保険適用の皮膚科オンライン診療で安心診察【初診・処方箋対応】
保険適用のオンライン診療で診察・処方できる皮膚科疾患
【注意点】
オンライン診療は対面診療を補完するものであり、全ての皮膚疾患が初回からオンライン診療に適しているわけではありません。皮膚科の診断は「視診」(見ること)と「触診」(触れること)が両輪であり、オンライン診療では触診による診断(皮疹の硬さ、盛り上がりなど)が不可能です。以下の疾患についても、医師がオンラインでの診療が可能と判断した場合のみ、症状によっては対面診療が推奨されたり必須となることをご理解ください。
ニキビ・脂漏性皮膚炎
ニキビ(尋常性ざ瘡)や脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、保険適用によるオンライン診療でご相談いただける疾患です。クリニックの医師がビデオ通話による問診で、ニキビの状態、発疹の範囲を直接診察します。患者の症状に合わせて、内服薬や外用薬を処方し、処方箋を発行します。
ただし、これは視診で診断がつきやすい場合のみです。炎症が非常に強い重症のニキビなどで触診でないと評価が難しい症状がある場合、また他の疾患との鑑別が必要な場合は、対面診療が推奨されます。オンライン診療は、診断が確定している方の継続的な処方には特に適しています。
アトピー性皮膚炎・乾燥肌・かゆみ
アトピー性皮膚炎に伴う根強いかゆみや乾燥肌も、保険診療でのオンライン受診をご相談いただけます。医師とのビデオ通話で、患者は具体的な症状や悩みを相談できます。医師は問診を通じて、皮膚の状態を診察し、適切な保湿剤などを処方します。お薬手帳の情報も共有することで、これまでの治療歴を踏まえた診療ができます。
オンライン診療が特に有効なのは、症状が安定している方の継続的な薬の処方です。初診時や症状が急激に悪化した場合、皮膚の質感や浸潤(盛り上がり)の程度を正確に評価するためには触診が不可欠なため、対面診療が原則となります。また、掻き壊しによる細菌感染(とびひなど)の可能性がある場合も、オンラインでの診断は困難なため対面診療が必要です。
湿疹・蕁麻疹・発疹・皮膚炎・血管性浮腫
突然現れる湿疹、蕁麻疹、原因のわからない発疹や皮膚炎も、オンライン診療でご相談いただけます。ビデオ通話で患部を診ることで、医師は症状の程度を判断し、抗アレルギー薬などの内服薬を処方することがあります。
【重要な注意】
これらの症状、特にまぶたや唇が腫れる「血管性浮腫(ふしゅ)」や、息苦しさ・声のかすれ・めまいなどを伴う「蕁麻疹」は、生命に関わる重篤症状の前兆である可能性があります。その場合はオンライン診療を検討せず、直ちに受診してください。
また、原因不明の湿疹・皮膚炎は、原因物質を特定するテストなど、対面でしか行えない検査が必要な場合があります。オンライン診療では原因の特定が困難なケースも多く、あくまで応急的な対応が中心となります。
ヘルペス・帯状疱疹・口内炎
ヘルペスや帯状疱疹(たいじょうほうしん)、そして痛みを伴う口内炎は、早期の薬の処方が症状の緩和につながるため、オンライン診療でご相談いただけます。医師が問診とビデオ通話での診察を行い、抗ウイルス薬などを処方します。
【重要な注意】
特に帯状疱疹が目・鼻・耳の周りにできた場合、失明、麻痺、難聴などの重篤な後遺症のリスクがあり、眼科や耳鼻咽喉科との連携を含めた緊急の対面診療が必須です。
また、ヘルペスも初発の場合は診断を確定させるため対面が望ましく、再発でご自身で判断がつく場合にオンライン診療は適しています。口内炎も、繰り返しできたり治りにくかったりする場合は、全身性疾患などの可能性も否定できないため、必ず対面で専門医の診察を受けてください。
多汗症・あせも・汗疱
多汗症の治療や、あせも、手のひらや足の裏にできる汗疱(かんぽう)の診療も、保険を適用したオンライン診療でご相談いただけます。医師が問診し、症状に応じた薬を処方します。小児のあせもの診察もご相談可能です。
多汗症は問診が中心となるためオンライン診療と親和性が高いですが、あせもや汗疱、特に小児の皮膚疾患の診察は注意が必要です。保護者からの情報に加え、発疹や、とびひなどの細菌感染の有無を評価する必要があり、ビデオ通話の画質や撮影範囲によっては正確な診断が困難な場合があります。そのため、医師の判断で対面診療をお願いすることがあります。
