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その腹痛、帯状疱疹かもしれません|見逃しやすい「お腹の発疹」に注意

ただの腹痛じゃないかも?お腹にできる帯状疱疹

一見するとただの腹痛に思える症状の裏に、「帯状疱疹」が潜んでいることがあります。帯状疱疹は、皮膚に発疹や水ぶくれが現れるだけでなく、神経に沿って鋭い痛みを伴う病気です。お腹や脇腹は発症しやすい部位のひとつで、発症に気づかず重症化するケースも少なくありません。

帯状疱疹は神経に沿って発症する特徴がある

帯状疱疹は、体の中に潜んでいたウイルスが再活性化することで起こります。発疹や痛みは神経の走行に沿って現れるため、通常は左右どちらかの体側に限局して現れます。帯状に並んだ水ぶくれや赤みが特徴ですが、神経の分布によっては、お腹や脇腹、胸や背中に症状が集中することもあります。

お腹や脇腹は発症しやすい部位のひとつ

帯状疱疹の中でも、お腹や脇腹は比較的よくみられる部位です。上肢から胸や背中にかけての発症が最も多いですが、腹部や腰にも20%近くの割合で発症します。脇腹には感覚神経が密集しているため、痛みやかゆみが強く出やすい傾向にあります。

帯状疱疹の原因は水ぼうそうウイルスの再活性化

原因は、子どもの頃にかかった「水ぼうそう」のウイルスです。治ったあともウイルスは体内の神経節に潜み続けていて、免疫力が落ちたときに再び活性化することで、帯状疱疹として発症します。ストレスや疲労、加齢などが引き金になることもあります。

最初は違和感だけ?お腹の帯状疱疹に気づくサインとは

見た目よりも先に「なんとなく変だな」と感じることから始まります。初期の段階で早く気づくことが、後遺症の予防にもつながります。

「ピリピリ」「ズキズキ」…皮膚より先に来る痛み

皮膚に何の異常も見えないのに、「ピリピリ」「ズキズキ」といった痛みやしびれを感じる場合は注意が必要です。衣服が擦れただけでも痛むような感覚があれば、神経の炎症によるものかもしれません。帯状疱疹はこのように、皮膚症状が現れる前から神経痛のような違和感を生じることがあります。

見た目の変化は赤みから水ぶくれへと進行する

皮膚の違和感が現れた後、やがて赤い斑点や盛り上がりが現れ、数日かけて小さな水ぶくれへと変化していきます。水ぶくれは帯状に広がり、膿を持つこともあります。

皮膚症状が出ない「無疱疹型帯状疱疹」に注意

まれに皮膚に明らかな発疹が現れず、痛みだけが続く「無疱疹型帯状疱疹」というタイプも存在します。この場合、見た目に変化がないため、帯状疱疹だと気づきにくく、診断が遅れることがあります。原因のわからない片側の腹痛や違和感が続くようであれば、帯状疱疹を疑って医師に相談しましょう。

お腹に現れる帯状疱疹、皮膚だけじゃない意外な広がり方

帯状疱疹は決して皮膚だけの病気ではありません。免疫力が落ちているときや、治療中の持病がある方では、消化管や神経にまで影響を及ぼすことがあります。

「胃潰瘍かと思ったら帯状疱疹?」胃や腸にも現れたびらんや潰瘍

胃の不快感やみぞおちの痛みを訴える帯状疱疹の患者25名に内視鏡検査を行った結果、10名に胃潰瘍やびらんが見つかりました。特徴的だったのは、その潰瘍が通常よりも浅く、やや非典型的な形をしていたことです。

 

そのうち12名に対して大腸内視鏡も行ったところ、2名にびらんや潰瘍が見つかりました。興味深いことに、胃と腸の病変は形態がよく似ており、ウイルスが胃腸の粘膜に直接影響していた可能性が考えられます。

 

参考元『帯状疱疹に併存した消化管病変の検討』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsma1939/51/4/51_4_476/_pdf/-char/ja

免疫力が落ちたときの帯状疱疹は“お腹”から来ることもある

帯状疱疹は、免疫力が落ちているとウイルスが血流に乗って全身に拡散する「播種性帯状疱疹」になることがあります。こうなると、皮膚以外の臓器にまで症状が広がることがあるのです。

