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乾燥性湿疹とは?発症しやすい部位や対処方法について詳しく解説

監修医師 高藤 円香
更新日:2024年10月21日

更新日:2024年10月21日

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乾燥性湿疹は寒くなると、肌が乾燥することによってかゆみや湿疹が増える皮膚トラブルです。冬になると、お風呂上がりに肌がガサガサしたり、かゆくて掻くと皮膚がポロポロ剥がれたりすることがあります。かゆみ止めの薬を使っても、乾燥肌自体を改善しないと、症状が繰り返されてしまいます。

この記事では、乾燥性湿疹が発症しやすい部位や、具体的な対処方法について詳しく解説します。この記事を参考に、肌の乾燥からくるトラブルを予防してください。

乾燥性湿疹とは

乾燥性湿疹は肌が乾燥してバリア機能が低下し、外部の刺激で炎症が起こる状態です。肌が乾燥すると、赤みやかゆみ、湿疹などが現れます。乾燥が進んだ場合、肌がゴワゴワしたり、白い皮膚片が剥がれ落ちることもあります。強い洗剤や石けんの使用、擦り洗いなどで肌が傷つくことが要因です。

原因

乾燥性湿疹は、肌が乾燥してバリア機能が弱くなることで起こる皮膚のトラブルです。しかし、皮脂の分泌が減ったり、入浴時に皮脂を落としすぎたり、肌を強くこすったりすると、このバリアが壊れてしまいます。

 

年齢による皮脂の減少や、空気の乾燥、間違ったスキンケアなどが原因です。特に秋から冬にかけては、外気が乾燥し、寒暖差によるストレスや夏の紫外線ダメージが影響して、症状が出やすくなります。逆に、湿気の多い夏には症状が軽くなることが一般的です。

 

洗浄力の強い石けんで体を洗ったり、タオルで強くこすったりすることも、皮脂を必要以上に取り除いてしまうため、乾燥性皮膚炎の原因となります。

乾燥肌との違い

健康な肌は、肌の表面がしっかりとしたバリアで覆われており、水分が逃げにくい状態です。このバリアは、角質細胞という細胞がきれいに並び、その間を脂質が埋めていることで成り立っています。これにより、外からの刺激にも強く、肌がしっとりと保たれます。

 

一方、乾燥肌は、このバリアが弱くなっている状態です。角質細胞の間の脂質が減ってしまい、細胞がはがれやすくなります。その結果、肌の表面にすき間ができ、水分がどんどん蒸発してしまうのです。外からの刺激に対して敏感になり、かゆみや炎症が起こりやすくなり、乾燥による湿疹ができることもあります。

乾燥性湿疹の特徴

通常の湿疹と乾燥肌が原因の湿疹は何が違うのか見ていきましょう。

「カサカサした肌」がベースにある

乾燥肌が進行すると、肌がカサカサしてザラザラした感じになります。これは、乾燥した土地が触るとザラザラしているのと似ています。肌の表面が荒れて、白い粉が吹くこともありますし、さざ波や鱗のように見えることもあります。

 

この状態は、肌が非常に乾燥しているサインです。今はかゆみや湿疹がなくても、何かのきっかけで炎症が起こりやすくなっているので、この段階で保湿ケアを始めることが大切です。

乾燥が進みやすい場所にかゆみや湿疹が生じやすい

乾燥肌は、特定の場所にかゆみや湿疹を引き起こしやすいことが特徴になります。特に、すねや膝の裏、ひじ、手の甲、くちびる、目の周り、ほほなどは、乾燥の影響を受けやすい部分です。日常生活でさまざまな刺激を受けやすいため、乾燥によるかゆみが発生しやすくなります。

 

特に高齢の方は、すねをかきむしってしまうことが多く、繰り返すことでさらに悪化するかもしれません。乾燥肌の方がかゆみを感じて掻き壊してしまうと、おしりや背中、腰、太もも、首などにも湿疹ができることがあります。冬場は特に乾燥が進みやすいため注意が必要です。また、背中の場合、ナイロンタオルでこすりすぎることが原因になることもあります。

搔き壊して悪化させやすく、繰り返しやすい

乾燥肌によるかゆみは、掻き壊してしまうとさらに悪化しやすく、繰り返しやすいという厄介な特徴があります。乾燥した肌は刺激に対して敏感になりやすく、掻き壊すことで炎症が強く出やすくなります。

 

