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アトピー性皮膚炎が悪化する理由は?症状がひどい原因と対処法を解説!

監修医師 五藤 良将
更新日:2025年03月6日

更新日:2025年03月6日

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「良くなったと思ったのに、またひどくなってしまった…。」アトピー性皮膚炎では、こうした症状の悪化を繰り返すことがあります。外部の刺激やストレス、治療を自己判断で中断することが原因となる場合もあり、かゆみによる掻きこわしがさらに症状を悪化させるかもしれません。この記事では、アトピー性皮膚炎が悪化する理由や重症度の見方、悪化を防ぐための対策について詳しく解説します。

一度よくなったアトピー性皮膚炎が悪化するのはなぜ?

アトピー性皮膚炎が再発する原因には、生活環境や日々の習慣、ストレスの影響などが関係しています。

外部からの刺激による影響

化学物質や食品添加物、ダニ、カビ、ハウスダスト、花粉、ペットの毛、紫外線などの刺激が肌に負担をかける要因です。肌のバリア機能が低下していると、それらが皮膚に入り込みやすくなります。その結果、炎症が起こり、症状の悪化につながります。

ストレスが引き金になることも

長期間ストレスを受けることで免疫の働きが乱れ、炎症が起こりやすくなります。また、自律神経のバランスが崩れることで皮膚の乾燥やかゆみが強くなることもあります。

 

ストレスは日常生活のさまざまな場面で避けられません。10代では学校生活や受験、20代では仕事や家庭の問題など、ライフステージごとに異なるストレスが存在します。完全になくすことは難しいため、ストレスの受け止め方を変えたり、リフレッシュできる時間を確保したりすることが大切です。

アトピー性皮膚炎がひどくなる理由

症状がひどくなる理由は、見えない炎症とかゆみの悪循環、くりかえす症状です。

表面に見えない炎症

一時的に症状が落ち着いたように見えても、皮膚の下では炎症が続いていることがほとんどです。この隠れた炎症が完全に治まらないまま放置されると、再び悪化し症状が繰り返す原因になります。

かゆみの悪循環

掻くことで皮膚のバリア機能が弱まり、外部の刺激が皮膚の奥まで入り込みやすくなります。アレルギーの原因となる物質やほこり、衣類の摩擦などの小さな刺激にも敏感になり、さらにかゆみが増します。これが、かゆみの悪循環です。

 

また、掻くことで皮膚の細胞から炎症を促す物質が放出されるため、かゆみの神経がさらに刺激されて、かゆみがさらに強くなります。最初にかゆかった部分だけでなく、その周囲までかゆくなり、掻く範囲がどんどん広がってしまいます。皮膚のダメージが拡大することで、さらに炎症が悪化するのです。

くりかえす病気

アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴う湿疹が現れ、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。皮膚のバリア機能が弱まると、外部の刺激から肌を守る力が低下し、炎症が起こりやすくなります。アトピー性皮膚炎の特徴の一つは、皮膚のバリア機能が低下していることです。

あなたの症状は?アトピー性皮膚炎の重症度

アトピー性皮膚炎の症状を、自分で評価する方法にPOEMスコアというものがあります。POEMスコアは、アトピー性皮膚炎の自覚症状を評価するための指標です。このスコアを使うことで、症状の管理や治療の効果を客観的に確認できるため、治療計画の調整に役立ちます。

 

質問内容

この1週間で、湿疹のために皮膚のかゆみがあった日は何日ありましたか?
この1週間で、湿疹のために夜の睡眠が妨げられた日は何日ありましたか?
この1週間で、湿疹のために皮膚から出血した日は何日ありましたか?
この1週間で、湿疹のために皮膚がジクジク( 透明な液体がにじみ出る)した日は何日ありましたか?
この1週間で、湿疹のために皮膚にひび割れができた日は何日ありましたか?
この1週間で、湿疹のために皮膚がポロポロと剥がれ落ちた日は何日ありましたか?
この1週間で、湿疹のために皮膚が乾燥またはザラザラしていると感じた日は何日ありましたか?

