乳酸菌を含んでいる医薬品、ビオフェルミンってどんな薬?通販はできる?ビオフェルミンに含まれる成分や効果について解説
更新日:2024年02月29日
ビオフェルミンのことを止瀉薬(下痢止め)、胃消化薬(胃薬)、便秘薬と思われている方も多くいらっしゃいますが、ビオフェルミンの下痢・軟便・便秘などへの作用は間接的な作用であり、ビオフェルミンの直接的な効能・効果としては腸内細菌の環境を整える整腸効果にとどまり、一般的には整腸薬と分類される医薬品です。
腸の調子を整える?ビオフェルミンとはどんな薬?
ビオフェルミンは腸内環境を正常化する作用によって、下痢、軟便、便秘、腹部膨満感などの腹部症状を改善する目的で使用される医療用医薬品です。
ビオフェルミンのことを止瀉薬(下痢止め)、胃消化薬(胃薬)、便秘薬と思われている方も多くいらっしゃいますが、ビオフェルミンの下痢・軟便・便秘などへの作用は間接的な作用であり、ビオフェルミンの直接的な効能・効果としては腸内細菌の環境を整える整腸効果にとどまり、一般的には整腸薬と分類される医薬品です。
医療用医薬品のビオフェルミンは錠剤タイプのビオフェルミン錠剤、粉薬タイプのビオフェルミン配合散が発売されていますが、実はこの2つは単なる剤形違いではなく有効成分も全く異なります。ビオフェルミンに含まれる成分について解説します。
ビオフェルミンに含まれる成分は?ヨーグルトなど乳製品でもよく耳にするビフィズス菌とは?
先ほど紹介したように医療用整腸薬のビオフェルミンはビオフェルミン錠剤、ビオフェルミン配合散の2つの剤形があります。ビオフェルミン錠剤の有効成分はビフィズス菌というヒト・動物の腸管内に存在する細菌です。
一方ビオフェルミン配合散の有効成分はラクトミンという細菌とその働きを助ける糖化菌という細菌です。ラクトミンは一般的に乳酸菌といわれる細菌です。
ラクトミン(乳酸菌)はビフィズス菌と同様にヒトや動物の腸管内に存在するだけではなく乳製品・発酵食品など一部の食品中にも存在します。
医薬品中に含有されている菌の種類はビフィズス菌・乳酸菌と異なりますが、腸内環境を整えるという整腸作用に関しては同じような働き方をします。
整腸剤の服用目的は腸内の細菌のバランスを整えることです。最近よく耳にする言葉だと、腸内フローラを整えるために服用します。
私たちの腸内にはビフィズス菌・乳酸菌を含めた多種多様な細菌が生息しており、それらは1000種類1000兆個以上といわれています。これらの細菌は大きく善玉菌と悪玉菌に分けられます。
悪玉菌が増えることで便秘・軟便・下痢のような症状が発生します。また悪玉菌が増えると起こる症状は便秘などの消化器症状のみではありません。
腸内環境はエネルギーやビタミンなどの吸収に大きな影響を与えるので全身の健康状態に大きな影響を与えます。様々な良くない症状の原因となる悪玉菌の増殖を抑える働きをしているのが善玉菌です。
赤ちゃんの腸内は善玉菌でいっぱいの状態ですが、加齢・ストレス・生活習慣など様々な要因・原因によって善玉菌の数は減っていきます。善玉菌はどのように悪玉菌の増殖を防いでいるのでしょうか。
善玉菌は乳酸や酢酸と呼ばれる成分を腸内で生産しています。善玉菌によって生産された乳酸や酢酸が悪玉菌にとっては苦手な成分なので善玉菌を増やして乳酸や酢酸の生産量を増やすことで悪玉菌の増殖を抑えています。
ビオフェルミン配合散に含まれているラクトミン(乳酸菌)は腸内で乳酸をたくさん生成しますし、ビオフェルミン錠剤に含有されているビフィズス菌は乳酸だけではなく酢酸も生産します。
乳酸菌・ビフィズス菌いずれの医薬品も悪玉菌が生息しにくい腸内環境をつくるように働いています。このような乳酸菌・ビフィズス菌の働きによって腸内環境が整うことで具体的にどのような症状が改善されているのか解説します。
ビオフェルミンはどんな症状に効果的?便秘薬ではない?腸の調子を整える整腸剤?
先ほど述べたようにビオフェルミンは善玉菌を増やすことによって腸内フローラ(腸内環境)を整えます。腸内環境が整えられることによって下痢、軟便、便秘、腹部膨満などの消化器関連の症状を改善します。
また食事などで摂取した食品の栄養素の吸収も腸内で行われるため、腸内環境が整っていてることによって貧血の患者様の鉄分の吸収が促進されたり、免疫力に影響を与えたりします。
そのほかにも肥満やうつ病やガンなど様々な病気に対して腸内フローラが影響を与える事がわかってきています。
冒頭に述べたようにビオフェルミンの直接的な働きは腸内フローラ(腸内環境)を整えることのみですが、腸内環境が整えられたことによって現れる間接的な健康状態の変化は無数にあります。
あなたが感じている体の不調も腸内フローラの改善によって軽減・解消される可能性もあります。
おなかの調子を整えて、便秘や下痢に効果的なビオフェルミンに市販薬はある?
