お役立ちコラム

うつ病は、自分で気づくことができる?初期症状のサインや対処法も解説【セルフチェック付き】

更新日:2025年02月2日

更新日:2025年02月2日

うつ病は、自分で気づくことができる?初期症状のサインや対処法も解説【セルフチェック付き】のイメージ

通院ゼロでスマホで完結!

オンライン心療内科『メンクリ』
初診から・即日・診断書発行OK

「心が疲れているかも」と感じたらご相談ください
オンライン心療内科メンクリ
メンクリが選ばれる3つの理由
1
最短今日診察・平日0時まで受付
2
初診から診断書即日発行可能
3
女性医師在籍・うつ・適応障害に対応
✨24時間オンライン診療予約受付中✨

うつ病は、誰にでも起こりうる心の病気です。気分が落ち込む、やる気が出ないといった精神的な症状だけでなく、体のだるさや睡眠の問題など、さまざまな形で現れることがあります。これらの症状に早い段階で気づき、適切な対処をすることは、回復への重要な第一歩となります。この記事では、うつ病になりかけの段階で自分自身が気づくためのサインやセルフチェックの方法について解説します。ご自身の心や体の変化に目を向け、もし気になるサインがあれば、早期の相談につなげるための一助となれば幸いです。

うつ病に自分で気づくことは可能か?

うつ病は、脳の機能障害やストレス、環境要因など様々な要素が複雑に絡み合って発症すると考えられています。初期のうつ病は、単なる疲労や一時的な気分の落ち込みと区別がつきにくく、「いつもの自分と少し違うかな?」と感じる程度の些細な変化から始まることが少なくありません。この段階では、「気のせいだろう」「もう少し頑張れば乗り越えられる」と考えてしまい、病気のサインだと気づきにくい場合があります。

しかし、うつ病のサインは、体の不調や行動の変化として現れることも多く、これまでの自分自身の状態と比較することで、異常に気づくことは十分に可能です。例えば、以前は好きだった趣味に全く興味が持てなくなった、毎日の身だしなみに気を配るのが億劫になった、といった変化は、本人でなければ気づきにくいサインかもしれません。

自分自身でうつ病のサインに気づくことの最大のメリットは、早期に専門家へ相談できる可能性が高まることです。うつ病は早期発見・早期治療によって回復が早まると言われています。自分の心と体からのメッセージを見逃さず、変化に敏感になることが、病気の進行を防ぎ、早期回復へとつながる鍵となります。

もちろん、自分自身で「これはうつ病のサインだ」と断定することはできませんし、自己診断は危険を伴います。しかし、「もしかしたら…」と気づくことが、医療機関への相談という次のステップを踏み出す重要なきっかけとなるのです。

うつ病の初期症状・なりかけのサイン

うつ病のサインは多岐にわたり、人によって現れ方も異なります。ここでは、うつ病のなりかけの段階で気づきやすいいくつかのサインを、精神面、身体面、行動面に分けて詳しく解説します。ご自身の最近の状態と照らし合わせながら読んでみてください。ただし、ここで挙げるサインが全ての人に当てはまるわけではなく、またこれらのサインがあるからといって必ずしもうつ病であるとは限りません。サインの組み合わせ程度、そして持続期間(一般的に2週間以上続く場合に注意が必要と言われます [10])が重要となります。

精神面のサイン

うつ病の最も中心的な症状は、気分の落ち込みです。しかし、初期段階では「単に憂鬱なだけ」「なんとなく元気がない」と感じる程度かもしれません。

気分が落ち込む、憂鬱な気分が続く: 「楽しい」と感じることが減り、気分が重く、晴れない状態が続きます。以前は乗り越えられたような小さな問題でも深く悩んでしまったり、将来に対して悲観的になったりします。単なる一時的な落ち込みとは異なり、数日ではなく、数週間、数ヶ月と持続するのが特徴です。朝に気分が最も悪く、午後から夕方にかけて少し改善するという日内変動が見られることもあります。