 

関節リウマチの治療中だったある女性は、水疱と腹部の違和感から始まり、肝機能障害と強い腹痛を伴うほど重症化しています。この症例ではウイルスが全身に広がった「内臓播種性帯状疱疹」と診断されました。抗ウイルス薬の早期投与によって症状は改善しましたが、見逃されていれば命に関わる危険もあったのです。

 

参考元『激しい腹痛と肝機能障害を伴い重症化した内臓播種性水痘・帯状疱疹ウイルス感染症の1例 (臨床皮膚科 74巻13号) | 医書.jp』

https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1412206229?utm_source=chatgpt.com

腹痛から始まり皮疹が遅れて出現した播種性帯状疱疹

帯状疱疹による消化管症状が難しいのは、発疹が出る前に内臓の症状が先に現れるケースがあるという点です。68歳の女性は、激しい腹痛と下痢、さらには神経障害や脳症まで引き起こしたにもかかわらず、皮疹は後になってようやく出現しました。

 

診断時には、腸炎や膵炎と誤認されることも多く、皮膚症状がない段階ではVZV感染だとは気づきにくいのが実情です。このような「皮膚より先に内臓がやられる」タイプの帯状疱疹は、注意が必要です。

 

参考元:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12039321/?utm_source=chatgpt.com

帯状疱疹で腸閉塞?免疫抑制中に偽性イレウス

珍しい例として、帯状疱疹によって腸の動きが一時的に止まる「偽性腸閉塞(Ogilvie症候群)」を起こした患者も報告されています。48歳の男性は、骨髄移植後の免疫抑制治療中に激しい腹痛と便秘を訴え、数日後に全身に帯状疱疹の発疹が出現します。診断は「内臓播種性帯状疱疹による偽性腸閉塞」とされました。

 

この症状は、腸の神経がウイルスにより一時的に麻痺した結果起こるもので、進行すれば腸管の壊死や穿孔のリスクもあるため、早期診断と治療が極めて重要です。

 

参考元『激しい腹痛で発症し偽性腸閉塞を合併した汎発性帯状疱疹の 1 例』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/nisshoshi/110/5/110_839/_pdf?utm_source=chatgpt.com

術後に発疹、そこから起こった腸閉塞

消化管のトラブルに加え、外科手術後の患者にも帯状疱疹による腸の問題が報告されています。40歳の女性は、腹腔鏡手術の数日後に右下腹部に発疹が出現し、その後、小腸の偽性閉塞を発症しました。発疹が出た後に腸症状が起きたという珍しいパターンです。

 

このケースでは、術後のストレスや免疫力の低下がウイルスの再活性化を招いたと考えられ、抗ウイルス治療によって無事に回復しました。こうした症例からも、術後の原因不明の腹痛や腸閉塞では、帯状疱疹の可能性を念頭に置くことが大切です。

 

参考元:https://www.wjgnet.com/2307-8960/full/v12/i6/1138.htm?utm_source=chatgpt.com

お腹に帯状疱疹が出たときの正しい治療方法

帯状疱疹は自然に治ることもありますが、治療が遅れると後遺症が残ることもあります。お腹などの部位は、皮膚の異変に気づきにくいため、気になる症状があれば早めに医療機関を受診しましょう。

抗ウイルス薬による早期治療が基本

治療では、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬をできるだけ早く服用することが基本です。発疹が出てから72時間以内の服用が効果的とされています。

 

症状が軽い場合は飲み薬で対応可能ですが、重症の場合や免疫力が低下している方には点滴での治療が行われることもあります。薬を途中でやめてしまうとウイルスの活動が再び強まり、症状が悪化する恐れがあるため、医師の指示に従って最後まできちんと服用することが大切です。

 

帯状疱疹の薬について詳しく解説

痛みが強い場合は鎮痛薬や神経ブロック

痛みが強い場合には、鎮痛薬や神経の痛みに効果がある薬を併用することがあります。神経ブロックは、神経の周囲に麻酔を注射して痛みの伝達を抑える方法で、帯状疱疹後神経痛の予防にも有効です。市販薬での対処は避け、医師による診断と処方を受けましょう。

