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ウルソ錠(ウルソデオキシコール酸) に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 福岡 蓉佑
2021年08月29日
病院やクリニックなど医療機関で取り扱われる医療用医薬品「ウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)」はご存知でしょうか。今回は肝・胆・消化機能改善薬として知られるウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)について成分の特徴や効果、副作用などについて解説していきます。市販薬との違いも紹介しますので最後までご覧ください。

ウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)とは

ウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)とは1962年に田辺三菱製薬株式会社が世界に先駆け販売を開始した肝・胆・消化機能改善薬です。有効成分にウルソデオキシコール酸を配合しています。

ウルソデオキシコール酸を配合した薬は日本で医薬品として開発されたお薬ですが、現在では世界の約30ヵ国で市販されています。では、有効成であるウルソデオキシコール酸にはどんな特徴があるのでしょうか?

ウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)の成分について

ウルソデオキシコール酸の起源は古くから使用されてきた動物性生薬の「熊胆」(ユータンです。熊胆(ユータン)は名前の通り、熊の胆汁を乾燥させたもので、奈良時代の遣唐使によって日本に伝えられたといわれています。しかし、ウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)は現在はコール酸を原料として人工的に作られています。

ウルソデオキシコール酸の一般的な働きは胆汁酸の分泌促進です。胆汁酸は脂肪の消化吸収に関わるもので、肝臓から分泌されます。肝臓の機能が低下すると胆汁の量が減りその結果、腸や肝臓を循環している胆汁酸も不足してしまい脂肪の消化吸収が上手くいかなくなります。ウルソデオキシコール酸は肝臓に働きかけて、胆汁酸の分泌を促進することで脂肪の消化力を高めてくれるのです。

また、ウルソデオキシコール酸は肝細胞障害作用の軽減や肝機能改善作用、胆石溶解作用などが認められています。

ウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)はどんな症状に効果がある?

ウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)は以下の症状に効果があります。

・胆道(胆管・胆のう)系疾患及び胆汁うっ滞を伴う肝疾患の利胆
・慢性肝疾患における肝機能の改善
・小腸切除後遺症、炎症性小腸疾患における消化不良
・外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解
・原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善
・C型慢性肝疾患における肝機能の改善

ウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)の用法・用量は?

ウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)は1錠中に含まれるウルソデオキシコール酸の成分量によってウルソ錠50mgとウルソ錠100mgの2種類あります。用法・用量は改善したい症状によって異なり、以下の通りです。

・胆道(胆管・胆のう)系疾患及び胆汁うっ滞を伴う肝疾患の利胆
・慢性肝疾患における肝機能の改善
・小腸切除後遺症、炎症性小腸疾患における消化不良
ウルソデオキシコール酸として、通常、成人1回50mgを1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により服用量を増やしたり、減らしたりすることがあります。

・外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解
外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解には、ウルソデオキシコール酸として、通常、成人1日600mgを3回に分けて分割経口投与する。なお、年齢、症状により服用量を増やしたり、減らしたりすることがあります。

・原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善
原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善には、ウルソデオキシコール酸として、通常、成人1日600mgを3回に分けて分割経口投与する。なお、年齢、症状により服用量を増やしたり、減らしたりすることがあります。増量する場合の1日最大投与量は900mgまでと決められています。

・C型慢性肝疾患における肝機能の改善
C型慢性肝疾患における肝機能の改善には、ウルソデオキシコール酸として、通常、成人1日600mgを3回に分けて分割経口投与する。なお、年齢、症状により服用量を増やしたり、減らしたりすることがあります。増量する場合の1日最大投与量は900mgまでと決められています。

ウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)の副作用

ウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)の重大な副作用に発熱、咳、呼吸困難、胸部X線異常を伴う間質性肺炎があらわれることがあります。このような症状があらわれた場合には、服用を中止して医師、薬剤師にご相談ください。

また、使用される疾患によって副作用の発生率も異なっています。下記が疾患ごとの主な副作用と発現率です。

<原発性胆汁性肝硬変>
主な副作用に下痢(2.17%)、掻痒(2.17%)、発疹(2.17%)が承認までの臨床試験において報告されています。


主な副作用に下痢(6.88%)、軟便(3.52%)、便秘(2.52%)、掻痒(2.01%)が承認までの臨床試験において報告されています。

<原発性胆汁性肝硬変、C型慢性肝疾患を除く疾患>
主な副作用に下痢(1.91%)、悪心(0.28%)、掻痒(0.17%)、AST(GOT)上昇(0.14%)、ALT(GPT)上昇(0.14%)が報告されています。

さらに発現頻度ごとに起こるその他の副作用を下記に示しております。

<1〜5%未満>
下痢

<0.1〜1%未満>
消化器系では悪心、食欲不振、便秘、胸やけ、胃不快感、腹痛、腹部膨満感、皮膚では掻痒や発疹、肝臓ではAST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、AI-P上昇、その他全身倦怠感やめまいが報告されています。

<0.1%未満>
消化器系では嘔吐、皮膚では蕁麻疹、肝臓ではビリルビン上昇、γ-GTP上昇、その他白血球の減少が報告されています。

ウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)に関する注意点

ウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)は次の疾患がある人は服用してはいけません。服用してしまうことで、症状が悪化してしまうおそれがあるためです。

