ユーザー向け

鼻水などの風邪の症状には漢方が効果的って本当?効果的な漢方薬を詳しく解説

監修医師 中路 幸之助
更新日:2024年09月24日

更新日:2024年09月24日

鼻水などの風邪の症状には漢方が効果的って本当?効果的な漢方薬を詳しく解説のイメージ
https://wpstatic.sokuyaku.jp/media/verified_j4wxfPSIvSdHNGoKZcKO.png
風邪をひいた場合、鼻水やくしゃみなどの症状がつらいですよね。市販の風邪薬を使っても、鼻水が出るのが治らないと感じることはありませんか?そんなとき、漢方薬が役立つことがあります。

漢方薬は自然の成分を使って体全体のバランスを整え、風邪の症状を和らげると言われています。しかし、どの漢方薬が風邪に効くのか、具体的には知らない方も多いでしょう。この記事では、鼻水などの風邪の症状に効果的な漢方薬について詳しく解説します。風邪が治らずにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

鼻水などの風邪の症状には漢方が効果的って本当?

風邪を引いたとき、鼻水や喉の痛み、咳などの症状に悩まされます。漢方薬は、体質や症状に合わせて選ぶことで、風邪の症状を和らげる効果が期待できます。

鼻水が出る原因

鼻水が出る原因はいくつかあり、ウイルスや細菌による感染がそのうちの一つです。鼻の粘膜にウイルスや細菌が侵入すると、体はこれを異常と認識し防御反応を開始します。この防御反応の一環として、鼻水が多く分泌されるようになります。これは、ウイルスや細菌を洗い流すための自然な反応であり、いわゆる「鼻風邪」の際に見られる症状です。

 

もう一つの原因は、花粉やハウスダストなどによるアレルギーです。アレルギーの原因となる物質をアレルゲンと呼び体内に入ると、体はこれを異物と認識し抗体を作り出します。再び同じアレルゲンが侵入すると、免疫システムが過剰に反応し、アレルギー反応を引き起こします。この結果、現れるのが鼻水や鼻づまり、くしゃみといった症状です。

鼻水が出るメカニズム

鼻水は主に水分で構成されており、吸い込んだ空気中の水分が結露したものや、涙腺からの分泌液、鼻の粘膜からの液体が混ざっています。自覚症状がなくても、常に少量の鼻水が分泌されており、これは肺に送る前の空気を加湿する役割を果たしています。

 

さらに、鼻水は細菌やウイルス、ちりやほこりなどの異物が体内に侵入するのを防ぐことも役割です。鼻の粘膜には多くの神経が通っており、異物が侵入すると反応して通常より多くの粘液を分泌します。この粘液が異物を捕らえ、線毛の働きで鼻の外に排出されたり、のどを通って飲み込まれたりして体外に排出されます。

 

これが、鼻水が出るメカニズムです。また、鼻にはくしゃみで異物を積極的に排出する機能や、鼻づまりを起こして異物の侵入を防ぐ防御機能も備わっています。

鼻水の症状に効果的な漢方薬4選

漢方薬といっても沢山の種類があります。その中から鼻水に効果のあるものを4つ紹介します。

小青竜湯

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)は、体を温めて水分の代謝を助ける漢方薬です。鼻水やくしゃみなどの鼻の症状を和らげる効果があり、眠くなる成分が含まれていないため、仕事や学校で使っても安心です。

小青竜湯の効能

漢方医学では、体を潤す「水」という概念があり、めぐりが悪くなると、余分な「水」が気道にたまり、寒さにさらされると鼻水やせきとしてあふれ出すと考えられています。小青竜湯は、体を温めながら「水」のバランスを整えることで、これらの症状を改善します。

 

小青竜湯は、さらさらした鼻水や、せきと一緒にたんが多く出るかぜやアレルギー性鼻炎に効果的な漢方薬です。特に、お風呂に入って体が温まると症状が楽になる方に適しています。

こんな症状におすすめ

水のような鼻水や痰、くしゃみ、鼻づまり、咳などの症状があるときに効果が期待できます。風邪やアレルギー性鼻炎、花粉症の治療にも効果的で、鼻炎や気管支炎、気管支喘息におすすめです。

