心療内科・精神科オンライン診療のおすすめポイントと医療機関の選び方
心療内科・精神科のオンライン診療ならではのおすすめポイントは?
オンライン診療では、場所や時間にとらわれず、気軽に心療内科・精神科の専門医の診察を受けることができます。通院の負担が大きく軽減されるだけでなく、自宅でリラックスした状態での受診が可能となるため、メンタルヘルスの不調を抱える方に大きなメリットがあります。 特に、通院が困難な方や、周囲の目を気にせず相談したい方には便利で有効な受診の手段となります。
以下、オンライン診療ならではのおすすめポイントを詳細に解説していきます。
メンタルクリニックが近くになくても専門医の診察を受診できる
地方在住の方や通院に困難を抱える方にとって、心療内科や精神科の専門医の診察を受けることは大きな課題です。近くに心療内科や精神科のメンタルクリニックがなかったり、通院のための交通手段が確保できなかったりといった状況では、早期に適切な治療を受ける機会を逃してしまう可能性があります。
しかし、オンライン診療なら、地理的な不便を解消できます。インターネット環境とビデオ通話が可能な機器さえあれば、日本全国どこからでも専門医の診察を受けられます。 例えば、最寄りのメンタルクリニックまで数時間もかかる地域にお住まいでも、ビデオ通話を通じて専門医の診察を受け、適切な治療を開始できます。
通院にかかる時間的コスト・手間・制約を省ける
通院には、病院までの移動、診察までの待ち時間、薬局での薬の受け取りなど、診察のほかにも多くの時間を要します。オンライン診療なら、こうした時間的コストや手間を大きく削減できます。 自宅で診察を受けられるため、移動時間や待ち時間が不要です。仕事や家事、育児との両立の困難も解消されます。 交通費がかからない、通院のために仕事を休む必要がないなど、経済的なメリットもあります。
アプリやインターネットから予約の変更の手続きなども簡単に行えることが多く、予定変更にも柔軟に対応できます。時間の制約に縛られず、自分のペースで治療を進められるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
外出や待ち時間のストレスなく自宅でリラックスして受診
精神疾患を抱えている方は、外出にストレスや困難を感じることが多くあります。人混みや待合室での待ち時間、他人の視線など、様々な要因が不安や緊張を招き、症状を悪化させる可能性もあります。
オンライン診療では、自宅でリラックスした状態で診察を受けられるため、こうしたストレスを軽減できます。 例えば、パニック障害や社会不安障害を抱える方にとっては外出すること自体が大きな負担となるため、オンライン診療は非常に有効な選択肢となります。また、落ち着いて医師と話せる環境は、正確な問診や治療効果の向上にも繋がります。
メンタルヘルスの不調に早期に心のケアを提供
メンタルヘルスの不調は、早期発見・早期治療が重要です。しかし、通院のハードルが高いために、症状を放置してしまうケースも少なくありません。
オンライン診療は受診しやすく、些細な不安や不調でも気軽に専門医に相談できるので、精神的な負担を軽減します。例えば、「やる気が出ない」「気分が落ち込む」といった、うつ病の初期症状が出始めた段階でオンライン診療を利用すれば、早期に治療を開始でき、症状の悪化を防止する効果が期待できます。メンタルヘルスケアを早めに始めることで、回復への道も早めることにつながるでしょう。
対面診療と使い分け可! 初診OKのクリニックもある
一般に、心療内科や精神科では、初診は対面診療を推奨されることが多いです。厚生労働省のガイドラインに基づき、オンライン診療の初診では向精神薬の処方ができない(薬物の濫用や虚偽の申告を防止するため)などの制約があるためです。
とはいえ、気軽に受診できるのがオンライン診療のメリットでもあり、初診の受付が可能なクリニックも多くあります。その場合、初診では症状の評価とアドバイスを受け、必要に応じて次回以降の対面診療や、オンライン診療の再診での薬の処方を検討することになります。
対面診療は医師が患者の表情や姿勢、声色などを細やかに観察して、病状を把握することに適しています。また、対面でないと行えない各種の心理検査や血液検査(採血)などが必要になることもあります。必要に応じて、オンライン診療と対面診療を使い分けるのが良いでしょう。
スマホやパソコンから診察予約が24時間受付
オンライン診療では、多くのクリニックがインターネットやアプリを通じて、24時間、診察の予約を受け付けています。 受付の時間内に電話をかける必要もなく、都合の良い時間帯に手軽に予約できるので、忙しい方でも安心して利用できます。
心療内科・精神科のオンライン診療の選び方、注意点は?