普段の生活習慣や体質が、乾燥肌の要因です。たとえば、もともと乾燥しやすい体質の人が保湿ケアを怠ったり、長時間のお風呂や熱いシャワーを使用したり、十分な水分を摂取しない習慣があった場合、肌がさらに乾燥しやすくなります。乾燥肌によるかゆみを繰り返さないためには、通常の保湿ケアや生活習慣の改善が重要です。

発症しやすい部位

体の中で特に乾燥しやすい部分は、首から胸元、わき腹、肘、手、膝、脛、かかと、そして顔の目元や頬、口元になります。これらの部位が乾燥しやすい理由は、皮脂を分泌する「皮脂腺」が少ないためです。

 

皮脂腺は毛穴の根元にあり、ここから分泌される皮脂は汗と混ざって「皮脂膜」という膜を作ります。皮脂膜は、皮膚の表面を覆い、水分の蒸発を防ぐことが役割です。また、酸性のため、肌を守る殺菌作用もあります。

 

しかし、皮脂腺が少ない部位では、皮脂の分泌量が少なくなり、皮脂膜が十分に作られません。その結果、水分が蒸発しやすくなり、外部からの刺激や菌が侵入しやすくなります。これが、乾燥や肌トラブルの原因となります。

乾燥性湿疹になった際の注意点

基本的には、年齢を重ねることで皮脂膜や角質層の潤いを保つ能力が低下し、乾燥肌が引き起こされます。年齢や生活環境によって誰にでも起こりうる問題です。もともと乾燥肌の人が保湿ケアを怠ると、乾燥性湿疹になりやすくなります。皮脂が不足している場合は、特に注意が必要です。スキンケアをしっかり行うことが予防の鍵になります。

 

40代以上の方や皮脂の分泌が少ない幼稚園児、空調の効いたオフィスで一日中過ごす方などが乾燥肌になりやすいため注意しましょう。また、普段から運動をしない人も汗をかきにくく、乾燥しやすいと言われています。

 

乾燥肌になりやすい職業としては、美容師や看護師、主婦など洗剤や化学薬品を頻繁に触る人、銀行員やオフィスワーカーなど紙やパソコンをよく触る人が挙げられます。

保湿を習慣化する

お風呂上がりの肌は一見しっとりしているように見えますが、実はそのままにしておくと肌の水分が蒸発してしまい、乾燥してしまいます。そこで、保湿ケアが大切です。お風呂から出たら、肌が完全に乾く前に保湿剤を塗ることで、水分を閉じ込めて乾燥を防げます。これを習慣にすることで、肌の潤いを保てます。

加湿をしっかりする

部屋の空気が乾燥していると、肌も乾燥しやすくなります。冬場やエアコンを使用している時は、空気が乾燥しやすくなります。そのため、加湿器を使って部屋の湿度を適切に保つことが重要です。これにより、肌の乾燥を防げます。

入浴や洗顔は手早くやさしく行う

長風呂は肌に良くありません。お湯に長時間浸かると、肌の表面がふやけてしまい、肌のバリア機能が弱くなります。これを防ぐために、長風呂は避けるようにしましょう。

 

また、身体をタオルで強く擦るのも避けてください。強く擦ると、肌の表面が傷つき、バリア機能が低下します。身体を洗うときは、石けんやボディソープをよく泡立てて、その泡で優しく洗うのがポイントです。泡で包むように洗うことで、肌に優しく汚れを落とせます。

 

すすぎ残しがあると肌に負担がかかるため、しっかりとすすぐことも大切です。洗浄力の強い石けんやボディソープは、必要な皮脂まで取り除いてしまい、肌が乾燥しやすくなります。肌の潤いを守るために、洗浄力がマイルドなものを選びましょう。

衣類の素材に気をつける

肌に直接触れる素材が原因で、かゆみが悪化することがあります。たとえば、下着や衣服、寝具などに使われる化学繊維や硬い手触りのものは避けてください。代わりに、綿のような柔らかい素材を選ぶことで、肌への負担を減らせます。これにより、かゆみを和らげられるでしょう。

肌への刺激を減らす

肌のかゆみが気になるときは、アルコールや香辛料などの刺激物を控えることが大切です。これらの刺激物は血行を良くしすぎて、かゆみを引き起こすことがあります。

 

もしかゆみが出た場合、掻かないように注意しましょう。掻くとさらにかゆみが増してしまうことがあり、皮膚を傷つけてしまうと感染や慢性的な湿疹の原因になります。

紫外線対策を行う

紫外線を浴びると、肌の中で炎症が起こります。炎症が起こると「うるおい構造(角層ラメラ)」が乱れ、水分を保つことができなくなってしまいます。その結果、肌が乾燥したり、肌荒れが起こってしまうのです。

 

