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フルイトラン錠(トリクロルメチアジド)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 小村 稜
2021年09月25日
フルイトラン®錠は、降圧利尿剤として用いられる医療用医薬品です。降圧利尿剤とは尿のでる量を増やし体から余分な水分を外に出すことで、血圧を下げたり、むくみを改善させるお薬です。めずらしい花の形で、印象的な外観をしています。
今回はフルイトラン錠について、含まれている成分、効果や副作用などについて解説します。

フルイトラン錠(トリクロルメチアジド) とは

フルイトラン®錠とはトリクロルメチアジドを有効成分とする医療用医薬品です。カタカナの馴染みのない単語がでてきましたので、一つずつみていきましょう。
まず、フルイトラン®(錠)とは製薬メーカーが名付けた販売名で、「fluid(フルイド) = 体液、尿を transport (トランスポート)= 運ぶ」に由来しています。利尿剤の働きは尿を出し体液の量を減らすことで、血圧を下げたり、むくみを改善したりしますので、「体液、尿を運ぶ」つまり利尿剤ということのようです。
トリクロルメチアジドはフルイトラン®錠に含まれている有効成分のことです。成分については次の項に詳しく解説しています。

フルイトラン®錠はシオノギファーマ株式会社より販売されおり、薬に含まれるお薬の量が異なる2つの規格があります。配合されるトリクロルメチアジドの量が異なるフルイトラン®錠1mgとフルイトラン®錠2mgの2種類です。フルイトラン®錠2mgの方がその歴史は古く、1960年11月に販売が開始され、2009年5月にフルイトラン®錠1mgが販売されました。フルイトラン®錠を含むサイアザイド系(チアジド系)利尿剤は少量でも緩やかで安定して血圧を下げる効果があることから、降圧剤として世界中で広く使われています。

フルイトラン錠(トリクロルメチアジド) の成分について

フルイトラン錠の有効成分はトリクロルメチアジドです。ここではトリクロルメチアジドがどのようにお薬として働いているのかについて体の中で尿ができる仕組みと一緒に説明します。

尿は体の中で腎臓と呼ばれる臓器で作られています。腎臓は特殊なフィルター機能を備えており、血液の中に貯まった老廃物や毒素、余分な水分を尿として作り出し、体の外へと排出しています。なんと、腎臓では1日で150リットルもの大量の血液が濾過(ろか)された後に尿細管を通る間で濃縮され最終的に1.5リットルの尿となります。その尿を作られるステップでは尿細管と呼ばれる場所で水が再吸収されることで体内の水分量は一定に保つことができます。多くの利用薬はこの尿細管に作用して、水分が尿細管から体の中へ戻ることを抑えることで尿量を増やします。

ここでフルイトラン錠の有効成分であるトリクロルメチアジドに話を戻し働きをみていきましょう。トリクロルメチアジドは尿細管でも遠位尿細管という部位に働きます。遠位尿細管では、Na+-Cl−共輸送体によりNa+とCl−の再吸収が行われています。トリクロルメチアジドは遠位尿細管のNa+-Cl−共輸送体を阻害し、Na+やCl−の再吸収を抑制することで、尿中へのNa+やCl−の排泄を増加させます。尿中へのNa+の排泄が増加することにより水の再吸収も抑えられ尿量が増えます。

フルイトラン錠(トリクロルメチアジド)はどんな症状に効果がある?

フルイトラン錠は以下の疾患に対して効能・効果が認められています。

・高血圧症(本態性、腎性等)
・悪性高血圧
・心性浮腫(うっ血性心不全)
・腎性浮腫
・肝性浮腫
・月経前緊張症
高血圧症や浮腫に対しての働きは「フルイトラン錠(トリクロルメチアジド) の成分について」をご参照ください。ここでは月経前緊張症について少し触れていきます。月経前緊張症とは、PMSとも呼ばれ、月経前3〜10日の間続く精神的、身体的な症状で、月経の開始とともに消失するものをいいます。月経前緊張症の身体的な症状の一つにむくみがあり、この症状に対する治療として利尿剤が用いられることがあります。

フルイトラン錠(トリクロルメチアジド)の用法・用量は?