心療内科・精神科のオンライン診療を受診する際は、「初診からオンライン診療が可能か?」「薬の処方や診断書の発行までオンラインで完結できるか?」「診療の内容や質はどうか?」なども確認することが重要です。クリニックを選ぶ際に注意すべきポイントをご紹介します。
初診からオンライン診療が可能か
心療内科や精神科では「初診は対面診療が必要」とされる場合があります。対面の診察で医師が患者さんの表情や顔色、姿勢などを細やかに観察することがより正確な診断につながりますし、初診では向精神薬の処方ができないといった制限もあるためです。また、重症度が高い、治療の緊急性が高いと判断される場合は、対面診療が推奨されます。
一方、初診からオンライン診療を受け付けている医療機関もあります。初診からオンライン診療が可能であれば、遠方に住んでいる人や外出が難しい人でも受診のハードルが下がり、治療開始を早めることができます。
また、すでに他の医療機関で診断を受けている患者さんでは、オンライン診療は大きなメリットがあります。通院の負担を減らしながら、症状の経過観察や薬の調整を継続できるためです。このように、自分の状況やニーズに合った医療機関を選ぶうえで「初診からオンライン診療が可能かどうか」を確認することが大切です。
診断書や休職・傷病手当に必要な書類の発行・郵送は可能か
オンライン診療でも、問診や診察を経て医師が適切と判断すれば、診断書などの書類を発行できます。ただし、医療機関によって対応が異なる点があります。休職の手続きや傷病手当金の申請で診断書が必要になる場合は、事前に医療機関に伝えて、発行までの日数や費用、受け取り方法を問い合わせておきましょう。
心療内科や精神科の診断書は、症状の経過や状態を慎重に見極める必要があるため、初診ですぐに発行されることは少ないです。ある程度の日数を要すると考えておきましょう。ただし、症状が重い場合や治療の緊急性があると医師が判断した場合には、例外的にすぐ発行されることもあります。
診断書の発行にかかる費用は健康保険の適用外となるため、自費での支払いが必要になります。記載の内容や医療機関によっても異なりますが、費用は数千円から1万円程度が一般的です。
医療機関によっては、診断書の郵送やオンライン発行(メールでの受け取りや医療機関のWebサイトからPDFファイルをダウンロードなど)に対応している場合があります。
【関連記事】
心療内科オンライン診療で診断書は発行可能? 休職や傷病手当金は?