興味や喜びを感じなくなる(意欲・関心の低下): 以前は好きだった趣味や活動、仕事や人付き合いに対しても、全く関心が持てなくなります。何を見ても、何をしても面白くなく、心から楽しむことができません。テレビを見たり、好きな音楽を聴いたりすることすら億劫に感じることがあります。これは、うつ病による脳の特定の機能低下が関係していると考えられています。

集中力や判断力の低下: 物事に集中することが難しくなります。仕事や勉強の効率が著しく落ちたり、簡単な計算ミスが増えたりします。新聞や本の文章を読んでも頭に入ってこない、人の話が理解できない、といったことも起こり得ます。些細なことでも自分で決断することが難しくなり、優柔不断になります。これは、思考力が低下しているサインです。

自分を責める気持ち、無価値感: 自分に自信が持てなくなり、「自分はダメな人間だ」「何もできない」と強く感じるようになります。過去の失敗や後悔ばかりを考え、自分自身を厳しく責めます。周囲の人に対して申し訳ないという気持ちが強くなることもあります。これは、うつ病による認知の歪みの一つと考えられています。

些細なことでイライラする、怒りっぽくなる: 気分の落ち込みだけでなく、感情のコントロールが難しくなり、以前は気にならなかったことでも過剰に反応して怒りや苛立ちを感じやすくなることがあります。これは、特に男性や高齢者のうつ病で見られることがあります。

不安感、焦燥感:漠然とした不安感や、何かに駆り立てられるような落ち着きのなさ(焦燥感)を感じることがあります。じっとしていられず、そわそわしたり、うろうろしたりすることもあります。

思考がまとまらない、考えが堂々巡りする: 頭の中が混乱しているように感じたり、一つのことを繰り返し考え続けてしまったりします。考えを整理したり、結論を出したりすることが難しくなります。

感情の鈍化: 気分の落ち込みが極度に進行すると、喜びや悲しみといった感情自体が感じられなくなることがあります。「何も感じない」という状態になり、これは「感情の麻痺」とも表現されます。

これらの精神面のサインは、多くの場合、うつ病の初期段階から現れ、自分自身で気づきやすい変化と言えます。

身体面のサイン

うつ病は心の病気ですが、脳と体は密接に関係しているため、様々な身体症状が現れることも特徴です。検査を受けても異常が見つからないことが多いのが、うつ病による身体症状の特徴です。

睡眠障害: うつ病の初期から多くの人が経験するサインです。最も多いのは、寝付けない(入眠困難)夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)といった不眠のパターンです。特に早朝覚醒は、うつ病に比較的特徴的なサインと言われています。一方で、一日中眠気が取れず、寝すぎる(過眠)というパターンで現れる人もいます。睡眠時間は十分なのに、全く熟睡感がないというケースもあります。これらの睡眠の問題は、心身の疲労を蓄積させ、うつ病をさらに悪化させる可能性があります。

食欲の変化: 食欲が著しく低下し、食事量が減って体重が減る人が多いですが、逆にストレスから過食になり、体重が増える人もいます。食事の準備や片付けが億劫になり、食事が不規則になることもあります。

倦怠感、疲労感: 十分に休息を取っても、体の疲れが取れない、体が重く感じるといった強い倦怠感や疲労感が続きます。朝起き上がるのが辛く、日中もだるさを感じて横になっていたいと思うことがあります。

様々な身体の痛みや不調: 頭痛、肩こり、腰痛、関節痛、胃の不調、吐き気、便秘や下痢といった腹部の症状など、様々な体の痛みや不調が現れることがあります。これらの症状は、他の病気と間違えられやすく、内科などで検査を受けても原因が特定できないことが多いです。このような「原因不明の身体症状」が続く場合、うつ病の可能性も考える必要があります(これを「仮面うつ病」と呼ぶこともあります)。

めまい、動悸、息苦しさ: 特に不安感が強い場合に、自律神経の乱れから、めまいや立ちくらみ、心臓がドキドキする(動悸)、息が詰まるような感じ(息苦しさ)といった症状が現れることがあります。

性欲の低下: 性的な欲求がなくなったり、興味が失われたりすることがあります。

これらの身体症状は、心の不調が体にも影響を及ぼしているサインです。多くの人が、最初に身体の不調で内科などを受診し、検査で異常がないと言われた後に精神科や心療内科を受診するという経過をたどることがあります。

