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【医師監修】鼻の中に出来るニキビの原因は?対処方法と注意点を解説

監修医師 松澤 宗範
更新日:2025年06月3日

更新日:2025年06月3日

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「鼻の中が痛い…」そんな違和感があった場合、もしかするとニキビが原因かもしれません。鼻の入口には皮脂腺が存在し、さらに粘膜は繊細です。わずかな刺激や生活習慣の乱れでも炎症が起こりやすい場所でもあります。この記事では、鼻の中にできるニキビの主な原因から、避けるべき間違ったケア、そして適切な対処法まで、詳しく解説していきます。

鼻の中にニキビができる原因は

ニキビといえば顔にできるものというイメージがありますが、実は鼻の中も皮脂腺が存在し、ニキビができやすい場所です。鼻の中のニキビは「ちょっとした刺激」と「体の内側の変化」が重なったときにできやすくなります。

鼻の粘膜への刺激

鼻の中は繊細な粘膜で覆われており、ほんのわずかな刺激でも傷がついてしまいます。たとえば、強く鼻をかんだり、鼻毛を抜いたり、メイクや洗顔の際に誤って摩擦が生じたりといった日常のちょっとした行動でも注意しましょう。粘膜に小さな傷ができやすくなり、雑菌が侵入すると、炎症が起きてニキビのような腫れや痛みにつながります。

鼻炎

アレルギー性鼻炎や慢性的な鼻炎があると、鼻水やくしゃみ、鼻詰まりが頻繁に起こり、そのたびに鼻をかむ機会が増えます。繰り返し鼻をかむことで粘膜がこすれ、傷つきやすくなります。

 

また、鼻の中は湿度が高いため、雑菌が繁殖しやすい環境です。炎症が長引くとニキビのような腫れが生じることもあります。鼻炎が続いているときは、鼻の中の清潔を保ちつつ、適切な治療や予防を心がけましょう。

鼻をほじる癖

鼻ほじる癖がある場合、鼻の中を物理的に傷つける主な原因になります。爪で粘膜を引っかいてしまうと、傷口に雑菌が侵入しやすくなり、ニキビや炎症が繰り返しやすくなります。

 

爪の中は見えない汚れがたまりやすく、思っている以上に細菌が多く潜んでいる場所です。その積み重ねがニキビや腫れの原因になります。鼻の中をきれいに保ちたいときは、指で直接触れるのではなく、綿棒で優しく掃除するなどの工夫をしましょう。

ホルモンバランスの乱れ

生理前や強いストレスを感じているとき、不規則な生活を送っているときなど、体内のホルモンの働きが乱れやすくなります。鼻のすぐ入り口部分の鼻前庭には鼻毛が生えており、さらに皮脂腺から分泌される脂分を含んだ粘性のある物質が分泌されています。皮脂の分泌が過剰になると、毛穴が詰まりやすくなり、鼻の中にもニキビができてしまうのです。

 

さらに、ホルモンの影響で肌のターンオーバーが乱れると、古い角質がうまく剥がれずに毛穴の中に残り、アクネ菌が繁殖しやすい状態になります。内側からの変化は外からは見えない分、見落とされがちですが、鼻の中という目立たない場所にニキビができるときこそ、体からのサインかもしれません。

鼻の中ニキビで間違ったケア

鼻の中にできたニキビ、気になるからといって自己流で触ったりケアをすると、かえって悪化させてしまうことがあります。実は、やってしまいがちなNG行動には注意が必要です。

ニキビを潰す

鼻の中は粘膜で覆われていて、とてもデリケートです。そこにできたニキビを指や爪で潰してしまうと、傷口から雑菌が侵入しやすくなり、炎症がさらに広がる危険性があります。潰したことで症状が悪化し、痛みが増すだけでなく、膿んだり、治りにくくなったりすることもあります。悪化を防ぐためにも、「触らない・潰さない」が鉄則です。

思いっきり鼻をかむ

鼻を強くかむことで、デリケートな鼻の粘膜が傷ついてしまいます。その傷口から雑菌が侵入すると、ニキビがさらに炎症を起こし、痛みや腫れが悪化してしまうこともあります。鼻炎などで頻繁に鼻をかむ方は、知らないうちに何度も粘膜を刺激してしまい、ニキビができやすい環境をつくっているかもしれません。

