【医師監修】目立ちやすい口周りのニキビは何で繰り返すの?原因と対処方法を解説
口周りにニキビができる原因
口周りにニキビができるのは、たまたまではありません。口周りは、皮膚の薄さや乾燥のしやすさに加え、体調や生活習慣の影響を強く受けやすいデリケートな場所です。少しの刺激やホルモンの変化、内臓の不調までもが引き金となって、ニキビを繰り返すことがあります。
乾燥
口周りは皮膚が薄く、皮脂の分泌も少ないため、顔の中でも特に乾燥しやすい部位です。乾燥すると肌はうるおいを守ろうとして皮脂を過剰に分泌し、結果として毛穴が詰まりやすくなります。
詰まった毛穴は、アクネ菌が繁殖しやすい環境です。炎症を起こして、その結果ニキビにつながってしまいます。さらに乾燥状態が続くと肌のバリア機能も弱まり、外部刺激に敏感になって、ニキビの悪化や再発を招くこともあります。
刺激
口周りは日常的に刺激を受けやすい部位です。たとえば髭剃りや産毛処理、マスクの着脱、食後に口元を拭く動作など、無意識のうちに摩擦が加わっています。こうした繰り返しの刺激は肌の角質層を傷つけ、バリア機能を低下させる原因です。雑菌が侵入しやすくなったり、毛穴が詰まりやすくなったりして、ニキビを引き起こします。また、切れ味の悪いカミソリを使用したり、肌に合わない化粧品を使ったりすることも刺激となり、ニキビの悪化につながります。
ホルモンバランスの乱れ
女性の場合、生理前になると「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が増え、皮脂の分泌が活発になったり、肌のターンオーバーが乱れたりして、ニキビができやすくなります。男性でも、ストレスや生活習慣の乱れによって男性ホルモン(アンドロゲン)の分泌が増えると、皮脂の量が増加し、毛穴詰まりを起こしやすくなります。
ホルモンバランスが崩れると、肌は不安定になり、口周りのニキビが繰り返しできやすくなってしまうのです。妊娠中や更年期はホルモンの変動が大きいため、ニキビが悪化しやすくなります。
胃腸への負担
食べ過ぎや偏った食生活、脂っこいものや刺激物の摂りすぎなどで胃腸が弱ると、消化や吸収の働きが低下し、体内に老廃物がたまりやすくなります。腸内環境が乱れると、血流を通じて肌にも悪影響が及び、ニキビや肌荒れとして現れるのです。
また、胃に負担をかける薬を頻繁に服用している場合も、口周りにニキビが出やすくなることがあります。腸内の健康は、肌のコンディションと密接に関わっています。
睡眠不足
十分な睡眠がとれないと自律神経が乱れ、ホルモンバランスも崩れやすくなります。これにより皮脂の分泌が増えたり、肌のターンオーバーが滞ったりして、毛穴が詰まりやすい状態になります。
睡眠中は肌の修復や再生が進む大切な時間です。睡眠が不足するとその回復が追いつかず、ニキビが治りにくくなったり、炎症が悪化しやすくなったりします。
ストレス
強いストレスを受けると自律神経が乱れ、ホルモンバランスにも影響を与えます。また、ストレスは胃腸の働きにも影響し、消化不良や腸内環境の悪化を招くこともあります。
口周りのニキビは跡になりやすい
口周りのニキビは、皮膚が薄く刺激に弱いため、悪化しやすく跡が残りやすいのが特徴です。特に初期段階で適切にケアしないと、炎症が進行して赤みや膿をともなう重度のニキビへと発展してしまうことがあります。ここでは、ニキビがどのように進行していくのかを段階ごとに見ていきましょう。
白ニキビ
初期段階のニキビで「閉鎖面皰(へいさめんぽう)」とも呼ばれます。毛穴が皮脂や角質で詰まり、その上を皮膚が覆っている状態のため、白くポツンとした見た目が特徴です。
痛みや赤みがないことも多く、目立ちにくいものの、放置すると炎症を起こして赤ニキビや黄ニキビに進行する可能性があります。口周りは刺激を受けやすく、乾燥や摩擦、ホルモンの影響が重なりやすい部位のため、白ニキビが悪化しやすい傾向があります。
黒ニキビ
毛穴が開いて中の皮脂や角質が空気に触れたことで黒く見える状態で、「開放面皰(かいほうめんぽう)」と呼ばれます。黒く見える原因は皮脂の酸化ではなく、実はメラニン色素によるものです。もともとは白ニキビだったものが毛穴の開きによって変化したもので、放置するとさらに炎症を起こして赤ニキビや黄ニキビへと進行してしまうこともあります。