フルイトラン®錠の添付文書には以下のように記されています。
通常、成人にはトリクロルメチアジドとして1日2~8mg を1~2回に分割経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
ただし、高血圧症に用いる場合には少量から投与を開始して徐々に増量すること。また、悪性高血圧に用いる場合には、通常、他の降圧剤と併用すること。

高血圧治療ガイドライン2019にもサイアザイド系利尿剤は少量から開始することで、副作用の発現を抑えて良好な降圧効果が得られるとされています。

フルイトラン錠(トリクロルメチアジド) の副作用

フルイトラン錠には「重大な副作用」として報告されている副作用があります。初期症状とあわせてご確認ください。

・再生不良性貧血(初期症状:動悸、息切れ、あざができやすい、喉のいたみなど)
・低ナトリウム血症(初期症状:倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害など)
・低カリウム血症(初期症状:倦怠感、脱力感、不整脈など)
・間質性肺炎(初期は無症状のことが多い)
主な副作用としては代表的なものを挙げます。以下のような症状が現れた場合はすぐに医師または薬剤師に相談しましょう。

・発疹・顔面潮紅・光線過敏症・電解質失調(低クロール性アルカローシス、血中カルシウムの上昇等)・血清脂質増加・高尿酸血症・高血糖症・食欲不振・悪心・嘔吐・口渇、腹部不快感・便秘・頭痛・全身倦怠感など

フルイトラン錠(トリクロルメチアジド) に関する注意点

フルイトラン錠に関する注意点では、服用に注意が必要な方と生活上の注意についてみていきましょう。
フルイトラン錠は服用に注意が必要な方がいます。場合によっては服用できませんので医師または薬剤師に服用前に伝えましょう。

・サイアザイド系(チアジド系)でのアレルギーの経験がある
・尿がでない方
・急性腎不全の方
・体液中のナトリウムやカリウムが明らかに減少している
・ミニリンメルト(デスモプレシン酢酸塩水和物)を服用している
・服用中のお薬がある方
・妊娠、授乳中の方


フルイトラン錠を服用する場合は生活する上で以下の点に注意しましょう。

・電解質失調や脱水に注意しましょう。続けて服用する場合は電解質失調が現れることがあるので定期的な検査を行うこととされています。
・夜間に服用の指示が出た場合は睡眠に支障がでるようであれば医師に相談しましょう。夜間の排尿を避けるため、一般的には午前中に服用を指示されます。
・降圧作用(血圧をさげる作用)によりめまい、ふらつきが現れることがあります。高所作業や自動車の運転などの危険を伴う作業には注意が必要です。

フルイトラン錠(トリクロルメチアジド)に関連する薬剤(合剤、ジェネリック医薬品)

フルイトラン錠に関連する薬剤として合剤とジェネリック医薬品についてみていきましょう。
フルイトラン錠の有効成分であるトリクロルメチアジドは降圧剤の一つであるアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(Angiotensin II receptor blocker:ARB)との併用療法が有用な場合があります。降圧作用をより期待できるだけでなく、副作用をお互いに打ち消し合うことが期待できます。併用療法の場合に服用の負担を軽減することができるのが合剤で、トリクロルメチアジドもARB・利尿薬配合剤として販売されています。
イルトラ配合錠LD(イルベサルタン100mg/トリクロルメチアジド1mg)
イルトラ配合錠HD(イルベサルタン200mg/トリクロルメチアジド1mg)

フルイトラン®錠のジェネリック医薬品は有効成分名をそのままに「トリクロルメチアジド錠」として様々な製薬メーカーから販売されています。

フルイトラン錠(トリクロルメチアジド) と同じ成分の市販薬はある?

フルイトラン錠は同じ成分の市販薬はありません。医療用医薬品のため医師による処方や指示が必要です。医師の指示なしに自己判断で中止しないようにしましょう。
参考文献
1.フルイトラン錠1mg/フルイトラン錠2mg
2.腎臓の構造と働き-一般のみなさまへ-一般社団法人 日本腎臓学会|Japanese Society of Nephrology
3.月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)|公益社団法人 日本産科婦人科学会
4.GUIDELINES FOR THE MANAGEMENT OF HYPERTENSION 2019
5.患者の皆様へ 再生不良性貧血
6.特発性間質性肺炎|一般社団法人日本呼吸器学会
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監修薬剤師 小村 稜
医療編集プロダクションMEDW代表
Webディレクター / 薬剤師

今後の医療に変化をもたらすために、デジタルチーム医療を発足。
「メディアから医療を支える」をミッションに活動している
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