乾癬・水虫・虫刺され
乾癬のような慢性疾患の継続的な診療や、水虫(足白癬)、そして強いかゆみを伴う虫刺されも、オンライン診療でご相談いただけます。ビデオ通話で患部の状態を医師が診察し、必要な内服薬や外用薬の処方箋を発行します。
乾癬: オンライン診療は、診断が確定し症状が安定している患者の継続処方に適しています。初診時や、皮疹の盛り上がり(浸潤)の程度を正確に評価する必要があるため、触診が可能な対面診療が推奨されます。
水虫: 水虫の確定診断には、患部の皮膚や爪の一部を採取して顕微鏡で白癬菌を確認する検査が不可欠です。 オンライン診療ではこの検査ができないため、視診による「推定診断」しかできません。見た目が似ている他の皮膚疾患との区別が難しく、誤った治療に繋がるリスクがあります。特に初めての診断の場合は、対面診療で確定診断を受けることが重要です。
虫刺され: 掻き壊して感染している場合は、触診を含めた対面診療が必要になることがあります。
保険診療と自由診療の対象疾患の違い
保険診療の対象となる症状
保険診療とは、患者がお持ちの健康保険証を提示することで、国が定めた医療サービスを受けられる制度です。皮膚科のオンライン診療においても、この保険診療が適用されます。これにより、診察にかかる診療費や、医師から処方される薬の薬代は、原則として患者の自己負担が3割となります。対象となるのは、アトピー性皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、ニキビ、ヘルペス、水虫、乾癬、多汗症といった、治療を必要とする皮膚の疾患です。
ただし、これらは医師がビデオ通話による問診・診察の結果、オンラインでの対応が可能で、かつ治療が必要だと判断した場合のみです。オンライン診療初診料などの保険点数は、施設基準を満たした医療機関でのみ算定できます。診断に必要な情報(画像の質など)が不十分な場合、医師は対面診療を判断します。その場合、別途対面での診療費が発生することをご理解ください。
自由診療となるケース
一方、自由診療は保険診療の対象外となる医療サービスで、その費用は全額患者の自己負担となります。健康保険証は使用できません。皮膚科領域における自由診療の多くは、美容を目的としたものです。例えば、シミ・そばかすのレーザー治療、シワ改善のための注射、医療脱毛、美容目的のニキビ跡治療などがこれにあたります。
同じ「ニキビ」という症状でも、炎症を抑える治療目的であれば保険診療の対象となりますが、美容目的の相談は自由診療となります。ご自身の相談内容がどちらに該当するかを正しく理解し、医師に明確に伝えることが重要です。
皮膚科オンライン診療の受診から処方箋・薬の受け取りまで
保険適用のオンライン診療を受けるには、まず受診したいクリニックへの予約が必要です。受診前には、手元に健康保険証、そして持っていればお薬手帳をご準備ください。ビデオ通話では、医師が画面越しに発疹などの症状を直接診るため、患部を明るい場所で、鮮明に映せるように準備することが重要です。
画質が不十分な場合は、医師が正確な診断を下すことができず、診察を中止したり、対面診療をお願いすることがあります。
処方箋の送付と調剤薬局での薬の受け取り
医師が診察の結果、薬による治療が必要と判断した場合、電子処方箋が発行されます。処方箋の内容は、患者が指定した調剤薬局へ、クリニックから直接送付されます。患者は、ご自身の都合の良いタイミングでその調剤薬局へ行き、薬を受け取ることができます。これにより、病院での長い待ち時間や、薬局での待ち時間を大幅に削減できます。薬局では、処方された薬の薬代(原則3割負担)を支払います。
薬の配送とオンラインでの服薬指導
さらに便利な選択肢として、多くのオンライン診療サービスでは、処方された薬を自宅まで配送するサービスを提供しています。クリニックや提携の調剤薬局から、薬が直接ご自宅に届くため、薬局へ行く手間すら省くことが可能です。薬の受け取り後、必要に応じて薬剤師によるオンライン服薬指導を受けられる場合もあります。これにより、薬の正しい使い方や注意点について、対面と変わらない質の高い説明を受けることができ、安心して服薬を開始できます。