赤ニキビ
「紅色丘疹(こうしょくきゅうしん)」とも呼ばれ、炎症を起こした状態のニキビです。毛穴に詰まった皮脂をエサにアクネ菌が繁殖し、免疫反応によって炎症が起きることで赤く腫れた状態になります。
口周りにでききると痛みや熱感を伴うこともあり、触れたり刺激を与えたりするとさらに悪化するリスクがあります。そのまま放置すると膿が溜まり、黄ニキビに進行したり、治った後に跡が残ったりすることもあるため、早めのケアが重要です。
黄ニキビ
ニキビが炎症を起こして膿を持った状態で、「膿疱(のうほう)」とも呼ばれます。赤ニキビがさらに悪化し、毛穴の中でアクネ菌が増殖して膿が溜まることで発生します。口周りは動きが多く、マスクや髭剃りなどの刺激も加わるため、炎症が広がりやすい部位です。痛みや腫れを伴い、無理に潰すと皮膚の奥にダメージを残し、シコリや色素沈着、クレーター状の跡につながることもあります。
口周りのニキビへの対処方法
口の周りのニキビが気になる場合は、以下の方法を試してみましょう。
刺激を避ける
無意識に手で触れてしまうことが悪化の原因になります。頬杖をつくクセや、マスクのこすれ、髭剃りの刺激など、日常の小さな行動が肌にダメージを与えかねません。肌を守るためには「触らない」「こすらない」を徹底することが基本です。とくに髭剃りや産毛処理をする際には、刃の清潔さや剃る方向に配慮し刺激を最小限に抑えましょう。
スキンケアを行う
洗顔は朝晩2回を目安に、よく泡立てた弾力泡でやさしく包むように洗ってください。ゴシゴシこするのは厳禁です。洗顔後は、肌の乾燥を防ぐために化粧水と乳液を重ね、うるおいをしっかり閉じ込めます。ノンコメドジェニックのスキンケア製品を選ぶと、ニキビができにくい状態に整えられます。肌に余計な負担をかけない、シンプルで丁寧なケアがポイントです。
睡眠をしっかりとる
どれだけ高価なスキンケアをしても、睡眠不足では効果も半減します。質の高い睡眠はホルモンバランスを整え、肌のターンオーバーを正常に保つ助けになります。毎日同じ時間に寝て起きるリズムを整え、寝る前はスマホやテレビを控えるなど、心身がリラックスできる環境をつくるよう心がけましょう。疲れやストレスを翌日に持ち越さないことが、肌の健康維持につながります。
食生活に注意する
ニキビを内側からケアするには、腸内環境を整える食事が欠かせません。暴飲暴食や冷たい飲み物の摂りすぎは胃腸に負担をかけ、口周りのニキビの原因となることがあります。野菜や発酵食品、食物繊維を意識的に取り入れ、便秘を防ぐことも重要です。また、糖質や脂質の過剰摂取を避け、ビタミンやミネラルをバランスよく摂ることで、肌の生まれ変わりをサポートできます。
皮膚科を受診する
セルフケアをしていてもニキビがなかなか治らない場合は、迷わず皮膚科を受診しましょう。ニキビはれっきとした皮膚の病気であり、医師の診断と治療によって原因に合った薬を使うことが最も効果的です。外用薬や内服薬だけでなく、ビタミン剤や漢方、ケミカルピーリングといった選択肢もあります。「たかがニキビ」と我慢せず、早期の対応が美肌への近道になります。
口の周りのニキビの治療法
代表的な治療法を4つご紹介します。気になる治療法があれば、まずは皮膚科で相談しましょう。
塗り薬
口元ニキビの多くは毛穴のつまりや菌の増殖が原因です。毛穴の詰まりを改善する「アダパレン」や、殺菌効果のある「過酸化ベンゾイル」を配合した塗り薬が処方されます。炎症を抑える抗菌薬との配合薬もあり、赤く腫れたニキビにも対応可能です。
飲み薬
炎症が強い場合や広範囲にニキビができている場合には、飲み薬を使用します。抗菌薬でアクネ菌の繁殖を抑えつつ、体質や症状に応じて、漢方薬やビタミン剤が補助的に使われることもあります。
面ぽう圧出
白ニキビや黒ニキビの段階で毛穴に詰まった皮脂や角質を取り除く処置が「面ぽう圧出」です。専用の器具を使って丁寧に内容物を取り除くため、自分で潰すよりも安全で、跡が残るリスクを最小限に抑えられます。
ケミカルピーリング
