ビーソフテンってヒルドイドソフトのジェネリックなの?ヒルドイドソフトとの違いや、主成分であるヘパリン類似物質について薬剤師が解説
更新日:2024年02月29日
ビーソフテンはヒルドイドソフト軟膏と同じ有効成分を含み、共に高い保湿性能を持ちますが、使用感が大きく異なりますので、その点も含めてご紹介します。
ビーソフテンってどんな医薬品?
ビーソフテンとはヒルドイドソフト軟膏のジェネリック品です。高い保湿作用で乾燥や肌荒れなど多くの乾燥性症状に使用されています。
ビーソフテンはヒルドイドソフト軟膏と同じ有効成分を含み、共に高い保湿性能を持ちますが、使用感が大きく異なりますので、その点も含めてご紹介します。
ビーソフテンに含まれる成分は?ヘパリン類似物質って何?
ビーソフテンの有効成分は「ヘパリン類似物質」です。このヘパリン類似物質には大きな2つの働きがあります。1つが血流促進。もう1つが保湿効果です。
保湿剤を使用しているにも関わらず、乾燥や肌荒れに悩まされ、尿素クリームなどの医薬品を使用している方も多いですよね?保湿という面から見るとヘパリン類似物質は尿素クリームよりはるかに高い効果を示すことがわかっています。
メディアに取り上げられたこともあり、その保湿効果は広く知られていますが、血流促進による効果もたくさんあります。ビーソフテンに含まれるヘパリン類似物質のこれらの効果によってどんな症状に効くのか紹介していきます。
どんな症状に効果的?保湿剤としても人気
ビーソフテンの主な作用は先ほど紹介したように「高機能保湿」と「血流促進」です。高機能保湿に関して、保湿とは肌のバリア機能を良い状態に保つことなので、乾燥・乾燥によるかゆみ・肌荒れ・ひび割れ・皮膚炎等広い皮膚症状に効果があります。
また本来の用途と異なりますが、継続して使用することで肌の水分量が増加するので、肌トーンがあがるといった副産物的なスキンケア効果もあります。
血流促進に関してはシモヤケやあざ、内出血やそれに伴う腫れ、血行不良によるしびれ・痛み等に使用されます。その他副産物的な効果ではありますが、目の下のクマが改善されることもあります。青クマと呼ばれる血管が透けてみれるようなクマには特に効果があります。
これまで紹介した「高機能保湿」「血流促進」以外にも外傷がケロイドや肥厚性瘢になることを予防したり様々な皮膚症状に効果があります。
ビーソフテンの使用方法は?クリームやローションのおすすめの使い分けとは?
ビーソフテンの使用方法は1日数回患部に薬を塗布、またはガーゼなどに伸ばして貼付します。全身様々な箇所に使用できる薬なので、患部の位置や状態によって多くの剤形があります。
例えば有名なヒルドイドはソフト軟膏、クリーム、乳液状ローションや泡状のフォームタイプがあり用途により使い分けされています。いずれも形状が異なるだけなので薬としての効果は全て変わりありません。
同様にビーソフテンはクリームとローションの2剤形があります。ビーソフテンクリームが柔らかいクリーム状であるのに対し、ビーソフテンローションは化粧水のようなさらっとした液状になっています。乳液タイプのベタつきが気になる場合はローションがおすすめです。
ビーソフテンに副作用や使用における注意点はある?
ビーソフテンは大きな副作用が起こるリスクも非常に低く、子供から高齢者まで広い年齢層で使用されていますし、顔や体など全身の広い範囲に安心して使用することができます。
そんなビーソフテンにもいくつか注意しなければいけない場合がありますので、紹介します。
薬剤の使用部位がびらん・潰瘍になっている場合は症状が悪化するだけでなく副作用等のリスクも高くなってしまうため、使用すべきではありません。
出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病等)の既往歴のある方は使用できません。加えて微量でも出血がある場合は使用すべきではありません。
これらはビーソフテンの有効成分であるヘパリン類似物質が血行促進、血液凝固抑制といって血が固まりにくくなるためです。少しの出血でも、大きな自体になってしまう恐れがあるので、当てはまる場合は使用は控えてください。
また人体に影響はありませんが、ビーソフテンを保険適応で購入できるのはあくまで疾患の治療の場合のみです。肌のトーンアップなど副産物的な効果を主たる目的としている場合は保険適応で医薬品を購入することはできません。
しかしビーソフテンは医療用医薬品なので原則、処方箋なしに購入することはできません。
副産物的な効果を目的として、保険が使えなくても購入したいという場合もありますよね。または市販で購入できる代用品はないのかと思いますよね。
結論から言って、そのような方法・商品はあります。ヘパリン類似物質を含む市販の商品にはどのようなものがあるのでしょうか。
順番に紹介していきます。
ヘパリン類似物質の市販薬はある?その価格は?
ヒルドイドソフトの美容目的での使用が多く、またその長期間の使用実績から判断される安全性を根拠に2020.7月現在、ヒルドイドソフト及ぶビーソフテンの有効成分であるヘパリン類似物質を含有した市販薬が複数発売されています。
市販の医薬品として販売されてる代表的な商品例としてマツモトキヨシが発売している「ヒルメナイドシリーズ」があります。医薬品のヒルドイドの同量のヘパリン類似物質を含有していますので、同様の効果が期待できる薬です。
しかしヒルドイドのように多くの剤形があるわけではなく、2020年7月現在、油性クリームとローションの2剤形を販売しています。
クリームローション共通で内容量50gで1,188円+税
また有効成分の含有量は医薬品よりも少ないですが、大手化粧品メーカーのコーセーとヒルドイドの販売元であるマルホ株式会社が技術と知見を結集して開発した「Carte(カルテ) ヒルドイド」といった商品も2020年10月に販売開始されます。
有効成分量は少なくなっているものの化粧品メーカーらしいオールインワンタイプなど、消費者がコスメのように使用しやすくなる工夫がほどこされた商品となっており、今から販売が楽しみですね。
カルテ ヒルドイド モイスチュア ローション(化粧水)は150mL1,800円、35mL500円
カルテ ヒルドイド モイスチュア エマルジョン(乳液)は120mL1,800円、35mL600円
カルテ ヒルドイド モイスチュア クリーム(クリーム40g)は、2,300円
カルテ ヒルドイド モイスチュア インストール(オールインワンゲル100g)は2,700円
ビーソフテンは通販可能?どこで購入できるの?
医療用医薬品の通販は法律で禁止されています。ビーソフテンは医療用医薬品なので通販で購入することはできません。(2020年7月現在)
しかしビーソフテンの有効成分ヘパリン類似物質を含む市販の医薬品は通販で購入することができますので、通販を利用したい場合はこれらの市販医薬品の購入をおすすめします。
価格などの観点から市販医薬品ではなく、保険は使用しなくても良いからビーソフテンを購入したい場合もありますよね。
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