行動面のサイン

うつ病は、その人の普段の行動パターンにも変化をもたらします。これらの行動の変化は、本人よりも周囲の人が気づきやすい場合もありますが、自分自身の行動を客観的に振り返ることで気づくことも可能です。

引きこもりがちになる、人付き合いを避けるようになる: 外出がおっくうになり、家に閉じこもりがちになります。友人からの誘いを断るようになり、人との交流を避けるようになります。これは、気分の落ち込みや疲労感、人に会うことへの億劫さから起こります。

身だしなみに気を配らなくなる: 普段は清潔にしていた人が、お風呂に入らなかったり、着替えをしなくなったりと、身だしなみに無関心になることがあります。これは、意欲の低下や、自分自身への関心が失われているサインです。

趣味や好きだったことへの関心がなくなる: 前述の「興味や喜びを感じなくなる」に関連して、以前は熱心に取り組んでいた趣味や楽しみに全く手を出さなくなります。

仕事や家事の効率が著しく低下する、ミスが増える: 集中力の低下や思考力の低下から、仕事や家事の効率が落ち、以前はしなかったようなミスを繰り返すようになります。締め切りを守れなくなったり、作業が全く手につかなくなったりすることもあります。

理由もなく涙が出やすくなる: 特に女性に見られることが多いですが、悲しいわけではないのに、突然涙が出てくることがあります。感情のコントロールが難しくなっているサインです。

お酒やタバコの量が増える: 気分の落ち込みや不安を紛らわせるために、お酒やタバコの量が増えることがあります。これは一時的な気晴らしにはなるかもしれませんが、うつ病そのものを悪化させる可能性があるので注意が必要です。

同じことを繰り返し尋ねる: 集中力や記憶力の低下から、同じことを何度も尋ねたり、指示された内容をすぐに忘れてしまったりすることがあります。

落ち着きがなくなり、そわそわする: 特に「焦燥性うつ病」と呼ばれるタイプでは、じっとしていられず、手足をもじもじさせたり、うろうろしたりといった落ち着きのなさが目立つことがあります。

会話が減る、声が小さくなる: 人と話すのが億劫になり、会話が一方的になったり、質問に対して短く答えたりするだけになったりします。声も小さく、活気がなくなります。

これらのサインは、うつ病による心身の不調が行動に現れたものです。自分自身の最近の行動パターンを客観的に振り返り、以前との違いがないか注意深く観察することが大切です。

自分でできるうつ病セルフチェック

うつ病のサインに気づくための手助けとして、いくつかのセルフチェックリストが開発されています。これらのチェックリストは、ご自身の現在の状態を客観的に評価するための一つの目安となります。ここでは、一般的なセルフチェックリストを表形式でご紹介します。

【うつ病のサイン セルフチェックリスト】

過去2週間のあなたの状態について、最も近いものを選んでチェックしてください。

項目 全くない (0点) 数日 (1点) 週の半分以上 (2点) ほとんど毎日 (3点)
1. 物事に対して興味を持てない、あるいは楽しめない。
2. 気分が落ち込んでいるか、憂鬱か、あるいは絶望的な気持ちになっている。
3. 寝付きが悪い、夜中に目が覚める、あるいは早朝に目が覚めるなど、眠りに問題がある。または、寝すぎる。
4. 疲れている、あるいは気力がないと感じる。
5. 食欲がない、あるいは食べすぎるなど、食欲に変化がある。
6. 自分はダメな人間だと思ったり、自分を責めたり、あるいは自己嫌悪に陥ったりしている。
7. 物事に集中できない(読書、テレビ、会話など)、あるいは決断できない。
8. いつもよりも落ち着きがない、あるいは逆に動きが非常にゆっくりになっていると、人から言われたり、自分でもそう感じる。
9. 死んだ方がましだと思ったり、自分を傷つけようと考えたりしている。
合計点

【セルフチェックの結果について】

上記のチェックリストは、国際的に広く使用されている質問票(例:PHQ-9など)を参考に作成しています。合計点によって、うつ病の可能性や重症度の目安を知ることができます。