お腹の帯状疱疹を放置すると帯状疱疹後神経痛が起こることも

皮膚症状が治まっても、神経にダメージが残ると「帯状疱疹後神経痛」という慢性的な痛みが続くことがあります。軽く触れるだけで強い痛みを感じたり、夜眠れないほどの不快感が続くケースもあり、この場合は日常生活に支障をきたします。治療の遅れが後遺症のリスクを高めるため、早期対応がとても重要です。

帯状疱疹を予防するには?再発防止のための対策

一度かかっても再発することがあり、特に免疫力が落ちているときには注意が必要です。再発や重症化を防ぐためには、日頃の体調管理と予防接種が大きな役割を果たします。

50歳以上は予防接種も検討を

予防には、ワクチン接種という方法があります。50歳以上になると発症率が高くなるため、医師と相談の上で予防接種を検討してみましょう。ワクチンは2種類あり、それぞれ特徴や接種回数、副反応の違いがあります。

免疫力の低下を防ぐ生活習慣

再発を防ぐには、日常の生活習慣も大切です。免疫力は加齢のほか、ストレスや睡眠不足、不規則な生活によっても低下します。栄養バランスの良い食事、適度な運動、質の良い睡眠を心がけ、無理のない範囲でストレスをコントロールしましょう。

お腹に帯状疱疹ができたら放置せず早めに皮膚科を受診しよう

お腹は皮膚の変化に気づきにくい部位でもあり、初期のうちに発見しづらいことがあります。違和感を感じたら、たとえ皮膚に明らかな発疹が見られない場合でも、早めに皮膚科を受診して医師の診断を受けることが重要です。

 

帯状疱疹は早期に抗ウイルス薬で治療を開始することで、症状の悪化や後遺症のリスクを大きく減らせます。「いつか治るだろう」と様子を見ているうちに悪化してしまう前に、まずは専門医に相談しましょう。

忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ

仕事や家事、育児などで病院に行く時間が取れないと感じている方は、オンライン診療を活用しましょう。初期の違和感や痛みの段階で相談できれば、症状の悪化を防ぐことにもつながります。オンライン診療は、通院が難しい方も利用しやすく、時間や場所に縛られずに受診できる点が大きな魅力です。

オンライン診療とは

オンライン診療について

オンライン診療とは、インターネットを通じて医師の診察を受けられる医療サービスです。スマートフォンやパソコン、タブレットを使って、ビデオ通話を通じて医師と直接会話しながら診察を受けられます。診察はもちろん、事前の問診や予約、薬の処方箋の受け取り、支払いまでがすべてオンライン上で完結します。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKU(ソクヤク)は、オンライン診療をよりスムーズに受けられるサービスです。診察の予約から、お薬の受け取りまでをスマートフォンひとつで簡単に行えます。アプリ内では、かかりつけのクリニックや薬局を登録しておけるため、毎回の手続きもスムーズです。

 

お薬手帳のデジタル管理や、医療スタッフによるサポートも充実しています。さらに、全国どこでも当日または翌日には薬が届く体制が整っているため、帯状疱疹のような急な症状にも安心して対応できます。通院の時間が確保できない方にとって、医療へのアクセスをぐっと身近にしてくれる頼もしい存在です。

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まとめ

お腹に帯状疱疹ができると、皮膚の症状だけでなく、神経を介して内臓の機能にも影響を及ぼすことがあります。軽い腹痛や違和感が長引くときは、皮膚に赤みや水ぶくれなどの変化がないかもあわせて確認してみましょう。帯状疱疹だった場合、早期に治療を開始することで、症状の悪化や後遺症のリスクを抑えられます。自己判断せず、気になる症状があるときは専門医に相談しましょう。

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その腹痛、帯状疱疹かもしれません|見逃しやすい「お腹の発疹」に注意のイメージ

「なんとなくお腹がチクチク痛む」その違和感、帯状疱疹かもしれません。帯状疱疹は、体の左右どちらか一方に帯状の発疹が現れるウイルス性の疾患で、お腹や脇腹は発症しやすい部位のひとつです。腹痛を初期症状として感じる場合、消化器系の不調と誤認され、発見が遅れることも少なくありません。この記事では、お腹に出る帯状疱疹の特徴や見落としやすいポイント、そして正しい対処法について、わかりやすく解説します。

