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【医師監修】ずっと治らないニキビ、実はやってはいけないケアが原因かも

監修医師 松澤 宗範
更新日:2025年05月8日

更新日:2025年05月8日

【医師監修】ずっと治らないニキビ、実はやってはいけないケアが原因かものイメージ
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「毎日きちんとケアしているのに、なぜかニキビが治らない…」そんな悩みに心当たりはありませんか?繰り返すニキビや治りにくい炎症の裏には、無意識のうちに続けている間違ったスキンケアが原因かもしれません。この記事では、ニキビが治らない本当の理由や見直すべき習慣、そして正しい対処法について、医師監修のもとで詳しく解説します。

治らないニキビの特徴とは?

ニキビがなかなか治らないと感じるとき、それには「サイン」があります。皮膚の状態や生活習慣が複雑に絡み合っていることも多く、早期の見極めと対処が重要です。

1ヶ月経っても改善が見られない

通常のニキビは数週間〜1ヶ月ほどで自然に治まることが多いですが、それ以上続く場合は、生活習慣やスキンケアの方法に問題があるかもしれません。誤ったケアを続けていると、ニキビが慢性化したり、跡が残ることもあります。

同じ場所に繰り返しできる

実際には、同じ毛穴が何度も炎症を起こしているわけではなく、ニキビができやすい特定のエリアに再びできていることがほとんどです。たとえば、皮脂の多いTゾーンや、ホルモンバランスの影響を受けやすい口まわりなどはニキビが繰り返しできやすい部位になります。ただし、もし本当に同じ毛穴で何度も炎症が起きているなら、完治していなかったニキビが悪化しているかもしれません。

大量にできる

顔全体や広範囲にニキビができている場合、セルフケアでの改善は難しいことがあります。炎症が強くなってくると、ニキビの数も増えやすくなります。とくに赤く腫れたニキビや、膿をもった黄ニキビが広がっているようであれば、重症化しているサインです。

炎症が起きている

赤みが強い、腫れている、痛みがある、膿んでいるなどの炎症症状が出ているニキビは、放置すると跡になりやすい状態です。このようなニキビは、表面的なケアでは治まりにくく、医師による処方薬が必要になることもあります。

ニキビが出来る仕組み

ニキビの発生にはいくつかの要因が重なっています。皮脂の過剰な分泌、毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖という3つのプロセスが順に進むことで、炎症をともなうニキビへと発展していきます。

皮脂の分泌

思春期やストレスによってホルモンバランスが乱れると、皮脂腺の働きが活発になります。過剰な皮脂は毛穴に滞留し、ニキビのはじまりとなるコメドを生み出します。

毛穴の詰まり

皮膚の表面では、古くなった角質が自然にはがれ落ちる「ターンオーバー」が起きていますが、このリズムが乱れると、角質がたまりやすくなります。これが毛穴の出口をふさぐと、皮脂の排出が妨げられ、毛穴内部に皮脂が充満した状態になります。

アクネ菌の増殖

毛穴の中に皮脂がたまった状態は、アクネ菌にとって絶好の増殖環境です。アクネ菌は誰の肌にも存在する常在菌ですが、皮脂で満たされた閉鎖的な毛穴内で急激に数を増やします。増殖したアクネ菌に免疫が反応することで、炎症が起こり赤く腫れます。

ニキビが治らない場合の考えられる原因

正しいケアをしているつもりでも、思うように改善しない場合、原因がひとつではなく複数絡み合っている可能性があります。

ホルモンバランスの乱れ

女性は生理周期の影響を受けやすく、生理前になると皮脂の分泌を促す黄体ホルモンが増え、毛穴が詰まりやすくなります。また、加齢による女性ホルモンの減少や、自律神経の乱れによってもホルモンバランスが崩れやすくなり、慢性的なニキビを引き起こす要因となります。

睡眠不足

睡眠時間が不足すると、肌のターンオーバーが乱れ、古い角質が毛穴に残って詰まりやすくなります。これが皮脂と混ざり合い、ニキビの原因となります。また、睡眠不足そのものがストレスとなり、自律神経やホルモンバランスを崩す要因にもなるため、ニキビの悪化を招きやすくなります。

不規則な食生活

油分や糖分の多い食事ばかりを摂っていると、皮脂が過剰に分泌されやすくなり、毛穴詰まりや炎症を引き起こす要因となります。また、ビタミン・ミネラル・たんぱく質など肌の修復や代謝に必要な栄養素が不足すると、肌のバリア機能が低下し、ニキビが治りにくくなります。

ストレス

ストレスによって交感神経が優位になると、男性ホルモンが増え、皮脂分泌が活発になります。その結果、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビができやすい肌状態となります。また、免疫力の低下によって炎症が悪化しやすくなることもあります。

