インフルエンザの市販薬おすすめ成分と禁忌成分を解説|病院に行けない時の対処法【医師監修】
この記事の結論
- 市販薬でインフルエンザそのものが治るわけではなく、市販薬の役割は発熱や関節痛などのつらさをやわらげる対症療法です。
- 熱や痛みにはアセトアミノフェンが基本です。アスピリンなど小児のインフルエンザで避けるべき成分があり、ロキソニンSなどは15歳未満は服用できません。
- 息苦しい、意識がもうろうとする、高熱が続くといったサインがあれば、市販薬で様子を見ずに受診しましょう。
- 病院に行けないときは、検査キットとオンライン診療を組み合わせることで、発症から48時間以内に抗インフルエンザ薬の処方を受けられる可能性があります。
インフルエンザに罹患した際、急な高熱や全身の倦怠感により、「病院へ行くのがつらい」「つらくても子育てや家庭の事情で家を離れられない」という状況の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
症状を一時的に和らげるために「インフルエンザ 市販薬 おすすめ」と情報を探す方も多いでしょう。
この記事では、
・症状を和らげるためにおすすめされる市販薬の成分
・インフルエンザ時に服用を絶対に避けるべき市販薬の成分(禁忌薬)
・つらくて病院に行けないとき自宅で処方薬を受け取る方法
について、医学的な知見に基づき分かりやすく解説します。
また、家にいてもインフルエンザの市販検査キットとオンライン診療を併用し、自宅に処方薬を届けてもらうこともできますので、ご不安や非常に体調がつらい場合にはオンライン診療もご検討ください。
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インフルエンザで服用を避けるべき市販薬の成分(禁忌)
インフルエンザの症状を和らげるために市販薬を選ぶ際、どの薬でも安全に使えるわけではありません。
特に小児や若年層においては、特定の解熱鎮痛成分の服用が、重篤な合併症のリスクを高める可能性が指摘されています。
特定の解熱鎮痛薬が関わる重篤な合併症リスク
特定の成分を含む解熱鎮痛薬は、インフルエンザに罹患した際に使用すると、「インフルエンザ脳症」や「ライ症候群」という重篤な病態との関連が示唆されています。
インフルエンザ脳症
インフルエンザ脳症は重い意識障害やけいれんなどを引き起こす病気で、特定の解熱鎮痛薬の使用との関連が示唆されています。
特にジクロフェナクナトリウム(ボルタレンなど)やメフェナム酸(ポンタールなど)は、小児のインフルエンザ時に服用することは避けるべきとされています。
ライ症候群
ライ症候群はインフルエンザや水ぼうそうにかかった小児が、サリチル酸系薬剤を服用した際に、ごくまれに発症することがある重い病気です。
突然の嘔吐、意識障害、けいれん、肝機能障害などの重篤な症状・疾患を引き起こし、最悪の場合には命を落とす可能性もあります。
サリチル酸のひとつ(アスピリン)を含むバファリンなどの製品は、小児のインフルエンザには原則禁忌とされています。
上記を避けて自分で市販薬を購入するのは不便かつ不安な場合もあると思います。
服用を避けるべき具体的な成分と市販薬の注意点
市販されている総合感冒薬には、これらの成分や、関連成分であるイブプロフェンなどが含まれていることがあります。
表① インフルエンザのときに服用を避けるべき成分と代表的な商品名
| 成分の系統 | 成分名 (一般名) |
代表的な商品名・類縁薬 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| サリチル酸系 | アスピリン | バファリン(一部製品)など | 小児のインフルエンザには原則禁忌。 |
| NSAIDsの一部 | ジクロフェナクナトリウム | ボルタレン(座薬・内服)など | 小児のインフルエンザへの服用は避けるべき。 |
| NSAIDsの一部 | メフェナム酸 | ポンタールなど | 小児のインフルエンザへの服用は避けるべき。 |
■ロキソプロフェン・イブプロフェンはどう考える?
