【医師監修】ヘルペスが疑われる場合に受診するのは何科か？発症場所で紹介

ヘルペスにかかったと思ったら、どの科を受診すべきか？

ヘルペスは、症状の出る部位によって受診すべき診療科が異なります。とはいえ、どこに相談すればよいかわからない場合や、初めての症状で迷う場合はまず皮膚科を受診するのが一般的です。皮膚科で診察を受けたうえで、必要に応じて適切な専門科を紹介してもらえることもあります。

口唇ヘルペスの場合は何科を受診する？

口唇ヘルペスは、唇やその周辺に水ぶくれができる一般的なヘルペス感染症です。

口唇ヘルペスの特徴

単純ヘルペスウイルス1型（HSV-1）によって引き起こされ、唇やその周辺にピリピリ・ムズムズといった違和感を伴ったのち、小さな水ぶくれが現れます。これらの水ぶくれは数日で破れ、かさぶたになって自然に治癒しますが、免疫力の低下や強い紫外線、ストレスなどをきっかけに再発しやすいのが特徴です。

一度感染したウイルスは、神経節に潜伏して再発の機会をうかがっており、体調を崩したときに再び活性化することがあります。再発時には、前兆としてチクチク、ピリピリとした感覚が出ることが多く、その段階での対処が重要です。

口唇ヘルペスについて詳しく解説

受診する科は

初めての症状であれば、皮膚科の受診が基本です。水ぶくれやただれが口の中にまで及んでいる場合は、耳鼻咽喉科や口腔外科での対応も可能です。また、すでに口唇ヘルペスと診断されていて、再発時の治療を希望する場合は、かかりつけの内科でも対応してもらえることがあります。

重症でない限りは、近くのクリニックで十分に対応できます。症状を繰り返す場合は、継続して相談できる医師を見つけておくと安心です。

主な治療方法は

治療の基本は抗ウイルス薬によるウイルスの増殖抑制です。症状の程度や発症タイミングに応じて、内服薬や塗り薬が処方されます。前兆の段階で薬を使うことで、水ぶくれの発症を最小限に抑えたり、早期回復につなげられます。

市販の再発治療薬もあり、過去に口唇ヘルペスと診断された方であれば、薬剤師の説明を受けて購入可能です。ただし、初めての発症や症状が明らかにいつもと違う場合は、必ず医療機関で診察を受けましょう。

性器ヘルペスの場合は何科を受診する？

デリケートな部位に症状が出る感染症であり、不安を感じやすい疾患です。

性器ヘルペスの特徴

主に単純ヘルペスウイルス2型（HSV-2）によって引き起こされますが、近年ではHSV-1が性器に感染するケースも増えています。初感染時には、性器や肛門まわりに痛みを伴う小さな水ぶくれが複数できることが特徴です。破れて潰瘍になったり、発熱、倦怠感、リンパ節の腫れなどの全身症状を伴うこともあります。

再発時には前兆として、かゆみや違和感が出ることがほとんどです。水ぶくれの範囲は初回よりも小さい傾向がありますが、再発の頻度は個人差が大きく、年に数回繰り返す人もいます。

ヘルペス発症中の性行為について詳しく解説

受診する科は

陰部にできたヘルペスも、皮膚の疾患であるため、皮膚科で診断・治療が可能です。また、男性は泌尿器科、女性は婦人科でも相談することができます。再発で症状が軽度の場合や、普段から受診しているかかりつけ医がある場合は、内科でも対応可能なことがあります。初めて症状が出た場合や、痛みが強い、広範囲にわたる場合には、必ず専門科を受診しましょう。

主な治療方法は

発症初期から抗ウイルス薬の内服を開始することで、症状の悪化を防ぎ、回復を早める効果があります。発熱や強い痛みを伴う場合には、解熱鎮痛薬を併用することもあります。

再発の頻度や生活への影響を医師に相談しながら、長期的な治療方針を決めることが大切です。再発を繰り返す人には、再発抑制療法（毎日内服薬を一定期間継続する治療）が検討されることもあります。

指にヘルペスの症状が出た場合は何科を受診する？

指先に痛みを伴う腫れや水ぶくれができた場合、それは「疱疹性ひょう疽（ヘルペスひょう疽）」の可能性があります。

疱疹性ひょう疽の特徴

HSV-1またはHSV-2が、手指の小さな傷などから侵入して発症する感染症になります。最も多い症状は、指先の赤みと腫れ、強い痛み、透明な小さな水ぶくれです。これらの水ぶくれは破れにくく、通常1本の指に限局して症状が現れます。

ウイルスは自身の口唇ヘルペスから指に広がることもあり、子どもでは指しゃぶり、大人では医療行為や性的接触が要因です。再発することもあり、リンパ節の腫れや発熱を伴うこともあります。

