【医師監修】ニキビに効く飲み薬はどれ?繰り返すニキビを内側から治そう!


更新日:2025年06月10日

ニキビ治療に飲み薬は効果があるのか?
ニキビの薬と聞くと、思い浮かぶのは塗り薬かもしれません。軽度のニキビでは外用薬がよく使われます。しかし、何度も繰り返す頑固なニキビや、顔以外の広い範囲にできる場合は、内側からのケアも大切です。そんなときに選択肢となるのが「飲み薬」です。外用薬と併用することで、より効果的なケアが期待できます。
内側からアプローチ
ニキビは、皮脂の過剰分泌、毛穴の詰まり、アクネ菌の繁殖などが原因で起こります。飲み薬は、これらの原因に体の内側から働きかけることで、肌の環境を整え、ニキビの改善をサポートします。
飲み薬が適しているニキビの特徴
すべてのニキビに飲み薬が必要なわけではありません。以下のようなケースで、内服薬の使用が検討されます。
✅ 繰り返しできるしつこいニキビ
✅ 背中や胸など広範囲にできるニキビ
✅ ホルモンバランスの乱れや体質が影響している場合
✅ 外用薬だけでは効果が出にくいとき
自分に合った治療法を選ぶためにも、皮膚科で相談するのがおすすめです。
外用薬との併用することが大切
飲み薬は体内から作用するため、効果を実感するまでに時間がかかることがあります。一方、塗り薬は直接患部に塗布することで即効性がある反面、塗った部分にしか効果が及びません。
内服薬と外用薬を組み合わせることで、お互いの短所を補いながら、より効果的な治療が可能になります。たとえば、炎症を抑える外用薬と、皮脂分泌やホルモンバランスに働きかける内服薬を併用するケースが一般的です。
市販で購入できるニキビ用の飲み薬は
ニキビが気になるとき、まず手に取りやすいのが市販薬です。市販の飲み薬は、肌の代謝やホルモンバランスの乱れを整えることで、ニキビの改善や予防をサポートします。ここでは、ドラッグストアなどで購入できるおすすめの飲み薬をご紹介します。
チョコラBB
肌の新陳代謝に関わるビタミンB2やB6などを配合した製品です。これらのビタミンは皮脂の分泌をコントロールし、角質の詰まりを予防することで、ニキビができにくい肌環境を整えます。初期の白ニキビや黒ニキビのケア、または肌荒れが気になるときのサポートに向いています。
ネオ小町錠
生薬とビタミンを組み合わせた漢方系の飲み薬です。12種類の生薬に加えて、ビタミンB群やC、メチオニンを配合しています。体の内側から代謝を促し、老廃物の排出をサポートすることで肌のターンオーバーを整えます。繰り返しニキビができやすい方や、肌の調子を整えたい方におすすめです。
ハイチオールBクリア
L-システインを中心に、ビタミンB群やCが薬の成分です。ターンオーバーを整えることで、ニキビの改善やニキビ跡の予防にも役立ちます。さらに、脂質代謝やコラーゲンの生成もサポートし、健やかな肌づくりに貢献します。ニキビとともに肌全体の調子を整えたい方、またニキビ跡が気になる方にも向いている飲み薬です。
市販薬を使う際の注意点
市販薬は、比較的軽い症状や初期のニキビに対して使用されることが多く、使用後すぐに劇的な改善を期待するものではありません。
・用法・用量を守る:記載された服用方法を守ることが基本です。
・長期間の使用で効果が見られない場合は医師に相談:赤ニキビや膿をもった黄ニキビは、皮膚科での治療が必要なケースもあります。
・他の薬との併用に注意:漢方やサプリを併用する場合は、成分が重複していないか確認しましょう。
皮膚科で処方されるニキビの飲み薬①抗生物質
内服抗菌薬(抗生物質)は、アクネ菌の増殖を抑え炎症を鎮める作用を持ち、中等度以上のニキビに効果的です。
ビブラマイシン
ドキシサイクリンという成分を含むテトラサイクリン系抗生物質で、アクネ菌の増殖を抑制し、赤ニキビや膿をもったニキビに使用します。吐き気や下痢などの消化器症状が副作用として現れることがあり、カルシウムやマグネシウムなどの成分を含む薬との併用に注意が必要です。
ミノマイシン
ミノサイクリンという有効成分を含む抗菌薬で、抗菌作用に加えて抗炎症作用もあるため、炎症性ニキビに広く用いられています。吐き気や食欲不振、発疹といった副作用が起こることがあり、他のビタミンA製剤との併用には注意が必要です。
ルリッド
アクネ菌内でのタンパク質合成を阻害し、菌の増殖を防ぐタイプの抗生物質です。主に赤ニキビの治療に用いられ、比較的副作用が少ないことが特徴です。
皮膚科で処方されるニキビの飲み薬②ビタミン剤
ニキビの直接的な治療というよりも、体の内側から肌の健康を支えるために処方されることがあります。皮脂の分泌を整えたり、肌のターンオーバーを促したりする目的で使われることが多く、軽度のニキビや予防、再発防止にも有効です。
シナール
ビタミンCとビタミンB5を配合したビタミン剤です。抗酸化作用や皮膚のバリア機能を整える働きがあり、炎症を抑えたり、ニキビの再発を予防したりする目的で使われます。水溶性のビタミンであるため、体内に蓄積されにくく継続的な内服が必要です。