苓甘姜味辛夏仁湯

苓甘姜味辛夏仁湯(リョウカンキョウミシンゲニントウ)は、咳を抑え、痰を出しやすくする漢方薬です。主に気管支炎や気管支喘息の治療に使われます。特に、体力がなく冷え性で、薄い痰が多く長引く症状がある人に適しています。

苓甘姜味辛夏仁湯の効能

苓甘姜味辛夏仁湯は、7種類の生薬で構成されている漢方です。半夏、杏仁、五味子、細辛は咳や痰を取り除き、アレルギー症状を和らげます。茯苓は水分の循環を改善し、乾姜は胃を健やかにし体を強くする作用、甘草は緩和作用を持っています。

こんな症状におすすめ

痰を伴う気管支炎や気管支喘息などの呼吸器系の症状に加え、動悸やむくみにも効果がある漢方薬です。特に、胃腸が弱く冷え性の方に適しています。

葛根湯加川芎辛夷

葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)は、体を温める効果がある「葛根湯」に、「川芎」と「辛夷」を加えた漢方薬です。この薬は、冷えによって体内にたまった水分を発散させ、鼻づまりなどの症状を改善します。眠くなる成分は含まれていないため、日中でも安心して使用できます。鼻づまり、蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎の症状がある方に適しています。

葛根湯加川芎辛夷の効能

鼻づまりがつらいときに使われる漢方薬です。特に、お風呂に入って体が温まると症状が和らぐ方に適しています。この漢方薬は、体を温める効果のある葛根湯に、川芎と辛夷を加えたものです。これにより、鼻の粘膜の炎症を抑え、鼻づまりを改善します。余分な水分がたまってむくんだ鼻の状態を和らげる効果もあります。

こんな症状におすすめ

鼻づまり、蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎の方におすすめの漢方薬です。

辛夷清肺湯の効能

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)は、ちくのう症の症状に効果的な漢方薬です。鼻腔内に黄色い鼻汁が流れたり、生臭いにおいがしたり、鼻がつまるといった症状に悩んでいる方におすすめです。

 

この漢方薬は、呼吸器を潤し、鼻の乾燥感を和らげる効果があります。特に鼻づまりがひどい方に適しており、こもった熱を発散させて鼻の炎症を抑えます。また、鼻腔内で発生する膿を減らし、鼻通りを良くする働きもあります。

葛根湯加川芎辛夷の効能

9つの成分から構成され、辛夷は鼻づまりを改善し、頭痛を和らげ膿性鼻汁を軽減し、黄芩、山梔子、知母、石膏、升麻は炎症や熱感を鎮め化膿を防ぎます。百合、麦門冬、枇杷葉は痰を潤して切れやすくし咳を鎮め、百合と麦門冬は粘膜を潤して鼻汁や痰の排泄を促します。

こんな症状におすすめ

濃い鼻水、熱っぽさを伴う鼻づまり、慢性的な鼻炎、そして副鼻腔炎(蓄膿症)におすすめです。

自分に合う漢方が分からない場合は医師に相談しましょう

漢方薬は個々の体質や症状に合わせて処方されるため、自己判断で選ぶのは難しくおすすめできません。医師に相談することで、体質や症状に基づいて最適な漢方薬を選択してくれます。

忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ

鼻水が辛いけど、忙しくて病院を受診する時間がつくれないこともあります。そんな場合には、オンライン診療が良いかもしれません。

オンライン診療とは

オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンなどのデバイスを使って医師と遠隔で診察や相談を行う医療サービスです。これにより、患者は自宅や職場などから、医師の診察を受けられます。通院の手間が省け、待ち時間も短縮されるため非常に便利です。また、病院に行かずに済むため、他の患者との接触を避けられ、感染リスクも低減されます。忙しいスケジュールの中でも診察を受けやすく、特に忙しい方や移動が難しい方にとって非常に便利なサービスです。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUは、オンライン診療をアプリで簡単に行えるサービスです。予約から薬の受け取りまで、全てのステップをスムーズに進められます。

 

SOKUYAKUは、専門スタッフのサポートがあり、好きなクリニックや薬局を登録する機能も備えています。さらに、薬手帳をデジタル化でき、全国どこでも当日または翌日に薬を受け取ることが可能です。

