蕁麻疹(じんましん)で発熱が出るの?発熱の原因と対処方法について説明!
更新日:2025年02月4日
蕁麻疹(じんましん)で発熱は出るのか?
蕁麻疹は、たとえ全身に広がったとしても、通常は発熱を引き起こすことはありません。発熱を伴う蕁麻疹が現れた場合、その原因として熱を伴う別の病気が隠れている可能性があります。
発熱は体からのサイン
発熱は、体に侵入したウイルスや病原体と戦うために起こる自然な防御反応であり、体を守るための味方です。高い体温環境では、免疫細胞の働きが活性化しウイルスや異物への応答が強まります。そのため、発熱は単なる病気の症状ではなく、体が自身を守るために行っている反応なのです。
そのため、軽度の発熱であれば無理に下げないほうが良いとされています。早い段階で解熱剤を使用すると、治癒が遅れたり、感染症の経過が悪化するかもしれません。ただし、高熱が長期間続く場合や、体に大きな負担をかけている場合、また熱性けいれんを起こしたことがある小児の場合などには、医師の指示に従い解熱剤を適切に使用しましょう。
発熱の仕組み
病原体が体内に入ると、まず体の守り役である白血球などの細胞がそれを見つけて、「敵だ!」と判断します。その後、これらの細胞が病原体を攻撃しながら、「体温を上げて敵をやっつけやすくしよう!」という指令を出す物質を作ります。この指令物質が体中に広がって、最終的には脳にその情報が届くのです。
しかし、脳には「血液脳関門」という壁があり、直接この物質が入ることはできません。そのため、脳の手前で物質が作られます。この物質が脳の視床下部に情報を伝え、視床下部の体温調節中枢は、全身に「体温を上げろ!」という命令を出します。これが、発熱が起こる流れです。
体温が上がると、病原体が増えにくくなり、免疫が働きやすい環境が整います。
感染性の蕁麻疹(じんましん)の種類
感染性の蕁麻疹とは、細菌やウイルスが原因で発症する蕁麻疹です。蕁麻疹自体には感染性はありませんが、原因となる感染症が他人にうつる可能性があります。
感染症が原因の蕁麻疹は、感染症そのものが原因で発生していることが多いため、通常の治療に反応しにくいことが特徴です。感染症そのものを治療しないといけません。
風邪
喉(咽頭)、気管支、腸管に感染症が起きた場合は、発熱、喉の痛み、咳、鼻水、下痢、腹痛といった一般的な症状に加えて、蕁麻疹が起こることがあります。
ウイルス性肝炎
ウイルス感染によって引き起こされる肝臓の病気です。急性ウイルス性肝炎では段階的に進行します。潜伏期ではウイルスが体内で増殖していますが、症状は現れません。
初期の段階で、体にだるさや疲労感が強く現れます。症状は食欲がなくなり、吐き気や嘔吐を感じることが一般的です。右上腹部に痛みを感じる場合や、発熱が伴うことがあり、B型肝炎では蕁麻疹や関節の痛みがみられることがあります。
血管炎
血管炎とは、体内をくまなく走る血管に炎症が生じる病気です。血管には動脈と静脈があり、それぞれ太いものから細いものまでさまざまな種類があります。炎症の範囲も全身の血管に及ぶ場合と、一部の血管だけに限られる場合があります。
この病気は、通常は体を守る免疫システムが誤作動を起こし、自分自身の血管を攻撃して炎症を引き起こすことが原因です。この結果、血管が漏れたり詰まったりすることで、臓器が損傷を受けます。原因が不明な場合は原発性血管炎です。感染症や肝炎ウイルス、薬、がん、他の膠原病などが原因の場合は二次性血管炎と分類されます。
症状は、炎症が生じた部位や影響を受けた臓器によって異なりますが、発熱、食欲不振、筋肉痛、腹痛、下痢、嘔吐、しびれ、むくみ、関節痛、あざ、蕁麻疹などの全身症状が現れることがあります。
病巣感染蕁麻疹
- 蓄膿症(副鼻腔炎)
- 胆石
- 腸管憩室
- 扁桃腺炎
- 虫歯
- 歯周炎
- ピロリ菌感染
病巣感染蕁麻疹とは、体の一部に慢性的な細菌感染が続くことで引き起こされる蕁麻疹のことです。感染が起きている部位から全身に炎症反応が広がることで発症します。
感染以外で発熱を伴う蕁麻疹(じんましん)がでる病気
ほとんどの蕁麻疹は内臓の病気とは無関係です。ただし、全身性の疾患の一部として蕁麻疹が現れることがあります。
全身性エリテマトーデス
SLE(全身性エリテマトーデス)は、免疫システムが自分自身の体を攻撃する自己免疫疾患の一つであり、全身のさまざまな部位や臓器に慢性的な障害を引き起こすことがあります。この疾患は多彩な症状が特徴で、現れ方や重症度には個人差があります。