ただの腹痛じゃないかも?お腹にできる帯状疱疹

一見するとただの腹痛に思える症状の裏に、「帯状疱疹」が潜んでいることがあります。帯状疱疹は、皮膚に発疹や水ぶくれが現れるだけでなく、神経に沿って鋭い痛みを伴う病気です。お腹や脇腹は発症しやすい部位のひとつで、発症に気づかず重症化するケースも少なくありません。

帯状疱疹は神経に沿って発症する特徴がある

帯状疱疹は、体の中に潜んでいたウイルスが再活性化することで起こります。発疹や痛みは神経の走行に沿って現れるため、通常は左右どちらかの体側に限局して現れます。帯状に並んだ水ぶくれや赤みが特徴ですが、神経の分布によっては、お腹や脇腹、胸や背中に症状が集中することもあります。

お腹や脇腹は発症しやすい部位のひとつ

帯状疱疹の中でも、お腹や脇腹は比較的よくみられる部位です。上肢から胸や背中にかけての発症が最も多いですが、腹部や腰にも20%近くの割合で発症します。脇腹には感覚神経が密集しているため、痛みやかゆみが強く出やすい傾向にあります。

帯状疱疹の原因は水ぼうそうウイルスの再活性化

原因は、子どもの頃にかかった「水ぼうそう」のウイルスです。治ったあともウイルスは体内の神経節に潜み続けていて、免疫力が落ちたときに再び活性化することで、帯状疱疹として発症します。ストレスや疲労、加齢などが引き金になることもあります。

最初は違和感だけ?お腹の帯状疱疹に気づくサインとは

見た目よりも先に「なんとなく変だな」と感じることから始まります。初期の段階で早く気づくことが、後遺症の予防にもつながります。

「ピリピリ」「ズキズキ」…皮膚より先に来る痛み

皮膚に何の異常も見えないのに、「ピリピリ」「ズキズキ」といった痛みやしびれを感じる場合は注意が必要です。衣服が擦れただけでも痛むような感覚があれば、神経の炎症によるものかもしれません。帯状疱疹はこのように、皮膚症状が現れる前から神経痛のような違和感を生じることがあります。

見た目の変化は赤みから水ぶくれへと進行する

皮膚の違和感が現れた後、やがて赤い斑点や盛り上がりが現れ、数日かけて小さな水ぶくれへと変化していきます。水ぶくれは帯状に広がり、膿を持つこともあります。

皮膚症状が出ない「無疱疹型帯状疱疹」に注意

まれに皮膚に明らかな発疹が現れず、痛みだけが続く「無疱疹型帯状疱疹」というタイプも存在します。この場合、見た目に変化がないため、帯状疱疹だと気づきにくく、診断が遅れることがあります。原因のわからない片側の腹痛や違和感が続くようであれば、帯状疱疹を疑って医師に相談しましょう。

お腹に現れる帯状疱疹、皮膚だけじゃない意外な広がり方

帯状疱疹は決して皮膚だけの病気ではありません。免疫力が落ちているときや、治療中の持病がある方では、消化管や神経にまで影響を及ぼすことがあります。

「胃潰瘍かと思ったら帯状疱疹?」胃や腸にも現れたびらんや潰瘍

胃の不快感やみぞおちの痛みを訴える帯状疱疹の患者25名に内視鏡検査を行った結果、10名に胃潰瘍やびらんが見つかりました。特徴的だったのは、その潰瘍が通常よりも浅く、やや非典型的な形をしていたことです。

 

そのうち12名に対して大腸内視鏡も行ったところ、2名にびらんや潰瘍が見つかりました。興味深いことに、胃と腸の病変は形態がよく似ており、ウイルスが胃腸の粘膜に直接影響していた可能性が考えられます。

 

参考元『帯状疱疹に併存した消化管病変の検討』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsma1939/51/4/51_4_476/_pdf/-char/ja

免疫力が落ちたときの帯状疱疹は“お腹”から来ることもある

帯状疱疹は、免疫力が落ちているとウイルスが血流に乗って全身に拡散する「播種性帯状疱疹」になることがあります。こうなると、皮膚以外の臓器にまで症状が広がることがあるのです。

