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マグミット錠(酸化マグネシウム)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 小村 稜
2021年07月31日
マグミット錠(酸化マグネシウム)の医薬品として歴史は古く、日本においても昭和25年に日本薬局方へ収載されて以降、50年以上にわたり制酸・緩下剤として長く使用されてきました。

酸化マグネシウムを主成分とする医薬品は、医療用医薬品としてだけでなく市販薬としても購入することができます。比較的副作用が少なく安全なイメージが強い製剤ですが、2008年に重大な副作用に「高マグネシウム血症」が追記され、その後も厚生労働省より適正使用についての注意喚起が発出されています。

発症することはまれですが、お薬の効果を十分に得て副作用の発症を防止するためには、お薬への理解が大切です。ここでは、マグミット錠を正しく服用するためにマグミット錠に含まれる成分や効果、副作用について詳しく解説していきます。

マグミット錠(酸化マグネシウム)とは

マグミット錠は胃酸の分泌を抑える制酸剤や大腸の水分バランスを整えることで便秘を緩やかに改善する下剤として用いられるお薬です。また、尿路蓚酸(しゅうさん)カルシウム結石の発生予防への適応もあります。

医薬品としての歴史は古く、比較的安全なお薬として長く使用されてきました。しかし、2008年9月「高マグネシウム血症」が重大な副作用に追記され、重篤な転帰をたどる症例(死亡または死亡のおそれ)が報告されています。

これに伴い、マグミット錠を含む酸化マグネシウム製剤の製造販売会社より「高マグネシウム血症」の早期発見のため初期症状を啓蒙する「酸化マグネシウム製剤を服用中の患者さん・ご家族の方へ」が作成されています。

マグミット錠(酸化マグネシウム)の成分について

マグミット錠の成分は酸化マグネシウム(MgO)です。酸化マグネシウムは口から入り、胃や腸などの消化管を通過する際にその構造を換えていくことで制酸作用、便秘症の改善作用や結石の予防作用を示します。

マグミット錠(酸化マグネシウム)はどんな症状に効果がある?

ここでは、マグミット錠の3つの効果・効能(制酸作用による胃腸症状の改善、便秘症の改善、尿路結石の予防)について見ていきましょう。

制酸作用による胃腸症状の改善

マグミット錠(酸化マグネシウム)の効果の一つに胃・十二指腸潰瘍、胃炎、上部消化管機能異常における胃腸症状の改善があります。胃の中は、胃酸と呼ばれる強い酸性の液体の働きによって、口から食べ物と一緒に入ってきた細菌を殺菌することができます。

しかし、ストレスや生活習慣の乱れなど様々な原因がきっかけで胃酸が過剰に作られると、胃粘液が胃粘膜を保護しきれずに胃の内側が傷つき、胃・十二指腸潰瘍、胃炎になり胃痛などの胃腸症状がでてきます。マグミット錠は、胃酸の本体である塩酸と反応し、塩酸を中和することで胃酸の働きを弱めて胃腸障害の改善効果を示します。

便秘症の改善

マグミット錠(酸化マグネシウム)は、穏やかに便秘の症状を改善する緩下剤で塩類下剤に分類されます。胃を通過する時に胃液中の塩酸と反応した酸化マグネシムは塩化マグネシウムへと形を変えます。

その後、塩化マグネシウムは十二指腸や腸で炭酸水素ナトリウムや塩化ナトリウムと反応することで、重炭酸マグネシウムや炭酸マグネシウムへとさらに形が変換されます。重炭酸マグネシウムや炭酸マグネシウムは腸では吸収されづらく腸内の浸透圧が高くなります。腸内の浸透圧が高くなると腸内の水分量は増え便は柔らかくなり便秘を改善します。

尿路蓚酸(しゅうさん)カルシウム結石の予防

マグミット錠(酸化マグネシウム)は、腸からの蓚酸(しゅうさん)の吸収を抑制します。また、尿中ではマグネシウムがカルシウムと競合し比較的水にとけやすい蓚酸との複合体(蓚酸マグネシウム)を形成することで、水に溶けづらい蓚酸カルシウムの生成を抑制します。

酸化マグネシウムは、これらの作用により尿路蓚酸カルシウム結石の予防に効果があるとされています。

マグミット錠(酸化マグネシウム)の用法・用量は?

マグミット錠は、3つの効能・効果(制酸作用、便秘症の改善、尿路結石の予防)で用法・用量が異なります。それぞれの効能・効果における用法・用量について添付文書の記載内容をご紹介します。

① 制酸作用による胃腸障害の改善:酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.5〜1.0gを数回に分割経口投与する。
② 便秘症の改善:酸化マグネシウムとして、通常成人1日2gを食前または食後の3回に分割経口投与するか、または就寝前に1回投与する。
③ 尿路蓚酸カルシウム結石の予防:酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.2〜0.6gを多量の水とともに経口投与する。

なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。とされています。

マグミット錠(酸化マグネシウム)の副作用

マグミット錠の副作用には、下痢や血清マグネシウムの上昇があります。また、2008年9月に追記された重大な副作用として「高マグネシウム血症」があり、厚生労働省より適正使用が喚起されています。

