「虫歯じゃなかった」痛み、三叉神経と帯状疱疹が関係しているかも!?
三叉神経とは?顔の感覚を司るセンサー
顔が痛む原因はさまざまありますが、「三叉神経(さんさしんけい)」の異常が関係することも少なくありません。三叉神経は、顔の感覚を脳へ伝える重要な神経で、痛みや触れた感覚、温度などを感じ取っています。
1本で3本分働く?三叉神経の構造
三叉神経は脳から出る神経の中でも最も大きく、名前の通り「三つに分かれる」神経です。顔の上・中・下の3つの領域にそれぞれ枝を伸ばしています。具体的には、おでこや目の周辺(第1枝)、頬や上あご(第2枝)、下あごや下唇の周辺(第3枝)です。
これらの枝は、皮膚だけでなく口の中の粘膜、歯や歯ぐきの感覚を脳に伝えています。まるで電線の束のように、多数の神経線維が集まり、外からの刺激を細やかに感知します。痛みや触れた感じ、温度までを察知し、脳に正確に伝えるのが役割です。
異常が起きるとどうなる?三叉神経が関わるトラブル
この神経にトラブルが起きると、日常生活に大きな支障をきたす激痛が発生することがあります。その代表が「三叉神経痛」です。血管が神経に触れることで電気のショートのような異常信号が発生し、少しの刺激が鋭い痛みに変わります。
帯状疱疹と三叉神経の関係
顔の痛みを引き起こすのは三叉神経痛だけではありません。帯状疱疹も、三叉神経に影響を及ぼすことがあります。
ウイルスが潜伏する場所
水ぼうそうの原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスは、治ったあとも神経の奥深く、三叉神経節などに潜伏します。免疫力が下がったときに再び活動を始め、神経を伝って皮膚に現れるのが帯状疱疹です。三叉神経の一枝(額の部分)に発症することが多く、痛みとともに小さな水疱が現れます。
目症状やラムゼイ-ハント症候群にも注意
顔に帯状疱疹が現れた場合、多くはおでこの片側(第1枝の領域)にできます。このとき鼻の先や鼻筋に水ぶくれが出ると、目にまで炎症が広がるリスクがあります。耳周辺に水ぶくれができて、顔面神経麻痺やめまい、耳鳴りを伴う場合は「ラムゼイ・ハント症候群」の可能性があるため注意しましょう。
その顔の痛み、帯状疱疹?それとも三叉神経痛?
顔や歯の鋭い痛みがあるとき、どの病気を疑うべきか判断が難しいことがあります。ポイントは「痛みの性質」と「皮膚症状」の有無です。
三叉神経痛とは
三叉神経痛は、顔の感覚を伝える神経が、脳の近くで血管に圧迫されることで起こります。痛みがあるとき以外は無症状であることも特徴です。電気が走るような鋭い痛みが一瞬(数秒〜2分以内)だけ生じ、洗顔や歯磨き、食事といった日常の動作で誘発されます。診断には神経内科や脳神経外科の受診が必要です。
皮膚科を受診すべき判断材料は
帯状疱疹の痛みは、皮膚に水疱が現れるのが特徴です。発疹は赤く腫れ、水ぶくれのような状態になります。痛みと同時に皮膚の変化があれば、皮膚科を受診しましょう。また、帯状疱疹は発疹が出る前に痛みだけが先に現れることもあるため、注意が必要です。
三叉神経への帯状疱疹ダメージを防ぐために
三叉神経に帯状疱疹の影響が及ぶと、痛みが長引いたり、神経痛が後遺症として残る可能性もあります。そうならないためには、早期の治療と予防が重要です。
帯状疱疹の治療:抗ウイルス薬とステロイド療法
抗ウイルス薬を使用することが基本です。顔面や眼周辺の帯状疱疹では、ステロイド薬を併用することで炎症を抑え、後遺症を予防することもあります。早期治療が重要で、発症後すぐに治療を始めることで痛みや皮疹の重症化を防げます。
神経痛の治療:鎮痛薬・神経ブロック
ウイルスの活動が収まったあとも神経痛が続く場合、鎮痛薬、神経障害性疼痛に対する治療薬が使われます。痛みが強い場合には、「神経ブロック」と呼ばれる局所麻酔の注射を行うこともあります。
ワクチンで三叉神経への影響を防ぐ
50歳以上を対象に帯状疱疹のワクチン接種が推奨されています。ワクチンにより、帯状疱疹そのものの発症リスクを下げるだけでなく、三叉神経に起こる神経痛の予防にもつながります。自治体によっては接種費用の助成があるため、かかりつけ医や保健所に確認してみましょう。
帯状疱疹は放置せず、早めに皮膚科を受診しよう
