うつ病で病院に行けない方へ|その原因と対処法を紹介
更新日:2024年02月29日
今回は病院に行きたくても行けないケースとその対処法についてご紹介させていただきます。ご自身や周りの方に該当するものがあればぜひ参考にしてみてください。
後半では自宅で医師の診察を受けられる「オンライン診療」の解説もしていますので、最後までご覧ください。
うつ病の症状には大きく「精神症状」と「身体症状」の2つがある
こころの病気と呼ばれるうつ病や統合失調症の患者数は年々増加しています。
その中でもうつ病などの気分障害は、18年間で約3倍(1999年44.1万人、2017年127.6万人)と増加していることが厚生労働省のデータからも明らかです。また、近年ではコロナ禍によるストレスからさらにこころの病気の患者数が増えていることが予想され、うつ病は今や身近な病気のひとつとも言えるでしょう。
また日本の自殺率は2018年9月の厚生労働省自殺対策推進室作成の資料から見ても、先進国の中では非常に高いです。
※引用:令和2年版自殺対策白書について
うつ病の症状にはどのようなものがあるのか、またどのような症状があれば病院に行くべきなのかを本記事では解説していきます。
まずはじめにうつ病の症状について詳細を解説していきます。症状には、大きく分けると精神症状と身体症状があります。
精神症状
特徴1:何をやるにもやる気が湧かない
うつ病の特徴の一つに、意欲低下がみられます。全ての物事へのやる気がなくなり、仕事や学校に行けない場合があります。
症状が強い場合、身の回りのことができなくなることもあります。
うつ病の特徴の一つに、意欲低下がみられます。全ての物事へのやる気がなくなり、仕事や学校に行けない場合があります。
症状が強い場合、身の回りのことができなくなることもあります。
特徴2:気分の落ち込みが続いている
気分の落ち込みが持続していることも特徴の一つです。
うつ病の症状は数日から数週間かけて徐々にあらわれ、長期化します。少なくとも2週間は気分が落ち込んでいるのがうつ病の特徴といえますが、症状が長期化している方の中には稀に何十年と気分の落ち込みが続いている方もいます。
気分の落ち込みが持続していることも特徴の一つです。
うつ病の症状は数日から数週間かけて徐々にあらわれ、長期化します。少なくとも2週間は気分が落ち込んでいるのがうつ病の特徴といえますが、症状が長期化している方の中には稀に何十年と気分の落ち込みが続いている方もいます。
上記の2つが主な精神症状といわれています。この内容に加えてネガティブな思考が続いたり、嬉しい、楽しいなどの感情だけではなく悲嘆などの感情も感じにくくなります。
症状が強くなると、強い罪悪感や自責の念を抱いたり、孤独感や無価値感、絶望感が出てきたり、いずれは無力感や希死念慮が出現することもあるので、早めに受診することが一番でしょう。
身体症状
特徴1:睡眠への影響
寝つきの悪さや何度も目が覚めてしまうなど睡眠に関する症状があります。
また、人によっては反対に眠りすぎてしまうなどの症状があり、睡眠薬を処方されて内服薬を服用するケースもあります。
寝つきの悪さや何度も目が覚めてしまうなど睡眠に関する症状があります。
また、人によっては反対に眠りすぎてしまうなどの症状があり、睡眠薬を処方されて内服薬を服用するケースもあります。
特徴2:食事への影響
体には交感神経と副交感神経という自律神経があり、これらはバランスをとりながら働いています。
胃腸などの消化器の働きにも自律神経が関与しており、ストレスなどで自律神経のバランスが崩れることにより、「食欲の低下」「食後のむかつき」「味を感じない」など食事への影響を引き起こすことがあります。
また、人によっては「甘いものばかり食べてしまう」「過食」など食行動の変化がみられる場合もあります。
体には交感神経と副交感神経という自律神経があり、これらはバランスをとりながら働いています。
胃腸などの消化器の働きにも自律神経が関与しており、ストレスなどで自律神経のバランスが崩れることにより、「食欲の低下」「食後のむかつき」「味を感じない」など食事への影響を引き起こすことがあります。
また、人によっては「甘いものばかり食べてしまう」「過食」など食行動の変化がみられる場合もあります。
特徴3:疲労感
着替えや洗顔など日常的に行っている動作でも疲れやだるさを感じやすくなることも特徴の一つです。
うつ病の方の中には、身体が鉛のように重い、重力が増えた感覚、と表現する方もいますが、その状態をただの疲労感だと考えて受診をしない方もいます。
着替えや洗顔など日常的に行っている動作でも疲れやだるさを感じやすくなることも特徴の一つです。
うつ病の方の中には、身体が鉛のように重い、重力が増えた感覚、と表現する方もいますが、その状態をただの疲労感だと考えて受診をしない方もいます。
病院に行くべきうつ病の症状とは
上記の症状に当てはまる方は病院へ受診することをおすすめします。ほかにも、「考えすぎてやるべきことが進まない」「頭がぼーっとして集中できない」「人の話が頭に入ってこない」などの症状がある方も受診してみましょう。
一時的な気分の落ち込みや悩み事であれば数日で回復することがありますが、症状が2週間以上続く場合は病院への受診を検討をおすすめします。
また、結婚や就職、出産などのライフステージの転機にはうつ病発症のリスクが高いです。特に女性は妊娠・出産の場合にマタニティーブルーや産後うつのリスクが高く、問題視されています。
実際に2015~2016年に357人中、102人の女性が妊娠中から産後1年間で自死していることが、国立成育医療研究センターの研究で発表されています。
うつ病の原因となるストレスはさまざまありますが、うつ病になりやすい方の特徴として「考えすぎる」「ため込んでしまう」ことがあげられています。これは責任感が強いことや真面目な性格であるがゆえ、頑張りすぎてしまうからだと考えられています。
本人よりも先に周りの方が気づく場合があるため、まずは周りの方でも医師でもよいので相談してみましょう。