薬の処方や服薬指導、配送の有無
オンライン診療でも対面診療と同様に薬の処方が可能ですが、薬を受け取るまでの手順が異なる点に注意が必要です。対面診療では、患者が医療機関で発行された処方箋を調剤薬局に持って行き、薬を受け取ることが一般的です。または、医療機関が院内処方を行っていれば、診察後にその場で薬を受け取れます。一方、オンライン診療では、以下3つの方法で薬を受け取ります。
①指定した薬局に受け取りに行く
あらかじめ指定した薬局に医療機関から電子処方箋またはFAXで処方箋が送られ、薬局で薬を用意してもらい、受け取りに行く方法です。
②処方箋を郵送してもらう
処方箋を自宅に郵送してもらい、その処方箋を持って、近所の調剤薬局に受け取りに行く方法です。
③薬を自宅に配送してもらう
一部のオンライン診療サービスやクリニックでは、薬の配送サービスを実施しています。薬局に行かなくても自宅など好きな場所で薬を受け取れて便利です。
①や②の薬局に行って薬を受け取る場合は、薬局で薬剤師から服薬指導を受けますが、③の配送の場合は原則としてオンラインでのビデオ通話による服薬指導を受けます。オンライン診療を受診しようと思っているクリニックや提携しているサービスが薬の配送やオンライン服薬指導に対応しているか、受診の前に確認しておくと良いでしょう。
処方された薬を薬局に取りに行く時間がない、手間を省きたいという方へ。
SOKUYAKUのオンライン服薬指導なら、診察から薬の受け取りまで全て自宅で完結。最短当日中にご自宅のポストへお薬が届きます。
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カウンセリングや認知行動療法など心理療法に対応しているか
心療内科や精神科で扱う病気の多くは、薬物療法(向精神薬など)と並んで、カウンセリングや認知行動療法などの心理療法が治療の柱になります。オンラインで心理療法に対応できるかどうかも、医療機関選びの大事なポイントの一つです。
公認心理師や臨床心理士など、信頼に足る資格を持つ心理士やカウンセラーが在籍し、医師と連携してオンラインカウンセリングを実施しているかどうかを確認しましょう。中には、平日夜や土曜日・日曜日などの利用しやすい曜日や時間帯にもオンラインカウンセリングを実施している医療機関もあります。
患者の口コミ評価や評判には問題ないか
患者の口コミ評価や評判に問題ないかも、チェックしたい事項の一つです。口コミや評判を知りたい場合は、医療系口コミサイトやオンライン診療の予約サイト、SNSなどをチェックするのが有効です。
ただし、オンライン診療と対面診療では、初診の受け付け、予約から受診までの流れ、診療後の会計、薬の処方や配送など、医療機関の対応が異なる点が多くあります。必ず「オンライン診療」について書かれた口コミを参考にしましょう。
また、星の数だけで判断せず、「予約の取りやすさ」「受け付け可能な時間(夜間や土日、祝日にも受診できるか)」「医師の説明は丁寧か」「診断や治療法は納得の行くものか」「薬の処方や配送は可能か」といった具体的な口コミの内容に注目しましょう。
オンライン診療を利用した患者さんの口コミ
仕事のストレスで不眠に悩んでいましたが、平日は病院に行く時間がなく困っていました。私は土曜の夜の診察ですが、先生は丁寧に診察していただけていて助かっています。
現在治療開始から2ヵ月が経ちましたが、睡眠の質が大幅に改善され、職場でのストレスにも以前より対処できるようになりました。正直、オンラインでの診療は不安でしたが、実際に利用してみて非常に満足しています。(50代男性)
近くの医院に直接受診しようと思いましたが1ヵ月以上の予約待ちがあるといわれて、早く受診しないとという思いから初めてオンライン診療を利用しました。
初めてのオンライン診療で不安でしたが、こちらの話を親身に聞いて下さって安心しました。これから良い方向にいくことを信じて通おうと思います。(20代女性)
出典:SOKUYAKU利用者アンケートより
オンライン診療で診察・処方できる病気・症状は?