顔に症状が出る「頭部・顔面の帯状疱疹」は、三叉神経という重要な感覚神経に関係することが多く、目や耳などに重大な合併症を引き起こす可能性があります。見た目は軽い皮膚トラブルに思えるかもしれませんが、放置することで重い後遺症を残すこともあるため、早期の受診がとても重要です。気になる症状があれば、自己判断せず、まずは皮膚科へ相談しましょう。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
仕事や家庭の事情でなかなか病院に行く時間が取れないという方は少なくありません。そんなときに頼れるのが「オンライン診療」です。
オンライン診療とは
オンライン診療は、スマートフォンやタブレット、パソコンなどを使って、インターネット経由で医師の診察を受けられる医療サービスです。病院に足を運ぶことなく、自宅や職場からビデオ通話で医師と直接話すことができ、問診や診断、処方箋の発行、支払いまでをすべてオンラインで完結できます。
SOKUYAKUとは
「SOKUYAKU(ソクヤク)」は、オンライン診療をよりスムーズに受けるためのサービスです。アプリで診察の予約から診療、処方薬の配送までを一括で管理でき、医療機関に行くことなく必要な治療を受けられます。
このサービスでは、お気に入りのクリニックや薬局を登録したり、お薬手帳をデジタルで管理することも可能です。さらに、処方されたお薬は全国どこにいても当日または翌日に受け取れるため、急ぎの治療にも対応しやすい仕組みとなっています。
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まとめ
歯のトラブルに見えても、帯状疱疹が原因となっていることがあります。見た目に異常がなくても、早期に治療を始めることで悪化や後遺症を防げます。気になる症状があるときは、迷わず専門医に相談し、正しい診断と適切なケアを受けましょう。早めの受診が、重症化や慢性化を防ぐ第一歩になります。
歯に異常がないのにズキズキと痛む、片側だけピリピリする…その症状の原因は、「神経のトラブル」かもしれません。顔の感覚をつかさどる三叉神経と、水ぼうそうのウイルスが再活性化することで起こる帯状疱疹が関係しているケースが考えられます。この記事では、三叉神経と帯状疱疹の関係と見分け方、対処方法を詳しく解説します。
三叉神経とは?顔の感覚を司るセンサー
顔が痛む原因はさまざまありますが、「三叉神経(さんさしんけい)」の異常が関係することも少なくありません。三叉神経は、顔の感覚を脳へ伝える重要な神経で、痛みや触れた感覚、温度などを感じ取っています。
1本で3本分働く?三叉神経の構造
三叉神経は脳から出る神経の中でも最も大きく、名前の通り「三つに分かれる」神経です。顔の上・中・下の3つの領域にそれぞれ枝を伸ばしています。具体的には、おでこや目の周辺(第1枝)、頬や上あご(第2枝)、下あごや下唇の周辺(第3枝)です。
これらの枝は、皮膚だけでなく口の中の粘膜、歯や歯ぐきの感覚を脳に伝えています。まるで電線の束のように、多数の神経線維が集まり、外からの刺激を細やかに感知します。痛みや触れた感じ、温度までを察知し、脳に正確に伝えるのが役割です。
異常が起きるとどうなる?三叉神経が関わるトラブル
この神経にトラブルが起きると、日常生活に大きな支障をきたす激痛が発生することがあります。その代表が「三叉神経痛」です。血管が神経に触れることで電気のショートのような異常信号が発生し、少しの刺激が鋭い痛みに変わります。
帯状疱疹と三叉神経の関係
顔の痛みを引き起こすのは三叉神経痛だけではありません。帯状疱疹も、三叉神経に影響を及ぼすことがあります。
ウイルスが潜伏する場所
水ぼうそうの原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスは、治ったあとも神経の奥深く、三叉神経節などに潜伏します。免疫力が下がったときに再び活動を始め、神経を伝って皮膚に現れるのが帯状疱疹です。三叉神経の一枝(額の部分)に発症することが多く、痛みとともに小さな水疱が現れます。
目症状やラムゼイ-ハント症候群にも注意
顔に帯状疱疹が現れた場合、多くはおでこの片側(第1枝の領域)にできます。このとき鼻の先や鼻筋に水ぶくれが出ると、目にまで炎症が広がるリスクがあります。耳周辺に水ぶくれができて、顔面神経麻痺やめまい、耳鳴りを伴う場合は「ラムゼイ・ハント症候群」の可能性があるため注意しましょう。
その顔の痛み、帯状疱疹?それとも三叉神経痛?
