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ラミシールクリーム(テルビナフィン塩酸塩)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 福岡 蓉佑
更新日:2024年02月19日

更新日:2024年02月19日

ラミシールクリーム(テルビナフィン塩酸塩)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
病院やクリニックなどの医療機関でよく取り扱われる医療用医薬品「ラミシールクリーム(テルビナフィン塩酸塩)」はご存知でしょうか?水虫治療薬として一度は使用を経験された方もいるかもしれません。

今回はアリルアミン系抗真菌薬として知られるラミシールクリーム(テルビナフィン塩酸塩)について成分の特徴や効果、副作用、市販薬との違いについて解説していきます。

ラミシールクリーム(テルビナフィン塩酸塩)とは

ラミシールクリーム(テルビナフィン塩酸塩)とは1993年に田辺三菱製薬株式会社が販売を開始したアリルアミン系抗真菌薬です。有効成分にテルビナフィン塩酸塩を1%配合しています。

 

テルビナフィン塩酸塩はもともとスイスの製薬会社であるサンドファーマ社(現ノバルティスファーマ社)が開発した成分で特に皮膚糸状菌に対して静真菌作用および殺真菌作用を持つお薬です。

 

薬の剤型には今回ご紹介するクリームタイプをはじめ、液体タイプ(ラミシール外用液)やスプレータイプ(ラミシール外用スプレー)も販売されています。では、有効成であるテルビナフィン塩酸塩にはどんな特徴があるのでしょうか?

ラミシールクリーム(テルビナフィン塩酸塩)の成分について

テルビナフィン塩酸塩は真菌に対して優れた抗真菌効果が認められている成分です。

働きとしては真菌細胞膜の必須成分であるエルゴステロールの生合成経路において、スクアレンからスクアレンエポキシド転換過程に関わるスクアレンエポキシダーゼを選択的に阻害し、スクアレンの細胞内蓄積ならびにエルゴステロール含有量の低下をもたらすことで真菌の細胞膜の障害を引き起こし、抗真菌作用を示します。

真菌とは

真菌には酵母タイプとカビ(糸状菌)タイプの2つのタイプが存在します。酵母タイプにはカンジダや癜風などがあり、カビ(糸状菌)タイプには水虫(白癬)などがあてはまります。

真菌は通常、足の指の間や、性器の周辺、乳房の下など体の皮膚同士が触れ合って湿度が高くなる場所に住み着きます。

ラミシールクリーム(テルビナフィン塩酸塩)はどんな症状に効果がある?

ラミシールクリーム(テルビナフィン塩酸塩)は以下の皮膚真菌症の治療に効果があります。

<白癬>
足白癬、体部白癬、股部白癬
<皮膚カンジダ>
指間びらん症、間擦疹(乳児寄生性紅斑を含む)
<癜風>

ラミシールクリーム(テルビナフィン塩酸塩)の用法・用量は?

ラミシールクリーム(テルビナフィン塩酸塩)の用法・用量は以下の通りです。

通常、1日1回、適量を患部に塗布する。

ラミシールクリーム(テルビナフィン塩酸塩)の副作用

ラミシールクリーム(テルビナフィン塩酸塩)の副作用については販売されるまでの臨床試験結果や販売後の調査における副作用が下記のように報告されています。

 

総症例8,910例においてなんらかの副作用が報告されたのが161例(1.81%)。主な副作用は接触性皮膚炎82件(0.92%)、そう痒感36件(0.40%)、発赤35件(0.39%)、刺激感31件(0.35%)が報告されています。

 

また発生頻度ごとに起こる副作用を下記にまとめました。なお下記のような副作用が出た場合には使用を中止して、医師又は薬剤師にご相談ください。

<0.1〜5%未満>
【過敏症】
そう痒症、紅斑
【使用部位】
接触性皮膚炎、発赤、刺激感

<0.1%未満>
【使用部位】
鱗屑、落屑、皮膚亀裂

<頻度不明>
【過敏症】
発疹、じんましん、血管浮腫
【使用部位】
湿疹、皮膚乾燥、疼痛、色素沈着、皮膚灼熱感

ラミシールクリーム(テルビナフィン塩酸塩)に関する注意点

ラミシールクリームの有効成分であるテルビナフィン塩酸塩に対して過敏症(アレルギー反応)を起こしたことがある人は使用してはいけません。

 

また妊娠中の人や妊娠の可能性がある人、産後の人、授乳中の人は必ず、医師に相談しましょう。妊娠中での使用に関して安全性が確立していないため、医師が治療上必要性があると判断した場合には使用できることがあります。

 

さらに角膜や結膜などの目の周囲には使用できません。もし誤って目に入った場合には刺激症状があらわれることがあるので、流水で十分に目をすすぎ、それでもなお異常を感じる場合は医師に相談しましょう。

ラミシールクリーム(テルビナフィン塩酸塩)と同じ成分の市販薬はある?

