【医師監修】治らないニキビの正体は粉瘤かも?見分けるポイントを紹介!


更新日:2025年06月12日

ニキビと粉瘤はどう違う?
ニキビと粉瘤は、どちらも皮膚に現れる症状ですが、原因や症状に違いがあります。
ニキビとは?皮脂詰まりから起こる炎症
ニキビは、毛穴が皮脂や角質で詰まることによって炎症を引き起こす皮膚のトラブルです。皮脂が過剰に分泌され、角質が溜まり毛穴が詰まると、その中でアクネ菌が繁殖します。これにより炎症が起き、赤く腫れたニキビが現れます。
粉瘤とは?皮膚の下にできる袋状の腫瘍
粉瘤は皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に皮脂や角質が溜まっていく良性の腫瘍です。袋状の組織ができる原因は明確にはわかっていませんが、皮膚内で皮脂や古い角質が排出されず、蓄積されることによって形成されます。最初は小さなしこりのように感じることが多いですが、放置すると大きくなることもあります。粉瘤は通常、痛みを伴わず、感染しない限りは無症状であることが特徴です。
ニキビの原因・症状・できやすい場所
ニキビは毛穴の詰まりとアクネ菌の繁殖によって引き起こされます。思春期やストレス、ホルモンの影響などが主な要因となり、皮脂分泌が多い部位に現れやすくなります。
毛穴詰まりとアクネ菌が炎症を起こす
ニキビの主な原因は毛穴が皮脂や角質で詰まり、その中でアクネ菌が繁殖することです。アクネ菌は皮脂を栄養源にして増殖し、その結果炎症が引き起こされ、赤く腫れたニキビが現れます。この炎症が進行すると、膿を持ったニキビになることもあります。
思春期・大人ニキビで違う原因もある
思春期にできるニキビはホルモンの変化によって皮脂分泌が増加し、毛穴が詰まりやすくなることが主な原因です。大人になってからのニキビは、ストレス、不規則な生活、食生活の乱れが影響することが多く、女性の場合は月経前のホルモンバランスの乱れが関係することもあります。
顔のTゾーンにできやすい
顔のTゾーン(おでこや鼻のあたり)は皮脂分泌が多いため、ニキビができやすい場所です。また、髪の毛や服などによる刺激もニキビの原因になることもあります。
粉瘤の原因・症状・できやすい場所
粉瘤は皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に皮脂や古い角質が溜まることで発生します。顔や首、背中などにできやすく、時間とともに大きくなるのが特徴です。
皮膚の下に袋ができて老廃物がたまる
粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造ができ、そこに皮脂や角質が溜まることによって発生します。これらの老廃物が溜まり続け、時間が経つと袋が大きくなり、しこりとして感じられるようになります。最初は痛みはありません。感染すると膿を伴うため、痛みが生じることがあります。
原因不明のケースも多い
原因ははっきりとは解明されていません。毛穴の詰まりや皮膚の刺激が関与していると考えられています。肌のターンオーバーが乱れることが影響を与える可能性もあります。
顔・背中・首など毛穴以外にもできる
顔や首、背中などにできることが多いですが、毛穴がない部位でも発生することがあります。これらの部位では、皮膚の下に袋状の構造が形成されることがあります。毛穴がない部位にもできることがあり、皮膚の深部で皮脂や角質が溜まることで徐々に成長するのが特徴です。
粉瘤とニキビを見分けるポイント
粉瘤とニキビは見た目が似ていることが多いため、見分けが難しいことがあります。しかし、いくつかの特徴を理解することで、どちらの症状かを判断できます。
特徴 | 粉瘤 | ニキビ |
見た目 | 丸く盛り上がったしこり、黒い点あり | 毛穴が詰まった膨らみ |
サイズ | 数ミリから数センチ 最大で10cm以上 |
数ミリ程度 1cmを超えることは稀 |
臭い | 内容物が出ると嫌な臭い | 特徴的な臭いはない |
