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オメプラール錠(オメプラゾール) に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 小村 稜
2021年08月29日
オメプラール錠は有効成分としてオメプラゾールを含む医療用医薬品です。胃酸分泌を抑制することで胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎に対して治療効果のあるオメプラール錠ですが、副作用や服用期間など注意すべき点があります。

今回はプロトンポンプ・インヒビターの一種であるオメプラール錠の用法・用量、副作用、服用時に注意すべき点などを詳しく解説していきます。

オメプラール錠(オメプラゾール) とは

オメプラール錠はアストラゼネカ株式会社が製造販売する医療用医薬品です。胃酸分泌を抑制する作用があることから、胃潰瘍や逆流性食道炎の治療、さらにはヘリコバクター・ピロリの除菌など幅広い消化器疾患の治療を目的として用いられています。

オメプラール錠には有効成分のオメプラゾールが10mg含まれているオメプラール錠10とオメプラゾールが20mg含まれているオメプラール錠20があります。

また、オメプラール錠は服用後に胃で溶けづらく、小腸まで到達すると溶けやすい特殊なコーティングをした錠剤です。服用時にかみ砕いてしまうと十分な効果が得られない可能性があるため、噛まずにそのまま水と一緒に服用してください。

オメプラール錠(オメプラゾール) の成分について

オメプラール錠の有効成分であるオメプラゾールはプロトンポンプ・インヒビターに分類される医薬品成分です。プロトンポンプ・インヒビターは胃酸分泌にかかわるプロトンポンプと呼ばれるタンパク質の働きを阻害することで胃酸分泌を抑制します。

さらに、服用から2~6時間後に胃酸分泌抑制作用が認められ、1回服用すると24時間にわたり胃酸分泌を抑制することが分かっています。このとき、オメプラゾールは胃酸の基礎分泌を90%以上抑制します。

H2ブロッカーとの違いは?

プロトンポンプ・インヒビターと同じく胃酸の分泌を抑制する成分としてはH2ブロッカーに分類されるファモチジンなども有名です。プロトンポンプ・インヒビターとH2ブロッカーの大きな違いは胃酸分泌を抑制するメカニズムです。

このことにより、胃酸分泌抑制作用はプロトンポンプ・インヒビターの方が強力だと考えられています。また、副作用や服用期間の問題から一定の制限はあるものの、有効性についてもH2ブロッカーに比べてプロトンポンプ・インヒビターの方が高いという報告があります。

一部を除いて、プロトンポンプ・インヒビターは肝臓で代謝を受けて体内から消失し、H2ブロッカーは腎臓から排泄させることで消失といったように体内からの消失経路が異なるため、肝臓や腎臓の機能が落ちている患者などには使い分けることもあります。

オメプラール錠(オメプラゾール) はどんな症状に効果がある?

オメプラール錠は以下の疾患に有効です。

1. オメプラール錠10とオメプラール錠20で共通
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群
・以下の疾患におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

2. オメプラール錠10のみ
・非びらん性胃食道逆流症

オメプラール錠(オメプラゾール) の用法・用量は?

オメプラール錠は疾患に応じて用法・用量が異なります。

・胃潰瘍、吻合部潰瘍、十二指腸潰瘍、Zollinger-Ellison症候群
成人はオメプラゾールとして20mgを1日1回服用します。服用期間は胃潰瘍、吻合部潰瘍で8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までと定められています。

・逆流性食道炎
成人はオメプラゾールとして20mgを1日1回服用し、服用期間は8週間までです。また、再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法の場合はオメプラゾールとして10~20mgを1日1回服用します。

・非びらん性胃食道逆流症(オメプラール錠10のみ)
成人はオメプラゾールとして10mg1日1回服用します。服用期間は4週間までと定められています。
・ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
成人はオメプラゾールとして20mg1日2回を7日間服用します。また、ヘリコバクター・ピロリの除菌を目的とする場合はオメプラール錠の他にアモキシシリン水和物とクラリスロマイシンを同時に服用します。アモキシシリン水和物とクラリスロマイシンはいずれも抗菌薬です。

なぜピロリ除菌にオメプラール錠か?