肌への刺激

マスクや前髪、服の襟元などが常に肌に接触していると、その部分に繰り返しニキビができやすくなります。また、ゴシゴシ洗顔や、ニキビを指で触ったり潰したりする行為も、炎症を助長し、色素沈着やニキビ痕の原因となります。

メイクや洗浄液の洗い残し

ファンデーションや日焼け止めは、毛穴に入り込みやすく、きちんと落とさなければ皮脂や角質と混ざって詰まりやすくなります。また、シャンプーやトリートメントのすすぎ残しも、こめかみや額の生え際にニキビをつくる原因になります。

誤ったスキンケア

1日何度も洗顔したり、スクラブや洗顔ブラシを使用していると、肌のバリア機能が壊れ、乾燥や刺激によってニキビが悪化します。また、皮脂が気になるからと保湿を怠ると、肌が乾燥しインナードライ状態になり、皮脂の過剰分泌を招きます。

ニキビが治らない原因となるNGケア

ニキビがなかなか治らないと感じたとき、知らず知らずのうちに間違ったスキンケアをしている可能性があります。

ニキビを自分で潰す

ニキビを指で潰すと、皮膚を傷つけて炎症が悪化しやすくなります。雑菌が入りやすく、色素沈着やクレーターが残る原因にもなるため、自己処理は避けましょう。

ゴシゴシ洗う

強く擦る洗顔や過度な洗顔は、肌のバリアを壊し乾燥を招きます。結果として皮脂分泌が増え、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビが悪化しやすくなります。

刺激の強いスキンケア製品を使う

洗浄力や殺菌力が強すぎる製品は、肌に刺激となりニキビを悪化させる恐れがあります。特に油分の多い保湿剤は毛穴を詰まらせる原因になることもあります。

放置する

炎症の強いニキビや繰り返すニキビを放置すると、痕が残るリスクが高まります。早めに治療しないと悪化や再発を招くため、放置は避けましょう。

ニキビが治らない時の正しいケア

原因が体の内側や生活習慣にあることも少なくありません。根本的な改善につながる正しいケア方法をご紹介します。

刺激を避ける

マスクや前髪などが肌に触れていると、それだけで摩擦刺激になります。マスクは顔に合ったサイズを選び、前髪が当たる部位には工夫をしましょう。毎日のひげ剃りなども刺激になるため、肌に優しいシェービング方法を意識してください。

正しいスキンケア

洗顔は1日2回まで、泡で優しく包むようにして、40秒以内にとどめましょう。34〜38度のぬるま湯で丁寧にすすぎ、タオルで押さえるように水分をふき取るのが理想です。

 

保湿ではコットンを避けて手でやさしくハンドプレスし、乳液や美容液でうるおいを閉じ込めましょう。油分の多いクリームやオイルは、ニキビの部分には使用を避け、乾燥している箇所だけに使うのがポイントです。

バランスの良い食事

糖質や脂質が多い食事を避け、タンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維を意識的に摂ることが大切です。たとえば、ビタミンB2やB6は皮脂の分泌を整え、ビタミンCやEは肌の炎症を和らげる効果があります。水分をしっかりとりながら、便秘にならないよう腸内環境も整えておきましょう。

睡眠をしっかりとる

眠ってから3〜4時間の間に分泌される成長ホルモンは、ターンオーバーを促し、ニキビの修復を助けます。夜更かしを避けて毎日同じ時間に寝起きすることで、睡眠の質が向上します。

 

寝る直前のスマホやパソコンの使用は交感神経を刺激して眠りを浅くするため、避けるようにしましょう。また、快眠のためには、夕方以降に軽く体を動かす、寝る前にぬるめのお風呂に浸かるなどの習慣も効果的です。

ストレスをためない

自律神経の乱れによって免疫力が下がると、ニキビは悪化しやすくなります。趣味に没頭したり、自然の中を散歩したり、深呼吸やストレッチで自律神経を整えましょう。過剰にニキビを気にすることでさらにストレスを感じることもあるので、ケアを「頑張りすぎない」こともまた、重要な心がけです。

皮膚科を受診する

他の皮膚疾患が隠れているケースもあるため、自己判断で済ませず、専門家の意見を仰ぐことが改善への近道です。

ニキビの治療方法

皮膚科で行われる代表的な治療を紹介します。自分に合った治療を選ぶ参考にしてください。

塗り薬

治療は塗り薬が基本です。毛穴の詰まりを改善して白ニキビの発生を防ぐものや、炎症やアクネ菌に働きかけて赤ニキビを抑えるものがあり、継続して使用することで再発の予防にもつながります。赤ニキビがひどい場合には、抗菌薬入りの塗り薬を短期間だけ使うこともあります。

飲み薬

ニキビと飲み薬について

 

