心療内科 ・精神科のオンライン診療は保険適用で受診できる? 初診は可?
心療内科・精神科のオンライン診療は保険が適用される?
心療内科や精神科のオンライン診療は、対面の診療と同様に、基本的に保険適用で受診が可能です。うつ病や不安障害、適応障害、不眠症などの一般的な精神疾患の診療については、保険適用により通常の1〜3割負担で受診可能です。しかし、一部の診療内容に関しては自由診療となる場合があります。
自由診療(健康保険の適用外)も一部あるため事前に確認を
オンライン診療では、基本的な診察や薬の処方は保険適用となりますが、一部の診療内容やサービスが自由診療(全額自己負担)となる場合があります。
以下、保険診療とは別にかかることの多い費用を押さえておきましょう。
医師以外によるカウンセリングや認知行動療法
原則として、医師以外のカウンセラーが行うカウンセリングや認知行動療法は保険適用にならず、自由診療(自費)となります。医療機関では、「公認心理師」や「臨床心理士」といった専門資格を持つカウンセラーが担当することが一般的です。
カウンセリングや認知行動療法ではカウンセラーとの対話を通じて、患者が抱える悩みを解決できるようにサポートしていきますが、これは医療行為とは異なる心のケアとみなされるためです。ただし後述のように、条件によってはカウンセリングや心理療法が保険適用となる場合もあります。
認知行動療法とは?:ストレス状況で頭の中に浮かぶ考え(認知)を変えることで、気持ちや行動の改善を促す精神療法
診断書などの文書の作成
休職の手続きや傷病手当金、自立支援医療制度(精神疾患で継続的な治療が必要な場合に医療費の自己負担を軽減する制度)、精神障害者福祉手帳、障害年金などの申請に必要な診断書や申請書といった各種書類の発行にかかる費用は健康保険の適用外となるため、自費での支払いが必要になります。
文書の種類や記載する内容、医療機関によっても料金は異なりますが、数千円から1万円程度の費用がかかることが一般的です。診断書などの文書については、発行費用を事前に医療機関に確認しておくとよいでしょう。
このほか、オンライン診療のサービスには、診察費とは別にシステム利用料や手数料などが発生することが一般的です。
カウンセリングや認知行動療法が保険適用になる条件は?
原則として、医師以外が行うカウンセリングや認知行動療法などの精神療法は保険適用になりませんが、以下の条件のどれかを満たす場合は保険適用になります。
▪️保険診療で精神療法が受けられるケース
| 適用条件 | 詳細 | 対象 |
| 対象疾患に対して医師および看護師による認知行動療法を受けた場合 | 認知行動療法に習熟した医師が治療に関する計画を作成し、患者に説明を行った上で行った場合に、16回に限り保険診療となる | うつ病などの気分障害、強迫性障害、社交不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、神経性過食症
※対象となる疾患が限定 |
| 医師による精神疾患の通院・在宅精神療法を受けた場合 | 精神科を担当する医師が診断に基づき、患者と面接し、心理的支援や行動変容の援助を行う治療(精神療法)を行った場合に、保険診療となる | うつ病、双極性障害(躁うつ病)、不安障害、強迫性障害、統合失調症、依存症など |
| 医師による標準型精神分析療法を受けた場合 | 精神分析理論に習熟した医師が、患者と45分を超える面接を月6回以上、1年以上継続して行う治療(標準型精神分析療法)を行った場合に、保険診療となる | うつ病、双極性障害(躁うつ病)、不安障害、人格障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など |
| 特定の精神疾患や依存症等の治療を受けた場合 | 診療報酬に規定された通院集団精神療法や再発防止プログラムなどを、医師の治療計画に基づき体系的に実施した場合に、保険診療となる | うつ病、双極性障害(躁うつ病)、不安障害、統合失調症、依存症など |
『診療報酬点数表 第8部 精神科専門療法』 (厚生労働省)より
心療内科・精神科のオンライン診療の料金・薬代はいくらくらい?