  • 合計点0-4点: うつ病の可能性は低いと考えられますが、気になる症状が続く場合は注意が必要です。
  • 合計点5-9点: 軽度のうつ病の可能性が考えられます。専門家への相談を検討してみましょう。
  • 合計点10-14点: 中程度のうつ病の可能性が考えられます。専門家への相談を強くお勧めします。
  • 合計点15点以上: 中等度から重度のうつ病の可能性が考えられます。速やかに専門家へ相談してください。特に項目9にチェックが入った場合は、合計点に関わらず、すぐに専門家や信頼できる人に相談することが非常に重要です。

【セルフチェックの注意点】

このセルフチェックは、あくまでご自身の状態を把握するための一つのツールであり、うつ病の診断を行うものではありません。チェックリストで点数が高かったとしても、必ずしもうつ病であるとは限りませんし、逆に点数が低くても、他の気になるサインがある場合は注意が必要です。

最も重要なのは、このチェックリストの結果だけで自己判断せず、気になるサインや状態が続いている場合は、必ず医療機関の専門家(精神科医や心療内科医など)に相談することです。専門家は、あなたの症状を総合的に評価し、適切な診断と治療法を提案してくれます。

もしうつ病のサインに気づいたら

セルフチェックの結果が高かった、あるいはチェックリストに関わらず気になるサインが続いている、という場合は、一人で抱え込まず、次の一歩を踏み出すことが大切です。うつ病は早期に対処することで、回復への道が開けます。

医療機関への相談を検討する重要性

うつ病かもしれない、と感じたら、最も重要なのは専門家である医療機関に相談することです。なぜなら、

  • 正確な診断が受けられる: セルフチェックはあくまで目安です。うつ病の診断は、医師があなたの症状や状況を詳しく聞き、医学的な観点から総合的に判断して行います。他の病気が原因である可能性を除外することも重要です。
  • 適切な治療法が見つかる: うつ病の治療には、薬物療法、精神療法(カウンセリングなど)、休養など、様々な方法があります。あなたの症状や状態に合った、最も効果的な治療法を専門家が提案してくれます。
  • 回復までの道のりをサポートしてくれる: うつ病の回復には時間がかかることもあります。専門家は、治療の進捗を見守り、適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。一人で抱え込むよりも、専門家のサポートを受けることで、より安心して回復を目指すことができます。
  • 重症化を防げる: 初期段階で相談し、適切な治療を開始することで、症状が重くなることを防ぎ、回復までの期間を短縮できる可能性があります。

受診をためらう気持ちがあるかもしれません。「まだそこまでではない」「大げさだと思われるのではないか」「どう話せばいいか分からない」といった不安を感じる人もいます。しかし、医療機関はあなたの味方です。症状が軽いうちに相談することで、早い段階で適切なサポートを受けられます。まずは「話を聞いてもらうだけ」という気持ちで受診してみるのも良いでしょう。

相談先としては、精神科や心療内科が専門となります。迷う場合は、かかりつけの内科医に相談したり、地域の精神保健福祉センターや保健所などに問い合わせてみたりするのも良い方法です。

専門家(精神科・心療内科)を選ぶポイント

うつ病の相談先として、主に精神科と心療内科があります。どちらを受診すべきか迷う人も多いかもしれません。

  • 精神科: 気分障害(うつ病、双極性障害など)、統合失調症、不安障害、発達障害など、心の病気そのものを専門としています。主に、脳の機能的な問題や精神的な問題が原因と考えられる疾患を扱います。
  • 心療内科: ストレスなど心理的な要因が原因となって身体に症状が現れる病気、いわゆる心身症(過敏性腸症候群、胃潰瘍、偏頭痛、慢性的な痛み、高血圧など)を専門としています。

うつ病の場合、精神症状が強い場合は精神科を、胃痛や頭痛、倦怠感といった身体症状が前面に出ている場合は心療内科を選ぶ人が多い傾向があります。しかし、実際には多くの精神科や心療内科でうつ病の診療を行っており、どちらを受診しても適切な治療を受けられることが多いです。迷う場合は、ご自身の主な症状に合わせて選んだり、インターネットでクリニックの情報を調べたり、地域の相談窓口に相談してみるのも良いでしょう。