鼻毛を抜く

鼻毛はただのムダ毛ではありません。空気中のホコリや雑菌が体内に入り込むのを防ぐ、重要なフィルターの役割を果たしています。これを無理に引き抜いてしまうと、毛根やその周囲の粘膜が傷つき、そこから雑菌が入り込みやすくなります。

鼻をほじる

クセのように頻繁に鼻をほじっていると、粘膜が慢性的に傷つきやすくなり、繰り返しニキビができる状態になることもあります。最初は小さな痛みでも、炎症が広がると腫れや膿みをともないます。

放置する

最初は小さな赤みや痛みでも、放置することでどんどん腫れてきたり、膿をもったりするかもしれません。炎症が広がると、治るまでに時間がかかるだけでなく、強い痛みや違和感が長引き、日常生活にも支障をきたす可能性があります。

鼻の中のニキビへの対処方法

「たかがニキビ」と思わず、早めの対処がポイントになります。鼻の中のニキビをやさしくケアするための対処法をわかりやすくご紹介します。

刺激を避ける

気になって指で触ったり、鏡で確認しようと無理に鼻を広げたりしていませんか?こうした行為は、かえって粘膜を傷つけ、炎症を悪化させてしまう原因になります。鼻の中にニキビができたとき、一番大切なのはできるだけ刺激を与えないことです。なるべく優しくかむ、もしくは鼻うがいでやさしく洗い流すようにしましょう。

清潔を保つ

手や指先を清潔にすることを意識しましょう。鼻を触る前には必ず手を洗い、特に爪の間までしっかり洗浄してください。指先に付いた見えない汚れや雑菌が、ニキビの炎症を悪化させてしまうからです。無意識に触ってしまうことが多い鼻だからこそ、常に清潔を意識することで、ニキビの悪化を防ぐことができます。

 

また、タオルは毎日取り替え、ティッシュは使い捨てを心がけて、鼻の周囲に雑菌が残らないようにしましょう。鼻水やメイクの汚れが鼻の中に入り込まないように、洗顔も丁寧に行うことがポイントです。

保湿する

鼻の中にできたニキビがヒリヒリ痛むとき、実は乾燥が原因で悪化している可能性があります。鼻の中は粘膜で覆われており、乾燥するとバリア機能が弱まり、ちょっとした刺激でも炎症が強くなってしまうのです。そこで大切なのが、保湿によるケアです。

 

加湿器を使って室内の湿度を保つようにしてみましょう。空気が乾燥しやすい季節やエアコンの効いた部屋では、粘膜が乾きやすくなるため、常に潤いを保つ環境づくりが大切です。

 

外出先などで加湿が難しい場合は、マスクを着用するだけでも保湿効果があります。自分の呼気で鼻の中が自然に潤うため、痛みの緩和にもつながります。

 

また、オリーブオイルを綿棒で少量塗る方法も効果的です。オイルが粘膜に薄い膜を作り、乾燥や外部刺激から守ってくれます。ただし、綿棒は浅くやさしく使い、高品質なオイルを選ぶようにしましょう。

鼻うがいをする

鼻うがいとは、生理食塩水などを使って鼻の中をやさしく洗い流す方法で、粘膜についたホコリや雑菌、余分な皮脂などをきれいに取り除けます。市販の鼻うがい用洗浄液や専用キットを使えば、自宅でも簡単にできます。無理に水を吸い込まず、やさしく注ぎ入れて自然に流すのがコツです。

 

ニキビの原因となるアクネ菌や汚れを物理的に洗い流すことで、炎症の元を減らし、ニキビの悪化を防ぐ効果が期待できます。また、鼻炎やアレルギーで鼻の中に粘り気のある鼻水がたまっているときにも、鼻うがいをすることでスッキリし、粘膜への刺激が軽減します。

 

ただし、正しい方法で行わないと耳に水が入るなど別のトラブルが起こることもあるため、説明書に従って慎重に行いましょう。

病院を受診する

鼻の中にできたニキビが何日も治らなかったり、強い痛みや腫れ、膿が出るような状態になっている場合は、迷わず病院を受診しましょう。見えにくい場所だからといって放置してしまうと、炎症がどんどん広がってしまい、治りにくくなってしまうこともあります。

鼻の中のニキビの治療法

鼻の中にできたニキビがなかなか治らない場合や、痛みが強い場合、繰り返し発生する場合には、皮膚科での治療を受けましょう。自己判断ではなく、医師の診察を受けたうえで、正しく使うことが大切です。