心療内科・精神科のオンライン診療では多くの場合、保険診療となり、対面診療と同様に1〜3割の負担で受診できます。ただし、診察料や薬代に加えて、オンライン診療ではシステム利用料などが別途、必要となる点に注意が必要です。
以下、オンライン診療にかかる主な料金について説明します。
診療料
診察に関わる料金は、初診料、再診料のほか、処方箋が発行された場合は処方箋の料金、ほかに医師が30分以上の診察を行った場合の加算、夜間や早朝、休日などに受診した場合などに加算の料金が発生します。また、必要に応じて検査が行われた場合、検査料金も加わります。
保険適用で3割負担の場合だと、初診で薬代を含んだ料金が3000〜4000円程度となることが一般的です。再診では初診よりも安くなることが多く、1500円〜2000円程度が一般的です。
少ないですが、すべて自由診療(保険適用外)でオンライン診療を行っている医療機関もあります。その場合には、クリニックのWEBサイトなどで料金を確認しましょう。
薬代
心療内科や精神科では一般に薬物療法が治療の柱となります。保険診療で用いられる薬は、オンライン診療でも保険適用となります。
薬の受け取りは「処方箋を指定の薬局へ送付してもらって薬局で受け取る」「処方箋を自宅などに郵送してもらい薬局で受け取る」「薬を自宅に配送してもらう」といった方法があります。なお、通常は薬の受け取り時に薬局で服薬指導を受けますが、配送の場合はビデオ通話や電話などで服薬指導を受けます。
薬に関する注意点として、原則としてオンライン診療の初診では、向精神薬(抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、一部の睡眠薬など)は処方できません。これらの処方には、医師との対面診療が少なくとも一度は必要となります。その後、医師がオンライン診療での処方が可能と判断した場合に限り、継続的な治療の中で処方されることがあります。
向精神薬に分類されない睡眠薬や漢方薬は、医療機関にもよりますが、オンライン診療の初診でも処方が可能な場合が多いです。
薬代は処方される薬の種類や量によって大きく異なりますが、3割負担の場合の目安の金額は以下の表を参考にしてください。ただし、複数の薬を組み合わせて処方されることもあり、その場合は薬の種類の分だけ料金がかかります。
▪️心療内科・精神科でかかる薬代の例
| 薬の種類 | 主に使用される疾患 | 薬代の目安 |
| 抗うつ薬 | うつ病、不安障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など | 1,000〜3,500円/月 |
| 抗不安薬 | うつ病、不安障害、自律神経失調症、過敏性腸症候群など | 500〜1,500円/月 |
| 睡眠薬 | 不眠症(睡眠障害)など | 500〜4,000円/月 |
| 抗精神病薬 | 統合失調症、躁うつ病(双極性障害)など | 1,000〜4,000円/月 |
| 気分安定薬 | 躁うつ病(双極性障害) | 1,000〜4,000円/月 |
※保険適用(3割負担)の場合にかかる薬代のおおよその目安
検査の料金
心療内科や精神科では診断のために、必要に応じて検査が行われることがあります。検査も基本的に保険適用になりますが、オンラインでは行えないため、対面診療に移行するか、別の場所で行う必要があります。
検査は大きく分けて、身体的な検査と心理検査とがあります。身体的な検査は例えば血液検査や脳波検査などで、身体的な疾患が精神症状の原因となっていないかを確認します。心理検査では、症状の評価や個人の特性を把握するために、目的に応じた、さまざまなテストを行います。
検査の種類によって料金は大きく異なりますが、保険適用で3割負担の場合では1000〜5000円程度となることが一般的です。ただし、長時間かかる詳細な心理検査は保険適用外となり、1〜3万円かかることもあります。
カウンセリングなどの料金