これまでお話ししてきた内容は、医療用医薬品のラミシールクリーム(テルビナフィン塩酸塩)でしたが、市販薬にも主成分にテルビナフィン塩酸塩を配合した商品が存在します。

 

以下がテルビナフィン塩酸塩を配合した市販薬の一例です。

・ラミシールシリーズ(指定第2類医薬品)
・エクシブシリーズ(指定第2類医薬品)
・ダマリングランデシリーズ(指定第2類医薬品)

 

ここからはそれぞれの商品について、ラミシールクリーム(テルビナフィン塩酸塩)との違いも交えながら詳しく見ていきましょう。

ラミシールシリーズ

ラミシールシリーズはグラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社が販売している水虫治療薬です。

 

グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社は水虫治療薬以外にも、経皮鎮痛消炎剤の「ボルタレン」シリーズや風邪・鼻炎・せき止め薬でおなじみの「コンタック」シリーズ、禁煙補助薬のニコチネル」シリーズなど数々の有名市販薬を手がける製薬会社です。

ラミシールシリーズは医療用医薬品のラミシールクリームと同様にテルビナフィン塩酸塩を1%濃度配合した水虫治療薬です。

 

市販薬ではみずむし、いんきんたむし、ぜにたむしに効能を発揮します。

ラミシールシリーズには下記の2種類の商品が販売されています。

・ラミシールプラス(クリーム・液)
・ラミシールAT(クリーム・液)

ではそれぞれの商品にはどのような違いがあるのでしょうか?

ラミシールプラス(クリーム・液)

ラミシールプラスは医療用医薬品のラミシールクリームと同様にテルビナフィン塩酸塩を1%濃度配合した水虫治療薬です。しかし、医療用医薬品のラミシールクリームとの大きな違いは他の有効成分も配合されている点です。

 

かゆみ止め成分のクロタミトンや抗炎症成分のグリチルレチン酸が配合されており、しつこいかゆみや患部の赤みなどの炎症を抑える働きがあります。

また、l-メントールを配合しているので、かゆみを抑えながら心地よい清涼感を得ることができます。

なおラミシールプラスクリームには尿素が配合されています。尿素は皮膚の角質を柔らかくし、薬の浸透を助ける働きがあるため、かかとなどの皮膚がかたい場所の水虫に適しています。

ラミシールAT(クリーム・液)とは

ラミシールATは医療用医薬品のラミシールクリームと同様にテルビナフィン塩酸塩を1%濃度配合した水虫治療薬です。

こちらは他の成分を含んでいないため、医療用医薬品のラミシールクリーム同じ内容の商品になります。

エクシブシリーズ

エクシブシリーズはロート製薬が販売する水虫治療薬です。ロート製薬は水虫治療薬以外にも、目薬の「Vロート」シリーズや「ロートゴールド」シリーズ、胃腸薬の「パンシロン」シリーズ、外皮薬「メンソレータム」など数々の有名市販薬を手がける製薬会社です。

 

エクシブシリーズは医療用医薬品のラミシールクリームと同様にテルビナフィン塩酸塩を1%濃度配合した水虫治療薬で、下記の5種類の商品が販売されています。

・エクシブEXクリーム
・エクシブEX液
・エクシブEXスプレー
・エクシブWきわケアジェル
・エクシブWディープ10クリーム

市販薬ではみずむし、いんきんたむし、ぜにたむしに効能を発揮します。

 

医療用医薬品のラミシールクリームとの大きな違いはテルビナフィン塩酸塩以外にもかゆみ止め成分や抗炎症成分のグリチルレチン酸、殺菌成分のイソプロピルメチルフェノールなどが追加で配合されている点です。

 

そのため、水虫の原因である白癬菌に対するケアだけでなく、白癬菌によって起こるしつこいかゆみや炎症などの症状に対してもケアができます。

ダマリングランデシリーズ

ダマリングランデシリーズは大正製薬が販売する水虫治療薬です。大正製薬は風邪・鼻炎薬の「パブロン」シリーズや栄養剤の「リポビタンD」育毛剤「リアップ」鼻炎薬「クラリチン」など数々の有名市販薬を手がける大手製薬会社です。

 

ダマリングランデシリーズは医療用医薬品のラミシールクリームと同様にテルビナフィン塩酸塩を1%濃度配合した水虫治療薬で、下記の4種類の商品が販売されています。

 

市販薬ではみずむし、いんきんたむし、ぜにたむしに効能を発揮します。

・ダマリングランデX(クリーム)
・ダマリングランデX液
・ダマリングランデパウダースプレー
・ダマリングランデアイススプレー

 

医療用医薬品のラミシールクリームとの大きな違いはテルビナフィン塩酸塩以外にもかゆみ止め成分のリドカインや抗炎症成分のグリチルレチン酸が配合されている点です。

またクリーム・液体タイプには殺菌成分のイソプロピルメチルフェノールも配合されています。

 

そのため、水虫の原因である白癬菌に対するケアだけでなく、白癬菌によって起こるしつこいかゆみや炎症などの症状に対してもケアができます。

参考文献
ラミシールクリーム1%/添付文書
ラミシールクリーム1%/インタビューフォーム
皮膚真菌感染症の概要-17.皮膚の病気-MSDマニュアル家庭版
真菌感染症の概要-16.感染症-MSDマニュアル家庭版
ラミシールプラス液/添付文書
ラミシールプラスクリーム/添付文書
ラミシールATクリーム/添付文書
ラミシールAT液/添付文書
メンソレータム エクシブ EXクリーム/添付文書
メンソレータム エクシブ EX液/添付文書
メンソレータム エクシブ EXスプレー/添付文書
メンソレータム エクシブ EXきわケアジェル/添付文書
メンソレータム エクシブ EXディープ10クリーム/添付文書
ダマリングランデX/添付文書
ダマリングランデX液/添付文書
ダマリングランデパウダースプレー/添付文書
ダマリングランデアイススプレー/添付文書

最近ではオンライン診療を行っている病院も増えており、誰でも気軽に相談できるという状況が生まれています。

 

オンライン診療は、
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監修薬剤師 福岡 蓉佑
ドラッグストア薬剤師を4年間経験した後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。
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