【医師監修】気になる首ニキビ、場所別の原因と対処方法を紹介

顎の下に首ニキビができる原因

フェイスラインから喉元にかけて、顎の下あたりにできる首ニキビの主な原因は「刺激」「ホルモンバランスの乱れ」「ストレス」の3つです。

刺激

衣類や髪の毛が頻繁に触れることで、知らず知らずのうちに肌へ負担をかけているのが「顎の下」まわりです。このエリアは、マフラーや襟元、長い髪の毛などが当たりやすく、摩擦やムレが発生しやすい場所になります。物理的な刺激が加わると、肌のバリア機能が弱まり、毛穴が詰まりやすくなります。さらに、日常的に無意識で手が触れる場所でもあるため、雑菌がついて炎症を起こすケースも少なくありません。

ホルモンバランスの乱れ

生活習慣の乱れや生理周期、睡眠不足などによってホルモンバランスが崩れると、首元にも肌トラブルが出やすくなります。顎の下はフェイスラインに近いため、ホルモンの影響を受けやすい場所です。皮脂が過剰に分泌されると毛穴が詰まりやすくなり、アクネ菌が繁殖しニキビが発生します。女性の場合は生理前に、男性の場合はストレスや不規則な生活で悪化しやすい点にも注意が必要です。

ストレス

仕事や人間関係など、日々のストレスが肌に影響を及ぼすことは珍しくありません。ストレスを感じると、副腎皮質から「ストレスホルモン」が分泌されます。このホルモンの作用により、皮脂腺が刺激されて皮脂が過剰に分泌されるため、毛穴詰まりやニキビの引き金になります。特に顎の下はホルモン変動の影響を受けやすく、ストレス状態が長引くことで慢性的なニキビにつながることもあります。

首の下部に首ニキビができる原因

首の下部、つまり喉仏よりも下のエリアは皮脂が少なく乾燥しやすい一方で、紫外線や衣類の刺激も受けやすく、肌トラブルが起こりやすい部位です。

刺激

首の下部はシャツの襟やスカーフなどが密着しやすい場所です。そのため、衣類とのこすれや圧迫といった物理的な刺激が常に加わり、皮膚の炎症を引き起こす原因となります。さらに、摩擦が続くと肌のバリア機能が低下し、毛穴が詰まりやすくなることでニキビができやすい状態になります。汚れた衣類やアクセサリーの接触によって雑菌が繁殖し、悪化するケースもあるため注意しましょう。

紫外線

意外と見落としがちなのが、首の下部に直接当たる紫外線の影響です。顔や腕と比べて日焼け止めが塗られにくい部位であるため、無防備なまま紫外線ダメージを受けやすくなっています。紫外線は肌のターンオーバーを乱し、角質が厚くなる原因になります。結果として毛穴がふさがれやすくなり、ニキビができやすくなるのです。

乾燥

首の下部は顔より皮脂の分泌量が少なく、乾燥しやすい部位です。季節の変わり目や冬場には水分が奪われやすく、肌のバリア機能が弱まることで外部刺激に敏感になります。乾燥が続くと肌は自らを守ろうとして皮脂を過剰に分泌し、それが毛穴詰まりの原因となってニキビを引き起こします。保湿不足や入浴後のスキンケアを怠ることが悪化の一因です。

首の後ろに首ニキビができる原因

首の後ろは、自分では見えにくくケアが行き届きにくい部位です。そのため、ニキビができやすい環境がそろっており、気づいたときには悪化していることも少なくありません。

刺激

髪の毛や洋服の襟が触れやすい首の後ろは、日常的に摩擦を受けることが多く、肌への刺激が絶えません。特に髪を下ろしている人や、フード付きの服をよく着る人は注意が必要です。また、無意識に首を触ったりかいたりする癖があると、皮膚にダメージが蓄積し、炎症や毛穴詰まりを引き起こしてニキビが悪化する原因になります。

紫外線

首の後ろは、屋外で紫外線を浴びやすい部位にもかかわらず、日焼け止めを塗り忘れやすい場所でもあります。紫外線ダメージを受けると肌のバリア機能が低下し、乾燥や角質の蓄積によって毛穴詰まりを招きます。その結果、アクネ菌が繁殖しやすくなり、ニキビができやすい環境になってしまうのです。

洗い残し

首の後ろはシャンプーやボディーソープの流し残しが起きやすい場所です。髪を洗ったあと、リンスやトリートメントの成分が首の後ろに残ったままになると、それが毛穴を詰まらせ、ニキビの原因になります。また、背面であることから洗い方が雑になりやすく、皮脂や汚れが蓄積して炎症を引き起こすことも。洗い残しを防ぐためには、洗い方だけでなくすすぎ方にも十分な注意を払い、丁寧に行うことが大切です。

首ニキビへの対処方法

首ニキビを早く治すためには、ただ薬を塗るだけでなく、毎日の習慣や環境を見直すことが重要です。

刺激をさける

ニキビの悪化を防ぐためには、まず物理的な刺激をできる限り避けることが大切です。髪の毛が首に触れたり、マフラーや襟のこすれが肌に負担をかけたりすると、炎症が進みやすくなります。また、無意識に手で触れたり掻いたりするクセも要注意。衣類や寝具など、肌に直接触れるものは清潔で刺激の少ない素材を選ぶことが、首元の肌を守る第一歩です。