オンライン診療を行っている医療機関では、心理士(公認心理師、臨床心理士、認定心理士など)によるオンラインカウンセリングやオンライン認知行動療法を実施している場合があります。
前述のように、医師以外の心理士が行うカウンセリングや認知行動療法などは保険適用にはならず、自由診療(自費)となります。医療機関によって料金はさまざまですが、1回(45〜60分)あたり5000〜10000円程度が相場と言えるでしょう。
カウンセリングや認知行動療法は費用がかかるものの、薬に頼りすぎずに症状改善や再発予防を図れる有用な方法で、患者の生活の質向上にもつながります。医師、心理士と連携を取りながら治療を進めていくことが大切です。
その他の料金(システム利用料など)
オンライン診療では、システム利用料や手数料など、診察や薬代以外の費用がかかることが一般的です。これらの料金は医療機関やオンライン診療予約サイトによって異なりますので、事前に確認しておきましょう。1回の診療あたり、数百円から3000円程度が目安と言えるでしょう。
ほかに、薬を自宅などに届けてくれる配送サービスを行っている場合は、配送の費用がかかることがあります。
このように別途、費用が生じるものの、オンライン診療では通院にかかる交通費や時間の節約ができるため、コスト面でむしろ良い場合もあります。また、オンライン診療を行っている医療機関や予約サイトはクレジットカードや電子マネーでの決済に対応していることが多く、会計の手間が省けます。
予約から診療、会計、処方箋や薬の送付、服薬指導まで、すべてオンラインで完結できることもあります。
SOKUYAKUでは、事前に料金体系を確認できるクリニックも多数掲載しています。まずはアプリで、どのようなクリニックがあるか見てみませんか?
心療内科のクリニックを調べる
心療内科・精神科のオンライン診療は初診でも受診できる?
心療内科・精神科のオンライン診療は現在、初診からオンラインで受診できる医療機関も増えてきました。ただし、診療内容や処方できる薬には一定の制限があり、状況に応じて対面診療が必要となる場合もあります。初診の対応が可能かどうかは医療機関によって異なるため、事前に確認が必要です。
初診でもオンライン診療は可能
オンライン診療では、専用アプリやビデオ通話を通じて問診や診察が行われ、患者さんは自宅にいながら専門医の診療を受けられます。外出が困難な方や、通院のための移動時間、待ち時間を避けたい方にとって、大きなメリットがあります。
特に、うつ病やパニック障害、社交不安障害などの患者さんは通院のための外出や人混みが大きなストレスとなることがあるため、自宅から受診できるオンライン診療は有効な選択肢となります。また、オンライン診療を利用することで気軽に専門医に相談できるので、早期の治療に繋がることができます。
初診は薬の処方など一部に制約がある
ただし、オンライン診療を初診で受ける際には、薬の処方など一部に制約があることを覚えておきましょう。
特に、向精神薬は原則として初診では処方できません。厚生労働省のガイドラインで薬物の濫用などを防止するための制約があるからです。向精神薬とは、中枢神経に作用して精神の機能に影響を及ぼす薬の総称で、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、一部の睡眠薬などが該当します。向精神薬の処方を受けるためには、対面診療を求められることがあります。
また、休職の手続きや傷病手当金の申請に必要な診断書など、各種書類の発行についても、対面診療が必要となる場合があります。
このように、オンライン診療には便利な面がある一方で、対面診療と組み合わせながら治療を進めていくことが一般的です。
SOKUYAKUなら、初診からオンライン診療が可能な心療内科・精神科を簡単に検索できます。通院のハードルを感じていた方も、ぜひ一度お住まいの地域のクリニックを探してみてください。
初診可能な心療内科のクリニックを調べる
こんな症状があったら心療内科・精神科のオンライン診療を!