心療内科・精神科のオンライン診療では、さまざまな精神疾患や心の悩みに対応しています。ここでは代表的な疾患について、簡単にご紹介します。
適応障害
適応障害は、環境(職場や人間関係など)の変化やストレスに上手く適応できず、気分の落ち込みや不安、意欲の低下などが現れる病気です。オンライン診療では、症状の聞き取りや生活状況の把握を通して、適応障害の診断を行い、必要に応じてカウンセリングや薬物療法などの治療を開始できます。
【関連記事】
適応障害で休職できる?適応障害になりやすい人や治療方法・原因なども解説 | オンライン診療・服薬指導サービス SOKUYAKU(ソクヤク)
うつ病
うつ病は、「気分が落ち込む・やる気が出ない」など、気力や意欲の喪失が長期間続く精神疾患です。疲労感や倦怠感、食欲の低下、不眠、頭痛や胃痛などの身体的症状が伴う場合もあります。オンライン診療では、うつ病の症状を丁寧に聞き取り、必要に応じて、抗うつ剤などの薬物療法、カウンセリングや心理療法を組み合わせた治療を行うことができます。
【関連記事】
うつ病は、自分で気づくことができる?初期症状のサインや対処法も解説【セルフチェック付き】 | オンライン診療・服薬指導サービス SOKUYAKU(ソクヤク)
睡眠障害(不眠症)
睡眠障害は、「眠れない・寝付きが悪い・途中で目が覚める・日中の強い眠気」など、睡眠に関する問題が続く状態です。オンライン診療では、睡眠に関する詳細な問診を行い、睡眠障害の原因を特定します。そして、睡眠薬などの薬物療法、認知行動療法といった心理療法、生活習慣の改善指導などを組み合わせた治療を行うことが可能です。
【関連記事】
睡眠薬は何科で処方してもらえる?不眠症の原因や治療方法について詳しく解説 | オンライン診療・服薬指導サービス SOKUYAKU(ソクヤク)
不安障害(パニック障害、社交不安障害など)
不安障害は、過剰な不安や緊張、恐怖感などにより日常生活に支障が起こる精神疾患の総称です。動悸、呼吸困難、めまい、発汗などの身体症状を伴うこともあります。突然、強い不安や恐怖感に襲われる発作が特徴のパニック障害、他者の視線や注目に強い不安を感じる社交不安障害などがあります。オンライン診療では、不安やパニック発作の症状について詳しく聞き取り、必要に応じて抗不安薬などの薬物療法、認知行動療法などの心理療法を行います。
双極性障害(躁うつ病)
双極性障害は、気分が大きく変動し、気分が異常に高揚する状態(躁)と、強い落ち込みの状態(鬱)とを繰り返す病気です。オンライン診療では、気分の変動について詳しく聞き取って診断し、必要に応じて薬物療法などの治療を行います。
強迫性障害
強迫性障害は、頭から離れない強い不安(強迫観念)を打ち消すために、同じ考えや行動を繰り返してしまい、日常生活に支障をきたす病気です。
発達障害
発達障害は、脳機能の発達の偏りにより社会性やコミュニケーションなどに困難を抱える状態を指します。ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)などがあります。一般に、未成年の発達障害でオンライン診療を受ける際は保護者の同意や同席が必要になります。
その他
上記の他にも、過敏性腸症候群、自律神経失調症、慢性疲労症候群、統合失調症、摂食障害など、様々な心身症状についてオンライン診療で対応可能な場合があります。
オンライン診療は、通院の負担を軽減し、プライバシーを守りながら、専門医の診察を受けられる便利なシステムです。しかし、必ずしもオンライン完結で全ての疾患に対応できるとは限りません。精神疾患の診断や治療には対面での診察や心理検査が必要となる場合もあります。オンライン診療と対面診療を組み合わせて受診することも検討しましょう。
やる気が出ない、よく眠れない…そんな心身の不調は、専門医に相談することが回復への第一歩です。
SOKUYAKUでは、あなたの悩みに寄り添う全国の心療内科・精神科クリニックを24時間いつでも予約可能。初診からオンラインで相談できるクリニックや、夜間・土日に受診できるクリニックも多数掲載しています。
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「やる気が出ない」「気分が落ち込む・つらい」「寝付きが悪い」などメンタルの不調に悩みながら、「通院がおっくう」「近くにメンタルクリニック(心療内科や精神科)がない」などの困りごとを抱えているかたへ。
オンライン診療なら、自宅からビデオ通話で専門医の診察やカウンセリングを受けられます。通常の対面診療と同様に、診察や薬の処方は原則として健康保険が適用になります。最近では、初診対応、処方箋や診断書のオンライン発行が可能な医療機関も増えています。
この記事では、オンライン診療で心療内科や精神科を受診した患者さんの実際の口コミも交えながら、オンライン診療のおすすめポイントからクリニックの選び方をお伝えします。さらに、心療内科や精神科で診る疾患(適応障害・うつ病・不眠症・不安障害・双極性障害など)についても解説します。
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心療内科・精神科のオンライン診療ならではのおすすめポイントは?