ただし、特に副作用に注意が必要な薬については、薬剤師が対面での説明を推奨する場合があります。
オンライン診療における保険適用の条件と注意点
初診からの保険適用と健康保険証の提示
制度の整備が進み、皮膚科を含む多くの科で、初診からオンライン診療を保険適用で受けることが可能になっています。
ただし、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」では、オンライン診療は対面診療と適切に組み合わせて行うことが原則とされています。特に、普段かかっていないクリニックで初診をオンラインで行う場合は、医師が患者の情報を十分に得られないリスクがあります。「医師が対応可能と判断すれば」という条件は重要な前提条件です。
対面診療が推奨される症状
医師がビデオ通話の映像だけでは診断が困難と判断した場合や、触診が必要な皮膚症状、視野の狭いカメラでは全体が把握しきれない広範囲の発疹などの場合、医師の判断で対面での外来受診を推奨されることがあります。
これは、皮膚科の診断に「触診」が不可欠な場面が多いためです。皮疹の硬さ、厚み、関節の腫れといった情報は、触れなければ分かりません。また、確定診断に検査が必要な場合も、オンラインでは対応不可能です。オンライン診療は、こうした対面診療の原則を補完する位置づけであることをご理解ください。
他科(内科・小児科など)の疾患との関連
皮膚の症状は、その背景に内科的な疾患などが隠れているケースが少なくありません。問診の際には、皮膚科の症状だけでなく、気になる身体の不調はすべて医師に伝えることが重要です。
ただし、オンライン診療で他科にわたる病態を診断することは難しいです。多科にわたる連携が必要と医師が判断した場合は、対面診療を基本とする医療機関での診察を勧められることがあります。特に小児の場合は全身状態の把握がより重要になります。
保険適用オンライン診療の費用内訳
保険適用(1割〜3割負担)の診療費
保険適用オンライン診療で発生する費用の一つが、診療費です。これは医師の診察行為そのものに対する費用で、対面診療と同様に健康保険証を提示することで、自己負担は原則1割〜3割となります。具体的な金額は診察内容によって異なりますが、システム利用料などが診療費に含まれる場合もあります。通院にかかる交通費などが発生しないため、費用を抑えられる可能性が高いのがオンライン診療のメリットです。
薬代と処方箋の発行費用
医師の診察の結果、薬が処方された場合、診療費とは別に薬代が必要になります。この薬代も保険適用の対象であり、原則1割〜3割の自己負担で済みます。処方箋に基づいて調剤薬局で支払うことになります。薬代を抑えるための相談も、診察時に医師に伝えておくと良いでしょう。お薬手帳を活用して、他のクリニックや科で処方されている内服薬との重複を避けることも、不要な薬代を削減する上で重要です。
薬の配送を希望する場合
処方された薬の受け取り方法として、自宅などへの配送を選択した場合、別途、配送料がかかることがあります。この配送料は保険適用の対象外であり、全額自己負担となるのが一般的です。ただし、クリニックや提携薬局によっては、患者サービスの一環として無料配送を提供している場合もあります。配送料の有無や金額については、オンライン診療の予約時に確認しておくことをお勧めします。
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皮膚科のオンライン診療は、保険適用で多汗症、虫刺され、湿疹、乾癬(かんせん)、蕁麻疹(じんましん)、ヘルペス、水虫、アトピー、発疹など幅広い皮膚科症状を受診する新しい診療方法です。クリニックからビデオ通話で問診、診察が受けられ、処方箋は電子で発行され、薬は調剤薬局での受け取り、または自宅配送が選べます。保険証で初診から始められ、通院の手間と待ち時間を大幅に削減できるメリットも。保険適用のオンライン診療で診察・処方ができる皮膚科疾患や、保険診療と自由診療の対象疾患の違いを紹介します。
