【医師監修】日焼け止めがニキビを悪化させる?紫外線対策で差がつく選び方と正しい使い方


更新日:2025年06月12日

日焼け止めでニキビが悪化することも?
ニキビができやすい肌にとって、日焼け止めの使用は悩ましい問題です。紫外線から肌を守るためには日焼け止めが欠かせませんが、ニキビ肌に合わない日焼け止めを使うと、逆にニキビが悪化してしまうこともあります。どのような日焼け止めがニキビにとって悪影響を与えるのか、また、どういった選び方が重要なのかを詳しく見ていきましょう。
ニキビ肌にNGな日焼け止めの種類
日焼け止めには様々な種類がありますが、ニキビ肌には注意が必要です。例えば、油分が多く含まれているクリームタイプの日焼け止めは、ニキビ肌にとっては刺激が強く毛穴を詰まらせる原因となることがあります。特にウォータープルーフタイプの日焼け止めは長時間肌に残るため、汗や水に強い反面、肌に負担をかけやすいので注意しましょう。また、アルコールや香料が含まれているものも刺激が強く、肌の乾燥や赤みを引き起こすことがあります。
ニキビを悪化させないために日焼け止めは必要
紫外線がニキビの原因になることがあると聞くと「日焼け止めを塗らない方が良いのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、紫外線はニキビを悪化させるリスクを持っています。ニキビ肌であっても紫外線対策は欠かせません。ニキビ肌でも、肌に合った日焼け止めを正しく使えば、炎症の悪化や色素沈着の予防に役立ちます。
ニキビと紫外線の関係
紫外線がニキビに与える影響は多岐にわたります。紫外線にはUVAとUVBの2種類がありますが、それぞれがニキビに与える影響には違いがあります。これらの紫外線がどのように肌に作用し、ニキビの悪化につながるのかを理解しておきましょう。
紫外線は皮脂の酸化と毛穴詰まりを引き起こす
紫外線を浴びると、肌は乾燥し、皮脂の分泌が増加します。過剰な皮脂は毛穴に詰まるため、ニキビの原因です。紫外線が引き起こす乾燥状態が皮脂分泌をさらに促進し、毛穴に蓄積された皮脂が酸化することで、炎症を引き起こしやすくなるため、ニキビが悪化することがあります。
免疫低下やターンオーバーの乱れも悪化要因に
紫外線は肌の免疫機能を低下させ、皮膚のターンオーバー(細胞の生まれ変わり)を乱します。免疫機能の低下は、ニキビ菌が繁殖しやすくなり、ニキビが発生したり悪化したりする原因です。また、ターンオーバーの乱れにより、角質が毛穴に詰まりやすくなり、ニキビの原因となります。
メラニン合成が促進されニキビ跡ができやすくなる
紫外線を浴びると、肌は防御反応としてメラニンを生成します。これがニキビ跡を色素沈着として残す原因です。炎症を伴うニキビが治癒した後に日焼けをすると、その部分にメラニンが沈着しやすく、シミや色素沈着を引き起こすリスクが高くなります。炎症後の肌は非常に敏感で、紫外線を浴びると色素沈着が進行しやすいため適切な紫外線対策が重要です。
ニキビ肌におすすめの日焼け止めの選び方
ここでは、ニキビ肌に優しい日焼け止め選びのポイントを紹介します。
SPF、PA
日焼け止めを選ぶ際は、SPFとPAの数値に注目しましょう。SPFはUVB(紫外線B波)、PAはUVA(紫外線A波)を防ぐ効果を示しています。一般的に、日常的な外出であれば、SPF20〜30、PA++程度のものが十分です。数値が高ければ高いほど良いというわけでないため、自分の生活スタイルに合わせたものを選びましょう。
ノンコメドジェニック
ニキビが気になる肌には、ノンコメドジェニック(日焼け止めが毛穴を詰まらせにくい処方)の製品を選ぶと安心です。この表示がある製品は、ニキビ肌にも使いやすく、毛穴の詰まりを防いでくれます。
ノンケミカル
ノンケミカルとは、紫外線を防ぐ成分に紫外線吸収剤(ケミカル)ではなく、紫外線散乱剤(ノンケミカル)を使用している日焼け止めのことです。紫外線吸収剤は、肌に直接的な負担をかけることがあるため、ニキビ肌には刺激が強いことがあります。対して、ノンケミカルの日焼け止めは、紫外線を反射・散乱させることで、肌への負担を最小限に抑えつつ紫外線を防げます。「紫外線吸収剤不使用」といった記載がある製品を選ぶと、安心です。
テクスチャー
