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ブスコパン錠(ブチルスコポラミン臭化物)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 大越 有紀
2021年10月30日
2021年10月30日
ブスコパン錠(ブチルスコポラミン臭化物)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
突然起こる「キューっ」とするようなみぞおち周辺のさし込むような痛みやキリキリとした胃の痛みを経験したことはありませんか? このような痛みは、強いストレスや緊張状態にあるときにみられます。
そんなときによく処方される薬の一つとしてブスコパン錠という薬があります。
今回は、ブスコパン錠(ブチルスコポラミン)について、詳しく解説します。

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ブスコパン錠(ブチルスコポラミン臭化物)とは

ブスコパン錠(ブチルスコポラミン臭化物)は、急に起こる胃痛や腹痛を改善する鎮痛鎮痙剤です。胃症状だけでなく、胆石症、尿路結石症、膀胱炎、月経困難症などによる疼痛緩和などにも使用する痙攣を和らげる効果もあります。

ブチルスコポラミン臭化物はドイツのベーリンガーインゲルハイム社において、1940 年代後半に合成・開発された鎮痙剤です。
国内では、田辺製薬株式会社(当時)が1955年3月に輸入承認を受け、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は1982年4月に輸入初認を受けました。2017年7月1日において、製造販売承認を日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社より承継し、現在はサノフィ株式会社が販売を行なっています。

錠剤の他の剤形として注射剤もある

ブスコパン錠10mgの他に、ブスコパン注20mgがあります。注射剤は、静脈内または皮下、筋肉内に注射します。
効能・効果としては錠剤とほば同じ(後述で記載)ですが、それに加えて下記の3つの用途があります。
・器具挿入による尿道・膀胱痙攣
・分娩時の子宮下部痙攣
・消化管のX線及び内視鏡検査の前処置
どちらの剤形が用いられるかは、用途や重症度により選択されます。

ブスコパン錠にはジェネリック医薬品が存在

また、ブスコパン錠にはジェネリック医薬品※が存在し、1種類2社より販売されています。
・ブチルスコポラミン臭化物錠10mg「ツルハラ」(日医工/鶴原製薬)

ジェネリック医薬品(後発医薬品)について

※ジェネリック医薬品…先発医薬品(ブスコパン錠)の販売特許が切れた後、同じ有効成分を主成分としている医薬品のことです。
先発医薬品において有効成分自体の有効性・安全性がすでに確認されているので、同じ有効成分の後発医薬品では有効成分の有効性・安全性に関する臨床試験を行う必要がありません。承認審査において厳格に審査され、先発医薬品との同一性が確認された後、厚生労働大臣が承認します。
先発医薬品より試験が少ない分、医薬品を安く提供することができます。

ブスコパン錠(ブチルスコポラミン臭化物)の成分について

自律神経は、身体が活発な状態のときに優位になる「交感神経」と交感神経とは逆の、身体がリラックスや休息しているときに優位になる「副交感神経」の2つからなっています。これら2つの神経がバランスをとることで、わたしたちの身体はコントロールされています。

ブスコパン錠は副交感神経を亢進させる「アセチルコリン」という神経伝達物質の働きを抑えることで、消化管の運動が亢進することに伴う痛みや痙攣、下痢などを抑える薬です。
「アセチルコリン」は副交感神経を活発にして消化管の運動などを亢進させる効果があります。
副交感神経が活発になると胃や腸などの痙攣・痛み、潰瘍や胃炎・腸炎の悪化などが起こりやすくなります。

また、アセチルコリンの働きを抑える作用を有することを「抗コリン作用」、
ブスコパン錠のように抗コリン作用を持つ薬のことを「抗コリン薬」といいます。

ブスコパン錠(ブチルスコポラミン臭化物)はどんな症状に効果がある?

ブスコパン錠は、下記の症状に効果があります。
(ブスコパン錠10mg 添付文書【効能又は効果】より抜粋)
胃・十二指腸潰瘍、食道痙攣、幽門痙攣、胃炎、腸炎、腸疝痛、
痙攣性便秘、機能性下痢、
胆のう・胆管炎、胆石症、胆道ジスキネジー、胆のう切除後の後遺症、
尿路結石症、膀胱炎、
月経困難症
上記疾患における痙攣並びに運動機能亢進

ブスコパン錠(ブチルスコポラミン臭化物)の用法・用量は?