 

選択肢

なし(0日) 0点
1~2日 1点
3~4日 2点
5~6日 3点
毎日 4点

 

各項目の点数を合計して総合点を算出します。

0~2点 消失またはほぼ消失
3~7点 軽度の湿疹
8~16点 中等度の湿疹
17~24点 重度の湿疹
25~28点 非常に重度の湿疹

アトピー性皮膚炎をひどくしないために注意すること

症状を悪化させないためには、放置せず医療機関にて適切な治療をうけましょう。

放置しない

アトピー性皮膚炎を放置すると、かゆみが増したり湿疹が広がったりするため、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。また、炎症が続くと皮膚のバリア機能が弱まり、細菌やウイルスが皮膚に侵入しやすくなり、感染症のリスクが高まります。

掻きむしらない

皮膚が炎症を起こし、その結果かゆみが生じるため無意識に掻いてしまいます。しかし、掻くことでさらに皮膚が傷つき湿疹が悪化してしまうのです。その場合、かゆみが増すだけでなく、湿疹の範囲も広がります。

自己判断で治療を辞めない

見た目が良くなったからといって完全に治ったわけではありません。なかなか良くならないからと諦めたり、自己判断で薬をやめたりせず、医師の指示に従って治療を続けることが大切です。

誤った情報を信じない

アトピー性皮膚炎の治療には ステロイド外用薬が有効ですが、誤った情報によって使用をためらう方もいます。ネットや口コミの情報よりも、医師の指導を信じましょう。焦らず正しい治療を続けることで、症状の悪化を防ぎ、うまく付き合っていけるはずです。

アトピー性皮膚炎の注意するべき合併症

アトピー性皮膚炎では、バリア機能が低下しているため感染症が皮膚の感染症がおこりやすくなっています。また、目の症状にも注意しないといけません。

眼症状

アトピー性皮膚炎があると、目にも影響が出ることがあります。まぶたの炎症(眼瞼皮膚炎)、目の表面や結膜の炎症(角結膜炎)、角膜が変形する円錐角膜、視力に影響を及ぼす白内障や網膜剥離などが発症することがあります。このうち、白内障や網膜剥離は視力低下につながる深刻な病気です。

 

顔のアトピー性皮膚炎が悪化している場合、自覚症状がなくても目の異常が起きている可能性があります。定期的に眼科を受診し、目の健康をチェックしましょう。

カポジー水痘様発疹症

傷ができた肌に単純ヘルペスウイルスが入り込むことで起こる感染症です。小さな水ぶくれがたくさんでき、次第に広がってただれたようになります。痛みを伴い、リンパ節が腫れたり、発熱したりすることもあります。

伝染性軟属腫

伝染性軟属腫ウイルスによって起こる皮膚感染症で、小さな光沢のあるブツブツが特徴です。健康な皮膚には感染しにくいですが、アトピー性皮膚炎や乾燥肌、湿疹などで皮膚のバリア機能が弱っていると感染しやすくなります。水いぼとも呼ばれます。

伝染性膿痂疹

湿疹や虫刺されを掻き壊したり、アトピー性皮膚炎でバリア機能が弱まった皮膚に感染しやすくなります。黄色ブドウ球菌や溶血性レンサ球菌が主な原因です。一般的には「とびひ」と呼ばれています。水ぶくれやかさぶたができるのが特徴で、感染力が強いため、タオルや衣類、プールなどを介して感染します。

肌の色素沈着(アトピー跡の黒ずみ)とは

炎症が起きた肌は赤くなりますが、炎症が治まると赤みやかゆみは落ち着きます。しかし、首などの皮膚に茶色や紫っぽい黒ずみが残ることがあり、これは炎症や肌をこする刺激が繰り返されることで起こります。刺激を受けた皮膚の色素細胞がメラニンを増やし、それが沈着することで黒ずみが残るのです。

 

炎症が治まれば、時間の経過とともに新しい細胞が入れ替わり色素沈着も薄くなります。しかし、アトピー性皮膚炎の症状が長引いた場合、思ったように改善しないこともあります。

アトピー性皮膚炎の対処法

アトピー性皮膚炎の症状を抑えるためには、スキンケアとライフスタイルの見直しが重要です。予防のための基本的な対策に加えて、次の点にも注意しましょう。

爪を短く清潔に保つ

かゆみが強いと無意識に肌をかいてしまうことがあります。爪が長いと皮膚を傷つけやすく、症状の悪化や感染のリスクが高まるため、常に短く整え、清潔にしておくことが大切です