 

関節リウマチの治療中だったある女性は、水疱と腹部の違和感から始まり、肝機能障害と強い腹痛を伴うほど重症化しています。この症例ではウイルスが全身に広がった「内臓播種性帯状疱疹」と診断されました。抗ウイルス薬の早期投与によって症状は改善しましたが、見逃されていれば命に関わる危険もあったのです。

 

参考元『激しい腹痛と肝機能障害を伴い重症化した内臓播種性水痘・帯状疱疹ウイルス感染症の1例 (臨床皮膚科 74巻13号) | 医書.jp』

https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1412206229?utm_source=chatgpt.com

腹痛から始まり皮疹が遅れて出現した播種性帯状疱疹

帯状疱疹による消化管症状が難しいのは、発疹が出る前に内臓の症状が先に現れるケースがあるという点です。68歳の女性は、激しい腹痛と下痢、さらには神経障害や脳症まで引き起こしたにもかかわらず、皮疹は後になってようやく出現しました。

 

診断時には、腸炎や膵炎と誤認されることも多く、皮膚症状がない段階ではVZV感染だとは気づきにくいのが実情です。このような「皮膚より先に内臓がやられる」タイプの帯状疱疹は、注意が必要です。

 

参考元:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12039321/?utm_source=chatgpt.com

帯状疱疹で腸閉塞?免疫抑制中に偽性イレウス

珍しい例として、帯状疱疹によって腸の動きが一時的に止まる「偽性腸閉塞(Ogilvie症候群)」を起こした患者も報告されています。48歳の男性は、骨髄移植後の免疫抑制治療中に激しい腹痛と便秘を訴え、数日後に全身に帯状疱疹の発疹が出現します。診断は「内臓播種性帯状疱疹による偽性腸閉塞」とされました。

 

この症状は、腸の神経がウイルスにより一時的に麻痺した結果起こるもので、進行すれば腸管の壊死や穿孔のリスクもあるため、早期診断と治療が極めて重要です。

 

参考元『激しい腹痛で発症し偽性腸閉塞を合併した汎発性帯状疱疹の 1 例』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/nisshoshi/110/5/110_839/_pdf?utm_source=chatgpt.com

術後に発疹、そこから起こった腸閉塞

消化管のトラブルに加え、外科手術後の患者にも帯状疱疹による腸の問題が報告されています。40歳の女性は、腹腔鏡手術の数日後に右下腹部に発疹が出現し、その後、小腸の偽性閉塞を発症しました。発疹が出た後に腸症状が起きたという珍しいパターンです。

 

このケースでは、術後のストレスや免疫力の低下がウイルスの再活性化を招いたと考えられ、抗ウイルス治療によって無事に回復しました。こうした症例からも、術後の原因不明の腹痛や腸閉塞では、帯状疱疹の可能性を念頭に置くことが大切です。

 

参考元:https://www.wjgnet.com/2307-8960/full/v12/i6/1138.htm?utm_source=chatgpt.com

お腹に帯状疱疹が出たときの正しい治療方法

帯状疱疹は自然に治ることもありますが、治療が遅れると後遺症が残ることもあります。お腹などの部位は、皮膚の異変に気づきにくいため、気になる症状があれば早めに医療機関を受診しましょう。

抗ウイルス薬による早期治療が基本

治療では、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬をできるだけ早く服用することが基本です。発疹が出てから72時間以内の服用が効果的とされています。

 

症状が軽い場合は飲み薬で対応可能ですが、重症の場合や免疫力が低下している方には点滴での治療が行われることもあります。薬を途中でやめてしまうとウイルスの活動が再び強まり、症状が悪化する恐れがあるため、医師の指示に従って最後まできちんと服用することが大切です。

 

帯状疱疹の薬について詳しく解説

痛みが強い場合は鎮痛薬や神経ブロック

痛みが強い場合には、鎮痛薬や神経の痛みに効果がある薬を併用することがあります。神経ブロックは、神経の周囲に麻酔を注射して痛みの伝達を抑える方法で、帯状疱疹後神経痛の予防にも有効です。市販薬での対処は避け、医師による診断と処方を受けましょう。

