心療内科

中途覚醒とは?夜中に目が覚める原因と治し方|再入眠のコツと受診の目安を医師が解説【医師監修】

中途覚醒とは?夜中に目が覚める原因と治し方|再入眠のコツと受診の目安を医師が解説【医師監修】のイメージ

この記事の結論

  • 中途覚醒は、夜中に目が覚めて再び寝つきにくくなる不眠のタイプです。すぐに再入眠でき、日中に支障がなければ経過をみてよい範囲です。
  • 週3日以上・3か月以上続き、日中の眠気や疲労感で日常生活に支障をきたしているなら受診の目安です。
  • 原因は「生活習慣(寝酒・カフェインなど)」「からだの病気(睡眠時無呼吸症候群・夜間頻尿など)」「こころの不調(ストレス・うつ病など)」の3タイプで、対策はタイプごとに異なります。
  • 目が覚めたら時計を見ず、焦らず、15〜20分眠れなければいったん寝床を出るのが再入眠のコツです。
  • サプリや漢方を2〜4週間試しても変化がない場合や、いびき・気分の落ち込みがある場合は医療機関へ。通院が難しければオンライン診療も選択肢です。

夜中の2時や3時に目が覚めて、そこから寝つけない。時計を見るたびに焦りが増していく——不眠の悩みは3人に1人が抱えるとされ、中途覚醒はその代表的なタイプです。
この記事では、原因の切り分け方から再入眠のコツ、治し方、受診先の選び方までを順に解説します。

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中途覚醒とは?夜中に目が覚める状態の定義と「正常な範囲」の見分け方

「夜中に目が覚める」といっても、誰にでも起こる現象と、治療の対象になる状態があります。まずはその線引きを確認しましょう。

中途覚醒の定義|入眠後に目が覚め、再び寝つくまでに時間がかかる状態

中途覚醒とは、いったん眠りについた後、起きる予定の時刻より前に目が覚めてしまう睡眠障害のひとつです。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、不眠症の代表的な症状として「眠りが浅く途中で何度も目が覚める」ものと位置づけられています。

ポイントは目が覚めること自体ではなく、再び寝つくまでに時間がかかる点にあります。

不眠症の4タイプ(入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害)との違い

不眠の症状は、あらわれ方によって次のタイプに分けられます。

  • 入眠障害:寝つきが悪く、布団に入ってもなかなか眠れない
  • 中途覚醒:夜中に何度も目が覚め、その後眠りに戻りにくい
  • 早朝覚醒:予定より早い時間に目が覚めて二度寝ができない
  • 熟眠障害:睡眠時間は足りているのに眠りが浅く、熟睡感が得られない

これらは重なって起こることも珍しくありません。

1〜2回目が覚めるのは異常?加齢で浅い眠りが増える仕組み

夜中に1回程度目が覚めるのは、誰にでも起こりうる現象です。年齢を重ねると深い眠りが減って浅い眠りが増え、不眠症状も加齢とともに増加します。e-ヘルスネットによると、60歳以上では半数以上に認められます。

ただし「年のせい」で片付けてよいかは、日中の様子で判断します。翌日に支障がなければ経過をみてよい一方、強い眠気や疲労感が続くなら、加齢以外の要因が隠れている可能性があります。

「治療を考えたい」目安|週3回以上・3か月以上続き、日中に支障が出ている

e-ヘルスネットによれば、夜間の不眠と日中の心身の不調がそろって週3日以上あり、3か月以上続く場合は慢性不眠症とされます。次の3つが重なるときが相談の目安です。

  • 夜中に目が覚めて、その後寝つけない日が週3日以上ある
  • それが3か月近く続いている
  • 日中の眠気・疲労感・集中力の低下で、日常生活に支障をきたしている

中途覚醒が起こる仕組み|体内時計・自律神経・眠りの深さから整理する

対策の前に、眠りを支える3つの仕組みを押さえておきましょう。後の対策の意味が理解しやすくなります。

眠りはレム睡眠とノンレム睡眠を約90分周期で繰り返している

睡眠は、脳と体を休ませるノンレム睡眠と、脳が活発に働き夢を見やすいレム睡眠が、約90分のサイクルで繰り返されます。深いノンレム睡眠は前半に多く、明け方ほどレム睡眠と浅い眠りが増えるため、目覚めやすいのは自然なことです。問題は、前半に目が覚める場合や覚醒の回数が増えた場合です。