保険適用のオンライン診療で診察・処方できる皮膚科疾患
【注意点】
オンライン診療は対面診療を補完するものであり、全ての皮膚疾患が初回からオンライン診療に適しているわけではありません。皮膚科の診断は「視診」(見ること)と「触診」(触れること)が両輪であり、オンライン診療では触診による診断(皮疹の硬さ、盛り上がりなど)が不可能です。以下の疾患についても、医師がオンラインでの診療が可能と判断した場合のみ、症状によっては対面診療が推奨されたり必須となることをご理解ください。
ニキビ・脂漏性皮膚炎
ニキビ(尋常性ざ瘡)や脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、保険適用によるオンライン診療でご相談いただける疾患です。クリニックの医師がビデオ通話による問診で、ニキビの状態、発疹の範囲を直接診察します。患者の症状に合わせて、内服薬や外用薬を処方し、処方箋を発行します。
ただし、これは視診で診断がつきやすい場合のみです。炎症が非常に強い重症のニキビなどで触診でないと評価が難しい症状がある場合、また他の疾患との鑑別が必要な場合は、対面診療が推奨されます。オンライン診療は、診断が確定している方の継続的な処方には特に適しています。
アトピー性皮膚炎・乾燥肌・かゆみ
アトピー性皮膚炎に伴う根強いかゆみや乾燥肌も、保険診療でのオンライン受診をご相談いただけます。医師とのビデオ通話で、患者は具体的な症状や悩みを相談できます。医師は問診を通じて、皮膚の状態を診察し、適切な保湿剤などを処方します。お薬手帳の情報も共有することで、これまでの治療歴を踏まえた診療ができます。
オンライン診療が特に有効なのは、症状が安定している方の継続的な薬の処方です。初診時や症状が急激に悪化した場合、皮膚の質感や浸潤(盛り上がり)の程度を正確に評価するためには触診が不可欠なため、対面診療が原則となります。また、掻き壊しによる細菌感染(とびひなど)の可能性がある場合も、オンラインでの診断は困難なため対面診療が必要です。
湿疹・蕁麻疹・発疹・皮膚炎・血管性浮腫
突然現れる湿疹、蕁麻疹、原因のわからない発疹や皮膚炎も、オンライン診療でご相談いただけます。ビデオ通話で患部を診ることで、医師は症状の程度を判断し、抗アレルギー薬などの内服薬を処方することがあります。
【重要な注意】
これらの症状、特にまぶたや唇が腫れる「血管性浮腫(ふしゅ)」や、息苦しさ・声のかすれ・めまいなどを伴う「蕁麻疹」は、生命に関わる重篤症状の前兆である可能性があります。その場合はオンライン診療を検討せず、直ちに受診してください。
また、原因不明の湿疹・皮膚炎は、原因物質を特定するテストなど、対面でしか行えない検査が必要な場合があります。オンライン診療では原因の特定が困難なケースも多く、あくまで応急的な対応が中心となります。
ヘルペス・帯状疱疹・口内炎
ヘルペスや帯状疱疹(たいじょうほうしん)、そして痛みを伴う口内炎は、早期の薬の処方が症状の緩和につながるため、オンライン診療でご相談いただけます。医師が問診とビデオ通話での診察を行い、抗ウイルス薬などを処方します。
【重要な注意】
特に帯状疱疹が目・鼻・耳の周りにできた場合、失明、麻痺、難聴などの重篤な後遺症のリスクがあり、眼科や耳鼻咽喉科との連携を含めた緊急の対面診療が必須です。
また、ヘルペスも初発の場合は診断を確定させるため対面が望ましく、再発でご自身で判断がつく場合にオンライン診療は適しています。口内炎も、繰り返しできたり治りにくかったりする場合は、全身性疾患などの可能性も否定できないため、必ず対面で専門医の診察を受けてください。
多汗症・あせも・汗疱
多汗症の治療や、あせも、手のひらや足の裏にできる汗疱(かんぽう)の診療も、保険を適用したオンライン診療でご相談いただけます。医師が問診し、症状に応じた薬を処方します。小児のあせもの診察もご相談可能です。
多汗症は問診が中心となるためオンライン診療と親和性が高いですが、あせもや汗疱、特に小児の皮膚疾患の診察は注意が必要です。保護者からの情報に加え、発疹や、とびひなどの細菌感染の有無を評価する必要があり、ビデオ通話の画質や撮影範囲によっては正確な診断が困難な場合があります。そのため、医師の判断で対面診療をお願いすることがあります。