肌のターンオーバーを促す「ケミカルピーリング」は、古い角質を取り除いて毛穴詰まりを防ぎ、ニキビをできにくくする治療です。肌質やニキビの状態に合わせて薬剤の種類や濃度を調整し、効果的に施術してもらえます。
口周りのニキビが治らない場合、他の病気かも
口の周りにポツンとできたできもの、つい「またニキビかな?」と考えがちですが、実は別の病気が隠れていることもあります。なかには人にうつる可能性のある病気もあるため、正しい見極めが大切です。
口角炎・口唇炎
口の端や唇全体に赤みや皮むけ、ひび割れ、ただれなどがあれば、それは「口角炎」や「口唇炎」かもしれません。乾燥やビタミン不足、アレルギー、細菌やカンジダ(カビ)の感染が原因になることもあります。見た目がニキビに似ていても、原因が異なれば治療法も変わります。痛みや不快感が強い場合は、迷わず皮膚科に相談しましょう。
口唇ヘルペス
唇やその周囲に、ピリピリ・チクチクとした違和感のあとに小さな水ぶくれができたら、それは「口唇ヘルペス」かもしれません。ウイルス感染が原因で、体調が崩れて免疫力が下がったときに現れやすい病気です。
見た目はニキビに似ていますが、感染力があるため注意が必要です。水ぶくれが出ている間は他人にうつる可能性があるため、早めに皮膚科を受診して、抗ウイルス薬などの治療を受けましょう。
口の周りニキビは再発しやすいので専門家のサポートを受けよう
口の周りにできるニキビは、同じ場所に何度も繰り返しやすく、セルフケアだけではなかなか改善しないこともあります。複数の原因が複雑に絡み合っているため、見た目だけの対策では再発を防ぎにくいのが特徴です。
ニキビと似た症状の別の病気(口唇ヘルペスや口角炎など)が隠れている場合もあります。そのため、正しい診断を受けることも重要です。
医師による診察では、肌の状態だけでなく体質や生活背景もふまえて、原因に応じた薬や治療法を提案してもらえます。再発しやすい口周りのニキビこそ、自己判断で放置せず、早めに専門家の力を借りて根本的な改善を目指しましょう。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
口の周りのように繰り返しやすいニキビは、継続した治療や経過観察が重要です。通院のハードルが高い方こそ、オンライン診療をうまく活用して、無理なく肌を整えていきましょう。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンなどインターネットに接続できるデバイスを使って、自宅にいながら医師の診察を受けられる医療サービスです。病院に行かなくても、ビデオ通話で医師と直接会話しながら診察を受けられます。
予約から問診、診察、薬の処方、支払いまでがすべてオンラインで完結するのが特徴で、仕事や育児で忙しい方、外出が難しい方にとって、非常に便利な診療方法です。通院のハードルを下げながら、必要な医療を無理なく受けられる、それが、オンライン診療の大きな魅力といえます。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKU(ソクヤク)は、オンライン診療をもっと身近に、よりスムーズにするための便利なサービスです。アプリをつかって診療予約から診察、お薬の受け取りまで、すべてをスマホひとつで完結できるのが特徴になります。
お気に入りのクリニックや薬局を登録しておける機能や、オンラインお薬手帳としての活用も可能です。さらに、専門スタッフによるサポートもあるため、初めての方でも安心して利用できます。
処方薬は、最短で当日または翌日に全国どこでも自宅に届く仕組みなので、忙しくて病院や薬局に行く時間がない方にもぴったりです。時間を有効に使いながら、しっかりと医療サポートを受けたい人におすすめのサービスといえます。
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まとめ
口周りのニキビは、乾燥や外的刺激、ホルモンの乱れなど、複数の要因が絡んで起こります。スキンケアだけでなく、食事や睡眠など日々の生活習慣を整えることも大切です。ただし、繰り返したり治りにくい場合は、早めに皮膚科を受診して、症状に合った治療を受けましょう。適切な対策を続けることで、口周りのニキビを予防・改善しましょう!