塗り薬

ニキビの原因菌を抑えたり、詰まった毛穴を整えたりする効果がある塗り薬を使用します。たとえば、「デュアックゲル」や「エピデュオゲル」などは、抗菌作用や角質をやさしく剥がす成分が含まれていて、炎症性のニキビに効果的です。塗るときは綿棒を使うと、鼻の中にもきれいに塗布できます。

飲み薬

体の内側からニキビにアプローチできるのが飲み薬です。皮脂の分泌をコントロールしたり、肌の新陳代謝を整える成分が含まれているものが処方されます。たとえば、肌の回復を助けてくれるビタミンB6やL-システイン(ハイチオール)です。重症のニキビにはイソトレチノイン(ビタミンA誘導体)が使われることもあります。また、自然由来の成分で体質改善を目指す漢方薬も、慢性的な鼻ニキビに効果があるとされています。

鼻の中のニキビが治らない場合は違う病気かも

鼻の中にできたできものが治らない場合、ニキビではなく他の病気かもしれません。

鼻ポリープ

鼻茸とも呼ばれ、鼻の中の粘膜がむくんでふくらみ、垂れ下がったものです。大きいと親指ほどのサイズになることもあり、いくつもできることがあります。ポリープが小さいうちは症状がないこともありますが、大きくなると空気の通り道が狭くなって鼻づまりが起こり、においを感じにくくなります。

 

食べ物の風味もわかりにくくなったり、鼻水がのどに流れ込んで違和感を覚えることも症状です。また、副鼻腔の換気が悪くなると膿がたまり、歯や顔、頭の痛み、長引く咳や痰の原因にもなります。

鼻炎

鼻の中には「甲介」という、空気の通り道を守る柔らかい粘膜のひだがいくつかあります。その中でも「下鼻甲介」は特に大きくて、空気の温度や湿度を調節することが役割です。この粘膜がアレルギーや気温の変化などの刺激で腫れてしまうと、空気の通り道が狭くなり、鼻づまりが続いてしまいます。こうした状態を「肥厚性鼻炎」と呼びます。

めんちょう(面疔)

顔の毛穴に細菌が入り込んで起こる皮膚の感染症です。はじめは毛穴の奥に炎症が起こる「毛嚢炎」という状態ですが、それが悪化して膿がたまり、赤く腫れて痛みが強くなると「せつ(癤)」と呼ばれる状態になります。せつが顔に出来たものがめんちょうです。

 

症状は、赤くドーム状に腫れて痛みをともなうしこりができ、悪化すると膿がたまって自然に治りにくくなります。突然できて悪化しやすく、基本的には単発で現れます。

鼻の中のニキビは悪化しやすいため放置せず皮膚科を受診しよう

市販薬では治らない、繰り返しできる、膿みや痛みが強い、といった場合は、我慢せずに専門医の診察を受けましょう。皮膚科を受診すれば、状態に合った適切な治療を受けられ、早く・安全に改善する可能性が高まります。また、必要に応じて耳鼻科受診を紹介してもらえます。

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まとめ

鼻の中にできるニキビは、見えにくく手が届きにくいため、気づいたときには悪化していることもあります。無理に潰すと細菌が広がって腫れや痛みがひどくなり、場合によっては炎症が奥まで進むこともあるため、間違ったケアは避けてください。違和感や痛みが続くときは、市販薬で様子を見るよりも、皮膚科や耳鼻科を早めに受診することが大切です。正しい判断とケアで、悪化を防ぎましょう。

コメント 鼻の粘膜は非常にデリケートであり、鼻の中のニキビは悪化すると局所的な痛みや腫れのみならず、炎症が奥まで進行してしまうおそれがあります。強くかんだり、頻繁に触ったりする行為は避け、清潔と保湿を徹底することが重要です。改善しない場合や症状が悪化した際には、放置せず速やかに皮膚科または耳鼻科を受診しましょう。

監修医コメント

医師
松澤 宗範

鼻の粘膜は非常にデリケートであり、鼻の中のニキビは悪化すると局所的な痛みや腫れのみならず、炎症が奥まで進行してしまうおそれがあります。強くかんだり、頻繁に触ったりする行為は避け、清潔と保湿を徹底することが重要です。改善しない場合や症状が悪化した際には、放置せず速やかに皮膚科または耳鼻科を受診しましょう。

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監修医師 松澤 宗範
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科

皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療

2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科 皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療 2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
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