(ブスコパン錠10mg 添付文書【用法及び用量】より抜粋)
用法・用量:通常、成人には1回1~2錠(ブチルスコポラミン臭化物として 10~20mg)を1日3~5回経口投与します。
なお、年齢、症状により適宜増減することができます。

ブスコパン錠(ブチルスコポラミン臭化物)の副作用

ブスコパン錠で以下のような副作用の報告があります。
【ブスコパン錠10mg (2)その他の副作用より抜粋】
・眼 0.1〜5%未満:調節障害|頻度不明:散瞳、閉塞隅角緑内障
・消化器 5%以上:口渇|0.1〜5%未満:腹部膨満感、鼓腸、便秘
・泌尿器 0.1〜5%未満:排尿障害
・精神神経系 0.1〜5%未満:頭痛、頭重感
・循環器 0.1〜5%未満:心悸亢進
・過敏症※ 0.1〜5%未満:発疹|頻度不明:蕁麻疹、紅斑、そう痒症
※このような症状があらわれた場合には、投与を中止してください。

ブスコパン錠に限らず、抗コリン薬の共通な副作用として、主に口渇、便秘、排尿障害(尿閉)、視力障害(眼圧上昇など)、心悸亢進が挙げられます。

また、ブスコパン錠の重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー様症状が報告されています(頻度不明)。
主な症状として、悪心・嘔吐、悪寒、皮膚蒼白、血圧低下、呼吸困難、気管支攣縮、浮腫、血管浮腫等などです。もし、このような症状があらわれた場合には、服用を中止し適切な処置を行なってください。

ブスコパン錠(ブチルスコポラミン臭化物)に関する注意点

下記の病気に当てはまる患者は服用できません。
1.出血性大腸炎 (腸管出血性大腸菌(O-157など)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢の人)
2.閉塞隅角緑内障
3.排尿障害がある前立腺肥大症
4.重篤な心疾患
5.麻痺性イレウス
理由として、すべてブスコパン錠を代表とする抗コリン薬に共通する内容です。
抗コリン作用により、以下のことが考えられます。
1は消化管運動を抑制するため、原因菌が体内に留まることで症状の悪化や治癒までの期間が延びてしまうおそれがあること
2は眼圧が上昇してしまうおそれがあること
3は尿閉など症状悪化のおそれがあること
4は心悸亢進作用で、心拍数増加などが起こる可能性があること
5は消化管運動を抑制し、症状を悪化するおそれがあること

次の患者は原則服用できませんが、特に必要と判断された場合にのみ慎重に服用します。
・細菌性下痢
こちらを患っている患者も、抗コリン作用による消化管運動抑制のため、細菌が体の中に留まってしまうために、治癒までの時間の延長が考えられます。

また、下記の薬と併用する際は注意が必要になります。
【抗コリン作用を有する薬剤】
・三環系抗うつ剤 例:トリプタノール(アミトリプチリン塩酸塩)
・フェノチアジン系抗精神病薬 例:ヒルナミン(レボメプロマジン)
・抗ヒスタミン剤 例:ポララミン(d-クロルファニラミンマレイン酸) など
ブスコパン錠も抗コリン作用を有するため、併用により両者の抗コリン作用が強まるおそれがあります。

【ドパミン拮抗剤(プリンペラン[メトクロプラミド]など)】
プリンペラン(メトクロプラミド)は吐き気止めとしてよく処方される薬です。
ブスコパン錠とは、相互に消化管における作用を減弱するおそれがあります。
ブスコパン錠は消化管運動を抑制するため、真逆の作用を持つプリンペランのようなドパミン拮抗剤の持つ消化管運動亢進作用と対立するため

ブスコパン錠を過量服用した場合

ブスコパンを過量投与した場合、抗コリン作用(口渇、眼の調節障害、せん妄、心悸亢進、血圧上昇など)を引き起こす可能性があります。症状により、適切な処置をしてもらうこと。

