23.04mg(塩酸メトクロプラミドとして10〜30mg、シロップ:10〜30mL)を2〜3回に分割し、食前に経口投与する。
小児は、1日0.38〜0.53mg/kg(塩酸メトクロプラミドとして0.5〜0.7mg/kg、シロップ:0.5〜0.7mL/kg)を2〜3回に分割し、食前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

添付文書上、全ての剤型で食前の服用とされていますが、食前のタイミングがわからないという方も多いと思います。食前とは、食事の30分前を目安とされています。薬の効果が現れるまでにタイムラグがあるので、食事を摂る頃には症状は緩和されているという計算になります。

プリンペラン錠(メトクロプラミド)の副作用

重大な副作用として、ショック・アナフィラキシー、悪性症候群、意識障害、痙攣、遅発性ジスキネジアが挙げられます。また、手指振戦や筋硬直などの錐体外路障害、無月経・女性化乳房・乳汁分泌などのホルモン異常、めまい、浮腫、頭痛、腹痛、下痢、便秘などの症状が出現することもあります。

いずれも頻度不明となっていますが、服用後に体調の悪化を感じた場合は服用を中止し、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

プリンペラン錠(メトクロプラミド)に関する注意点

プリンペラン(メトクロプラミド)は多くの方が使用したことのある医薬品だと思いますが、服用禁忌となっている患者さんもいます。添付文書上では3項目挙げられています。

1. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
2. ​​​​褐色細胞腫の疑いのある患者 [急激な昇圧発作を起こすおそれがある。]
3. ​​消化管に出血,穿孔又は器質的閉塞のある患者[本剤には消化管運動の亢進作用があるため,症状を悪化させるおそれがある。]

上記に当てはまる方は、受診時に医師へ必ず申告してください。

慎重投与の患者さんとして、小児・高齢者・腎障害のある患者・脱水や栄養不良などの身体的疲労のある患者が挙げられます。該当する方は副作用の発現率が健康的な方より上昇することがあるので、服用の際は注意が必要です。

また、めまいや眠気などの副作用が出現することもあるので、車の運転や危険作業をされる方は十分注意が必要です。未然に事故を防ぐためにも服用中は運転や危険作業は避けた方がいいと思われます。

プリンペラン(メトクロプラミド)は併用注意の医薬品も複数あるので、他の医薬品を服用している方は受診の際にはお薬手帳を持参し、医師・薬剤師に確認をとってから服用しましょう。

プリンペラン錠(メトクロプラミド)と同じ成分の市販薬はある?

プリンペラン(メトクロプラミド)と同成分の市販薬は現在のところ販売はされていません。しかし、吐き気止めや予防薬はいくつか販売されているので、症状別でご紹介していきます。

胃もたれ・胸焼け・ストレスなどによる吐き気・むかつき

この症状には胃酸の分泌を抑える「ガスター10(ファモチジン)」、胃粘膜を保護する成分の「スクラルファート」といった医薬品を選ぶといいです。
また、不安症で喉のつっかえがあるような吐き気がある方には「半夏厚朴湯」という漢方をお勧めします。

乗り物酔い

酔い止めには、よく抗ヒスタミン薬が主成分として入っていることがあります。有名な乗り物酔いの市販薬として、トラベルミン大人用(ジフェンヒドラミン、ジプロフィリン)、トラベルミンチュロップ(d-クロルフェニラミン、スコポラミン)、アネロンニスキャップ(マレイン散フェニラミン、アミノ安息香酸エチル、スコポラミン、無水カフェイン、ピリドキシン)があります。

トラベルミン大人用とアネロンは15歳未満の小児は使用できませんのでご注意ください。また、抗ヒスタミン薬が入っていることで眠気が強く出ることがあります。運転や危険作業をされる場合は使用を避けてください。

めまいや、片頭痛、食あたり、胃腸風による吐き気に関しては市販薬では治せない場合が多いので、早めの医療機関受診をお勧めします。

参考文献
プリンペラン錠5、プリンペラン細粒 インタビューフォーム
プリンペランシロップ0.1% インタビューフォーム|日医工
悪心・嘔吐に関するQ&A|看護roo!
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監修薬剤師 伊波 綾乃
総合病院で4年、保険薬局で3年勤務。がん治療期~緩和ケア領域、小児科、耳鼻科、透析、心療内科を経験。現在はフリーランス。 症状に適したお薬選びができるよう、読者の皆様の手助けができればと思います。
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