オンライン診療では、場所や時間にとらわれず、気軽に心療内科・精神科の専門医の診察を受けることができます。通院の負担が大きく軽減されるだけでなく、自宅でリラックスした状態での受診が可能となるため、メンタルヘルスの不調を抱える方に大きなメリットがあります。 特に、通院が困難な方や、周囲の目を気にせず相談したい方には便利で有効な受診の手段となります。
以下、オンライン診療ならではのおすすめポイントを詳細に解説していきます。
メンタルクリニックが近くになくても専門医の診察を受診できる
地方在住の方や通院に困難を抱える方にとって、心療内科や精神科の専門医の診察を受けることは大きな課題です。近くに心療内科や精神科のメンタルクリニックがなかったり、通院のための交通手段が確保できなかったりといった状況では、早期に適切な治療を受ける機会を逃してしまう可能性があります。
しかし、オンライン診療なら、地理的な不便を解消できます。インターネット環境とビデオ通話が可能な機器さえあれば、日本全国どこからでも専門医の診察を受けられます。 例えば、最寄りのメンタルクリニックまで数時間もかかる地域にお住まいでも、ビデオ通話を通じて専門医の診察を受け、適切な治療を開始できます。
通院にかかる時間的コスト・手間・制約を省ける
通院には、病院までの移動、診察までの待ち時間、薬局での薬の受け取りなど、診察のほかにも多くの時間を要します。オンライン診療なら、こうした時間的コストや手間を大きく削減できます。 自宅で診察を受けられるため、移動時間や待ち時間が不要です。仕事や家事、育児との両立の困難も解消されます。 交通費がかからない、通院のために仕事を休む必要がないなど、経済的なメリットもあります。
アプリやインターネットから予約の変更の手続きなども簡単に行えることが多く、予定変更にも柔軟に対応できます。時間の制約に縛られず、自分のペースで治療を進められるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
外出や待ち時間のストレスなく自宅でリラックスして受診
精神疾患を抱えている方は、外出にストレスや困難を感じることが多くあります。人混みや待合室での待ち時間、他人の視線など、様々な要因が不安や緊張を招き、症状を悪化させる可能性もあります。
オンライン診療では、自宅でリラックスした状態で診察を受けられるため、こうしたストレスを軽減できます。 例えば、パニック障害や社会不安障害を抱える方にとっては外出すること自体が大きな負担となるため、オンライン診療は非常に有効な選択肢となります。また、落ち着いて医師と話せる環境は、正確な問診や治療効果の向上にも繋がります。
メンタルヘルスの不調に早期に心のケアを提供
メンタルヘルスの不調は、早期発見・早期治療が重要です。しかし、通院のハードルが高いために、症状を放置してしまうケースも少なくありません。
オンライン診療は受診しやすく、些細な不安や不調でも気軽に専門医に相談できるので、精神的な負担を軽減します。例えば、「やる気が出ない」「気分が落ち込む」といった、うつ病の初期症状が出始めた段階でオンライン診療を利用すれば、早期に治療を開始でき、症状の悪化を防止する効果が期待できます。メンタルヘルスケアを早めに始めることで、回復への道も早めることにつながるでしょう。
対面診療と使い分け可! 初診OKのクリニックもある
一般に、心療内科や精神科では、初診は対面診療を推奨されることが多いです。厚生労働省のガイドラインに基づき、オンライン診療の初診では向精神薬の処方ができない(薬物の濫用や虚偽の申告を防止するため)などの制約があるためです。
とはいえ、気軽に受診できるのがオンライン診療のメリットでもあり、初診の受付が可能なクリニックも多くあります。その場合、初診では症状の評価とアドバイスを受け、必要に応じて次回以降の対面診療や、オンライン診療の再診での薬の処方を検討することになります。
対面診療は医師が患者の表情や姿勢、声色などを細やかに観察して、病状を把握することに適しています。また、対面でないと行えない各種の心理検査や血液検査(採血)などが必要になることもあります。必要に応じて、オンライン診療と対面診療を使い分けるのが良いでしょう。
スマホやパソコンから診察予約が24時間受付
オンライン診療では、多くのクリニックがインターネットやアプリを通じて、24時間、診察の予約を受け付けています。 受付の時間内に電話をかける必要もなく、都合の良い時間帯に手軽に予約できるので、忙しい方でも安心して利用できます。
心療内科・精神科のオンライン診療の選び方、注意点は?