マグミット錠(酸化マグネシウム)に関する注意点

マグミット錠を服用する上で特に注意すべき点は、「高マグネシウム血症」の発症・重篤化の防止です。マグミット錠を含む酸化マグネシウム製剤の服用により、高マグネシウム血症を発症し、意識消失や死亡に至ってしまう事例が報告されています。特に長期に服用している方、高齢者や腎機能障害を有する方は注意が必要となります。
高マグネシウム血症
高マグネシウム血症とは、血清マグネシウム値がある一定濃度以上に上昇することで悪心・嘔吐、血圧低下、徐脈、意識障害、呼吸抑制などの症状が現れます。高マグネシウム血症の発症や重篤化を防止し、早期発見するために下記の3つの点が重要となります。

・必要最小限の使用に控える。
・定期的な血清マグネシウム値を測定する。
・高マグネシウム血症の症状が現れた場合は、服用を中止し直ちに医療機関を受診する。

高マグネシウム血症の初期症状としては、吐き気、めまい、脱力感、だるさ、眠気でぼんやりするなどが挙げられます。

マグミット錠(酸化マグネシウム)と同じ成分の市販薬はある?

マグミット錠は医療用医薬品であるためドラックストアや薬局では購入することはできませんが、マグミット錠に含まれる酸化マグネシムを主成分とした市販薬はいくつかの製薬メーカーから販売されています。

・酸化マグネシウムE便秘薬(健栄製薬)
・スルーラックマグネシウム(エスエス製薬)
・コーラックMg(大正製薬)

上記の市販薬は第3類医薬品に分類されており、お近くの薬局・ドラックストアだけでなくインターネット販売や通信販売でも購入する事ができます。

ただし、医療用医薬品のマグミット錠(酸化マグネシウム)と酸化マグネシムを主成分とした市販薬では効果・効能や用法用量に違いがありますので注意して下さい。

ここでは、マグミット錠と酸化マグネシウムE便秘薬を比較して効果・効能や用法用量に違いについて見てみましょう。

[効能・効果]

マグミット錠
① 下記疾患における制酸作用と症状の改善:
胃・十二指腸潰瘍、胃炎(急・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)、上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)
② 便秘症
③ 尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防

酸化マグネシウムE便秘薬
① 便秘
② 便秘に伴う次の症状の緩和:頭重,のぼせ,肌あれ,吹出物,食欲不振(食欲減退),腹部膨満,腸内異常醗酵,痔

効能・効果における大きな違いは、マグミット錠では3つの効果・効能(便秘症の改善、制酸作用による胃腸症状の改善、尿路結石の予防)が認めれていますが、酸化マグネシウムE便秘薬では便秘に関する効能しか認められていません。

*今回ご紹介した他の市販薬においても、適応症は便秘とそれに伴う症状の改善のみになっています。

[用法・用量]

マグミット錠
① 制酸作用による胃腸障害の改善:酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.5〜1.0gを数回に分割経口投与する。
② 便秘症の改善:酸化マグネシウムとして、通常成人1日2gを食前または食後の3回に分割経口投与するか、または就寝前に1回投与する。
③ 尿路蓚酸カルシウム結石の予防:酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.2〜0.6gを多量の水とともに経口投与する。

酸化マグネシウムE便秘薬
次の量を就寝前(又は空腹時)に水又はぬるま湯で服用してください。

年齢:1回量:1日服用回数(6錠中に酸化マグネシウム2000mgを含有)
・大人(15歳以上):3~6錠:1回
・11歳以上15歳未満:2~4錠:1回
・7歳以上11歳未満:2~3錠:1回
・5歳以上7歳未満:1~2錠:1回
・5歳未満:服用しないでください

ただし,初回は最小量を用い,便通の具合や状態をみながら少しずつ増量又は減量してください。

マグミット錠では食前または食後の3回に分割経口投与するか、または就寝前に1回投与となっていますが、酸化マグネシウムE便秘薬では就寝前(又は空腹時)となっています。

同じ成分を含む医薬品であっても、医療用医薬品と市販薬とでは認めれている効果・効能が異なり、また、用法・用量も異なります。

酸化マグネシウムを主成分とする市販の製剤は、便秘および便秘に伴う諸症状の緩和を目的としています。適正な用量を服用しても便秘改善の効果を実感できない場合や医療用医薬品であるマグミット錠を胃腸症状の改善や結石の予防を目的で処方されていた方は、医療機関への受診をオススメします。

参考資料
マグミット錠250mg/ マグミット錠330mg/ マグミット錠500mg
酸化マグネシウム製剤 適正使用に関するお願い ―高マグネシウム血症―
酸化マグネシウムE便秘薬|健栄製薬 | 便秘は医薬品で解決しましょう
便秘 にはコーラックMg
便秘の悩み、改善へ スルーラック【エスエス製薬】
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監修薬剤師 小村 稜
医療編集プロダクションMEDW代表
Webディレクター / 薬剤師

今後の医療に変化をもたらすために、デジタルチーム医療を発足。
「メディアから医療を支える」をミッションに活動している
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