メンタルヘルスの不調は放置せず、早期に治療を開始することが重要です。以下に、代表的な症状とその可能性のある疾患について解説します。該当するようなら、ぜひ早めの受診を心がけてください。オンライン診療は、通院の負担なく、専門医による適切な診断と治療を気軽に受けられる便利な選択肢です。
気分が沈む・落ち込む、なんとなくつらい
気分が沈む、落ち込む、なんとなくつらい状態が続くときは、うつ病や適応障害を疑いましょう。特に仕事や人間関係でのストレスが強い場合、身体症状として不眠や食欲不振を伴うことも。このような症状が続く場合は、オンライン診療を通じて専門医による診断を受けることをお勧めします。
医師との問診を通じて症状の程度を評価し、必要に応じて抗うつ薬などの薬物療法や認知行動療法などの治療を開始できます。状況に応じて診断書の発行や傷病手当金の申請、休職に関する相談も可能です。
寝付きが悪い、熟睡できない
寝付きが悪い、途中で目が覚める、熟睡できないといった睡眠の問題が続くなら、不眠症(睡眠障害)の可能性があり、専門医による適切な治療が推奨されます。
オンライン診療では、処方できる睡眠薬に法律上のルールがあります。
▼初診のオンライン診療で処方可能な場合がある睡眠薬
医師の判断に基づき、向精神薬に指定されていない以下の薬などが処方されることがあります。
・ベルソムラ(スボレキサント)
・ロゼレム(ラメルテオン)
・デエビゴ(レンボレキサント)
▼初診のオンライン診療では処方できない睡眠薬
以下の薬は「向精神薬」に分類されるため、初診のオンライン診療での処方は法律で禁止されています。
・ルネスタ(エスゾピクロン)
・マイスリー(ゾルピデム)
・その他、多くの抗不安薬や睡眠薬
これらの薬以外にも、生活習慣の改善指導やカウンセリング、抑肝散(よくかんさん)などの漢方薬の処方も選択肢となります。
過剰な不安や動悸・息苦しさがある
過剰な不安や動悸や息苦しさといった症状は、不安障害やパニック障害などの可能性があります。これらの症状は、自律神経失調症や更年期障害に伴う身体症状として現れることもあり、適切な診断と治療が重要です。
オンライン診療では、専門医がビデオ通話を通じて詳しい問診を行い、症状の程度や要因を慎重に評価します。必要に応じて、抗不安薬など向精神薬の処方や、心理士によるカウンセリング、認知行動療法などを組み合わせた治療を行います。
イライラ、気分の浮き沈み、人間関係のトラブルが多い
イライラが強い、気分の浮き沈みが激しい、人間関係のトラブルが続く場合、双極性障害(躁うつ病)の可能性があります。双極性障害は適切な治療を受けなければ、症状が悪化したり、再発を繰り返したりすることがあります。専門医の診断と継続的な治療が必要です。
治療は気分安定薬や抗精神病薬、抗うつ薬などの薬物療法が中心になります。ストレスが発症や悪化のきっかけとなることが多いため、ストレス管理などのメンタルヘルスケアも重要です。オンライン診療であれば、定期的な受診や服薬の管理がしやすいため、治療の継続に繋がります。
これらの症状でお悩みの方は、ぜひオンライン診療での受診を検討してみてください。
ほとんどのメンタルクリニックでは、保険証があれば保険適用で3割負担で受診できます。夜間や休日でも予約可能なクリニックも増えており、仕事や学業と両立しながら治療を続けることができます。
専門医に相談することで、休職や休学の判断や手続きもスムーズになります。病状が安定してきた場合は、復職や復学に関する相談も含めたサポートを受けることもできます。ひとりで悩まず、まずは気軽に専門医に相談しましょう。
心療内科のクリニックを調べる
これらの症状でお悩みなら、まずは「SOKUYAKU」で、あなたに合う医師を探すことから始めてみませんか?