ユベラ
ビタミンEを主成分とした製剤で、血行を促進する作用や、活性酸素によるダメージを抑える抗酸化作用があります。肌の新陳代謝が促され、ニキビやニキビ跡の改善をサポートします。
ノイロビタン
ビタミンB群を中心に構成されたビタミン剤です。主にビタミンB1、B2、B6、B12が含まれ、皮脂のコントロールや肌のターンオーバーの正常化を促すことで、ニキビの改善が期待されます。副作用は少ないとされますが、まれに胃腸の不調や発疹が出ることがあります。
皮膚科で処方されるニキビの飲み薬③漢方薬
肌だけでなく体のバランス全体を整えることを目的としており、繰り返すニキビや周期的な肌荒れに対して処方されることが一般的です。
荊芥連翹湯
体内にこもった熱を冷まし、炎症を鎮める効果があるとされる漢方薬です。赤く腫れたニキビや、痛みを伴う炎症性のニキビに使用されることが多く、肌の赤みや熱感を和らげることが期待されます。慢性的にニキビができやすい体質の人にも処方されます。
桂枝茯苓丸加薏苡仁
血行を促進し、代謝を高めることで肌のターンオーバーを整える作用がある漢方薬です。女性のホルモンバランスの乱れや、月経に伴うニキビに対して処方されることが多く、生理前にニキビが悪化しやすい方に向いています。薏苡仁も配合されており、角質の代謝改善にも効果が期待できます。
十味敗毒湯
炎症や膿を持ったニキビの初期段階に処方される漢方薬です。10種類の生薬を配合し、肌の炎症を抑えるとともに、膿の排出を助けるとされています。肌の湿疹や化膿を伴う皮膚トラブル全般に使われることがあり、比較的体力のある人に向いた処方です。
清上防風湯
顔を中心とした赤ニキビや腫れ、痛みが強い場合に処方されることがある漢方薬です。上半身に熱がこもりやすい体質の人に使われ、皮脂分泌の抑制にも作用するとされています。顔のニキビが頻繁にできる方や、炎症を伴うニキビが長引いている方に適しています。
ニキビ治療薬「イソトレチノイン」とは
重症化したニキビや、これまでの治療で十分な効果が得られなかった難治性ニキビに用いられる内服薬です。主に皮脂の分泌を抑える作用や、炎症を和らげる効果があり、皮膚の状態を内側から整えられます。
海外では1980年代からニキビ治療薬として広く使用されており、アメリカやヨーロッパでは長年の実績があります。ただし、日本ではまだ医薬品としての承認は受けていません。一部の自由診療クリニックでは医師の判断のもとで処方されています。
ニキビ治療の飲み薬の注意点
ニキビの治療で飲み薬を使う際は、効果をしっかり得るためにも、安全に使い続けるためにも注意することがあります。
自己判断でやめない・減らさない
自己判断で量を減らしたり、症状が落ち着いたからといって勝手に中止したりするのは避けましょう。用法・用量を守らないと、十分な効果が得られないだけでなく、副作用が出やすくなることもあります。抗生物質やイソトレチノインなど作用の強い薬は、中途半端な服用が耐性菌のリスクや再発の原因になることもあるため、必ず医師の指示に従ってください。
生活習慣の見直しや スキンケアも大切
飲み薬だけに頼るのではなく、日常生活の中でニキビができにくい環境を整えていくことも大切です。バランスのとれた食事、良質な睡眠、適度な運動など、基本的な生活習慣を整えることは、治療の効果を高めるためには欠かせません。
また、スキンケアの見直しも重要です。肌を清潔に保つことはもちろん、必要以上に洗いすぎたり、刺激の強いケアをすることは逆効果になることもあります。保湿を適切に行い、紫外線対策もしっかり取り入れましょう。
飲み薬でニキビ治療を考えるなら皮膚科を受診しよう
ニキビがなかなか治らない、繰り返しできてしまう…そんな悩みがある場合は、市販薬だけに頼らず、皮膚科での相談を検討しましょう。ニキビの状態や体質に合わせて、さまざまな内服薬が選択肢となります。自己判断せず医師と相談することが大切です。
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まとめ
飲み薬を使ったニキビ治療は、炎症が強いニキビや何度も繰り返すニキビに対して効果が期待できます。市販薬でのケアも選択肢の一つですが、症状が長引いたり、赤みや膿を伴うような場合には、皮膚科での診察を受けて適切な処方を受けるのが安心です。また、薬の効果を十分に引き出すには、飲み薬だけに頼るのではなく、スキンケアや生活習慣も見直してみましょう。体の内側と外側、両方からのアプローチを心がけることで、ニキビの改善につながりやすくなります。

医師
山下 真理子

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※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。