・完全胆道閉塞
・劇症肝炎

また次の疾患がある人は服用に際し、注意が必要です。こちらも服用してしまうことで、症状が悪化してしまうおそれがあるためです。

・重篤な膵疾患
・消化性潰瘍
・胆管に胆石のある人

上記の疾患だけでなく妊娠中の場合も注意しましょう。添付文書には「妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい」との記載があります。妊娠中や妊娠の可能性がある場合は主治医に相談してみましょう。

さらに下記の疾患で服用しているお薬がある人は注意が必要です。

<糖尿病>
糖尿病の治療中でスルフォニル尿素系経口糖尿病薬を服用している人はウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)を服用することで糖尿病のお薬の効き目が強く出てしまう可能性があります。

<脂質異常症(高脂血症)>
脂質異常症の治療中でコレスチラミンやクロフィブラート等のお薬を服用している人はウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)を服用することでウルソ錠の効き目が弱くなってしまう可能性があります。

<消化性潰瘍、胃炎、尿中燐排泄に伴う尿路結石の発生予防>
消化性潰瘍、胃炎などの胃の疾患や尿中燐排泄に伴う尿路結石の発生予防で使用される乾燥水酸化アルミニウムゲルを服用している人はウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)を服用することでウルソ錠の効き目が弱くなってしまう可能性があります。

このように現在、治療中の病気や服用しているお薬がある場合はウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)を服用することで病気の悪化を招いてしまう場合もあります。そのため必ず医師や薬剤師に治療中の疾患や服用薬を伝えましょう。日頃からお薬手帳を持参しておくことも大切です。

ウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)と同じ成分の市販薬はある?

これまでお話ししてきた内容は、医療用医薬品のウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)でしたが、市販薬にも主成分にウルソデオキシコール酸を配合した商品は存在します。

以下がウルソデオキシコール酸を配合した市販薬の一例です。

・タナベ胃腸薬ウルソ(第3類医薬品)
・レバウルソ(第3類医薬品)
・ハイウルソ顆粒(第3類医薬品)

ここからはそれぞれの商品について詳しく見ていきましょう。

タナベ胃腸薬ウルソ

タナベ胃腸薬ウルソは今回ご紹介したウルソ錠(ウルソデオキシコール酸)の製造販売元である田辺三菱製薬が市販薬として発売している商品です。

タナベ胃腸薬ウルソは医療用医薬品のウルソ錠と同様にウルソデオキシコール酸を配合しています。ウルソデオキシコール酸の配合量は50mg(1日量)です。

消化不良や消化不良による胃部・腹部膨満感、もたれ(胃もたれ)、食欲不振(食欲減退)、消化促進、食べ過ぎ(過食)、胸つかえに効能を持つお薬です。

なおタナベ胃腸薬ウルソは1日1回1錠の服用のため、飲み忘れの心配も少ないお薬です。

レバウルソ

レバウルソは佐藤製薬が販売する栄養剤です。佐藤製薬は風邪・鼻炎薬の「ストナ」や点鼻薬「ナザール」解熱鎮痛薬「リングルアイビー」など数々の有名市販薬を手がける製薬会社です。

レバウルソは医療用医薬品のウルソ錠と同様にウルソデオキシコール酸を配合しています。ウルソデオキシコール酸の配合量は50mg(1日量)で、他にも肝臓水解物やリボフラビン(ビタミンB2)を配合しています。肝臓水解物は肝臓の新陳代謝を活発にすることで滋養強壮効果をあらわし、リボフラビン(ビタミンB2)は糖質・脂質・タンパク質の代謝に役立ちます。

虚弱体質、滋養強壮、肉体疲労・病中病後・胃腸障害・栄養障害・発熱性消耗性疾患・妊娠授乳期などの栄養補給に効能も持つお薬です。

ハイウルソ顆粒

ハイウルソ顆粒はこちらも先ほどご紹介したレバウルソ同様に佐藤製薬が販売する胃腸薬です。ハイウルソは医療用医薬品のウルソ錠と同様にウルソデオキシコール酸を配合しています。ウルソデオキシコール酸の配合量は60mg(1日量)で、他にも2種類の消化酵素や3種類の健胃生薬を配合しています。消化酵素のビオジアスターゼ2000やリパーゼAP6が食事中のデンプンおよびタンパク質、脂肪の消化を助け、健胃生薬のケイヒ末、ウイキョウ末、ゲンチアナ末が弱った胃腸の働きを回復させる働きがあります。

消化促進、消化不良、食欲不振(食欲減退)、食べ過ぎ(過食)、飲み過ぎ(過飲)、胃弱、胸やけ、もたれ(胃もたれ)、胸つかえ、はきけ(むかつき、胃のむかつき、二日酔い・悪酔のむかつき、嘔気、悪心)、嘔吐、消化不良による胃部・腹部膨満感に効能も持つお薬です。
参考文献
ウルソ|添付文書
ウルソ|インタビューフォーム
乾燥水酸化アルミニウムゲル原末「マルイシ」|添付文書
ウルソデオキシコール酸とは?胆汁酸との関係|タナベ胃腸薬ウルソ|田辺三菱製薬株式会社
田辺胃腸薬ウルソ|添付文書
レバウルソ|添付文書
ハイウルソ顆粒|添付文書
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監修薬剤師 福岡 蓉佑
ドラッグストア薬剤師を4年間経験した後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。
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