SOKUYAKUなら、スマートフォン一つで、心療内科・精神科のクリニックの検索から予約までが完了します 。
夜間や休日に受診できるクリニックも探せるため、仕事や家事で忙しい方でも、ご自身のタイミングで相談が可能です 。
保険適用が可能なクリニックがほとんどで、安心してご利用いただけます 。
ひとりで悩まず、まずは気軽に専門医に相談することが、回復への大切な一歩です。SOKUYAKUがその第一歩をお手伝いします。
心療内科のクリニックを調べる
心療内科・精神科のオンライン診療は原則、保険適用で受診でき、うつ病、適応障害、不眠症、不安障害、躁うつ病などの疾患に対応しています。「近所に心療内科や精神科のメンタルクリニックがなくても受診できる」「通院にかかる手間や時間、診察までの待ち時間を省ける」など、オンライン診療ならではのメリットは多くあります。
ただし、心療内科や精神科のオンライン診療では、一部の診療内容は自由診療(健康保険の適用外)になる場合があります。また、初診は医療機関により対応が異なるため、事前に確認が必要です。です。
この記事では、保険適用の範囲、料金の目安、受診を検討すべき症状についても解説します。「気分が落ち込む・イライラする」「熟睡できない」などにお悩みでオンライン診療を受診したい方に役立つ内容です。
心療内科・精神科のオンライン診療は保険が適用される?
心療内科や精神科のオンライン診療は、対面の診療と同様に、基本的に保険適用で受診が可能です。うつ病や不安障害、適応障害、不眠症などの一般的な精神疾患の診療については、保険適用により通常の1〜3割負担で受診可能です。しかし、一部の診療内容に関しては自由診療となる場合があります。
自由診療(健康保険の適用外)も一部あるため事前に確認を
オンライン診療では、基本的な診察や薬の処方は保険適用となりますが、一部の診療内容やサービスが自由診療(全額自己負担)となる場合があります。
以下、保険診療とは別にかかることの多い費用を押さえておきましょう。
医師以外によるカウンセリングや認知行動療法
原則として、医師以外のカウンセラーが行うカウンセリングや認知行動療法は保険適用にならず、自由診療(自費)となります。医療機関では、「公認心理師」や「臨床心理士」といった専門資格を持つカウンセラーが担当することが一般的です。
カウンセリングや認知行動療法ではカウンセラーとの対話を通じて、患者が抱える悩みを解決できるようにサポートしていきますが、これは医療行為とは異なる心のケアとみなされるためです。ただし後述のように、条件によってはカウンセリングや心理療法が保険適用となる場合もあります。
認知行動療法とは?:ストレス状況で頭の中に浮かぶ考え(認知)を変えることで、気持ちや行動の改善を促す精神療法
診断書などの文書の作成
休職の手続きや傷病手当金、自立支援医療制度(精神疾患で継続的な治療が必要な場合に医療費の自己負担を軽減する制度)、精神障害者福祉手帳、障害年金などの申請に必要な診断書や申請書といった各種書類の発行にかかる費用は健康保険の適用外となるため、自費での支払いが必要になります。
文書の種類や記載する内容、医療機関によっても料金は異なりますが、数千円から1万円程度の費用がかかることが一般的です。診断書などの文書については、発行費用を事前に医療機関に確認しておくとよいでしょう。
このほか、オンライン診療のサービスには、診察費とは別にシステム利用料や手数料などが発生することが一般的です。
カウンセリングや認知行動療法が保険適用になる条件は?
原則として、医師以外が行うカウンセリングや認知行動療法などの精神療法は保険適用になりませんが、以下の条件のどれかを満たす場合は保険適用になります。
▪️保険診療で精神療法が受けられるケース
| 適用条件 | 詳細 | 対象 |
| 対象疾患に対して医師および看護師による認知行動療法を受けた場合 | 認知行動療法に習熟した医師が治療に関する計画を作成し、患者に説明を行った上で行った場合に、16回に限り保険診療となる | うつ病などの気分障害、強迫性障害、社交不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、神経性過食症
※対象となる疾患が限定 |
| 医師による精神疾患の通院・在宅精神療法を受けた場合 | 精神科を担当する医師が診断に基づき、患者と面接し、心理的支援や行動変容の援助を行う治療(精神療法)を行った場合に、保険診療となる | うつ病、双極性障害(躁うつ病)、不安障害、強迫性障害、統合失調症、依存症など |
| 医師による標準型精神分析療法を受けた場合 | 精神分析理論に習熟した医師が、患者と45分を超える面接を月6回以上、1年以上継続して行う治療(標準型精神分析療法)を行った場合に、保険診療となる | うつ病、双極性障害(躁うつ病)、不安障害、人格障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など |
| 特定の精神疾患や依存症等の治療を受けた場合 | 診療報酬に規定された通院集団精神療法や再発防止プログラムなどを、医師の治療計画に基づき体系的に実施した場合に、保険診療となる | うつ病、双極性障害(躁うつ病)、不安障害、統合失調症、依存症など |
『診療報酬点数表 第8部 精神科専門療法』 (厚生労働省)より
心療内科・精神科のオンライン診療の料金・薬代はいくらくらい?