まとめ

風邪の症状で鼻水に対する漢方薬の効果について説明しました。漢方薬は、自然な方法で体調を整え、風邪の症状を和らげるのに役立ちます。自分の体質や症状に合った漢方薬を選ぶことで、回復を早めることが期待できます。

 

風邪をひいたあと鼻水が続く場合は、漢方薬を試してください。自分に合った漢方薬が分からない場合には医師に相談してみましょう。この記事が、症状に苦しんでいる方の参考になれば幸いです。

コメント 鼻汁の原因の一つにアレルギー体質があげられます。効果的な漢方薬を内服することで、このアレルギー体質が改善します。アレルギー体質の証(しょう)(体質傾向)は「肝鬱気滞(かんうつきたい)」 「肺熱(はいねつ)」 「腎陽虚(じんようきょ)」などがあり、その証により作用機序がことなります。特に「鼻水」には「腎陽虚」の証が関係していると言われています。水液の代謝をつかさどる「腎」の機能が低下することにより、鼻水が出ます。漢方薬を飲むことで、身体が温まり「腎」の機能が改善し、鼻水が改善します。

監修医コメント

医師
中路 幸之助

鼻汁の原因の一つにアレルギー体質があげられます。効果的な漢方薬を内服することで、このアレルギー体質が改善します。アレルギー体質の証(しょう)(体質傾向)は「肝鬱気滞(かんうつきたい)」 「肺熱(はいねつ)」 「腎陽虚(じんようきょ)」などがあり、その証により作用機序がことなります。特に「鼻水」には「腎陽虚」の証が関係していると言われています。水液の代謝をつかさどる「腎」の機能が低下することにより、鼻水が出ます。漢方薬を飲むことで、身体が温まり「腎」の機能が改善し、鼻水が改善します。

この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。

当コラムの掲載記事に関するご注意点

  • 当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
  • 当コラムにおいて、医療及び健康管理関連の資格を持った方による助言、評価等を掲載する場合がありますが、それらもあくまでその方個人の見解であり、前項同様に内容の正確性や有効性などについて保証できるものではありません。
  • 当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。
  • 前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は一切責任を負うものではありません。
鼻水などの風邪の症状には漢方が効果的って本当?効果的な漢方薬を詳しく解説のイメージ
この記事が気に入ったら
いいねしよう!
最新記事をお届けします。
監修医師 中路 幸之助
医療法人愛晋会中江病院 内視鏡治療センター 専門領域はアレルギー・膠原病内科, 神経内科, 消化器内科, 血液内科, 肝胆膵内科, 呼吸器内科, 総合内科, 感染症科, 循環器内科, 腎臓内科, 内分泌代謝科, 糖尿病内科, 内科 経歴:1991年に兵庫医科大学を卒業後、 兵庫医科大学、獨協医科大学を経て、1998年 医療法人協和会に所属。 2003年から現在まで、医療法人愛晋会中江病院の内視鏡治療センターで臨床に従事している。 専門分野はカプセル内視鏡・消化器内視鏡・消化器病。学会活動や論文執筆も積極的に行っており、日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医・学会評議員、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員、日本消化管学会代議員・近畿支部幹事、日本カプセル内視鏡学会認定医・指導医・代議員を務めているほか、 米国内科学会(ACP)の上席会員(Fellow)でもある。 主な研究内容・論文として、カプセル内視鏡 消化器内視鏡 消化器病 保有免許・資格は、米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医 日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医 日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医
オンライン診療アプリ
SOKUYAKUの使い方
  • STEP1

    診療予約

    SOKUYAKUの使い方STEP1
  • STEP2

    オンライン問診

    SOKUYAKUの使い方STEP2
  • STEP3

    オンライン診療

    SOKUYAKUの使い方STEP3 SOKUYAKUの使い方STEP3
  • STEP4

    オンライン服薬指導

    SOKUYAKUの使い方STEP4 SOKUYAKUの使い方STEP4
  • STEP5

    おくすり配達

    SOKUYAKUの使い方STEP5

    ※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。

SOKUYAKUメディカルコラム