炎症が強いニキビには、内服の抗菌薬を使用します。また、体質やホルモンバランスの影響が強い場合には、漢方薬やビタミン剤が補助的に使われることもあります。

面皰圧出

面皰圧出は、毛穴に詰まった皮脂や角質を専用器具で安全に取り除く医療行為です。自分で潰すのとは異なり、清潔な器具を使って最小限のダメージで処置するため、感染や痕のリスクを抑えられます。白ニキビの段階で行うことで、炎症を防ぎ、治りやすい肌状態を作れます。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、酸性の薬剤を肌に塗布して古い角質を取り除き、ターンオーバーを促す治療です。毛穴詰まりやくすみ、軽度のニキビ痕の改善に有効で、継続的に行うことで肌全体のコンディションを整えます。

ニキビが治らない場合は違う病気かも

長期間にわたり治療を続けても改善しないニキビは、別の皮膚疾患の可能性があります。

毛嚢炎

毛穴の奥にある毛包に起こる炎症で、主に黄色ブドウ球菌などの細菌感染が原因です。赤みのある発疹や膿をもった膿疱ができ、軽い痛みを伴うこともあります。膿疱が悪化すると「せつ」や「よう」と呼ばれる重い炎症に発展することがあります。

粉瘤

皮膚の下に袋状の構造ができ、そこに角質や皮脂が溜まってできる良性の腫瘍です。背中や耳の裏、うなじなどに多くみられ、中央に黒い開口部があることがほとんどです。見た目がニキビに似ているため、誤って潰してしまうケースもあります。

マラセチア毛包炎

皮膚の炎症で、ニキビに似た赤いポツポツが胸や背中にでき、特に夏場に多く発症します。見た目はニキビに似ていますが、白ニキビは見られず、ポツポツの大きさがそろっているのが特徴です。かゆみを伴うこともあります。

ニキビは皮膚の病気!治らないとあきらめずに皮膚科を受診しよう

ニキビは医療で治療できる病気です。「どうせ治らない」とあきらめる前に、皮膚科で正しい診断と適切な治療を受けましょう。専門医による薬の処方や処置によって、肌状態が大きく改善するケースは数多くあります。

忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ

仕事や育児で忙しく、なかなか皮膚科に通う時間が取れない方には、オンライン診療の活用がおすすめです。時間に余裕がない方でも医療による継続的なケアを受けられます。

オンライン診療とは

オンライン診療について

オンライン診療は、スマートフォンやパソコンなどのインターネット対応デバイスを通じて、医師の診察を自宅などから受けられる医療サービスです。ビデオ通話で医師と直接話しながら、症状の相談や治療方針の説明を受けられます。診察の予約、問診、診断、処方箋の発行、支払いまでがすべてオンラインで完結するため便利です。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKU(ソクヤク)は、アプリを使ってオンライン診療をスムーズに受けられます。診察の予約からお薬の受け取りまで、すべての流れをアプリ上で完結できるのが特徴です。お気に入りのクリニックや薬局を登録しておくことで、繰り返しの診療もスムーズに行えます。

 

お薬手帳をデジタルで管理する機能や、専門スタッフによるサポートも充実しています。全国どこでも、当日または翌日に処方薬を受け取れるため、忙しい方や通院が難しい方にも便利なサービスです。

まとめ

ニキビが治りにくいと感じたら、まずは生活習慣やスキンケアの方法を見直す必要があるかもしれません。間違ったケアが症状を悪化させているケースも多いため、放置せずに早めに専門の医師に相談しましょう。ニキビは体からの不調を知らせるサインのひとつです。正しい知識をもとに適切な対処を行い、根本的な改善を目指しましょう。「なかなか治らない」と悩む前に、まずは皮膚科での診察を受けてみることが、治療の第一歩になります。

コメント 毎日のケアを続けてもニキビが繰り返す背景には、ホルモンバランスの乱れや睡眠・栄養不足、ストレスによる皮脂分泌の増加、誤ったスキンケア習慣など複数因子が絡んでいます。まずは生活リズムを見直し、洗顔・保湿を適切に行ったうえで、改善が乏しい場合は皮膚科での外用薬治療や面皰圧出、ケミカルピーリングなど専門的な治療を組み合わせることをお勧めします。

監修医コメント

医師
松澤 宗範

毎日のケアを続けてもニキビが繰り返す背景には、ホルモンバランスの乱れや睡眠・栄養不足、ストレスによる皮脂分泌の増加、誤ったスキンケア習慣など複数因子が絡んでいます。まずは生活リズムを見直し、洗顔・保湿を適切に行ったうえで、改善が乏しい場合は皮膚科での外用薬治療や面皰圧出、ケミカルピーリングなど専門的な治療を組み合わせることをお勧めします。

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監修医師 松澤 宗範
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科

皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療

2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科 皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療 2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
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