【医師監修】触れると痛いニキビ…そのまま放置はNG！悪化させない対処法とNG習慣とは

痛いニキビとは？どんな状態？

痛みを伴うニキビは、通常のニキビに比べて炎症が進行している状態です。触れるとズキズキ痛みを感じることが多く、放置しておくと症状がさらに悪化する恐れがあります。

痛みを感じるのは炎症のサイン

痛みを伴うニキビは、アクネ菌が皮膚の毛穴内で増殖し、炎症が発生した結果です。炎症が進むことで、ニキビは赤く腫れ、触れると痛みを感じます。

痛みのあるニキビの見分け方

痛みのあるニキビの見分け方としては、まずその大きさや色、膿の有無をチェックしましょう。赤ニキビは、炎症が進んで赤く腫れ、黄ニキビは毛穴に膿が溜まって黄色く見える状態です。しこりニキビは、膿や血液が皮膚下に溜まり、大きなしこりを感じます。

痛みを伴うニキビの種類と特徴

痛みを伴うニキビにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や治療法が異なります。自分のニキビがどの状態にあるのかを理解することは、適切な治療を選ぶための第一歩です。

炎症が起きた初期段階「赤ニキビ」

ニキビの炎症が始まった初期段階です。白ニキビの段階からアクネ菌が増殖し、皮膚組織を刺激して炎症を引き起こします。ニキビの大きさは直径5mm以下で、押すと軽度の痛みを感じるのが特徴です。この段階では、炎症がまだ局所的に広がっているため、適切なケアをすれば早期改善が見込めます。

膿がたまった進行状態「黄ニキビ」

赤ニキビがさらに悪化し、膿が毛穴に溜まることで黄色く見えるニキビです。この状態では、痛みや熱を伴うことが多く、炎症が進んでいるため、放置するとニキビ跡が残るリスクも高まります。膿が溜まることにより、ニキビが膨らんで盛り上がり、皮膚に大きな負担がかかります。

皮下に膿や血液が溜まった「しこりニキビ」

ニキビがさらに悪化し、膿や血液が皮膚の下に溜まることで、硬いしこりを感じる状態になります。触れるとかなりの痛みを伴い、炎症が治まった後でも跡が残ることがほとんどです。この状態が続くと、ケロイドなどの傷跡や深い凹みが残るリスクもあるため、早期の治療が非常に重要です。

ニキビのしこりについて詳しく解説

やってはいけない！ニキビが痛くなるNG行動

ニキビを悪化させないためには、日常の習慣に気を付けることが大切です。無意識にしてしまう行動や、治療が遅れることが原因でニキビが痛くなり、さらに悪化してしまうことがあります。

ニキビを自分で潰す

自己判断での潰す行為は、悪化や化膿を引き起こす原因です。潰すことで、ニキビ内部の細菌が外に出て、周囲の皮膚に広がる恐れがあります。また、ニキビを潰した場所から新たな炎症を引き起こし、ニキビ跡が残るリスクも高くなります。

無意識に触る・頬杖をつくクセ

ニキビができている部分を無意識に触れたり、頬杖をついて顔に圧力をかけると、ニキビがさらに刺激を受けて炎症が広がります。ニキビができている部分は通常よりも肌が敏感になっているため、触れることによって悪化するリスクが高くなります。

メイクや髪で隠す

ファンデーションやコンシーラーで厚く塗ると毛穴が塞がり、アクネ菌が繁殖しやすくなります。また、ニキビを隠そうとすると、メイクを落とすのが遅くなり、毛穴が詰まりやすくなるため、ニキビが悪化してしまう可能性があります。どうしてもメイクが必要な場合は、薄めにして、帰宅後はすぐに洗顔するようにしましょう。

洗いすぎる

過剰に洗顔を行うと、肌の角質層が傷つき、乾燥を引き起こして逆にニキビが悪化する原因になります。また、洗顔料の選び方も重要です。刺激が強すぎるものを使うと、肌が荒れてしまうため、自分の肌に合った洗顔料を選ぶことが大切です。

放置する

痛みを伴うニキビは、放置しておくと炎症が進行し、膿がたまりやすくなります。ニキビが痛む場合は、早めに皮膚科を受診するなど、専門的な治療を受けることが重要です。

痛いニキビの正しい対処法

痛いニキビは炎症が進んでいる状態であることが多く、ニキビが悪化しないよう適切なケアを心がけましょう。

優しく洗顔する

強くこすったり、何度も洗顔を繰り返すことは、肌に負担をかけてニキビを悪化させる原因になります。洗顔は1日2回を目安に、ぬるま湯で刺激を与えず優しく行いましょう。洗顔料はニキビ用や敏感肌用のものを選び、泡立てて優しく洗うことがポイントです。洗顔後は、しっかりと水分を拭き取ってください。