高齢者の服用について

高齢の男性の場合、排尿障害を伴う前立腺肥大に罹患している確率が高いので、注意が必要です。

妊婦・授乳婦の服用について

妊娠中の服用に関する安全性は確立していないため、妊婦または妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用することとします。
動物(ラット、ウサギ)を用いた胎児への影響の試験では、ブスコパン錠が原因となる奇形などの異常はみられなかったとの報告があがっています。
(ブスコパン錠10mg インタビューフォームp.27)

ブスコパン錠(ブチルスコポラミン臭化物)と同じ成分の市販薬はある?

ブスコパンと同じ成分の市販薬は、以下のものが販売されています。

有効成分がブチルスコポラミン臭化物のみ

ブスコパン錠と同じく、いずれも有効成分としてブチルスコポラミン臭化物10mgのみの市販薬です。
・「ブスコパンA錠」(販売元:エスエス製薬)
・「ブチスコミン」(販売元:佐藤製薬)
・「ストマオフ糖衣錠」(販売元:ゼリア新薬)
効果・効能:胃痛、腹痛、さしこみ(疝痛、癪)、胃酸過多、胸やけ
ブスコパン錠と同じく、いずれも有効成分としてブチルスコポラミン臭化物10mgのみとなります。

胃酸中和・胃粘膜保護剤との合剤

胃散の中和をし、胃粘膜を保護するメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含むブチルスコポラミンが配合された薬です。
・「ブスコパンMカプセル」(販売元:エスエス製薬)
・「エスナールMカプセル」(製造販売元:小林薬品工業)
・「イノキュアS」(製造販売元:小林薬品工業)
効果・効能:胃痛、腹痛、さしこみ(疝痛、癪)、胃酸過多、胸やけ
いずれも有効成分は、ブチルスコポラミン臭化物10mg、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム135mgの2つが入っています。
効果・効能:胃痛、腹痛、さしこみ(疝痛、癪)、胃酸過多、胸やけ

メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、制酸作用を有し、過剰の胃酸を中和するので、胃酸過多症や胸やけに用いられます。また、胃粘膜の炎症面を保護し、吸着作用も持ち合わせています。
医療用医薬品では、キャベジンUコーワ配合散(興和)やS・M配合散(アルフレッサ ファーマ)、KM散(東和薬品)などの消化剤を中心に配合されています。
また、添加物としても広く使われ、医療用医薬品で数多くの薬に用いられています。用途としては、安定化剤,滑沢剤,吸着剤,結合剤,懸濁化剤,コーティング剤,湿潤調整剤,賦形剤,崩壊剤,分散剤など多岐にわたります。

生理痛に|鎮痛剤イブプロフェンとの合剤

また、鎮痛剤とブチルスコポラミンが配合された薬です。
・「エルペインコーワ」(製造販売元:興和株式会社)
効果・効能:生理痛(主に軟便を伴う下腹部の痛みがある場合)
有効成分としてイブプロフェン150mg、ブチルスコポラミン臭化物10mgの2つが入っています。

いずれの薬も5〜6回服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、薬の説明書を持って医師、薬剤師または登録販売者に相談しましょう。
参考資料
ブスコパン錠10mg|添付文書. 2019年7月改訂 (第9版)
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/780069_1242002F1330_2_02#CONTRAINDICATIONS
ブスコパン錠10mg|医薬品インタビューフォーム. 2019 年7 月 (改訂第6版)
https://www.info.pmda.go.jp/go/interview/2/780069_1242002F1330_2_003_1F.pdf
ブスコパン錠(ブチルスコポラミン臭化物)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
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監修薬剤師 大越 有紀
調剤併設ドラッグストアや調剤薬局にて15年以上保険薬剤師として勤務。 患者様の心に寄り添う投薬を心掛けています。 また、医療・薬や育児に関する記事を中心に執筆しています。 恐竜大好きわんぱく男の子を育てる未婚のシングルマザーで育児奮闘中。

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