漢方は体調に合わせた選び方が大切
更新日:2024年06月20日
漢方薬は自然界にある植物などの生薬で構成されています。しかし、漢方薬の種類は100以上に及び、不調の原因や症状によって異なります。
漢方を選ぶためには自分の体質を知ることが大事
漢方は症状だけでなく、一人ひとりの体質に合わせて使用します。
自身の体質を調べるものさしとして「気・血・水(き・けつ・すい)」と「証(しょう)」があります。
「気・血・水(き・けつ・すい)」はカラダの健康をはかるものさし
気・血・水はカラダを支えるための柱のような役割を果たします。この3つがうまく体内を循環することで健康状態が維持されます。
いずれかの過不足や、滞ったりすることで病気や不調が起きると考えられています。
気の乱れ・異常によるカラダの不調
気虚
気が不足し、その機能が低下した状態で、胃腸やお腹が弱ったり、風邪を引きやすくなる他、疲れやすく元気がでない、疲気力がわかない、労倦怠感などの症状があげられます。
気滞
気の働きが滞ることにより、ヒステリー、抑うつ、憂うつ感、咽のつかえ感など、一種の精神神経症状を起こす可能があります。
気逆
気が本来とは逆の方向に流れてしまうことのより、嘔吐・嘔き気・咳や冷えのぼせなどの症状が起きることがあります。
気が不足し、その機能が低下した状態で、胃腸やお腹が弱ったり、風邪を引きやすくなる他、疲れやすく元気がでない、疲気力がわかない、労倦怠感などの症状があげられます。
血の乱れ・異常によるカラダの不調
血虚
血が不足し、その機能が低下した状態で、貧血傾向、皮膚乾燥などの栄養不良の症状を表す場合が多いです。
症状としては顔が青白く肌にツヤがない、筋肉が痙攣する、爪がもろくはがれやすくなったり、目がかすむなどがあげられます。
血滞(瘀血)
血流が滞ることにより、顔色が黒くくすむ、色素沈着、舌・歯肉の暗赤化などがあらわれ、便秘、頭痛、めまい、錯乱、のぼせ、手足の冷え、ほてり、月経異常などの症状を引き起こす可能性があります。血滞は一種の血行不良症状を指す場合が多いです。
水の乱れ・異常によるカラダの不調
陰虚
水が不足し、その機能が低下した状態で、尿量が多くなったり、脱水症状を引き起こす可能性があります。血虚と関連して、咳や皮膚の乾き、耳鳴り、目がかすむ、皮膚枯燥、などの症状を伴います。
中医学では、血や津液などの液体物質を総称して「陰液」と呼びます。
水滞(水毒)
水(津液)が滞った状態で、頭痛、めまい、鼻水、痰、浮腫、胃内停水、尿量の減少などの症状を引き起こす可能性があります。
症状や体質から自分に合った漢方薬を選ぼう
漢方薬はさまざまな原因や症状に対し、それぞれのタイプに合った種類があります。そのため、自分に合った漢方薬を選ぶことが大切です。
また、不調の原因によっても効果がある漢方は異なります。たとえば、ストレスで悩んでいる人でも、それが職場の人間関係のような精神的原因なのか、ホルモンバランスの乱れによるストレスなのかによって改善方法は異なります。
生理前のイライラが気になる場合は?
例えば「実」の人に向けた漢方薬で桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)があります。
桃核承気湯は、生理前のイライラや不安といったPMS(月経前症候群)に効く漢方薬です。滞った血流の循環を促し、イライラや不安といった精神症状を鎮める効果が期待できます。
ただし、これは「実」の人に向けて配合しているので、すべての人に効果があるわけではありません。また、生理前の不調といっても原因や症状によって効果がある漢方薬は異なります。
下半身の冷えと生理痛が気になる場合は?
冷え性と生理痛におすすめする漢方の一例として桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)があります。桂枝茯苓丸は、上半身はのぼせるものの下半身の冷えが気になる人向けの漢方薬です。
効果が期待できるのは生理痛の他、湿疹やにきびといった皮膚症状もあげられます。ストレスがホルモンバランスに影響しがちですが、桂枝茯苓丸は変わりやすいホルモンバランスによる諸症状を和らげてくれます。
これも、体質やカラダに現れる症状、不調の原因によって飲むべき漢方薬は大きく変わってきます。そのため、まずは自分の体質や不調の原因を理解する必要があります。
生理不順でむくみも気になる場合は?
漢方薬の一例として当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)があります。
当帰芍薬散は足腰が冷え、むくみや生理不順に悩んでいる人向けの漢方薬です。血行の循環を促すことで症状の改善が期待できます。
体質を表す証は「虚」に分類されており、やせ型で体力の乏しい女性に多く用いられています。当帰芍薬散は女性特有のさまざまな症状に効くため、「女性の聖薬」とも呼ばれています。
他の症状と同様に体質、不調の原因や症状によって効果的な漢方薬は異なります。
漢方のことは薬剤師に相談しよう
昨今では健康意識が高い方は漢方で体質改善を目指される方が増えています。“漢方”と一言で言ってもどのような漢方がその方に適しているか、判断はなかなか難しいものです。
漢方薬は複数の生薬が配合され、その種類は100以上にも及びます。体質によって合う漢方薬は異なるため、漢方薬を選ぶ際にはぜひ薬剤師にご相談ください。
同じ冷え性という症状でも、体質が違えば、効果的な漢方薬は異なります。また、「冷え性の原因がどこから来ているのか?」、「どういうふうに症状が現れているのか?」も漢方薬を選ぶ上で重要なポイントになります。
例えば、冷え性で悩むお友達が漢方薬を飲んで症状が改善されたとしても、それが自分にも効果があるとは限らないのです。
薬剤師は薬学的な観点から薬の管理や指導を行う専門家であるため、頭痛や生理痛で市販の鎮痛剤を使っている場合でも飲み合わせに関する不安も相談できます。
体質改善の一歩として自分のカラダや体質を知ることから始めてみましょう。
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