受診する科は

皮膚科が最も適切です。初めて症状が出た場合や、痛みが強い・広がりがあるといった場合には、皮膚科専門医による診断を受けることで、細菌感染との見分けも含めて正確に評価されます。

一方で、すでに疱疹性ひょう疽と診断されている方が再発した場合には、かかりつけ医や内科でも治療可能な場合があります。ただし、症状が明らかに以前と異なる場合は再度皮膚科を受診した方が安心です。

主な治療方法は

治療の中心は、抗ウイルス薬の内服です。できるだけ発症から48時間以内に服用を開始することで、ウイルスの増殖を抑え、早期の回復が期待できます。場合によっては外用薬や鎮痛薬が併用されることもあります。水ぶくれには多くのウイルスが含まれており、他人への接触感染のリスクがあるため、手袋やガーゼで患部を覆うなどの対策も重要です。

目にヘルペスが広がった場合は何科を受診する？

目の周辺や角膜にヘルペスの症状が出た場合は、重症化のリスクがあるため注意が必要です。

眼瞼ヘルペスの特徴

目の周りのヘルペスの見分け方について

目のまわりに現れるヘルペスには、眼瞼（がんけん）ヘルペスや角膜ヘルペスがあります。

眼瞼ヘルペスは、まぶたに小さな水ぶくれが多数できるもので、多くは単純ヘルペスウイルス1型が原因です。患部が赤く腫れ、軽度のかゆみや痛みを伴います。

角膜ヘルペスは、黒目の表面である角膜にウイルスが感染し、異物感、まぶしさ、充血、視力の低下などが起こります。

ウイルスは神経に潜伏し、ストレスや疲労、日光などをきっかけに再発することがあります。繰り返すうちに視力が落ちるリスクもあるため、注意が必要です。

受診する科は

目の症状がある場合は、眼科を受診してください。ヘルペスによる目の病気は、皮膚科では対応できないことが多く、角膜や網膜などの深部に炎症が及ぶこともあるため、眼科での専門的な検査と治療が欠かせません。

「角膜ヘルペス」は、誤った自己判断で市販の目薬を使ったり放置したりすると、重症化して視力を失う危険性もあるため、自己判断は避け、早期に受診することが重要です。

主な治療方法は

軽度の眼瞼ヘルペスには外用薬で対応できる場合もありますが、角膜ヘルペスでは抗ウイルス点眼薬を使い、ウイルスの増殖を抑えます。角膜の深い部分にまで炎症が及んでいる場合（実質型）には、抗ウイルス薬に加えてステロイド点眼薬を併用して炎症を抑えることがあります。

ステロイド薬は誤用すると病状を悪化させることがあるため、必ず眼科医の指示に従って使用してください。目の症状は進行が早いため、「おかしいな」と思った時点で受診するのが最善です。

ヘルペスが疑われる症状が出たら放置せず医療機関を受診しよう

ヘルペスは、自然に治ることもある感染症ですが、症状が重くなったり、再発を繰り返したりすることもあるため、自己判断で放置せず医療機関での診察を受けることが大切です。早期に抗ウイルス薬で治療することで、症状の悪化を防ぎ、他人への感染リスクも下げられます。初めての発症や症状が強い場合は、できるだけ早めに受診しましょう。

忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ

「仕事が忙しくて病院に行けない」「通院の時間が取りづらい」という方は、オンライン診療という手段があります。ヘルペスのような再発リスクのある疾患では、手軽に医師と相談できる手段を持っておくことは安心です。

ただし、画面越しでは患部の状態がわかりにくく、対面診療の方が正確な判断ができる場合もあります。初回の診断や症状が重い場合は対面での受診が推奨されます。

オンライン診療とは

オンライン診療について

オンライン診療とは、インターネット環境があれば、自宅や職場などから医師の診察を受けられる医療サービスです。スマートフォンやパソコンを使ってビデオ通話を行い、医師が問診・診察を行います。多くの場合、オンライン上で診察の予約・問診・診療・処方箋の発行・決済までを一括で完結でき、薬も自宅に配送してもらえる仕組みが整っています。

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「SOKUYAKU（ソクヤク）」は、オンライン診療を簡単に受けられる医療サービスです。アプリで簡単に診察予約ができ、診療後は自宅にいながら最短当日または翌日に薬を受け取れます。

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まとめ

ヘルペスは発症部位によって受診すべき診療科が異なりますが、迷ったらまず皮膚科を受診するのが一般的です。自己判断で様子を見たり放置したりせず、「何かおかしい」と感じた時点で、ためらわず医療機関を受診しましょう。適切な診療科での専門的な対応を受けることで、再発の予防や重症化のリスクを抑えられます。