顔や歯の鋭い痛みがあるとき、どの病気を疑うべきか判断が難しいことがあります。ポイントは「痛みの性質」と「皮膚症状」の有無です。
三叉神経痛とは
三叉神経痛は、顔の感覚を伝える神経が、脳の近くで血管に圧迫されることで起こります。痛みがあるとき以外は無症状であることも特徴です。電気が走るような鋭い痛みが一瞬(数秒〜2分以内)だけ生じ、洗顔や歯磨き、食事といった日常の動作で誘発されます。診断には神経内科や脳神経外科の受診が必要です。
皮膚科を受診すべき判断材料は
帯状疱疹の痛みは、皮膚に水疱が現れるのが特徴です。発疹は赤く腫れ、水ぶくれのような状態になります。痛みと同時に皮膚の変化があれば、皮膚科を受診しましょう。また、帯状疱疹は発疹が出る前に痛みだけが先に現れることもあるため、注意が必要です。
三叉神経への帯状疱疹ダメージを防ぐために
三叉神経に帯状疱疹の影響が及ぶと、痛みが長引いたり、神経痛が後遺症として残る可能性もあります。そうならないためには、早期の治療と予防が重要です。
帯状疱疹の治療:抗ウイルス薬とステロイド療法
抗ウイルス薬を使用することが基本です。顔面や眼周辺の帯状疱疹では、ステロイド薬を併用することで炎症を抑え、後遺症を予防することもあります。早期治療が重要で、発症後すぐに治療を始めることで痛みや皮疹の重症化を防げます。
神経痛の治療:鎮痛薬・神経ブロック
ウイルスの活動が収まったあとも神経痛が続く場合、鎮痛薬、神経障害性疼痛に対する治療薬が使われます。痛みが強い場合には、「神経ブロック」と呼ばれる局所麻酔の注射を行うこともあります。
ワクチンで三叉神経への影響を防ぐ
50歳以上を対象に帯状疱疹のワクチン接種が推奨されています。ワクチンにより、帯状疱疹そのものの発症リスクを下げるだけでなく、三叉神経に起こる神経痛の予防にもつながります。自治体によっては接種費用の助成があるため、かかりつけ医や保健所に確認してみましょう。
帯状疱疹は放置せず、早めに皮膚科を受診しよう
顔に症状が出る「頭部・顔面の帯状疱疹」は、三叉神経という重要な感覚神経に関係することが多く、目や耳などに重大な合併症を引き起こす可能性があります。見た目は軽い皮膚トラブルに思えるかもしれませんが、放置することで重い後遺症を残すこともあるため、早期の受診がとても重要です。気になる症状があれば、自己判断せず、まずは皮膚科へ相談しましょう。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
仕事や家庭の事情でなかなか病院に行く時間が取れないという方は少なくありません。そんなときに頼れるのが「オンライン診療」です。
オンライン診療とは
オンライン診療は、スマートフォンやタブレット、パソコンなどを使って、インターネット経由で医師の診察を受けられる医療サービスです。病院に足を運ぶことなく、自宅や職場からビデオ通話で医師と直接話すことができ、問診や診断、処方箋の発行、支払いまでをすべてオンラインで完結できます。
SOKUYAKUとは
「SOKUYAKU(ソクヤク)」は、オンライン診療をよりスムーズに受けるためのサービスです。アプリで診察の予約から診療、処方薬の配送までを一括で管理でき、医療機関に行くことなく必要な治療を受けられます。
このサービスでは、お気に入りのクリニックや薬局を登録したり、お薬手帳をデジタルで管理することも可能です。さらに、処方されたお薬は全国どこにいても当日または翌日に受け取れるため、急ぎの治療にも対応しやすい仕組みとなっています。
まとめ
歯のトラブルに見えても、帯状疱疹が原因となっていることがあります。見た目に異常がなくても、早期に治療を始めることで悪化や後遺症を防げます。気になる症状があるときは、迷わず専門医に相談し、正しい診断と適切なケアを受けましょう。早めの受診が、重症化や慢性化を防ぐ第一歩になります。
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