クリニックを選ぶ際には、以下の点を参考にすると良いでしょう。

  • 通いやすさ: 定期的な通院が必要になることもあるため、自宅や職場から通いやすい場所にあるか確認しましょう。
  • 医師との相性: 医師との信頼関係は治療を進める上で非常に重要です。初診で「この先生とは話しやすいな」と感じるかどうかも大切なポイントです。
  • 予約の取りやすさ: 人気のクリニックは予約が取りにくいこともあります。継続して通院できるか確認しましょう。
  • クリニックの雰囲気: ホームページなどでクリニックの雰囲気や診療方針を確認してみましょう。
  • 口コミや評判: 実際に受診した人の口コミや評判も参考になりますが、あくまで個人の感想であることを理解しておきましょう。

初診では、医師があなたの症状や現在の状況、これまでの経過、家族歴などを詳しく聞き取ります。正直に、感じていることや困っていることを話すことが大切です。話したいことをあらかじめメモしていくと、伝え漏れを防ぐことができます。

周囲の人がうつ病のサインに気づくには?

うつ病の初期段階では、本人でさえ病気のサインだと気づかないことがあります。しかし、家族や友人、職場の同僚など、普段から関わりのある周囲の人が、本人の些細な変化に気づくことがあります。周囲の気づきは、本人が医療機関へ相談するきっかけとなることも少なくありません。

周囲の人が気づきやすいうつ病のサインとしては、以下のようなものがあります。

  • 以前と違う言動: 表情が暗くなった、口数が減った、以前は明るかった人が笑わなくなった、些細なことで怒りっぽくなったなど。
  • 外見の変化: 身だしなみに気を配らなくなった、やつれた、顔色が悪いなど。
  • 生活リズムの変化: 睡眠時間が極端に長くなった、あるいは短くなった、夜更かしが続いているなど。
  • 行動の変化: 好きだったことに関心を示さなくなった、誘いを断るようになった、家に閉じこもりがちになった、遅刻や欠勤が増えた、仕事や家事の効率が落ちたなど。
  • 身体の不調の訴え: 「疲れた」「だるい」「眠れない」「頭が痛い」など、体の不調を訴えることが増えた。

もし、周囲の人のこのような変化に気づいたら、優しく声をかけてみることが大切です。ただし、声かけにはいくつかの注意点があります。

  • 無理に励まさない: 「頑張って」「元気出して」といった励ましは、本人にとってプレッシャーになったり、「頑張れない自分はダメだ」と自己嫌悪を深めたりする原因になることがあります。「休んでいいんだよ」「無理しないで」といった、本人のペースを尊重する言葉を選びましょう。
  • 話をしっかり聞く: 本人が話したい場合は、批判せず、ただ耳を傾けることに徹しましょう。アドバイスをするのではなく、共感的な姿勢で聞くことが大切です。話したがらない場合は、無理強いせず、見守る姿勢を示しましょう。
  • 専門家への相談を勧める: 「最近少し疲れているみたいだから、一度専門家に相談してみたらどうかな?」などと、受診を優しく勧めてみましょう。強制するのではなく、あくまで提案として伝えます。一緒に病院について調べてみる、予約を手伝うなどのサポートも有効です。
  • 危険なサインに注意する: 「死にたい」「消えたい」といった言葉や、身辺整理をするような行動が見られた場合は、非常に危険なサインです。一刻も早く専門家や信頼できる人に相談し、一人にしないようにすることが重要です。必要であれば、救急車を呼ぶ、精神科救急システムを利用するなど、緊急性の高い対応も検討します。

職場の場合、産業医や産業保健スタッフ、信頼できる上司などに相談することで、本人へのサポート体制を整えることができる場合があります。

うつ病についてよくある質問

うつ病やそのサインについて、よくある質問とその回答をまとめました。

Q1: うつ病は甘えや気の持ちようですか?

A1: いいえ、うつ病は精神的な弱さや甘えからくるものではありません。脳の機能障害や様々な要因が複雑に絡み合って発症する病気です。本人の意思で治せるものではなく、適切な治療が必要です。

Q2: ストレスが原因でうつ病になりますか?