両頬に赤い発疹が現れ、その形が、蝶が羽を広げたように見える「蝶型紅斑」、発熱や全身の倦怠感、関節痛が特徴的です。特に関節痛は手指に現れることが多く、肘や膝などの大きな関節に炎症が起きることもあります。脱毛や蕁麻疹のような発疹、しもやけに似た赤い斑点、水ぶくれや潰瘍ができることもあります。
血清病
血清病とは、動物の血清を成分として含む薬が原因で起こるアレルギー反応の一つです。この病気は、体がその薬に過剰に反応してしまうことで発症します。具体的には、薬を使い始めてから1〜3週間後に、発熱や発疹、関節が痛む、リンパ節が腫れるといった症状が現れることがあります。
これらの症状は軽い場合が多く、1〜2週間ほどで自然に治ることがほとんどです。まれに腎臓に影響がでることがあります。
発熱と蕁麻疹(じんましん)を伴う場合は放置せず受診しましょう
蕁麻疹を放置することで感染症が進行し、入院が必要になることもあります。発熱を伴う蕁麻疹がある場合、早期に医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けましょう。
症状がつらくて受診できない場合にはオンライン診療がおすすめ
症状がつらくて病院に行くことが難しい場合には、オンライン診療の活用を検討してみましょう。移動が困難な場合や時間が取れないときでも、利用しやすいのが特徴です。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、インターネットに接続できるデバイスを使用して、自宅にいながら医師の診察を受けられる医療サービスです。スマートフォンやタブレット、パソコンを利用し、ビデオチャットを通じて医師と直接話せます。この仕組みにより、診察の予約、問診、診断、さらには薬の処方や支払いまで、すべてをオンライン上で完了することが可能です。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKUは、オンライン診療をスムーズに利用できるサービスです。予約から診察、処方箋発行、お薬の受け取りまで、すべてのステップを、アプリを使って簡単に行えます。
専門スタッフによるサポートが受けられるほか、よく利用するクリニックや薬局をお気に入り登録する機能も備わっています。また、デジタルお薬手帳を利用することで、薬の管理も効率的に行うことが可能です。全国どこでも、当日または翌日に薬を受け取れるサービスも提供されており、オンライン診療をより手軽に利用できるサービスといえるでしょう。
まとめ
発熱を伴う蕁麻疹は、アレルギー反応だけでなく、感染症や免疫疾患が原因となっている可能性もあります。発熱が続いたり、蕁麻疹の症状がなかなか治らない場合は、放置せずに早めに医療機関を受診しましょう。専門医による診断を受けることで、原因を特定し、適切な治療を開始することが重要です。
医師
五藤 良将
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
- 当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
- 当コラムにおいて、医療及び健康管理関連の資格を持った方による助言、評価等を掲載する場合がありますが、それらもあくまでその方個人の見解であり、前項同様に内容の正確性や有効性などについて保証できるものではありません。
- 当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。
- 前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は一切責任を負うものではありません。
いいねしよう!
SOKUYAKUの使い方
-
STEP1
診療予約
-
STEP2
オンライン問診
-
STEP3
オンライン診療
-
STEP4
オンライン服薬指導
-
STEP5
おくすり配達
※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。
したがって、軽度の発熱では解熱剤を過度に使用せず、体温を自然に調整することが望ましいとされています。ただし、高熱が続く場合や、患者に強い不快感やリスクが伴う場合には、医師の指導の下で適切な対処が求められます。特に小児の場合、熱性けいれんなどの危険があるため、注意が必要です。