ドラッグストアで手に取りやすい解熱鎮痛剤のうち、ロキソニンSなどのロキソプロフェン製剤や、イブプロフェンを主成分とする市販薬は、15歳未満は服用できません。成人では禁忌とはされていませんが、インフルエンザの疑いがある段階では、子どもと同様に、解熱鎮痛成分はアセトアミノフェンを第一に考えるのが一般的です。手元にある薬を使う前に、薬剤師や登録販売者に相談しましょう。
■商品名ではなく成分表示で確かめる
同じブランド名でも、製品によって主成分が異なることがあります。たとえば「バファリン」の名がつく製品には、アスピリンを含むものと、子ども向けのチュアブル錠のように主成分がアセトアミノフェンのものがあります。商品名だけで判断せず、外箱や添付文書の成分表示で確認してから選びましょう。
市販薬を選ぶ際は、「効き目」ではなく「成分の安全性」を最優先し、薬剤師や登録販売者にインフルエンザである可能性を伝えて相談することが重要です。
自宅に処方薬が届く|オンライン診療と市販検査キットの活用
オンライン診療で自宅に処方薬が届く
自宅で検査キットを使用、オンライン診療で陽性が出ているキットの映像を医師に共有することで、病院に行かなくても抗インフルエンザ薬(タミフルなど)を処方してもらえる可能性があります。
検査キットを使う場合は、「研究用」と表示されたものではなく、国の承認を受けた製品(外箱に「体外診断用医薬品」または「第1類医薬品」と表示)を選びましょう。
オンライン診療サービスSOKUYAKU(ソクヤク)なら、スマホひとつで予約から医師の診察、処方薬の受け取りまで完結します。当日予約や土日祝日の受診にも対応しており、処方薬は全国どこでも最短で当日中に届きます。職場や学校に提出する診断書が必要な場合も、診察時に医師へご相談ください(即日発行に対応)。
※診療日時、配送時間、診断書の発行可否は、医療機関や地域によって異なります。
抗インフルエンザ薬の処方を検討できるタイミング
抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスが体内で増えていくのを妨げる作用をもつ薬です。ドラッグストアでは販売されておらず、医師が処方する医療用医薬品のため、入手には処方箋が必要です。各薬の添付文書でも、症状が出てから48時間を過ぎて投与を始めた場合の効果は確かめられていないとされています。厚生労働省の「インフルエンザQ&A」では、48時間以内に服用を開始した場合について、「発熱期間は通常1~2日間短縮され」ると説明しています。
主な抗インフルエンザ薬は表②のとおりです。どれを使うかは、医師が診断のうえ、年齢や持病、症状をふまえて判断します。
表② 主な抗インフルエンザ薬(処方薬)
| 一般名(販売名) | 使い方 |
|---|---|
| オセルタミビル(タミフル) | 飲み薬。1日2回・5日間 |
| ザナミビル(リレンザ) | 吸入薬。1日2回・5日間 |
| ラニナミビル(イナビル) | 吸入薬。1回のみ |
| バロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ) | 飲み薬。1回のみ |
この時間内に医師の診察を受ける方法のひとつとして、市販の検査キットとオンライン診療を組み合わせる方法があります。
仮にキットで陰性がでても、周囲の感染状況・症状から医師がインフルエンザの可能性が高いと判断した場合、抗インフルエンザ薬が処方される可能性があります。
市販薬で症状をやわらげながら回復を待つこともできますが、症状がつらいときや重症化が心配なときは、早めに医師へ相談することも検討してください。
インフルエンザの症状別|市販薬の成分おすすめと選び方
市販薬はインフルエンザそのものを治す薬ではありませんが、つらい症状を和らげ、体力を温存するために役立ちます。
インフルエンザは、体内に入ったインフルエンザウイルスが増殖して発症する感染症で、回復は体にそなわった免疫がウイルスを追い出すことで進みます。市販薬はこの回復を早めるものではなく、熱や痛みをおさえて体を休めやすくする「対症療法」の薬です。薬で熱が下がってもウイルスの感染力は残っているため、無理に出勤・登校すると周囲に広げるおそれがあります。
また、インフルエンザの予防を目的とした市販薬はありません。予防の基本は、流行前のインフルエンザワクチン接種です。厚生労働省は、毎年12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいとしています。