繰り返しできる口周りのニキビに、つい鏡を見るたび落ち込んでいませんか?メイクでも隠しにくく、痛みをともなうこともあるため、日々のストレスになってしまうことも少なくありません。口周りは、乾燥や摩擦などの外的刺激に加え、ホルモンバランスや胃腸の不調とも密接に関係しているデリケートな部分です。この記事では、そんな厄介な口周りニキビの原因と正しい対処法、そして繰り返さないための予防ポイントをわかりやすく解説していきます。
口周りにニキビができる原因
口周りにニキビができるのは、たまたまではありません。口周りは、皮膚の薄さや乾燥のしやすさに加え、体調や生活習慣の影響を強く受けやすいデリケートな場所です。少しの刺激やホルモンの変化、内臓の不調までもが引き金となって、ニキビを繰り返すことがあります。
乾燥
口周りは皮膚が薄く、皮脂の分泌も少ないため、顔の中でも特に乾燥しやすい部位です。乾燥すると肌はうるおいを守ろうとして皮脂を過剰に分泌し、結果として毛穴が詰まりやすくなります。
詰まった毛穴は、アクネ菌が繁殖しやすい環境です。炎症を起こして、その結果ニキビにつながってしまいます。さらに乾燥状態が続くと肌のバリア機能も弱まり、外部刺激に敏感になって、ニキビの悪化や再発を招くこともあります。
刺激
口周りは日常的に刺激を受けやすい部位です。たとえば髭剃りや産毛処理、マスクの着脱、食後に口元を拭く動作など、無意識のうちに摩擦が加わっています。こうした繰り返しの刺激は肌の角質層を傷つけ、バリア機能を低下させる原因です。雑菌が侵入しやすくなったり、毛穴が詰まりやすくなったりして、ニキビを引き起こします。また、切れ味の悪いカミソリを使用したり、肌に合わない化粧品を使ったりすることも刺激となり、ニキビの悪化につながります。
ホルモンバランスの乱れ
女性の場合、生理前になると「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が増え、皮脂の分泌が活発になったり、肌のターンオーバーが乱れたりして、ニキビができやすくなります。男性でも、ストレスや生活習慣の乱れによって男性ホルモン(アンドロゲン)の分泌が増えると、皮脂の量が増加し、毛穴詰まりを起こしやすくなります。
ホルモンバランスが崩れると、肌は不安定になり、口周りのニキビが繰り返しできやすくなってしまうのです。妊娠中や更年期はホルモンの変動が大きいため、ニキビが悪化しやすくなります。
胃腸への負担
食べ過ぎや偏った食生活、脂っこいものや刺激物の摂りすぎなどで胃腸が弱ると、消化や吸収の働きが低下し、体内に老廃物がたまりやすくなります。腸内環境が乱れると、血流を通じて肌にも悪影響が及び、ニキビや肌荒れとして現れるのです。
また、胃に負担をかける薬を頻繁に服用している場合も、口周りにニキビが出やすくなることがあります。腸内の健康は、肌のコンディションと密接に関わっています。
睡眠不足
十分な睡眠がとれないと自律神経が乱れ、ホルモンバランスも崩れやすくなります。これにより皮脂の分泌が増えたり、肌のターンオーバーが滞ったりして、毛穴が詰まりやすい状態になります。
睡眠中は肌の修復や再生が進む大切な時間です。睡眠が不足するとその回復が追いつかず、ニキビが治りにくくなったり、炎症が悪化しやすくなったりします。
ストレス
強いストレスを受けると自律神経が乱れ、ホルモンバランスにも影響を与えます。また、ストレスは胃腸の働きにも影響し、消化不良や腸内環境の悪化を招くこともあります。
口周りのニキビは跡になりやすい
口周りのニキビは、皮膚が薄く刺激に弱いため、悪化しやすく跡が残りやすいのが特徴です。特に初期段階で適切にケアしないと、炎症が進行して赤みや膿をともなう重度のニキビへと発展してしまうことがあります。ここでは、ニキビがどのように進行していくのかを段階ごとに見ていきましょう。
白ニキビ
初期段階のニキビで「閉鎖面皰(へいさめんぽう)」とも呼ばれます。毛穴が皮脂や角質で詰まり、その上を皮膚が覆っている状態のため、白くポツンとした見た目が特徴です。
痛みや赤みがないことも多く、目立ちにくいものの、放置すると炎症を起こして赤ニキビや黄ニキビに進行する可能性があります。口周りは刺激を受けやすく、乾燥や摩擦、ホルモンの影響が重なりやすい部位のため、白ニキビが悪化しやすい傾向があります。
黒ニキビ