しっかり保湿する

乾燥が進むと、皮脂が過剰に分泌され、それがニキビの原因となることがあります。化粧水や乳液で肌に水分を与え、乾燥を防ぎましょう。ニキビができている肌は敏感なため、保湿剤は刺激が少ないものを選び、手のひらで優しく抑えるように塗布してください。

紫外線対策をする

痛いニキビがある時期は特に紫外線に敏感なので、外出時は必ず日焼け止めを塗るようにしましょう。紫外線対策として、帽子や日傘を使うことも有効です。日焼け止めはノンコメドジェニックのものを選ぶと、ニキビを悪化させずに守れます。

痛みが強い場合は冷やす

痛みがひどく、炎症が強い場合は、冷やすことで痛みや腫れを一時的に緩和できます。冷却することで血管が収縮し、炎症が鎮まることが期待できます。ただし、冷やし続けると血流が滞り、回復が遅れるかもしれません。冷やすのはあくまで一時的な対処法として使用し、長時間冷却し続けないようにしましょう。

ニキビを悪化させないために日常生活で気をつけること

ニキビは生活習慣と深く関わっており見直すことで、ニキビの予防や改善に繋がります。以下のポイントを参考にして、日々の生活を整えていきましょう。

バランスよく食事をとる

ニキビの原因の一つとして、偏った食生活や過剰な脂肪・糖分の摂取があります。脂っこい食事や甘いお菓子、ジュースを過度に摂ることは皮脂の分泌を増加させ、ニキビを悪化させる原因です。反対に、栄養バランスが偏ると肌に必要な栄養素が不足し、肌の状態が悪化します。

主食、主菜、副菜を意識し、ビタミンやミネラルが豊富な食材を取り入れることが大切です。ビタミンAやC、亜鉛を含む食材は肌の健康に役立ちます。

睡眠をしっかりとる

睡眠不足は肌の修復を妨げ、ニキビの原因となることがあります。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、肌の修復をサポートするため、十分な睡眠が大切です。

生活リズムを整え、毎日7〜8時間の質の高い睡眠を確保するよう心掛けましょう。睡眠の質を向上させるために、寝室を快適に保ち、寝る前のリラックスした時間を作ることも重要です。

ストレスをためない

ストレスが溜まると、ホルモンバランスが乱れ免疫力が低下し、ニキビができやすくなります。全くストレスを感じない生活は難しいですが、適度に発散する方法を見つけることが大切です。趣味に時間を使ったり、リラックスできる入浴をしたりしてみましょう。また、軽い運動や深呼吸、瞑想もストレス解消に役立ちます。

ニキビ以外の皮膚病の可能性も

ニキビと似た症状の皮膚病がいくつかあります。これらはニキビだと思ってケアをしていた場合でも、実際には異なる皮膚疾患だったということがあるため、注意が必要です。

粉瘤

皮膚の下に袋状の組織ができ、その中に垢や皮脂などの老廃物が溜まることで形成されます。初期段階では、触れると小さなしこりのように感じ、目立たないことがあります。ニキビとは異なり、完全に除去しない限り治せません。

粉瘤は徐々に大きくなり、悪臭を放ったり、炎症を引き起こしたりすることがあります。細菌感染によって膿が溜まり、痛みや腫れを伴うこともあるため、放置せずに早期に処置をする必要があります。

粉瘤との違いについて詳しく解説

稗粒腫

稗粒腫は、目の周りや鼻先にできる小さな白いブツブツ（1〜2mmほど）です。見た目がニキビに似ているためニキビだと思いがちですが、痛みを伴わず炎症もありません。中身は、角質（ケラチン）です。汗管の開口部に袋状の構造物ができ、その中に角質が溜まることで形成されます。

稗粒腫は、外的な刺激や皮膚の治癒過程で発生することがありますが、基本的には自然に治癒することはありません。

痛いニキビは放置せず早めに皮膚科を受診しよう

痛いニキビができた場合、放置せずに早めに皮膚科を受診することが重要です。痛みを伴うニキビは炎症が進行していることが多いため、適切な治療を受けることで、早期に回復を促進しニキビ跡を防げます。

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まとめ

痛みを伴うニキビは、炎症がひどくなっている状態かもしれません。放置せず、早めのケアが重要です。自己判断で潰したり、隠したりするのではなく、正しいスキンケアや生活習慣の見直しが改善の近道となります。強い痛みや長引く場合は、他の皮膚疾患のサインかもしれないため、早期に皮膚科を受診して適切な治療を受けましょう。