心療内科・精神科のオンライン診療では多くの場合、保険診療となり、対面診療と同様に1〜3割の負担で受診できます。ただし、診察料や薬代に加えて、オンライン診療ではシステム利用料などが別途、必要となる点に注意が必要です。
以下、オンライン診療にかかる主な料金について説明します。
診療料
診察に関わる料金は、初診料、再診料のほか、処方箋が発行された場合は処方箋の料金、ほかに医師が30分以上の診察を行った場合の加算、夜間や早朝、休日などに受診した場合などに加算の料金が発生します。また、必要に応じて検査が行われた場合、検査料金も加わります。
保険適用で3割負担の場合だと、初診で薬代を含んだ料金が3000〜4000円程度となることが一般的です。再診では初診よりも安くなることが多く、1500円〜2000円程度が一般的です。
少ないですが、すべて自由診療(保険適用外)でオンライン診療を行っている医療機関もあります。その場合には、クリニックのWEBサイトなどで料金を確認しましょう。
薬代
心療内科や精神科では一般に薬物療法が治療の柱となります。保険診療で用いられる薬は、オンライン診療でも保険適用となります。
薬の受け取りは「処方箋を指定の薬局へ送付してもらって薬局で受け取る」「処方箋を自宅などに郵送してもらい薬局で受け取る」「薬を自宅に配送してもらう」といった方法があります。なお、通常は薬の受け取り時に薬局で服薬指導を受けますが、配送の場合はビデオ通話や電話などで服薬指導を受けます。
薬に関する注意点として、原則としてオンライン診療の初診では、向精神薬(抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、一部の睡眠薬など)は処方できません。これらの処方には、医師との対面診療が少なくとも一度は必要となります。その後、医師がオンライン診療での処方が可能と判断した場合に限り、継続的な治療の中で処方されることがあります。
向精神薬に分類されない睡眠薬や漢方薬は、医療機関にもよりますが、オンライン診療の初診でも処方が可能な場合が多いです。
薬代は処方される薬の種類や量によって大きく異なりますが、3割負担の場合の目安の金額は以下の表を参考にしてください。ただし、複数の薬を組み合わせて処方されることもあり、その場合は薬の種類の分だけ料金がかかります。
▪️心療内科・精神科でかかる薬代の例
| 薬の種類 | 主に使用される疾患 | 薬代の目安 |
| 抗うつ薬 | うつ病、不安障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など | 1,000〜3,500円/月 |
| 抗不安薬 | うつ病、不安障害、自律神経失調症、過敏性腸症候群など | 500〜1,500円/月 |
| 睡眠薬 | 不眠症(睡眠障害)など | 500〜4,000円/月 |
| 抗精神病薬 | 統合失調症、躁うつ病(双極性障害)など | 1,000〜4,000円/月 |
| 気分安定薬 | 躁うつ病(双極性障害) | 1,000〜4,000円/月 |
※保険適用(3割負担)の場合にかかる薬代のおおよその目安
検査の料金
心療内科や精神科では診断のために、必要に応じて検査が行われることがあります。検査も基本的に保険適用になりますが、オンラインでは行えないため、対面診療に移行するか、別の場所で行う必要があります。
検査は大きく分けて、身体的な検査と心理検査とがあります。身体的な検査は例えば血液検査や脳波検査などで、身体的な疾患が精神症状の原因となっていないかを確認します。心理検査では、症状の評価や個人の特性を把握するために、目的に応じた、さまざまなテストを行います。
検査の種類によって料金は大きく異なりますが、保険適用で3割負担の場合では1000〜5000円程度となることが一般的です。ただし、長時間かかる詳細な心理検査は保険適用外となり、1〜3万円かかることもあります。
カウンセリングなどの料金