紫外線は一年中降り注いでおり、季節や天候、地域によってその量が変わります。特に夏だけでなく、年間を通じて紫外線対策が必要です。紫外線から肌を守るためには、帽子や日傘、サングラスを使いましょう。また、日焼け止めをしっかりと塗ることも大切です。

生活リズムを整える

美しい肌を保つためには、外側と内側の両方からのケアが大切です。内側のケアとして、バランスの良い食事や睡眠、十分な水分補給を意識しましょう。

 

食事については、栄養バランスを考えて、朝食、昼食、夕食を決まった時間にとることが大切です。食べる順番も工夫すると良いでしょう。例えば、野菜を先に食べてからメインの料理を食べることで、暴飲暴食を防げます。

 

乾燥した肌は免疫力が低下しやすく、肌荒れやトラブルの原因です。生活環境を整えることで、食事や睡眠のリズムも整い、全体的にバランスの良いライフスタイルを送れます。

皮膚科を受診する

軽度の乾燥性皮膚炎の場合、通常はステロイドの塗り薬を使うと改善します。ただし、5〜6日間使っても症状が良くならない、または悪化する場合は、医療機関を受診しましょう。また、症状が手のひら2〜3枚分以上の広い範囲に広がっている場合も、皮膚科の専門医に相談することが大切です。

症状が改善しない場合は医師に相談しましょう。

症状が改善しない場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。乾燥性皮膚炎の治療は、主に皮膚の乾燥を防ぐことが重要です。医療機関では、症状に応じて保湿剤が処方されます。保湿剤は、特に入浴後の皮膚がまだ湿っているときに塗ると、より効果的です。

 

症状が重い場合には、かゆみを和らげるための薬や炎症を抑えるためのステロイドを使用します。これらの治療法は、皮膚の状態を改善し、症状を和らげるのに役立ちます。

通院が難しい場合はオンライン診療もおすすめ

乾燥肌による症状が辛くても、なかなか受診する時間がとれないこともあるでしょう。病院を受診するのが難しい場合には、オンライン診療がおすすめです。

オンライン診療とは

オンライン診療とは、インターネットを利用して医師の診察を受けられる医療サービスです。スマートフォンやパソコンを使って、自宅や職場などから医師とビデオ通話を通じて診察を受けられます。

 

この方法の大きな利点は、病院に行く時間や交通費を節約できることです。待ち時間が短縮されるため、忙しい日常生活の中でも気軽に医師の診察を受けることが可能です。特に、感染症が流行している時期には、他の患者との接触を避けられるため、安全性が高まります。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUはオンラインで診療を受け、薬をスムーズに受け取れる便利なサービスです。アプリを使って、診察の予約から薬の受け取りまでを簡単に行えます。

 

専門のスタッフがサポートしてくれるので安心です。また、よく利用するクリニックや薬局を登録ができ、薬の情報をデジタルで管理できます。全国どこでも当日または翌日に薬を受け取ることができるため、とても便利です。

まとめ

乾燥性湿疹は、特に空気が乾燥する季節に発生しやすい皮膚のトラブルです。腕や足、顔などが特に影響を受けやすい部位になります。これを防ぐためには、日常的に保湿をしっかり行いましょう。また、肌に優しいスキンケア製品を選ぶことで、症状の悪化を防ぐことが期待できます。

 

症状がひどくなる前に、皮膚科医に相談することも重要です。普段から肌の潤いを保ち、乾燥対策を徹底することで、乾燥性湿疹を予防し、快適な肌の状態を維持しましょう。

コメント 皮膚の乾燥を防ぐための日頃のケアとしては、角質のバリアを保つことに尽きると思います。角質層のバリアを保つためには、こまめに保湿を行い、痒みがあり炎症がある時には適切な治療を行うことが必要です。保湿はご自身似合ったやり方でよいので継続できるものをみつけられるとよいと思います。入浴後すぐの保湿は潤いをしっかりと皮膚に閉じ込めることが出来るので、効果が出やすいと思います。

監修医コメント

医師
高藤 円香

皮膚の乾燥を防ぐための日頃のケアとしては、角質のバリアを保つことに尽きると思います。角質層のバリアを保つためには、こまめに保湿を行い、痒みがあり炎症がある時には適切な治療を行うことが必要です。保湿はご自身似合ったやり方でよいので継続できるものをみつけられるとよいと思います。入浴後すぐの保湿は潤いをしっかりと皮膚に閉じ込めることが出来るので、効果が出やすいと思います。

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監修医師 高藤 円香
経歴は防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科 保有免許・資格は皮膚科専門医
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