心療内科・精神科のオンライン診療を受診する際は、「初診からオンライン診療が可能か?」「薬の処方や診断書の発行までオンラインで完結できるか?」「診療の内容や質はどうか?」なども確認することが重要です。クリニックを選ぶ際に注意すべきポイントをご紹介します。
初診からオンライン診療が可能か
心療内科や精神科では「初診は対面診療が必要」とされる場合があります。対面の診察で医師が患者さんの表情や顔色、姿勢などを細やかに観察することがより正確な診断につながりますし、初診では向精神薬の処方ができないといった制限もあるためです。また、重症度が高い、治療の緊急性が高いと判断される場合は、対面診療が推奨されます。
一方、初診からオンライン診療を受け付けている医療機関もあります。初診からオンライン診療が可能であれば、遠方に住んでいる人や外出が難しい人でも受診のハードルが下がり、治療開始を早めることができます。
また、すでに他の医療機関で診断を受けている患者さんでは、オンライン診療は大きなメリットがあります。通院の負担を減らしながら、症状の経過観察や薬の調整を継続できるためです。このように、自分の状況やニーズに合った医療機関を選ぶうえで「初診からオンライン診療が可能かどうか」を確認することが大切です。
診断書や休職・傷病手当に必要な書類の発行・郵送は可能か
オンライン診療でも、問診や診察を経て医師が適切と判断すれば、診断書などの書類を発行できます。ただし、医療機関によって対応が異なる点があります。休職の手続きや傷病手当金の申請で診断書が必要になる場合は、事前に医療機関に伝えて、発行までの日数や費用、受け取り方法を問い合わせておきましょう。
心療内科や精神科の診断書は、症状の経過や状態を慎重に見極める必要があるため、初診ですぐに発行されることは少ないです。ある程度の日数を要すると考えておきましょう。ただし、症状が重い場合や治療の緊急性があると医師が判断した場合には、例外的にすぐ発行されることもあります。
診断書の発行にかかる費用は健康保険の適用外となるため、自費での支払いが必要になります。記載の内容や医療機関によっても異なりますが、費用は数千円から1万円程度が一般的です。
医療機関によっては、診断書の郵送やオンライン発行(メールでの受け取りや医療機関のWebサイトからPDFファイルをダウンロードなど)に対応している場合があります。
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薬の処方や服薬指導、配送の有無
オンライン診療でも対面診療と同様に薬の処方が可能ですが、薬を受け取るまでの手順が異なる点に注意が必要です。対面診療では、患者が医療機関で発行された処方箋を調剤薬局に持って行き、薬を受け取ることが一般的です。または、医療機関が院内処方を行っていれば、診察後にその場で薬を受け取れます。一方、オンライン診療では、以下3つの方法で薬を受け取ります。
①指定した薬局に受け取りに行く
あらかじめ指定した薬局に医療機関から電子処方箋またはFAXで処方箋が送られ、薬局で薬を用意してもらい、受け取りに行く方法です。
②処方箋を郵送してもらう
処方箋を自宅に郵送してもらい、その処方箋を持って、近所の調剤薬局に受け取りに行く方法です。