オンライン診療を行っている医療機関では、心理士(公認心理師、臨床心理士、認定心理士など)によるオンラインカウンセリングやオンライン認知行動療法を実施している場合があります。
前述のように、医師以外の心理士が行うカウンセリングや認知行動療法などは保険適用にはならず、自由診療(自費)となります。医療機関によって料金はさまざまですが、1回(45〜60分)あたり5000〜10000円程度が相場と言えるでしょう。
カウンセリングや認知行動療法は費用がかかるものの、薬に頼りすぎずに症状改善や再発予防を図れる有用な方法で、患者の生活の質向上にもつながります。医師、心理士と連携を取りながら治療を進めていくことが大切です。
その他の料金(システム利用料など)
オンライン診療では、システム利用料や手数料など、診察や薬代以外の費用がかかることが一般的です。これらの料金は医療機関やオンライン診療予約サイトによって異なりますので、事前に確認しておきましょう。1回の診療あたり、数百円から3000円程度が目安と言えるでしょう。
ほかに、薬を自宅などに届けてくれる配送サービスを行っている場合は、配送の費用がかかることがあります。
このように別途、費用が生じるものの、オンライン診療では通院にかかる交通費や時間の節約ができるため、コスト面でむしろ良い場合もあります。また、オンライン診療を行っている医療機関や予約サイトはクレジットカードや電子マネーでの決済に対応していることが多く、会計の手間が省けます。
予約から診療、会計、処方箋や薬の送付、服薬指導まで、すべてオンラインで完結できることもあります。
SOKUYAKUでは、事前に料金体系を確認できるクリニックも多数掲載しています。まずはアプリで、どのようなクリニックがあるか見てみませんか?
心療内科・精神科のオンライン診療は初診でも受診できる?
心療内科・精神科のオンライン診療は現在、初診からオンラインで受診できる医療機関も増えてきました。ただし、診療内容や処方できる薬には一定の制限があり、状況に応じて対面診療が必要となる場合もあります。初診の対応が可能かどうかは医療機関によって異なるため、事前に確認が必要です。
初診でもオンライン診療は可能
オンライン診療では、専用アプリやビデオ通話を通じて問診や診察が行われ、患者さんは自宅にいながら専門医の診療を受けられます。外出が困難な方や、通院のための移動時間、待ち時間を避けたい方にとって、大きなメリットがあります。
特に、うつ病やパニック障害、社交不安障害などの患者さんは通院のための外出や人混みが大きなストレスとなることがあるため、自宅から受診できるオンライン診療は有効な選択肢となります。また、オンライン診療を利用することで気軽に専門医に相談できるので、早期の治療に繋がることができます。
初診は薬の処方など一部に制約がある
ただし、オンライン診療を初診で受ける際には、薬の処方など一部に制約があることを覚えておきましょう。
特に、向精神薬は原則として初診では処方できません。厚生労働省のガイドラインで薬物の濫用などを防止するための制約があるからです。向精神薬とは、中枢神経に作用して精神の機能に影響を及ぼす薬の総称で、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、一部の睡眠薬などが該当します。向精神薬の処方を受けるためには、対面診療を求められることがあります。
また、休職の手続きや傷病手当金の申請に必要な診断書など、各種書類の発行についても、対面診療が必要となる場合があります。
このように、オンライン診療には便利な面がある一方で、対面診療と組み合わせながら治療を進めていくことが一般的です。
SOKUYAKUなら、初診からオンライン診療が可能な心療内科・精神科を簡単に検索できます。通院のハードルを感じていた方も、ぜひ一度お住まいの地域のクリニックを探してみてください。
こんな症状があったら心療内科・精神科のオンライン診療を!