ビオフェルミンの有効成分であるビフィズス菌やラクトミン(乳酸菌)など整腸作用をもつ有効成分を含有する市販薬としても複数の種類が販売されています。
なかでも代表的な市販薬としてビオフェルミン製薬の新ビオフェルミンS・新ビオフェルミンS細粒があります。ただし、医療用のビオフェルミンと市販薬の新ビオフェルミンSは成分の含有量などの違いがあります。
また散剤のビオフェルミン配合散と新ビオフェルミンS細粒に関しては配合されている成分が全く異なりますので、製品名は同じビオフェルミンとありますが別の薬剤といえます。
有効成分が異なるとはいえ、成分としては先ほど述べた善玉菌ですので、体内での働き方は似ていますのでどちらの方が効果が強いなどということではありません。
腸内細菌は1000種類1000兆個以上存在すると述べました。この莫大な数字からもわかるように、腸内フローラは人それぞれです。人の顔がみな違うように、腸内フローラもみな違います。したがって各々に合った整腸剤が存在します。
ビオフェルミンを服用する上でのポイント
用法用量としてビオフェルミン錠剤は通常、成人は1回1〜2錠を1日3回、ビオフェルミン配合散は1回1〜3gを1日3回服用します。
どちらの薬剤も年齢や症状により用法用量は調整されますので必ず医師または薬剤師に指示された服用方法に従ってください。
また医薬品を服用する際に注意するポイントは以下のとおりです。
薬を飲み忘れた場合は、気がついたときにできるだけ早く1回分を飲んでください。ただし、次の通常飲む時間が近い場合や、忘れた分は飲まないで1回分を飛ばしてください。
誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。
医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。
またビオフェルミンは便秘や軟便などの症状が医薬品を服用する際のきっかけになる事が多くあります。
そのため、便秘薬など整腸剤と合わせて服用したい、薬剤を併用したいと思うケースが多くあるかと思いますので、そのような場合、飲み合わせの判断は症状や患者様それぞれの場合によりますので、医師または薬剤師に相談してください。
ビオフェルミンを服用する上での注意点や薬の副作用はある?
ビオフェルミンは大きな副作用が起こるリスクも非常に低く、子供から高齢者まで広い年齢層で使用されている薬です。そんな安全性の高いビオフェルミンにもいくつか注意しなければいけない副作用がありますので紹介します。
ビオフェルミンの主な副作用として発赤・発疹・かゆみなどの皮膚症状、腹痛・吐き気・嘔吐・食欲不振などの消化器症状が報告されています。
いくら安全性が高いとはいってもビオフェルミンは医療用医薬品なので医師・薬剤師に指示された用法・用量に従って適量を使用してください。
また人体に直接的に影響する可能性は低いですが、先ほど述べたように医療用医薬品でもビオフェルミン錠剤とビオフェルミン配合散で有効成分が異なりますし、病院など医療機関で処方された医薬品と市販の医薬品と比較した場合も有効成分の含有量や成分自体が異なるといった違いがあります。
ビオフェルミンという同じ製品名でもこのように様々な違いがありますので注意してください。
ビオフェルミンは通販で購入できるの?
医療用医薬品の通信販売(通販)は法律で禁止されています。そのため病院などの医療機関で処方される医療用医薬品を通販で購入することはできません。
このため通販で医薬品を購入しようとする場合の選択肢としては医療用医薬品と同一の有効成分を含有する市販の医薬品を検討しましょう。
近年では医療用医薬品として長期間使用され、安全性が確かめられている製品の一部が市販薬として販売されるスイッチOTCとよばれる医薬品が現れたり、医療用医薬品と同一の有効成分を配合した市販薬が販売されたりと、セルフメディケーションが推進されています。
製品によって有効成分の配合量や効能効果に違いがあることもあり、全ての医薬品に代用できる市販薬があるとは限りませんが、有効な選択肢の1つであることに変わりはありません。
ビオフェルミンに関していえば、先ほど紹介したように同一成分を含有する市販薬が販売されていますので、これらの製品であれば通販で購入することができます。
どうすれば購入できる?
ビオフェルミンは医療用医薬品なので通販などで購入することはできません。(2020年10月現在)
しかし有効成分としてビオフェルミンと同じ、ビフィズス菌を含む市販の医薬品は通販で購入することができますので、通販を利用したい場合はこれらの市販医薬品の購入をおすすめします。
ビオフェルミンの市販薬としては新ビオフェルミンSがあります。この新ビオフェルミンSも錠剤・散剤の2剤形で販売されています。
ただし錠剤では1日に摂取できる有効成分量が医療用より少ないですし、散剤の新ビオフェルミンS細粒に関しては有効成分自体が異なりますので、病院で処方されるビオフェルミンと全くを市販で市販医薬品ではなく、保険は使用できなくても良いからを医療用医薬品のヘパリン類似物質を購入したい患者様もいらっしゃるかと思います。
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