③薬を自宅に配送してもらう
一部のオンライン診療サービスやクリニックでは、薬の配送サービスを実施しています。薬局に行かなくても自宅など好きな場所で薬を受け取れて便利です。
①や②の薬局に行って薬を受け取る場合は、薬局で薬剤師から服薬指導を受けますが、③の配送の場合は原則としてオンラインでのビデオ通話による服薬指導を受けます。オンライン診療を受診しようと思っているクリニックや提携しているサービスが薬の配送やオンライン服薬指導に対応しているか、受診の前に確認しておくと良いでしょう。
処方された薬を薬局に取りに行く時間がない、手間を省きたいという方へ。
SOKUYAKUのオンライン服薬指導なら、診察から薬の受け取りまで全て自宅で完結。最短当日中にご自宅のポストへお薬が届きます。
カウンセリングや認知行動療法など心理療法に対応しているか
心療内科や精神科で扱う病気の多くは、薬物療法(向精神薬など)と並んで、カウンセリングや認知行動療法などの心理療法が治療の柱になります。オンラインで心理療法に対応できるかどうかも、医療機関選びの大事なポイントの一つです。
公認心理師や臨床心理士など、信頼に足る資格を持つ心理士やカウンセラーが在籍し、医師と連携してオンラインカウンセリングを実施しているかどうかを確認しましょう。中には、平日夜や土曜日・日曜日などの利用しやすい曜日や時間帯にもオンラインカウンセリングを実施している医療機関もあります。
患者の口コミ評価や評判には問題ないか
患者の口コミ評価や評判に問題ないかも、チェックしたい事項の一つです。口コミや評判を知りたい場合は、医療系口コミサイトやオンライン診療の予約サイト、SNSなどをチェックするのが有効です。
ただし、オンライン診療と対面診療では、初診の受け付け、予約から受診までの流れ、診療後の会計、薬の処方や配送など、医療機関の対応が異なる点が多くあります。必ず「オンライン診療」について書かれた口コミを参考にしましょう。
また、星の数だけで判断せず、「予約の取りやすさ」「受け付け可能な時間(夜間や土日、祝日にも受診できるか)」「医師の説明は丁寧か」「診断や治療法は納得の行くものか」「薬の処方や配送は可能か」といった具体的な口コミの内容に注目しましょう。
オンライン診療を利用した患者さんの口コミ
仕事のストレスで不眠に悩んでいましたが、平日は病院に行く時間がなく困っていました。私は土曜の夜の診察ですが、先生は丁寧に診察していただけていて助かっています。
現在治療開始から2ヵ月が経ちましたが、睡眠の質が大幅に改善され、職場でのストレスにも以前より対処できるようになりました。正直、オンラインでの診療は不安でしたが、実際に利用してみて非常に満足しています。(50代男性)
近くの医院に直接受診しようと思いましたが1ヵ月以上の予約待ちがあるといわれて、早く受診しないとという思いから初めてオンライン診療を利用しました。
初めてのオンライン診療で不安でしたが、こちらの話を親身に聞いて下さって安心しました。これから良い方向にいくことを信じて通おうと思います。(20代女性)
出典:SOKUYAKU利用者アンケートより
オンライン診療で診察・処方できる病気・症状は?