できる数 | 1~2個が一般的、全身で3つ程度 | 複数個が一箇所にまとめてできることが多い |
発生部位 | 顔、首、背中などどこでも | 顔のTゾーンなど、皮脂腺が活発な部位 |
見た目の違い
粉瘤は、皮膚に丸く盛り上がったしこりのように見え、その表面には黒い点が見られることが多いです。この黒い点は、内部に溜まった角質や老廃物が空気に触れて酸化することで現れます。
ニキビは毛穴が詰まってできる小さな膨らみで、毛穴の周りに発生し、粉瘤に比べて表面が滑らかなことが特徴です。
サイズの違い
ニキビは、悪化しても大きくても数ミリ程度で、通常1cmを超えることはほとんどありません。しかし、粉瘤は初期段階では数ミリ程度の大きさでも、放置すると数センチ、さらには10cmを超えることもあります。粉瘤はその膨らみが半球状で、触ると硬さやしこりを感じることがほとんどです。
臭いの有無
粉瘤は内部に老廃物や角質が溜まっており、圧迫するとドロッとした内容物が出てくることがあります。その際、特有の嫌な臭いを発することがほとんどです。この臭いは、粉瘤内で酸化や分解が進むことによって生じます。ニキビは清潔に保たれていれば、そのような嫌な臭いはありません。
できる数や部位の違い
粉瘤は通常、1つまたは2つといった少数で現れます。全身に複数の粉瘤ができることはあまりなく、もし複数できたとしても、数は限られていることがほとんどです。また、粉瘤は顔や首、背中など、皮膚のどこにでも発生する可能性がありますが、特に顔に多く見られます。
ニキビはしばしば複数できることが多く、特に顔のTゾーン(おでこ、鼻、あご)に集中することが一般的です。また、ニキビは皮脂腺が活発な部位に発生しやすいため、顔以外にも肩や背中に現れることがあります。
ニキビと粉瘤以外に似ている皮膚疾患
皮膚に現れるしこりや膨らみは、ニキビや粉瘤に似ていることが多いため、判断が難しい場合があります。
脂肪腫
皮膚の下にできる良性の腫瘍で、主に脂肪細胞から成り立っています。見た目は粉瘤に似ていることが多いですが、脂肪腫は皮膚の下層に位置しており、柔らかく触った感触が異なります。脂肪腫は周囲の組織と被膜で区切られており、指で押すと皮膚とは独立して動きますが、粉瘤は動きません。
時間とともに大きくなることもありますが、サイズが変わらない場合もあります。また、脂肪腫は通常痛みを伴わず、急に大きくなる場合には悪性腫瘍の可能性があります。
おでき
黄色ブドウ球菌が毛穴に感染することによって発生します。最初は赤く腫れ、熱を持つ痛みを伴い、膿が溜まって膿疱となります。おできは細菌感染が原因であり、外的要因や免疫力の低下が関与していることがほとんどです。
おできは炎症を伴うため、発症から数日後には膿が出ることがありますが、粉瘤とは異なり、通常は突然発生します。おできは炎症が強く痛みがあるため、見た目と症状で区別できます。
ニキビか粉瘤か判断に迷ったら専門医の診断を受けよう
ニキビや粉瘤は見た目が似ているため、自己判断が難しい場合があります。もし、粉瘤のようなできものや、患部が赤く腫れていると感じたときは、皮膚科を受診すべきタイミングかもしれません。症状が悪化している場合、痛みが伴っている場合、腫れがひどくなっている場合、粉瘤のような膨らみがある場合などは、迷わず皮膚科を受診しましょう。
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まとめ
ニキビと粉瘤は見た目が似ていることがありますが、全く異なる皮膚トラブルです。もし症状が繰り返す、触れると硬さを感じる、または嫌なにおいがする場合は、粉瘤かもしれません。自己判断で無理に潰すのは避けましょう。症状が悪化する前に、皮膚科で正確な診断を受け、適切な治療を行うことが肌トラブルを防ぐための大切な一歩です。

医師
高藤 円香

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