A2: ストレスはうつ病の大きな引き金の一つとなることがありますが、原因はそれだけではありません。生まれ持った体質、性格、環境の変化、身体の病気など、様々な要因が組み合わさって発症します。ストレス耐性には個人差があります。

Q3: うつ病は治りますか?

A3: はい、適切な治療を受ければ、症状は改善し、回復する可能性は十分にあります。治療には時間がかかることもありますが、焦らず、専門家と一緒に根気強く取り組むことが大切です。回復後も、再発予防のために治療を継続したり、ストレスマネジメントを学ぶことが重要となる場合もあります。

Q4: 身体の不調だけでもうつ病のことがありますか?

A4: はい、あります。気分の落ち込みや意欲の低下といった精神症状よりも、頭痛、めまい、倦怠感、胃の不調などの身体症状が前面に出るタイプのうつ病もあります。これを「仮面うつ病」と呼ぶことがあります。原因不明の身体症状が続く場合は、うつ病の可能性も考慮して、精神科や心療内科に相談することが勧められます。

Q5: うつ病と間違えやすい病気はありますか?

A5: はい、いくつかあります。例えば、双極性障害(躁うつ病)のうつ状態、適応障害、パニック障害、不安障害、更年期障害、甲状腺機能低下症など、うつ病と似た症状が現れる病気は少なくありません。正確な診断のためには、専門家による詳細な診察が必要です。

まとめと早期相談の重要性

うつ病は、誰にでも起こりうる心の病気であり、決して特別なことではありません。もし、この記事で解説したようなサインに気づき、普段の自分と違うと感じることがあれば、それはあなたの心や体が休息や助けを求めているサインかもしれません。

  • うつ病のサインは、精神面、身体面、行動面など多岐にわたります。 気分の落ち込みや意欲の低下だけでなく、睡眠障害、食欲の変化、体の痛み、引きこもりなど、様々な形で現れます。
  • 自分自身の変化に気づくことが、早期発見・早期治療の第一歩です。 セルフチェックリストは一つの目安となりますが、最も大切なのはご自身の感覚を信じ、気になるサインを見過ごさないことです。
  • もしサインに気づいたら、一人で抱え込まず、専門家である医療機関(精神科や心療内科)に相談することを検討してください。 早期相談は、回復を早め、重症化を防ぐことにつながります。
  • 周囲の人の気づきも重要です。 もし身近な人の変化に気づいたら、優しく声をかけ、専門家への相談を勧めるなどのサポートを検討しましょう。

うつ病のサインに気づき、医療機関に相談することは、決して「弱い」ことではありません。むしろ、それはご自身の心と体を大切にし、より健康な状態を目指すための、勇気ある行動です。

もし、この記事を読んで「もしかしたら…」と感じた方は、まずは信頼できる人に話を聞いてもらったり、地域の相談窓口に連絡してみたり、あるいは思い切って精神科や心療内科を受診してみることを強くお勧めします。一歩踏み出すことで、きっと新しい道が開けるはずです。

当コラムの掲載記事に関するご注意点

  • 当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
  • 当コラムにおいて、医療及び健康管理関連の資格を持った方による助言、評価等を掲載する場合がありますが、それらもあくまでその方個人の見解であり、前項同様に内容の正確性や有効性などについて保証できるものではありません。
  • 当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。
  • 前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は一切責任を負うものではありません。
うつ病は、自分で気づくことができる?初期症状のサインや対処法も解説【セルフチェック付き】のイメージ
この記事が気に入ったら
いいねしよう!
最新記事をお届けします。
オンライン診療アプリ
SOKUYAKUの使い方
  • STEP1

    診療予約

    SOKUYAKUの使い方STEP1
  • STEP2

    オンライン問診

    SOKUYAKUの使い方STEP2
  • STEP3

    オンライン診療

    SOKUYAKUの使い方STEP3 SOKUYAKUの使い方STEP3
  • STEP4

    オンライン服薬指導

    SOKUYAKUの使い方STEP4 SOKUYAKUの使い方STEP4
  • STEP5

    おくすり配達

    SOKUYAKUの使い方STEP5

    ※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。

SOKUYAKUメディカルコラム