心療内科・精神科のオンライン診療では、さまざまな精神疾患や心の悩みに対応しています。ここでは代表的な疾患について、簡単にご紹介します。
適応障害
適応障害は、環境(職場や人間関係など)の変化やストレスに上手く適応できず、気分の落ち込みや不安、意欲の低下などが現れる病気です。オンライン診療では、症状の聞き取りや生活状況の把握を通して、適応障害の診断を行い、必要に応じてカウンセリングや薬物療法などの治療を開始できます。
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うつ病
うつ病は、「気分が落ち込む・やる気が出ない」など、気力や意欲の喪失が長期間続く精神疾患です。疲労感や倦怠感、食欲の低下、不眠、頭痛や胃痛などの身体的症状が伴う場合もあります。オンライン診療では、うつ病の症状を丁寧に聞き取り、必要に応じて、抗うつ剤などの薬物療法、カウンセリングや心理療法を組み合わせた治療を行うことができます。
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睡眠障害(不眠症)
睡眠障害は、「眠れない・寝付きが悪い・途中で目が覚める・日中の強い眠気」など、睡眠に関する問題が続く状態です。オンライン診療では、睡眠に関する詳細な問診を行い、睡眠障害の原因を特定します。そして、睡眠薬などの薬物療法、認知行動療法といった心理療法、生活習慣の改善指導などを組み合わせた治療を行うことが可能です。
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不安障害(パニック障害、社交不安障害など)
不安障害は、過剰な不安や緊張、恐怖感などにより日常生活に支障が起こる精神疾患の総称です。動悸、呼吸困難、めまい、発汗などの身体症状を伴うこともあります。突然、強い不安や恐怖感に襲われる発作が特徴のパニック障害、他者の視線や注目に強い不安を感じる社交不安障害などがあります。オンライン診療では、不安やパニック発作の症状について詳しく聞き取り、必要に応じて抗不安薬などの薬物療法、認知行動療法などの心理療法を行います。
双極性障害(躁うつ病)
双極性障害は、気分が大きく変動し、気分が異常に高揚する状態(躁)と、強い落ち込みの状態(鬱)とを繰り返す病気です。オンライン診療では、気分の変動について詳しく聞き取って診断し、必要に応じて薬物療法などの治療を行います。
強迫性障害
強迫性障害は、頭から離れない強い不安(強迫観念)を打ち消すために、同じ考えや行動を繰り返してしまい、日常生活に支障をきたす病気です。
発達障害
発達障害は、脳機能の発達の偏りにより社会性やコミュニケーションなどに困難を抱える状態を指します。ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)などがあります。一般に、未成年の発達障害でオンライン診療を受ける際は保護者の同意や同席が必要になります。
その他
上記の他にも、過敏性腸症候群、自律神経失調症、慢性疲労症候群、統合失調症、摂食障害など、様々な心身症状についてオンライン診療で対応可能な場合があります。
オンライン診療は、通院の負担を軽減し、プライバシーを守りながら、専門医の診察を受けられる便利なシステムです。しかし、必ずしもオンライン完結で全ての疾患に対応できるとは限りません。精神疾患の診断や治療には対面での診察や心理検査が必要となる場合もあります。オンライン診療と対面診療を組み合わせて受診することも検討しましょう。
やる気が出ない、よく眠れない…そんな心身の不調は、専門医に相談することが回復への第一歩です。
SOKUYAKUでは、あなたの悩みに寄り添う全国の心療内科・精神科クリニックを24時間いつでも予約可能。初診からオンラインで相談できるクリニックや、夜間・土日に受診できるクリニックも多数掲載しています。
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当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
2.
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3.
当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。
4.
前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は一切責任を負うものではありません。

2014年千葉大学医学部卒業
2020年国際医療福祉大学 医学部精神医学・成田病院 精神科 助教
2021年千葉大学大学院医学研究院 精神医学教室 特任助教(兼任)
2023年Bellvitge University Hospital (Barcelona, Spain)
2025年メンタルヘルスかごしま中央クリニック 院長
<主な研究領域>https://researchmap.jp/nr_ohsako
精神医学(摂食障害、行動依存症(ゲーム依存、ギャンブル依存、etc)、せん妄)
【免許・資格】
医学博士
精神保健指定医
日本精神神経学会認定精神科専門医・指導医
日本医師会認定産業医
公認心理師

















