乾癬・水虫・虫刺され
乾癬のような慢性疾患の継続的な診療や、水虫(足白癬)、そして強いかゆみを伴う虫刺されも、オンライン診療でご相談いただけます。ビデオ通話で患部の状態を医師が診察し、必要な内服薬や外用薬の処方箋を発行します。
乾癬: オンライン診療は、診断が確定し症状が安定している患者の継続処方に適しています。初診時や、皮疹の盛り上がり(浸潤)の程度を正確に評価する必要があるため、触診が可能な対面診療が推奨されます。
水虫: 水虫の確定診断には、患部の皮膚や爪の一部を採取して顕微鏡で白癬菌を確認する検査が不可欠です。 オンライン診療ではこの検査ができないため、視診による「推定診断」しかできません。見た目が似ている他の皮膚疾患との区別が難しく、誤った治療に繋がるリスクがあります。特に初めての診断の場合は、対面診療で確定診断を受けることが重要です。
虫刺され: 掻き壊して感染している場合は、触診を含めた対面診療が必要になることがあります。
保険診療と自由診療の対象疾患の違い
保険診療の対象となる症状
保険診療とは、患者がお持ちの健康保険証を提示することで、国が定めた医療サービスを受けられる制度です。皮膚科のオンライン診療においても、この保険診療が適用されます。これにより、診察にかかる診療費や、医師から処方される薬の薬代は、原則として患者の自己負担が3割となります。対象となるのは、アトピー性皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、ニキビ、ヘルペス、水虫、乾癬、多汗症といった、治療を必要とする皮膚の疾患です。
ただし、これらは医師がビデオ通話による問診・診察の結果、オンラインでの対応が可能で、かつ治療が必要だと判断した場合のみです。オンライン診療初診料などの保険点数は、施設基準を満たした医療機関でのみ算定できます。診断に必要な情報(画像の質など)が不十分な場合、医師は対面診療を判断します。その場合、別途対面での診療費が発生することをご理解ください。
自由診療となるケース
一方、自由診療は保険診療の対象外となる医療サービスで、その費用は全額患者の自己負担となります。健康保険証は使用できません。皮膚科領域における自由診療の多くは、美容を目的としたものです。例えば、シミ・そばかすのレーザー治療、シワ改善のための注射、医療脱毛、美容目的のニキビ跡治療などがこれにあたります。
同じ「ニキビ」という症状でも、炎症を抑える治療目的であれば保険診療の対象となりますが、美容目的の相談は自由診療となります。ご自身の相談内容がどちらに該当するかを正しく理解し、医師に明確に伝えることが重要です。
皮膚科オンライン診療の受診から処方箋・薬の受け取りまで
保険適用のオンライン診療を受けるには、まず受診したいクリニックへの予約が必要です。受診前には、手元に健康保険証、そして持っていればお薬手帳をご準備ください。ビデオ通話では、医師が画面越しに発疹などの症状を直接診るため、患部を明るい場所で、鮮明に映せるように準備することが重要です。
画質が不十分な場合は、医師が正確な診断を下すことができず、診察を中止したり、対面診療をお願いすることがあります。
処方箋の送付と調剤薬局での薬の受け取り
医師が診察の結果、薬による治療が必要と判断した場合、電子処方箋が発行されます。処方箋の内容は、患者が指定した調剤薬局へ、クリニックから直接送付されます。患者は、ご自身の都合の良いタイミングでその調剤薬局へ行き、薬を受け取ることができます。これにより、病院での長い待ち時間や、薬局での待ち時間を大幅に削減できます。薬局では、処方された薬の薬代(原則3割負担)を支払います。
薬の配送とオンラインでの服薬指導
さらに便利な選択肢として、多くのオンライン診療サービスでは、処方された薬を自宅まで配送するサービスを提供しています。クリニックや提携の調剤薬局から、薬が直接ご自宅に届くため、薬局へ行く手間すら省くことが可能です。薬の受け取り後、必要に応じて薬剤師によるオンライン服薬指導を受けられる場合もあります。これにより、薬の正しい使い方や注意点について、対面と変わらない質の高い説明を受けることができ、安心して服薬を開始できます。