お腹の帯状疱疹を放置すると帯状疱疹後神経痛が起こることも

皮膚症状が治まっても、神経にダメージが残ると「帯状疱疹後神経痛」という慢性的な痛みが続くことがあります。軽く触れるだけで強い痛みを感じたり、夜眠れないほどの不快感が続くケースもあり、この場合は日常生活に支障をきたします。治療の遅れが後遺症のリスクを高めるため、早期対応がとても重要です。

帯状疱疹を予防するには?再発防止のための対策

一度かかっても再発することがあり、特に免疫力が落ちているときには注意が必要です。再発や重症化を防ぐためには、日頃の体調管理と予防接種が大きな役割を果たします。

50歳以上は予防接種も検討を

予防には、ワクチン接種という方法があります。50歳以上になると発症率が高くなるため、医師と相談の上で予防接種を検討してみましょう。ワクチンは2種類あり、それぞれ特徴や接種回数、副反応の違いがあります。

免疫力の低下を防ぐ生活習慣

再発を防ぐには、日常の生活習慣も大切です。免疫力は加齢のほか、ストレスや睡眠不足、不規則な生活によっても低下します。栄養バランスの良い食事、適度な運動、質の良い睡眠を心がけ、無理のない範囲でストレスをコントロールしましょう。

お腹に帯状疱疹ができたら放置せず早めに皮膚科を受診しよう

お腹は皮膚の変化に気づきにくい部位でもあり、初期のうちに発見しづらいことがあります。違和感を感じたら、たとえ皮膚に明らかな発疹が見られない場合でも、早めに皮膚科を受診して医師の診断を受けることが重要です。

 

帯状疱疹は早期に抗ウイルス薬で治療を開始することで、症状の悪化や後遺症のリスクを大きく減らせます。「いつか治るだろう」と様子を見ているうちに悪化してしまう前に、まずは専門医に相談しましょう。

忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ

仕事や家事、育児などで病院に行く時間が取れないと感じている方は、オンライン診療を活用しましょう。初期の違和感や痛みの段階で相談できれば、症状の悪化を防ぐことにもつながります。オンライン診療は、通院が難しい方も利用しやすく、時間や場所に縛られずに受診できる点が大きな魅力です。

オンライン診療とは

オンライン診療について

オンライン診療とは、インターネットを通じて医師の診察を受けられる医療サービスです。スマートフォンやパソコン、タブレットを使って、ビデオ通話を通じて医師と直接会話しながら診察を受けられます。診察はもちろん、事前の問診や予約、薬の処方箋の受け取り、支払いまでがすべてオンライン上で完結します。

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SOKUYAKU(ソクヤク)は、オンライン診療をよりスムーズに受けられるサービスです。診察の予約から、お薬の受け取りまでをスマートフォンひとつで簡単に行えます。アプリ内では、かかりつけのクリニックや薬局を登録しておけるため、毎回の手続きもスムーズです。

 

お薬手帳のデジタル管理や、医療スタッフによるサポートも充実しています。さらに、全国どこでも当日または翌日には薬が届く体制が整っているため、帯状疱疹のような急な症状にも安心して対応できます。通院の時間が確保できない方にとって、医療へのアクセスをぐっと身近にしてくれる頼もしい存在です。

まとめ

お腹に帯状疱疹ができると、皮膚の症状だけでなく、神経を介して内臓の機能にも影響を及ぼすことがあります。軽い腹痛や違和感が長引くときは、皮膚に赤みや水ぶくれなどの変化がないかもあわせて確認してみましょう。帯状疱疹だった場合、早期に治療を開始することで、症状の悪化や後遺症のリスクを抑えられます。自己判断せず、気になる症状があるときは専門医に相談しましょう。

コメント お腹に正直が出やすい人の特徴としては、基礎的な疾患による免疫抑制が起こっている方かと思います。つまり、免疫抑制剤の内服を日頃必要としていたり、移植を行ったあとであるなどかと思います。そもそも帯状疱疹が出ること自体が免疫力の低下によるウイルスの再活性化ですが、そのような状態が起きやすい方は日頃から注意され、必要に応じて予防接種などを検討されると良いと思います。

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監修医師 高藤 円香
経歴は防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科 保有免許・資格は皮膚科専門医

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