毛穴が開いて中の皮脂や角質が空気に触れたことで黒く見える状態で、「開放面皰(かいほうめんぽう)」と呼ばれます。黒く見える原因は皮脂の酸化ではなく、実はメラニン色素によるものです。もともとは白ニキビだったものが毛穴の開きによって変化したもので、放置するとさらに炎症を起こして赤ニキビや黄ニキビへと進行してしまうこともあります。
赤ニキビ
「紅色丘疹(こうしょくきゅうしん)」とも呼ばれ、炎症を起こした状態のニキビです。毛穴に詰まった皮脂をエサにアクネ菌が繁殖し、免疫反応によって炎症が起きることで赤く腫れた状態になります。
口周りにでききると痛みや熱感を伴うこともあり、触れたり刺激を与えたりするとさらに悪化するリスクがあります。そのまま放置すると膿が溜まり、黄ニキビに進行したり、治った後に跡が残ったりすることもあるため、早めのケアが重要です。
黄ニキビ
ニキビが炎症を起こして膿を持った状態で、「膿疱(のうほう)」とも呼ばれます。赤ニキビがさらに悪化し、毛穴の中でアクネ菌が増殖して膿が溜まることで発生します。口周りは動きが多く、マスクや髭剃りなどの刺激も加わるため、炎症が広がりやすい部位です。痛みや腫れを伴い、無理に潰すと皮膚の奥にダメージを残し、シコリや色素沈着、クレーター状の跡につながることもあります。
口周りのニキビへの対処方法
口の周りのニキビが気になる場合は、以下の方法を試してみましょう。
刺激を避ける
無意識に手で触れてしまうことが悪化の原因になります。頬杖をつくクセや、マスクのこすれ、髭剃りの刺激など、日常の小さな行動が肌にダメージを与えかねません。肌を守るためには「触らない」「こすらない」を徹底することが基本です。とくに髭剃りや産毛処理をする際には、刃の清潔さや剃る方向に配慮し刺激を最小限に抑えましょう。
スキンケアを行う
洗顔は朝晩2回を目安に、よく泡立てた弾力泡でやさしく包むように洗ってください。ゴシゴシこするのは厳禁です。洗顔後は、肌の乾燥を防ぐために化粧水と乳液を重ね、うるおいをしっかり閉じ込めます。ノンコメドジェニックのスキンケア製品を選ぶと、ニキビができにくい状態に整えられます。肌に余計な負担をかけない、シンプルで丁寧なケアがポイントです。
睡眠をしっかりとる
どれだけ高価なスキンケアをしても、睡眠不足では効果も半減します。質の高い睡眠はホルモンバランスを整え、肌のターンオーバーを正常に保つ助けになります。毎日同じ時間に寝て起きるリズムを整え、寝る前はスマホやテレビを控えるなど、心身がリラックスできる環境をつくるよう心がけましょう。疲れやストレスを翌日に持ち越さないことが、肌の健康維持につながります。
食生活に注意する
ニキビを内側からケアするには、腸内環境を整える食事が欠かせません。暴飲暴食や冷たい飲み物の摂りすぎは胃腸に負担をかけ、口周りのニキビの原因となることがあります。野菜や発酵食品、食物繊維を意識的に取り入れ、便秘を防ぐことも重要です。また、糖質や脂質の過剰摂取を避け、ビタミンやミネラルをバランスよく摂ることで、肌の生まれ変わりをサポートできます。
皮膚科を受診する
セルフケアをしていてもニキビがなかなか治らない場合は、迷わず皮膚科を受診しましょう。ニキビはれっきとした皮膚の病気であり、医師の診断と治療によって原因に合った薬を使うことが最も効果的です。外用薬や内服薬だけでなく、ビタミン剤や漢方、ケミカルピーリングといった選択肢もあります。「たかがニキビ」と我慢せず、早期の対応が美肌への近道になります。
口の周りのニキビの治療法
代表的な治療法を4つご紹介します。気になる治療法があれば、まずは皮膚科で相談しましょう。
塗り薬
口元ニキビの多くは毛穴のつまりや菌の増殖が原因です。毛穴の詰まりを改善する「アダパレン」や、殺菌効果のある「過酸化ベンゾイル」を配合した塗り薬が処方されます。炎症を抑える抗菌薬との配合薬もあり、赤く腫れたニキビにも対応可能です。
飲み薬
炎症が強い場合や広範囲にニキビができている場合には、飲み薬を使用します。抗菌薬でアクネ菌の繁殖を抑えつつ、体質や症状に応じて、漢方薬やビタミン剤が補助的に使われることもあります。
面ぽう圧出
白ニキビや黒ニキビの段階で毛穴に詰まった皮脂や角質を取り除く処置が「面ぽう圧出」です。専用の器具を使って丁寧に内容物を取り除くため、自分で潰すよりも安全で、跡が残るリスクを最小限に抑えられます。
ケミカルピーリング
肌のターンオーバーを促す「ケミカルピーリング」は、古い角質を取り除いて毛穴詰まりを防ぎ、ニキビをできにくくする治療です。肌質やニキビの状態に合わせて薬剤の種類や濃度を調整し、効果的に施術してもらえます。