メンタルヘルスの不調は放置せず、早期に治療を開始することが重要です。以下に、代表的な症状とその可能性のある疾患について解説します。該当するようなら、ぜひ早めの受診を心がけてください。オンライン診療は、通院の負担なく、専門医による適切な診断と治療を気軽に受けられる便利な選択肢です。
気分が沈む・落ち込む、なんとなくつらい
気分が沈む、落ち込む、なんとなくつらい状態が続くときは、うつ病や適応障害を疑いましょう。特に仕事や人間関係でのストレスが強い場合、身体症状として不眠や食欲不振を伴うことも。このような症状が続く場合は、オンライン診療を通じて専門医による診断を受けることをお勧めします。
医師との問診を通じて症状の程度を評価し、必要に応じて抗うつ薬などの薬物療法や認知行動療法などの治療を開始できます。状況に応じて診断書の発行や傷病手当金の申請、休職に関する相談も可能です。
寝付きが悪い、熟睡できない
寝付きが悪い、途中で目が覚める、熟睡できないといった睡眠の問題が続くなら、不眠症(睡眠障害)の可能性があり、専門医による適切な治療が推奨されます。
オンライン診療では、処方できる睡眠薬に法律上のルールがあります。
▼初診のオンライン診療で処方可能な場合がある睡眠薬
医師の判断に基づき、向精神薬に指定されていない以下の薬などが処方されることがあります。
・ベルソムラ(スボレキサント)
・ロゼレム(ラメルテオン)
・デエビゴ(レンボレキサント)
▼初診のオンライン診療では処方できない睡眠薬
以下の薬は「向精神薬」に分類されるため、初診のオンライン診療での処方は法律で禁止されています。
・ルネスタ(エスゾピクロン)
・マイスリー(ゾルピデム)
・その他、多くの抗不安薬や睡眠薬
これらの薬以外にも、生活習慣の改善指導やカウンセリング、抑肝散(よくかんさん)などの漢方薬の処方も選択肢となります。
過剰な不安や動悸・息苦しさがある
過剰な不安や動悸や息苦しさといった症状は、不安障害やパニック障害などの可能性があります。これらの症状は、自律神経失調症や更年期障害に伴う身体症状として現れることもあり、適切な診断と治療が重要です。
オンライン診療では、専門医がビデオ通話を通じて詳しい問診を行い、症状の程度や要因を慎重に評価します。必要に応じて、抗不安薬など向精神薬の処方や、心理士によるカウンセリング、認知行動療法などを組み合わせた治療を行います。
イライラ、気分の浮き沈み、人間関係のトラブルが多い
イライラが強い、気分の浮き沈みが激しい、人間関係のトラブルが続く場合、双極性障害(躁うつ病)の可能性があります。双極性障害は適切な治療を受けなければ、症状が悪化したり、再発を繰り返したりすることがあります。専門医の診断と継続的な治療が必要です。
治療は気分安定薬や抗精神病薬、抗うつ薬などの薬物療法が中心になります。ストレスが発症や悪化のきっかけとなることが多いため、ストレス管理などのメンタルヘルスケアも重要です。オンライン診療であれば、定期的な受診や服薬の管理がしやすいため、治療の継続に繋がります。
これらの症状でお悩みの方は、ぜひオンライン診療での受診を検討してみてください。
ほとんどのメンタルクリニックでは、保険証があれば保険適用で3割負担で受診できます。夜間や休日でも予約可能なクリニックも増えており、仕事や学業と両立しながら治療を続けることができます。
専門医に相談することで、休職や休学の判断や手続きもスムーズになります。病状が安定してきた場合は、復職や復学に関する相談も含めたサポートを受けることもできます。ひとりで悩まず、まずは気軽に専門医に相談しましょう。
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この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
1.
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2.
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2012年 東北大学医学部医学科卒
2014年 東京大学医学部精神神経科
2015年 都立松沢病院
2018年 柏メンタルクリニック
免許・資格:医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医

















