体内時計と生活リズムが乱れると、夜間に覚醒しやすくなる

体内時計は約24時間の周期で眠気と覚醒を切り替え、朝の光でリセットされます。日中に明るい光を浴びると、夜には眠気をもたらすメラトニンというホルモンの分泌が増えることも知られています。就寝・起床時刻のばらつき、交代勤務、休日の寝だめはいずれも体内時計を乱し、夜間の覚醒を招く一因になります。

緊張状態が続くと自律神経が「起きる準備」をしてしまう

眠る間は副交感神経が優位になりますが、強い緊張やストレスが続くと夜間も交感神経のはたらきが下がりきらず、脳が「起きる準備」をしてしまいます。心配ごとのある日に限って目が覚めるのはこのためです。

中途覚醒の原因①生活習慣|寝酒・カフェイン・夕方以降の過ごし方

背景として多く、改善の余地も大きいのが生活習慣です。心当たりがないか確認してみてください。

寝酒(アルコール)|寝付きは良くなっても、眠りの後半を妨げる

寝つきを良くするために飲む「寝酒」は、中途覚醒との関係が特に強い習慣です。アルコールは一時的に寝付きを良くする一方、深いノンレム睡眠を減らし、中途覚醒を増やすことが知られています。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」も、睡眠薬代わりの寝酒は睡眠休養感を低下させると指摘しています。

カフェイン|夕方以降の摂取は就寝時まで作用が残ることがある

カフェインの覚醒作用は数時間続き、代謝の速さには個人差があります。e-ヘルスネットでは、敏感な人は就寝の5〜6時間前から控えたほうがよいとされています。コーヒーや紅茶、緑茶が習慣の方は、夕方以降はカフェインレスの飲み物に切り替えましょう。

就寝前のスマホと光、寝る時間のばらつき

就寝前にスマートフォンの強い光を浴びると体内時計が乱れ、眠気が訪れるタイミングが後ろにずれることがあります。SNSや仕事のメールの内容も脳を刺激し、緊張を高めます。また、平日と休日で起床時刻が2時間以上ずれる方は、そこを縮めるだけで夜間の覚醒が減ることがあります。

寝室の環境|温度・湿度・音・寝返りのしにくさ

寝室の温度や湿度が合わないと、暑さや寒さで目が覚めやすくなります。騒音や朝方の日差し、寝返りを打ちにくい寝具も覚醒の原因になります。

中途覚醒の原因②からだの病気|睡眠時無呼吸症候群・夜間頻尿・むずむず脚症候群

生活習慣を見直しても改善しない場合、背景に身体の病気が隠れていることがあります。次の4つは中途覚醒として自覚されやすい代表例です。

睡眠時無呼吸症候群|いびき・呼吸が止まる・起床時の頭痛

睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に気道が狭くなり、呼吸が止まる・浅くなることを繰り返す病気です。血液中の酸素が不足するたびに脳が覚醒し、自覚がないまま睡眠が細切れになります。肥満や加齢に伴う喉まわりの筋力低下が危険因子とされ、中年以降の男性に多い一方、女性にもみられます。

  • 家族や同居の方から、大きないびきや呼吸が止まっていることを指摘された
  • 寝起きに頭痛や口の渇きがある
  • 十分眠ったつもりでも日中に強い眠気がある
  • 夜中に息苦しさで目が覚めることがある

夜間頻尿|尿意で目が覚める回数が増えているとき

夜間頻尿は、夜間に排尿のために1回以上起きなければならない状態を指し、加齢とともに増えます。夕方以降の水分やアルコール、カフェインのとり方で夜間の尿量が増えていることもあります。一方で「目が覚めたついでにトイレに行っている」ケースも少なくなく、その場合は睡眠そのものに原因があります。

むずむず脚症候群・周期性四肢運動障害|脚の不快感で眠れない

むずむず脚症候群は、夕方から夜にかけて脚に不快感があらわれ、じっとしていられなくなる病気で、鉄不足が発症に関わることもあります。周期性四肢運動障害は睡眠中に脚が周期的にぴくつくもので、気づかないまま覚醒が増えていることがあります。

痛み・かゆみ・更年期など、その他の身体的な不調

関節や腰の痛み、皮膚のかゆみ、胸やけ、更年期のホルモン変動に伴うほてりや発汗も夜間の覚醒につながります。痛みやかゆみで目が覚めている場合は、その症状の治療が優先されます。