ニキビ肌の方には、伸びが良く、軽い使用感のものが適しています。伸びが悪いと、塗る際に肌を摩擦してしまい、ニキビを悪化させる原因となります。
ローションタイプやジェルタイプの日焼け止めは、軽いつけ心地で伸びが良いため、サラッとした使用感で、摩擦を最小限に抑えられます。逆にミルクタイプやクリームタイプはしっとりしすぎて、場合によっては肌に負担をかけることがあるので、慎重に選びましょう。
日焼け止めの正しい使い方
紫外線から肌を守りつつ、ニキビを悪化させないためには、正しい塗り方やタイミング、適切な量を守ることがポイントです。
塗るタイミング
日焼け止めは外出する15〜30分前に塗るのが理想的です。塗ってすぐに外出するのではなく、少し時間をおいてから紫外線対策を始めましょう。これにより、日焼け止めが肌にしっかりと定着し、効果を発揮します。また、汗をかいたり、顔を触ったりする前に塗っておくことが大切です。
塗る量
顔に使う場合、クリームやミルクタイプの日焼け止めなら、パール粒大2つ分、ローションタイプなら100円硬貨大2つ分が目安です。少量だと効果が薄れるので、適切な量を使いましょう。
塗り方
優しく均一に広げることが大切です。手のひらでゴシゴシ塗るのは避けてください。指先を使ってやさしく塗り広げましょう。また、鼻や額、頬など日焼けしやすい部分には重ね塗りをすることで、よりしっかりと紫外線対策ができます。
塗り直し
日焼け止めは時間と共に効果が薄れていきます。汗をかいたり、顔を触ったりすることが多い場合は、2〜3時間ごとに塗り直しましょう。外で長時間過ごす場合は、こまめに塗り直すことで紫外線対策をしっかり維持できます。メイクをしている場合は、ティッシュで余分な油分や汗を取った後、パウダーやファンデーションを使って再度UVカットを施すと良いでしょう。
ニキビ肌への日焼け止め以外の紫外線対策
ニキビ肌の方にとって、日焼け止めだけでなく、他の紫外線対策も重要です。適切なアイテムの使用や時間帯の管理で、紫外線から肌を守りつつ、ニキビの悪化を防ぎましょう。
紫外線対策グッズ
日焼け止めだけでなく、紫外線対策グッズをうまく活用することが大切です。外出時にはサングラス、帽子、日傘、長袖の衣服などを使用することで、紫外線をしっかりカットできます。また、室内にいるときでも紫外線は窓を通して入ってくるため、UVカット効果のあるカーテンを使用するのも一つの方法です。
時間帯にも注意
紫外線が最も強い時間帯は、太陽が最も高くなる正午前後です。この時間帯に外出することは避け、できるだけ日差しを強く感じる時間帯を避けるようにしましょう。また、室内にいるときも紫外線は窓から入ってきますので、窓の近くにいる場合や日差しが直接当たる場所にはできるだけ近づかないようにするのも対策の一つです。
保湿をしっかりとする
日焼け後は肌が乾燥しやすいため、保湿を怠らないようにしましょう。冷たいタオルで肌を冷やし、その後は保湿効果の高い化粧水やクリームを使って水分補給を行い、肌の乾燥を防ぐことが大切です。
ニキビが気になる場合は皮膚科を受診しよう
もしニキビがひどくなり、痛みや膿を伴っていたり、長期間改善しなかったりする場合は、皮膚科での受診を検討しましょう。皮膚科では、ニキビの状態に合った治療方法を提案してもらえ、適切なスキンケア方法や生活習慣についてのアドバイスも受けられます。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
仕事や生活が忙しくて、皮膚科に通院する時間が取れないという方には、オンライン診療が非常に便利です。自宅にいながら診察を受けられるため、通院の手間を省き、忙しい日常生活に支障をきたすことなく治療を受けられます。
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まとめ
ニキビを悪化させずに紫外線から肌を守るためには、自分の肌に合った日焼け止めを正しく使用することが大切です。紫外線対策が肌荒れの原因になると思われがちですが、適切な日焼け止めの選び方と塗り方を工夫することで、むしろ肌の状態を改善できます。もし繰り返すニキビや紫外線による色素沈着が気になる場合は、早めに皮膚科で相談することを考慮しましょう。

医師
五藤 良将

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