口周りのニキビが治らない場合、他の病気かも
口の周りにポツンとできたできもの、つい「またニキビかな?」と考えがちですが、実は別の病気が隠れていることもあります。なかには人にうつる可能性のある病気もあるため、正しい見極めが大切です。
口角炎・口唇炎
口の端や唇全体に赤みや皮むけ、ひび割れ、ただれなどがあれば、それは「口角炎」や「口唇炎」かもしれません。乾燥やビタミン不足、アレルギー、細菌やカンジダ(カビ)の感染が原因になることもあります。見た目がニキビに似ていても、原因が異なれば治療法も変わります。痛みや不快感が強い場合は、迷わず皮膚科に相談しましょう。
口唇ヘルペス
唇やその周囲に、ピリピリ・チクチクとした違和感のあとに小さな水ぶくれができたら、それは「口唇ヘルペス」かもしれません。ウイルス感染が原因で、体調が崩れて免疫力が下がったときに現れやすい病気です。
見た目はニキビに似ていますが、感染力があるため注意が必要です。水ぶくれが出ている間は他人にうつる可能性があるため、早めに皮膚科を受診して、抗ウイルス薬などの治療を受けましょう。
口の周りニキビは再発しやすいので専門家のサポートを受けよう
口の周りにできるニキビは、同じ場所に何度も繰り返しやすく、セルフケアだけではなかなか改善しないこともあります。複数の原因が複雑に絡み合っているため、見た目だけの対策では再発を防ぎにくいのが特徴です。
ニキビと似た症状の別の病気(口唇ヘルペスや口角炎など)が隠れている場合もあります。そのため、正しい診断を受けることも重要です。
医師による診察では、肌の状態だけでなく体質や生活背景もふまえて、原因に応じた薬や治療法を提案してもらえます。再発しやすい口周りのニキビこそ、自己判断で放置せず、早めに専門家の力を借りて根本的な改善を目指しましょう。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
口の周りのように繰り返しやすいニキビは、継続した治療や経過観察が重要です。通院のハードルが高い方こそ、オンライン診療をうまく活用して、無理なく肌を整えていきましょう。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンなどインターネットに接続できるデバイスを使って、自宅にいながら医師の診察を受けられる医療サービスです。病院に行かなくても、ビデオ通話で医師と直接会話しながら診察を受けられます。
予約から問診、診察、薬の処方、支払いまでがすべてオンラインで完結するのが特徴で、仕事や育児で忙しい方、外出が難しい方にとって、非常に便利な診療方法です。通院のハードルを下げながら、必要な医療を無理なく受けられる、それが、オンライン診療の大きな魅力といえます。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKU(ソクヤク)は、オンライン診療をもっと身近に、よりスムーズにするための便利なサービスです。アプリをつかって診療予約から診察、お薬の受け取りまで、すべてをスマホひとつで完結できるのが特徴になります。
お気に入りのクリニックや薬局を登録しておける機能や、オンラインお薬手帳としての活用も可能です。さらに、専門スタッフによるサポートもあるため、初めての方でも安心して利用できます。
処方薬は、最短で当日または翌日に全国どこでも自宅に届く仕組みなので、忙しくて病院や薬局に行く時間がない方にもぴったりです。時間を有効に使いながら、しっかりと医療サポートを受けたい人におすすめのサービスといえます。
まとめ
口周りのニキビは、乾燥や外的刺激、ホルモンの乱れなど、複数の要因が絡んで起こります。スキンケアだけでなく、食事や睡眠など日々の生活習慣を整えることも大切です。ただし、繰り返したり治りにくい場合は、早めに皮膚科を受診して、症状に合った治療を受けましょう。適切な対策を続けることで、口周りのニキビを予防・改善しましょう!
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当コラムの掲載記事に関するご注意点
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3.
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4.
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