中途覚醒の原因③こころの不調|ストレス・不安・うつ病のサイン

眠りは心の状態を映しやすく、中途覚醒がこころの不調の最初のサインになることもあります。見逃したくないポイントを整理します。

ストレスや不安で眠りが浅くなるメカニズム

仕事のプレッシャーや悩みを一人で抱え込んでいると、交感神経のはたらきが高まったままになり、眠りが浅くなって些細な刺激で目が覚めやすくなります。さらに「また起きてしまった」という不安が重なると、それ自体が新たな緊張を生み、不眠を長引かせます。

うつ病などの精神疾患でみられる不眠の特徴(早朝覚醒を伴うことも)

国立精神・神経医療研究センターによると、不眠症は単独で生じるだけでなく、精神疾患に伴って生じることもあります。うつ病では中途覚醒に加えて早朝覚醒を伴うことがあり、不安障害や適応障害でも、考えごとが止まらない、動悸で目が覚めるといった訴えがみられます。

見逃したくない症状|強い疲労感・意欲の低下・日中の眠気が続く

次のような症状が2週間以上続いている場合は、こころの不調が背景にある可能性を考えます。

  • 以前は楽しめていたことに興味がわかない
  • 強い疲労感が抜けず、朝起きるのがつらい
  • 食欲が落ちた、または増えた
  • 日中ずっと眠く、集中力が落ちて仕事に支障が出ている
  • 理由のない不安感や焦りが続く

【セルフチェック】あなたの中途覚醒はどのタイプ?原因の切り分けリスト

3タイプのうちご自身がどれに近いかを確認しましょう。複数に当てはまることもあります。

表① 中途覚醒 原因3タイプの見分け方

比較の観点 生活習慣タイプ からだの病気タイプ こころの不調タイプ
目が覚める日 飲酒やカフェイン摂取のあった日に偏る 毎晩ほぼ同じように繰り返す 心配ごとのある日に増える
目が覚めたときの状態 しばらくすると眠気が戻ることが多い 息苦しさ・尿意・脚の不快感がある 考えごとが止まらない
日中の様子 寝不足感が中心 強い眠気・起床時の頭痛 気分の落ち込み・意欲の低下
まず試すこと 寝酒とカフェインの見直し 医療機関での検査 心療内科・精神科への相談

生活習慣タイプのチェック項目

□週に2日以上、寝る前にお酒を飲む

□夕方以降にコーヒーや緑茶、エナジードリンクを飲む

□就寝直前までスマートフォンを見ている

□平日と休日で起床時刻が2時間以上ずれる

□寝室が暑い、寒い、明るい、音が気になる

からだの病気タイプのチェック項目

□いびきや、呼吸が止まっていることを指摘された

□起床時に頭痛や口の渇きがある

□夜中に2回以上トイレに行く

□夕方から夜にかけて脚がむずむずする

□痛みやかゆみ、息苦しさで目が覚める

こころの不調タイプのチェック項目

□目が覚めると仕事や将来のことを考えてしまう

□気分の落ち込みや意欲の低下が2週間以上続いている

□予定より早い時間に目が覚めてしまう

□理由のない不安感や動悸がある

□休日も気分が晴れない

当てはまった数別|次に取るべきアクション

生活習慣タイプだけに当てはまった方は、後述の「治し方」から着手してください。2〜4週間続けても変化がなければ、他の要因を疑います。

からだの病気タイプ、こころの不調タイプに1つでも当てはまった方は、医療機関に相談したほうが近道です。無理を続けると、睡眠不足が日中の不調を強め、それがまた眠りを妨げる悪循環に入ることがあります。

※診断書の発行可否および発行時期は、医師の診察・判断によります。

夜中に目が覚めたときの対処法|再入眠のための4ステップ

今まさに目が覚めてしまった——そのとき何をするかで、その後の眠りは変わります。不眠症の治療でも用いられる考え方をもとに、再入眠の手順をまとめました。

ステップ1|時計を見ない、スマホを手に取らない

目が覚めたとき、つい時計を確認していませんか。「あと2時間しか眠れない」という計算は、そのまま焦りに変わります。時計は文字盤が見えない向きに置く、スマホは手の届かない場所で充電するといった工夫が有効です。

ステップ2|「眠らなければ」と焦らない

「早く眠らないと」と意識するほど緊張が高まり、眠りから遠ざかります。目を閉じて横になっているだけでも体は休息できていると考え、ゆっくり息を吐く腹式呼吸などの呼吸法で気持ちを落ち着けましょう。眠れないこと自体を問題にしないことが、再入眠への近道です。

ステップ3|15〜20分眠れないなら、いったん寝床を出る(刺激制御法)