うつ病の人は病院に行けないケースがある
ここまでうつ病の症状があれば、病院へ受診することを推奨してきましたが、なかには行きたくても行けない方もいるかもしれません。
ここではどのようなケースがあるのかについて紹介します。
病院に行けないケースには主に4つの理由があげられます。
うつ症状が強く出ている
どこの病院に行ったら良いかわからない
周りの目が怖い
先生に怒られそう
うつ症状が強く出ている
うつ病の症状である精神症状が強く出ており、病院に行けないというケースが考えられます。
「意欲が湧かない」「気分が落ち込む」と、家から出られなかったり受診の予約を取ったりできない場合があります。
また、身体症状が出ている場合でも、強い疲労感や倦怠感がある場合には受診に行くことは困難でしょう。
どこの病院に行ったら良いかわからない>
うつ病で受診を検討する際、一般的に精神科か心療内科のどちらかの受診を考えるでしょう。
しかし「精神科と心療内科は何が違うかわからない」「どちらに行くべきか分からない」という意見もあります。
精神科と心療内科は、どちらもこころの病気を治療する場として変わりはありません。異なる点とすれば、
- 精神科:精神科は「精神面の不調そのものへ治療をする場」
- 心療内科は「精神的な要因から身体面に不調を及ぼしている場合に治療をする場」
だということです。
また、「評判がよくわからないから行けない」という意見も聞かれます。
確かに初めて病院を受診する際はどのような先生やスタッフなのか不安を感じることはあります。しかし、人との相性はそれぞれであり、すべてが評判通りではありません。また、一度受診したからといってその後も受診し続ける必要もありません。まずは、気になる病院を受診してみましょう。
周りの目が怖い
精神科や心療内科に通っている姿を見られたくないという方もいます。
精神疾患に対する偏見の目は以前と比べると減ってきてはいるものの、依然として残っているのも現状です。
最近の精神科や心療内科ではそのようなハードルの高さを下げる為に、病院やクリニック自体の雰囲気を柔らかいものにしたり、ビルの一室など分かりにくい場所にクリニックを開いたりしている場合もあります。
先生に怒られそう
最後に、先生に怒られそうという意見もありました。うつ病の方はネガティブな思考に陥っていたり、不安や恐怖を抱えやすい状態にあります。
そのため、受診に対する不安を感じやすいです。また、うつ病は怠慢だ、という自責の念を抱えている方もいます。
しかし自分を責めてしまうというその状態こそが、うつ病の症状であるため怠惰だと叱責するような先生はいません。
初めて受診する病院に対する不安は大きいですが、一度受診する勇気を持つことが大切です。
うつ病で病院に行けない方はオンライン診療がおすすめ
病院へ受診し、医師や病院スタッフの方とコミュニケーションをとることがおすすめではありますが、なかにはどうしても病院へ行けない方もいるでしょう。または病院へ行ってくれない…と悩むご家族の方もいるかもしれません。
そのような方におすすめしたいのが、「オンライン診療」です。
オンライン診療は、厚生労働省が2018年3月に発表した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(2022年1月に一部改訂)をもとに運営されています。
事前に受診予約をして、自身のスマートフォンやパソコンなどで診察を受けることができ、必要があれば処方箋を発行してもらうことも可能です。
自宅に薬自体を郵送してもらうことも場合によっては可能なので、うつの症状が酷くて外出が難しい方は郵送してもらうのも良いでしょう。
他にも受診する時間が確保できなかった方や病院が遠方で徐々に行く頻度が減ってきた方なども利用してみてはいかがでしょうか。
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うつ病で病院に行けない場合には周りのサポートも重要
うつ病で病院に行けないと悩む場合には、周りのサポートを得ることも重要です。受診には金銭的な負担や、受診に行く場合の家族の送迎を必要とする方もいます。
そのような場合、周りのサポートを得ることも重要になってきます。また医療ソーシャルワーカーなどから社会福祉面でのサポートを得ることも、1つの選択肢でしょう。
社会制度として、たとえば自立支援制度というものがあります。自立支援制度は医療費が1割負担に軽減される制度で、金銭的な面で病院に行けないという方も、通院しやすくなる制度です。
また、精神保健福祉センターや保健所などで支援を受けることも可能なので、自身の住む場所の精神保健福祉センターや保健所に問い合わせてみるのもよいでしょう。
まずは自身に合う受診方法を見つけましょう
うつ病の症状は放置して改善するものではありません。むしろ放置することで症状の悪化・長期化する恐れもあります。
うつ病で病院に行けないと悩んでいても、悩みが深くなる可能性があります。ひとりで悩まず、まずは周りの方に相談したり一歩踏み出して病院へ受診してみましょう。
また、病院に行けない方のために新たな医療体系のオンライン診療があります。
上記でも紹介した通りオンライン診療は病院に出向かなくても、診察や薬の受け取りを可能にしてくれるサービスです。
そのため、オンライン診療はうつ病で病院に行けない方にとって新たな選択肢となるでしょう。うつ病で病院に行けないと悩む方は、自身にあった受診方法を見つけてみてはいかがでしょうか。
オンライン診療アプリSOKUYAKUは医師による診療だけでなく、薬剤師によるオンライン服薬指導や自宅への薬の配送もスマホ1つで完結します。
周辺への感染の可能性を配慮して外出を控えたいやその他事情により、病院に行くことが難しい場合は、オンライン診療を検討してみてはいかがでしょうか。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
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