スキンケアを行う

保湿を中心としたスキンケアは、肌のバリア機能を保つために欠かせません。首は顔よりも皮膚が薄くデリケートなため、刺激の少ない化粧水やクリームを選び、丁寧に保湿を行いましょう。乾燥を放置すると、皮脂が過剰に分泌されて毛穴が詰まりやすくなります。特に入浴後は水分が蒸発しやすいため、タオルドライの直後に保湿をすることが効果的です。

紫外線を避ける

紫外線は、ニキビの炎症を悪化させたり、跡として残るリスクを高めたりする要因になります。首元は日焼け止めを塗り忘れやすい部位のため、外出前にしっかりとケアする習慣をつけましょう。肌にやさしい低刺激タイプの日焼け止めを使い、こまめに塗り直すことで、ニキビの再発や色素沈着を防ぐ効果が期待できます。

睡眠をしっかりとる

睡眠不足はホルモンバランスを崩し、皮脂の分泌を増加させる原因になります。質の良い睡眠を確保することは、肌のターンオーバーを正常に保つうえでも重要です。就寝前はスマホやパソコンの画面を見ないようにし、決まった時間に寝る習慣をつけることで、ホルモンのリズムも安定し、ニキビができにくい肌環境を整えられます。

ストレスをためない

精神的なストレスは、皮脂分泌を増やすホルモンの分泌を促進し、ニキビの引き金になります。自律神経やホルモンバランスにも影響を与えるため、ストレスをため込まず、こまめに解消することが大切です。リラックスできる時間を意識的につくる、軽い運動を習慣化する、趣味に没頭するなど、自分なりのストレス対処法を見つけましょう。

皮膚科を受診する

セルフケアだけでは改善しにくい場合や、繰り返すニキビが気になる場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。首は摩擦や外的刺激が多い場所のため、外用薬だけでは十分な効果が得られにくいことがあります。ニキビ跡を残さないためにも、専門的な治療が早期改善のカギとなります。

首ニキビが治らない場合は別の病気かも

しっかりスキンケアをしているのに首ニキビがなかなか治らない場合は、実は「ニキビ」ではなく、別の皮膚疾患の可能性があります。

めんちょう（面疔）

めんちょうとは、黄色ブドウ球菌などの細菌が毛穴から侵入し、毛嚢という部分で感染・炎症を起こした「毛嚢炎」が悪化した状態です。鼻や口のまわりにできやすく、「おでき」と呼ばれることもあります。症状は強い赤みと熱感、腫れ、ズキズキする痛みを伴うしこりで、毛穴の奥深くに膿が溜まるのが特徴です。ニキビとは異なり、突然大きく腫れるのが特徴で、同時に複数できることは少なく、単発で現れる傾向があります。

粉瘤(アテローマ)

粉瘤は、皮膚の内側にできた袋状の構造に皮脂や角質が溜まり、徐々に盛り上がってくる良性腫瘍の一種です。耳のうしろや首、背中などによくでき、触ると弾力があり、中心に黒い点（開口部）が見えることもあります。初期段階では痛みがありませんが、内部に溜まった内容物が感染すると赤く腫れ、痛みを伴う「炎症性粉瘤」に進行します。

治りにくい首ニキビは皮膚科を受診しよう

セルフケアで改善しない首ニキビは、思わぬ皮膚トラブルが隠れていることもあります。市販薬に頼るより、まずは皮膚科で正確な診断を受け、適切な治療を受けることが早期改善への近道です。

忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ

仕事や家事でなかなか病院に行けないという方には、オンライン診療という選択肢もあります。通院の手間が省け、時間のない方でも無理なく受診できる手段です。

オンライン診療とは

オンライン診療について

オンライン診療とは、スマートフォンやパソコン、タブレットなどを使って、自宅にいながら医師の診察を受けられる医療サービスです。通信環境があれば、ビデオ通話を通じて医師と直接やりとりができ、問診・診断・薬の処方や支払いまで、すべてオンライン上で完結します。通院の手間がなく、忙しい方や外出が難しい方にも適した受診方法です。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKU（ソクヤク）は、オンライン診療をアプリでスムーズに受けられる医療サービスです。診察の予約から、ビデオ通話による診療、薬の受け取りまで、すべてのステップをスマートフォン上で完結できます。

専門スタッフのサポートや、よく利用するクリニック・薬局の登録機能、お薬手帳のデジタル管理も可能です。さらに、全国どこでも最短で当日または翌日に薬を受け取ることができ、忙しい方でも手軽に治療を受けられるのが大きな特徴になります。

オンラインで受診できる医療機関を探す⇒

まとめ

首にできるニキビは、発生する原因によって適した対処法が異なります。誤ったケアは症状を悪化させる可能性があるため、肌への刺激を避け、日々のスキンケアや生活習慣の見直しを心がけましょう。なかなか治らない、何度も繰り返すといった場合には、ニキビではなく他の皮膚疾患の可能性もあるため、早めに皮膚科で専門的な診察を受けることが重要です。