15〜20分眠れない時間が続くようなら、思い切って寝床から出ることを検討します。眠れないまま布団にいると「寝床=眠れない場所」という結びつきが強まるためです。この方法は認知行動療法のなかで刺激制御法と呼ばれ、治療にも用いられています。

ステップ4|暗めの照明で静かに過ごし、眠気が来たら寝床に戻る

寝床を出たら明るい照明はつけず、暗めの明かりで静かに過ごします。紙の本を読む、軽いストレッチをするなど、刺激の少ない過ごし方が向いています。眠気が戻ったら寝床に戻る。これを繰り返すうちに、寝床と眠りの結びつきが回復していきます。

やってはいけないNG行動|寝酒・夜中の食事・明るい光を浴びる

次の行動は、眠りをさらに遠ざける可能性があります。

  • 寝酒を飲む:一時的に眠気が来ても、その後の眠りを浅くします
  • 明るい照明をつける、スマートフォンを見る:体内時計を乱します
  • 夜食をとる:脂っこいものは特に胃腸を働かせ、眠りを浅くします
  • 喫煙する:ニコチンにも覚醒作用があります
  • 時計で残り時間を計算する:焦りが緊張を強めます

中途覚醒の治し方|今日から見直せる生活習慣と睡眠環境

ここからは、夜中に目が覚めにくい体をつくる快眠習慣です。すぐに変化が出るものではないため、2〜4週間を目安に続けることを心がけましょう。

寝る時間と起きる時間を一定にして体内時計を整える

取り組みやすいのは起床時刻を一定にすることです。就寝時刻は眠気に左右されますが、起床時刻は自分で決められます。休日も平日との差を1時間以内に収めましょう。

厚生労働省の睡眠ガイドでは、成人は6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することが推奨される一方、高齢者は床上時間が8時間以上にならないことが目安とされます。眠れないまま長く床にいると睡眠効率が下がるためです。

朝の光を浴び、日中はこまめに体を動かす

起床後はカーテンを開けて朝の光を浴び、体内時計をリセットしましょう。日中はこまめに体を動かし、就寝前1時間以内の激しい運動は控えます。長い昼寝は夜の眠りを妨げるため、昼寝は30分程度にとどめましょう。

夕方以降のカフェインと、就寝前のアルコールを控える

カフェインは前述の目安を参考に控え、寝酒は急にやめるのが難しければ「寝る3時間前までに切り上げる」「飲まない日をつくる」など段階的に減らしましょう。

寝室の温度・湿度・遮光・騒音を整える

寝室は暑すぎず寒すぎない温度に保ちます。夏は冷房を一晩つけたままのほうが眠りが安定することもあります。日差しには遮光カーテン、騒音には耳栓、寝返りが打ちにくいなら寝具の見直しが選択肢です。

入浴のタイミングと、就寝前のリラックス習慣

入浴は就寝の1〜2時間前に、40度前後のお湯に10〜15分ほど浸かる形が向いています。いったん上がった深部体温が下がる過程で眠気が訪れやすくなるためです。就寝前の1時間は照明を落とし、軽いストレッチなどで心身をゆるめましょう。

サプリメント・漢方薬という選択肢|期待できることと限界

「病院に行くほどではないが何か試したい」段階で候補に挙がるのが市販のサプリメントや漢方薬です。できることと限界を整理します。

睡眠サプリ(グリシン・GABA・テアニンなど)の位置づけ

グリシンやGABA、テアニンなどを配合した製品は食品であり、医薬品のように病気を治療するものではありません。生活習慣の見直しと併用する分には選択肢になりますが、無呼吸やうつ病が背景にある場合、これだけで解決するのは難しいでしょう。

中途覚醒に用いられることがある漢方薬の考え方

漢方では、同じ「眠れない」という訴えでも体質や随伴症状によって用いる処方が異なります。代表的なものに、心身が疲れて精神不安がある方の酸棗仁湯、神経がたかぶりいらだちがある方の抑肝散、体力が中等度以下で血色がすぐれない方の加味帰脾湯などがあります。

ただし、自分に合う処方を自己判断で見極めるのは簡単ではなく、体質に合わない場合は副作用が生じることもあります。医療用の漢方製剤は医療機関で処方を受けられますので、市販薬を選ぶ場合も含め、医師または薬剤師に相談してください。