なお、飲み合わせによってはインフルエンザに関係なく危険なケースもあるため、薬剤師さんと相談するなど安全性を最優先した上で、症状別のおすすめ成分を解説します。
熱や頭痛に推奨される成分(アセトアミノフェンなど)
インフルエンザに伴う発熱や頭痛に対して安全性と効果の両面で推奨される成分は、アセトアミノフェンです。
・推奨される理由
インフルエンザ脳症やライ症候群を引き起こす可能性が低いとされ、比較的安全に使用できる解熱鎮痛成分です。
インフルエンザでは、38度以上の高熱に加えて、関節や筋肉が痛む、寒気(悪寒)で体が震えるといった全身の症状が急に出やすいのが特徴です。アセトアミノフェンは、こうした発熱や関節痛のつらさをやわらげる目的で使える解熱鎮痛剤です。体温が何度になったら飲む、という決まりはありません。眠れない、水分がとれないなど、つらさで体を休められないときに使うのが目安です。
・代表的市販薬
カロナールA、タイレノールA
・注意点
アセトアミノフェンは肝臓に負担をかけることが知られています。肝機能に不安がある方は注意してください。
子どもには、主成分がアセトアミノフェンの小児用製品(顆粒・チュアブル錠など)を選びます。対象年齢や1回の量は製品ごとに異なるため、添付文書の注意事項を確認し、迷うときは薬剤師に相談してください。
寒気が強い発症初期には、体質に合えば麻黄湯などの漢方薬が選ばれることもあります。ただし、麻黄に含まれるエフェドリン類は動悸や血圧の上昇を起こすことがあるため、高血圧や心臓の病気がある方、高齢の方は使用前に医師・薬剤師へ相談しましょう。
咳がつらいとき
咳がつらいときは、咳をしずめる鎮咳成分(デキストロメトルファン、ジヒドロコデインリン酸塩など)を含む薬が選択肢です。
・代表的市販薬
プレコール持続性せき止めカプセル、ジキニン など
・注意点
ジヒドロコデインリン酸塩などのコデイン類を含む薬は、12歳未満は服用できません。授乳中の方は服用を避けるか、服用する場合は授乳を控える必要があります。
痰が切れにくいときは、ブロムヘキシン塩酸塩やL-カルボシステインといった去痰成分が配合された薬を検討します。去痰成分には、痰の粘りをゆるめて外へ出しやすくするはたらきがあります。痰が多いのに咳を無理に止めると、かえって痰を出しにくくなることがあるため、「咳と痰のどちらがつらいか」で成分を選びましょう。
鼻水・くしゃみ
鼻水・くしゃみには、抗ヒスタミン成分が有効です。
・代表的市販薬
パブロンSゴールドW錠(総合感冒薬、12歳以上) など
・注意点
抗ヒスタミン成分は眠気を催すことがあります。運転や危険な作業をする際は服用を避けてください。
鼻水を止める目的で使われる抗ヒスタミン薬の代表的な成分が、クロルフェニラミンマレイン酸塩です。眠気に加えて口の渇きや排尿しにくさが出ることがあり、緑内障の方や前立腺の病気で尿が出にくい方は使えない場合があります。購入時に持病を伝えて相談しましょう。熱性けいれんを起こしたことがある子どもも、抗ヒスタミン成分を含む薬を使う前に医師へ相談してください。
市販薬を使うときに「気をつけたいこと」と安全な服用ルール
市販薬の服用は自己判断で行わず、以下のルールを守って安全性を確保しましょう。
年齢や体質によって注意が必要なケース
市販薬は、年齢や持病によって服用できる成分が異なります。
・小児
上述の通り、アスピリン、ボルタレン(ジクロフェナクナトリウム)、ポンタール(メフェナム酸)といった成分の服用は避けるべきです。
・高齢者
腎機能や肝機能が低下している場合があり、薬の効き目や副作用が出やすくなるため、市販薬の服用前に医師または薬剤師に相談してください。
・妊娠中・授乳中の方
妊娠中はインフルエンザが重症化しやすいとされています。解熱鎮痛成分のうちイブプロフェン・ロキソプロフェンは、出産予定日12週以内の妊婦は服用できません。比較的よく使われるアセトアミノフェンも含め、妊婦・授乳中の方は自己判断で飲まず、かかりつけの産婦人科医や薬剤師に相談しましょう。
・持病がある方・免疫力が低下している方
糖尿病や心臓・肺・腎臓の病気がある方、免疫力が低下している方は、重症化しやすく、肺炎をはじめとする合併症につながることもあるため、市販薬で様子を見るよりも早めの受診を検討してください。
他の薬と成分の重複に注意
複数の市販薬や、持病で処方されている薬を服用している場合、成分が重複することがあります。
異なる風邪薬と頭痛薬を併用することで、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの成分を過剰に服用してしまうリスクがあります。
お薬手帳を確認し、服用前に薬剤師に相談してください。