ヘリコバクター・ピロリの除菌を行うときは、アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン、そしてオメプラール錠などのプロトンポンプ・インヒビターの3剤併用療法が基本です。このときのオメプラール錠の役割は胃内のpHを上昇させて抗菌薬であるアモキシシリン水和物とクラリスロマイシンの活性を高めることです。

実際に、アモキシシリン水和物とクラリスロマイシンの2剤のみでは除菌率が約50%にとどまっていたものの、オメプラゾールとの3剤併用にすることで約80%まで除菌率が向上することが明らかになっています。

オメプラール錠(オメプラゾール) の副作用

オメプラール錠の副作用は汎血球減少症、肝機能障害、横紋筋融解症、発疹、下痢、頭痛などが報告されています。

オメプラール錠(オメプラゾール) に関する注意点

オメプラール錠を服用する際に注意すべき点を紹介します。

服用期間に上限が定められている

オメプラール錠をはじめとするプロトンポンプ・インヒビターは胃酸分泌を強力に抑制することや、他の消化器疾患の症状を隠してしまうおそれがあるため、最長の服用期間が定められています。目的とする疾患によって期間が以下のように異なっています。
・胃潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎:8週間まで
・十二指腸潰瘍:6週間まで
・非びらん性胃食道逆流症:4週間まで
ただし、再発や再燃を繰り返す難治性の逆流性食道炎と医師が判断した場合は服用期間を延長することができます。

服用できない場合がある

アタザナビル硫酸塩もしくはリルピビリン塩酸塩を服用している場合、オメプラール錠を服用することができません(併用禁忌)。医薬品の有効成分は基本的に胃や小腸で溶けたものが体内へ吸収されて効果を発揮しますが、上記の成分は胃酸分泌が抑制されて胃内のpHが上昇することで溶けにくくなってしまいます。

その結果、血中濃度が低下することでアタザナビル硫酸塩やリルピビリン塩酸塩の作用が弱くなってしまうことがあります。

他の薬を服用している場合は事前に医師へ相談

上記の2成分のように併用禁忌とまではいかないものの、オメプラール錠と併用する際には注意が必要な医薬品成分を紹介します。

・オメプラゾールと同じ代謝酵素(CYP2C19)で代謝される成分
例:ジアゼパム、ワルファリン、ボリコナゾール
理由:代謝が遅延することで、各成分の作用を増強するおそれがあるため。

・クロピドグレル硫酸塩
理由:クロピドグレル硫酸塩から効果を発揮する成分へ変換する酵素(CYP2C19)の働きを阻害することで、作用を減弱させるおそれがあるため。

・胃酸分泌抑制による胃内pH上昇により消化管内で溶けにくくなる成分
例:イトラコナゾール、ゲフェチニブ
理由:体内への吸収量が減少することで、作用を減弱させるおそれがあるため。

・セイヨウオトギリソウ含有食品
理由:オメプラゾールを代謝する酵素(CYP2C19など)を誘導することで、オメプラール錠の作用を減弱させるおそれがあるため。

オメプラール錠(オメプラゾール) と同じ成分の市販薬はある?

オメプラール錠の有効成分であるオメプラゾールを含む市販薬はアメリカなどでは販売されていますが、日本では販売されていません。

欧米で既にスイッチOTC化されていることや14日以内の短期服用であれば問題はないと考えられていた経緯があり、オメプラゾールを含むプロトンポンプ・インヒビター3成分については医療用医薬品から市販薬(一般用医薬品)への転用(スイッチOTC化)を目指す議論がなされていました。しかし、副作用や服用日数制限の担保に懸念があることなどから、令和3年2月時点では承認されていません。

今回紹介したオメプラール錠は有効成分としてオメプラゾールを含む医療用医薬品で、胃酸分泌の抑制によって種々の消化器症状に対して治療効果を発揮します。服用期間に制限が設けられていることなど専門的な知識が必要なことから現時点では市販薬は販売されていませんが、それらの課題が解決できればスイッチOTC化が実現はゼロではないのかと思います。
参考資料
オメプラール錠10/オメプラール錠20
S Harasawa, Comparison between histamine H2-blocker and proton pump inhibitor on the effects of initial treatment in reflux esophagitis. Nihon Rinsho, 58(9):1847-52 (2000).
J. P. Gisbert et al., Proton pump inhibitors versus H2-antagonists: a meta-analysis of their efficacy in treating bleeding peptic ulcer. Aliment. Pharmacol. Ther. 15(7):917-26 (2001).
スイッチOTC医薬品の候補となる成分についての要望 に対する見解 |厚生労働省
医療用医薬品から一般用医薬品へ の転用(スイッチOTC化)の促進|日本OTC医薬品協会
医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議における 中間とりまとめについて|厚生労働省
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監修薬剤師 小村 稜
医療編集プロダクションMEDW代表
Webディレクター / 薬剤師

今後の医療に変化をもたらすために、デジタルチーム医療を発足。
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