市販のサプリ・漢方で様子を見てよい期間と、切り替えの目安

2〜4週間試して変化がなければ、医療機関への相談に切り替えましょう。次に当てはまる方は、市販品で様子を見る前に受診を検討してください。

  • いびきや呼吸の停止を指摘されたことがある
  • 気分の落ち込みや意欲の低下が続いている
  • 日中の眠気で仕事や運転に支障が出ている
  • ほかの病気で薬を服用している(飲み合わせの確認が必要)

医療機関での治療|睡眠薬の種類と、薬に頼りきらない治療法

医療機関では、睡眠薬による薬物療法と、薬を使わない治療の両方が検討されます。まずは全体像を押さえましょう。

現在の不眠症治療で使われる薬の考え方

以前はベンゾジアゼピン系の薬が中心でしたが、近年は脳内で作用する仕組みの異なる薬が増えています。

表② 不眠症に用いられる主な薬のタイプ

タイプ 主なはたらき 中途覚醒との関係
オレキシン受容体拮抗薬 脳内で覚醒を保つオレキシンのはたらきを抑える 睡眠の維持を目的に用いられることがある
メラトニン受容体作動薬 体内時計にはたらきかける 生活リズムの乱れを伴う場合に用いられることがある
非ベンゾジアゼピン系 寝つきを助ける 主に入眠障害に対して用いられる
ベンゾジアゼピン系 不安を和らげ眠気をもたらす 長期服用時の効果減弱や離脱症状に注意が必要とされる

どの薬が適しているかは、症状のタイプや年齢、服用中の薬などを踏まえて医師が判断します。家族の薬を借りる、以前処方された薬を自己判断で飲むといったことは避けてください。

「睡眠薬はやめられなくなる」は本当か|医師の管理下での調整と減薬

ベンゾジアゼピン系の薬は、長期の服用で効果が弱まったり、急にやめると不眠の悪化や動悸などの離脱症状が出たりすることがあり、注意が必要とされています。

一方、日本睡眠学会の資料では、昼夜の症状がともに改善したら減量や休薬を目指すのか、安全性の高い薬を長めに続けるのかを主治医と患者が相談して決定することが望ましいとされています。不安は処方の段階で伝えておきましょう。

薬を使わない治療|不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)

CBT-Iは、睡眠に関する考え方や行動を整えていく治療法です。刺激制御法のほか、寝床で過ごす時間を適正化する方法などで構成され、薬に頼りきらない方法を探している方にとって重要な選択肢です。

原因となる病気の治療が先になるケース(睡眠時無呼吸症候群など)

背景に別の病気がある場合は、そちらの治療が優先されます。睡眠時無呼吸症候群であれば、検査のうえでCPAP(持続陽圧呼吸療法)やマウスピースなどが検討されます。原因を放置したまま睡眠薬だけに頼っても、改善は見込みにくくなります。

中途覚醒は何科を受診する?相談すべきサインとタイミング

「相談したいが、どこへ行けばいいのか分からない」——ここでつまずく方は少なくありません。判断の基準を整理します。

受診を検討したい5つのサイン

次のいずれかに当てはまる場合は、一度専門医に相談しましょう。

  1. 夜中に目が覚めて寝つけない日が週3日以上、3か月近く続いている
  2. 日中の眠気や疲労感で、仕事や運転など日常生活に支障をきたしている
  3. いびきや呼吸の停止を指摘されたことがある
  4. 気分の落ち込みや意欲の低下が2週間以上続いている
  5. 市販薬やサプリメントを2〜4週間試しても変化がない

心療内科・精神科/内科・耳鼻咽喉科・泌尿器科の使い分け

表③ 症状別・相談先の目安

こんなとき 相談先の目安
ストレス・不安・気分の落ち込みを伴う 心療内科・精神科(メンタルクリニック)
いびきや呼吸の停止を指摘された 呼吸器内科・耳鼻咽喉科(睡眠外来)
夜間の排尿が目を覚ます主な理由 泌尿器科
脚の不快感やぴくつきがある 脳神経内科・睡眠外来
どこに行けばよいか分からない 心療内科・精神科、またはかかりつけ医

迷ったときは、心療内科・精神科やかかりつけ医に相談し、必要に応じて他の診療科を紹介してもらう流れが現実的です。

診察をスムーズにする準備|睡眠日誌のつけ方

受診前の1〜2週間、次の項目を記録しておくと、診察で状況を正確に伝えられます。

  • 布団に入った時刻と、起きた時刻
  • 夜中に目が覚めた回数と、おおよその時刻
  • 目が覚めた理由に心当たりがあればその内容
  • 日中の眠気の程度(5段階など)
  • 飲酒・カフェイン・服薬の有無