飲みすぎを防ぐための服用ルール
市販薬は、添付文書に記載された用法・用量を厳守してください。
「早く治したいから」と過剰に服用しても、治療期間が短くなるわけではなく、肝機能障害などの副作用のリスクを高めます。
「これってもう病院?」迷ったときの目安
市販薬で対処するのはあくまで一時的な症状緩和です。
以下の症状が見られた場合は、重症化のリスクがあるため、すぐに医療機関を受診してください。
すぐ受診したほうがいい症状とは
- 息苦しい、呼吸が速い、子どもが苦しそうに肩で息をしている
- 胸の痛みが続く、脈が速い
- 水分が全く摂れない(脱水症状のリスク)
- 尿の量が異常に少ない
- 意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が鈍い(意識障害の可能性)
- 高熱が48時間以上続いている
- 咳や痰が増える、熱が長引くなど、症状が日ごとに悪化している
- いったん下がった熱がまた上がった
- けいれんや、呼びかけに反応しない・急に走り出すなどの異常行動がある(特に子ども)
いったん回復に向かったあとに再び発熱したり咳がひどくなったりするのは、気管支炎や肺炎といった合併症を起こしているサインのことがあります。市販薬で熱をおさえていると悪化に気づくのが遅れやすいため、こうした症状があれば早めに医師の診察を受けてください。また厚生労働省は、子どもや未成年者が発症から少なくとも2日間は一人にならないよう配慮することを呼びかけています。
市販薬で様子を見るときのチェックポイント
□ 水分補給ができているか
□ 睡眠がとれているか
□ 体温は高いが、意識がはっきりしており、会話ができているか
□ 症状が徐々に軽快しているか
まとめ:インフルエンザの市販薬は「安全性」を最優先に
インフルエンザに対しておすすめの市販薬を選ぶ際は、まずアセトアミノフェンなどの安全性が高い成分を検討し、禁忌薬や服用ルールを厳守してください。
病院に行けないという状況であっても、市販検査キットとオンライン診療を組み合わせることで、48時間以内に抗インフルエンザ薬の処方を受けられる可能性があります。つらい時は無理をせず、専門家の助けを借りて安全な治療を続けてください。
参考文献
- インフルエンザQ&A|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html - 市販の解熱鎮痛薬の選び方|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00404.html - コデインリン酸塩水和物又はジヒドロコデインリン酸塩を含む医薬品の「使用上の注意」改訂の周知について(依頼)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc2795&dataType=1&pageNo=1 - 小児のライ症候群等に関するジクロフェナクナトリウムの使用上の注意の改訂について|医薬品医療機器総合機構
https://www.pmda.go.jp/files/000145255.pdf - インフルエンザ脳炎・脳症における解熱剤の影響について|日本小児科学会
https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=201 - インフルエンザの感染を防ぐポイント「手洗い」「マスク着用」「咳(せき)エチケット」|政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/article/200909/entry-8422.html - 薬局等での抗原定性検査キットの購入について|群馬県
https://www.pref.gunma.jp/page/172494.html - インフルエンザのときに市販薬は飲んでいい?併用可能な薬を紹介【薬剤師解説】|EPARKくすりの窓口
https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/influenza-otc - インフルエンザに市販薬は効く?効かない?解熱効果があり安全に飲めるおすすめの薬を紹介|おうち病院
https://anamne.com/influenza-otc/ - インフルエンザ症状に効くおすすめ解熱剤と咳止め市販薬|阪野クリニック
https://banno-clinic.biz/influenza-otc/
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