ただし、特に副作用に注意が必要な薬については、薬剤師が対面での説明を推奨する場合があります。
オンライン診療における保険適用の条件と注意点
初診からの保険適用と健康保険証の提示
制度の整備が進み、皮膚科を含む多くの科で、初診からオンライン診療を保険適用で受けることが可能になっています。
ただし、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」では、オンライン診療は対面診療と適切に組み合わせて行うことが原則とされています。特に、普段かかっていないクリニックで初診をオンラインで行う場合は、医師が患者の情報を十分に得られないリスクがあります。「医師が対応可能と判断すれば」という条件は重要な前提条件です。
対面診療が推奨される症状
医師がビデオ通話の映像だけでは診断が困難と判断した場合や、触診が必要な皮膚症状、視野の狭いカメラでは全体が把握しきれない広範囲の発疹などの場合、医師の判断で対面での外来受診を推奨されることがあります。
これは、皮膚科の診断に「触診」が不可欠な場面が多いためです。皮疹の硬さ、厚み、関節の腫れといった情報は、触れなければ分かりません。また、確定診断に検査が必要な場合も、オンラインでは対応不可能です。オンライン診療は、こうした対面診療の原則を補完する位置づけであることをご理解ください。
他科(内科・小児科など)の疾患との関連
皮膚の症状は、その背景に内科的な疾患などが隠れているケースが少なくありません。問診の際には、皮膚科の症状だけでなく、気になる身体の不調はすべて医師に伝えることが重要です。
ただし、オンライン診療で他科にわたる病態を診断することは難しいです。多科にわたる連携が必要と医師が判断した場合は、対面診療を基本とする医療機関での診察を勧められることがあります。特に小児の場合は全身状態の把握がより重要になります。
保険適用オンライン診療の費用内訳
保険適用(1割〜3割負担)の診療費
保険適用オンライン診療で発生する費用の一つが、診療費です。これは医師の診察行為そのものに対する費用で、対面診療と同様に健康保険証を提示することで、自己負担は原則1割〜3割となります。具体的な金額は診察内容によって異なりますが、システム利用料などが診療費に含まれる場合もあります。通院にかかる交通費などが発生しないため、費用を抑えられる可能性が高いのがオンライン診療のメリットです。
薬代と処方箋の発行費用
医師の診察の結果、薬が処方された場合、診療費とは別に薬代が必要になります。この薬代も保険適用の対象であり、原則1割〜3割の自己負担で済みます。処方箋に基づいて調剤薬局で支払うことになります。薬代を抑えるための相談も、診察時に医師に伝えておくと良いでしょう。お薬手帳を活用して、他のクリニックや科で処方されている内服薬との重複を避けることも、不要な薬代を削減する上で重要です。
薬の配送を希望する場合
処方された薬の受け取り方法として、自宅などへの配送を選択した場合、別途、配送料がかかることがあります。この配送料は保険適用の対象外であり、全額自己負担となるのが一般的です。ただし、クリニックや提携薬局によっては、患者サービスの一環として無料配送を提供している場合もあります。配送料の有無や金額については、オンライン診療の予約時に確認しておくことをお勧めします。
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当コラムの掲載記事に関するご注意点
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4.
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皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療
2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業


















