お風呂の温度に気をつける

熱いお湯はかゆみを強くすることがあるため、湯船やシャワーの温度はぬるめに設定しましょう。また、ナイロンタオルや刺激の強い石鹸を使ってゴシゴシ洗うのは避け、肌に優しい方法で洗うことが重要です。

環境を整える

ダニやホコリはアトピー性皮膚炎の悪化を招くことがあります。こまめに掃除を行い、空気清浄機を活用することで、室内環境を清潔に保ちましょう。寝具も定期的に洗濯し、ダニ対策を心がけることが大切です。

規則正しい生活を送る

寝不足はアトピーの症状を悪化させる要因になります。生活リズムを整え、十分な睡眠をとることで、肌の回復を助けられます。また、ストレスもアトピーの悪化につながるため、リラックスできる時間を作ったり、趣味を楽しんだりして気分転換をすることも大切です。

病院を受診して正しい治療を行う

アトピー性皮膚炎は自然に治るものではないため、症状が続く場合は皮膚科を受診しましょう。適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、日常生活を快適に過ごせます。

アトピー性皮膚炎は放置せず、早めに皮膚科を受診しよう

アトピー性皮膚炎は、適切な治療を受けずに放置すると、症状が悪化したり、長引いたりすることがあります。かゆみや湿疹が続く場合は、早めに皮膚科を受診し、自分の症状に合った治療を受けることが大切です。

忙しくて受診できない場合にはオンライン診療がおすすめ

時間が取れない場合は、オンライン診療を活用するのも一つの方法です。忙しい方でも適切な治療が続けやすくなるため、オンライン診療を利用して早めに医師に相談しましょう。

オンライン診療とは

オンライン診療について

 

オンライン診療は、インターネットを利用して自宅などから医師の診察を受けられるサービスです。スマートフォンやタブレット、パソコンを使い、ビデオチャットを通じて医師と直接話せます。診察の予約、問診、診断、薬の処方、支払いまでをオンラインで完結できるため、忙しくて病院へ行く時間が取れない場合にも便利です。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUは、オンライン診療をよりスムーズに受けられるサービスです。予約から薬の受け取りまでの手続きを簡単に行え、専門スタッフによるサポートも受けられます。

 

クリニックや薬局を登録できる機能や、お薬手帳のデジタル管理機能もあります。全国どこでも、当日または翌日に薬を受け取ることが可能なため、忙しい方にも利用しやすいサービスです。

まとめ

アトピー性皮膚炎が悪化する要因はさまざまですが、症状を抑えるためには適切なケアと治療を続けることが大切です。生活環境の見直し、医師の指示に従った治療を継続することで、症状の管理がしやすくなります。自己判断で治療を中断したり、不確かな情報に影響されたりすることなく、早めに皮膚科を受診し正しい治療を受けることが重要です。アトピー性皮膚炎とうまく付き合いながら、快適な生活を目指しましょう。

コメント アトピー性皮膚炎の治療において、オンライン診療は軽症から中等症の患者にとって有効な手段となります。適切なスキンケア指導や生活習慣の見直し、薬の処方は遠隔でも対応可能です。一方で、重症例では皮膚の状態を詳細に観察し、二次感染の有無やステロイド外用薬の調整が必要な場合もあり、対面診療が推奨されることがあります。オンライン診療と対面診療を適切に使い分けることで、患者の負担を減らしながら最適な治療を継続することが重要です。

監修医コメント

医師
五藤 良将

アトピー性皮膚炎の治療において、オンライン診療は軽症から中等症の患者にとって有効な手段となります。適切なスキンケア指導や生活習慣の見直し、薬の処方は遠隔でも対応可能です。一方で、重症例では皮膚の状態を詳細に観察し、二次感染の有無やステロイド外用薬の調整が必要な場合もあり、対面診療が推奨されることがあります。オンライン診療と対面診療を適切に使い分けることで、患者の負担を減らしながら最適な治療を継続することが重要です。

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監修医師 五藤 良将
経歴:千葉県立東葛飾高校卒、防衛医科大学校医学部卒。その後に自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどの勤務を経て2019年9月に継承開業に至る。 免許・資格:医師免許、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医、日本医師会産業医、日本美容内科学会評議員 所属:医療法人社団五良会 竹内内科小児科医院 院長 医療法人社団五良会 理事長
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