通院する時間がとれない方へ|オンライン心療内科「SoiMe(ソイミー)」

受診したほうがよいと分かっていても、平日の日中に通院する時間を取れない方は少なくありません。その場合の選択肢がオンライン診療です。

通院不要・スマホで完結する診察

SoiMe(ソイミー)は、スマートフォンで受診できるオンラインの心療内科です。予約から診察、お薬の受け取りまでを通院なしで進められるため、仕事の合間や自宅から相談できます。

初診から診断書の即日発行に対応/傷病手当金の申請サポート

休養が必要と医師が判断した場合、初診でも職場へ提出する診断書をその日のうちに発行できます。傷病手当金の申請もサポートしています。

予約から受け取りまでの4ステップ(LINE登録→日時選択→診察→お薬・診断書の受取)

  1. LINEで友だち登録をする
  2. 希望の日時を選んで予約する
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  4. お薬や診断書を受け取る(最短翌日配送)

利用前に確認しておきたいこと

オンライン診療では、対面での検査が必要な症状には対応できない場合があります。睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、検査を受けられる医療機関の受診が必要です。まずは相談し、必要に応じて診療科を案内してもらう使い方もできます。

※診断書の発行可否および発行時期は、医師の診察・判断によります。

中途覚醒に関するよくある質問

よく寄せられる質問をまとめます。

Q. 夜中に1回目が覚めるのは異常ですか?

A. 判断の基準は回数ではなく、その後すぐ眠りに戻れているか、日中に支障が出ていないかです。短時間で再入眠でき翌日に問題がなければ、経過をみてよい範囲です。

Q. 1〜2時間おきに目が覚めるのは病気ですか?

A. 眠りが浅くなるタイミングで目が覚めているだけのこともありますが、睡眠時無呼吸症候群や夜間頻尿、ストレスやうつ病が背景にあることもあります。日常生活に支障をきたしているなら、一度医療機関に相談してください。

Q. 毎晩同じ時間(夜中の2時や3時)に目が覚めるのはなぜですか?

A. 眠りのサイクルは毎晩ほぼ同じリズムで進むため、浅い眠りが訪れる時間帯に目が覚めやすくなります。寝酒をしている方は、アルコールの作用が切れるころに眠りが浅くなることもあります。尿意や心配ごとが重なっていないかも振り返りましょう。

Q. 中途覚醒は自然に治りますか?

A. 原因によります。一時的なストレスや環境の変化によるものなら、要因がなくなるとともに改善することがあります。一方、睡眠時無呼吸症候群やうつ病が背景にある場合は自然な改善は見込みにくく、治療が必要です。

Q. 睡眠薬を飲み始めたら、やめられなくなりませんか?

A. 症状が改善すれば、主治医と相談しながら減量や休薬を目指せます。自己判断で急にやめると離脱症状が出ることがあるため、医師と一緒に進めることが大切です。

Q. 何時間眠れていれば大丈夫ですか?

A. 必要な睡眠時間には個人差があり、厚生労働省は成人の目安を6時間以上としています。ただし睡眠時間が短いかどうかより、日中に強い眠気や疲労感がないかという「休養感」を重視しましょう。

まとめ|中途覚醒は「原因の切り分け」と「早めの相談」から

最後に、この記事の要点を整理します。

中途覚醒は加齢とともに増える一方、週3日以上・3か月近く続き、日中に支障が出ているなら治療を考えたいサインです。まずはセルフチェックで原因のタイプを切り分けましょう。

生活習慣が中心なら、寝酒とカフェインの見直し、起床時刻の固定、寝室環境の調整を2〜4週間続けてみてください。それでも変わらない場合や、いびき・気分の落ち込みがあれば、一人で抱え込まず早めに相談してください。

※診断書の発行可否および発行時期は、医師の診察・判断によります。

参考文献

当コラムの掲載記事に関するご注意点

1.

当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。

2.

当コラムにおいて、医療及び健康管理関連の資格を持った方による助言、評価等を掲載する場合がありますが、それらもあくまでその方個人の見解であり、前項同様に内容の正確性や有効性などについて保証できるものではありません。

3.

当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。

4.

前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は一切責任を負うものではありません。

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医師 河野 竜大の写真
監修医師 河野 竜大
専門領域:精神科 経歴:九州大学医学部卒。これまで精神科医として民間病院、公立病院、大学病院、クリニックなど複数の医療機関に勤務。 Soimeでのオンライン診療担当医師。
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