【医師監修】脇の下にニキビができる原因は?ケア方法・予防・似た病気との見分け方も紹介
脇にニキビができやすい理由は
脇の下にニキビができるのは、顔や背中と同様に毛穴の詰まりや皮膚への刺激などが関係しています。汗や皮脂が多く分泌されやすく、衣類との摩擦も起こりやすいため、肌トラブルの原因が重なりやすい部位です。これらの要因が複合的に影響し、ニキビが形成されやすい環境を作り出しています。
脇にニキビができる主な原因
以下のような要因が、脇ニキビの主な原因として挙げられます。
毛穴の詰まり
脇には汗腺や皮脂腺が多く、汗や皮脂がたまりやすい環境です。これらが毛穴に詰まると、細菌が繁殖しやすくなり、ニキビができてしまいます。さらに、制汗剤に含まれるパウダーが毛穴を塞いでしまうことも原因の一つです。
ムダ毛処理による刺激
カミソリや毛抜きによるムダ毛処理は、肌表面に細かな傷をつけてしまう原因の一つです。この傷から細菌が侵入し、炎症を起こしてニキビができることがあります。
摩擦・衣類とのこすれ
脇の皮膚はデリケートで、衣類のこすれやボディタオルによる摩擦でもダメージを受けやすい部分です。汗をかいた後にタオルで強く拭いたり、きつい衣類を長時間着用したりすると、摩擦が刺激となってニキビの原因になることがあります。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンの変動は皮脂分泌を活発にし、毛穴詰まりを起こしやすくします。思春期や生理前後、睡眠不足や不規則な生活などによってホルモンバランスが乱れると、ニキビができやすくなる傾向があります。これは脇の下でも例外ではありません。
ストレスや生活習慣の影響
ストレスは自律神経やホルモンバランスに影響を与え、免疫力の低下や肌荒れを引き起こす原因となります。また、偏った食事や運動不足、寝不足も肌の状態に影響を与えます。
脇ニキビを悪化させるNG行動
脇ニキビができた際、治りを早めるためには、避けるべき行動があります。以下に挙げる行動は、ニキビの悪化を引き起こす原因となるため、できるだけ避けるようにしましょう。
触る・つぶす
触れることで手の雑菌がニキビに触れ、炎症を悪化させる可能性があります。また、つぶすことでニキビが化膿し、最終的にニキビ跡が残ることもあります。気になるからと言って無理に触らないようにしましょう。
こすりすぎ・洗いすぎ
脇の下はデリケートな部位なので、過剰な摩擦や洗浄を避けることが重要です。ゴシゴシと力を入れて洗ったり、強く拭いたりすると、皮膚にダメージを与え、皮脂分泌が増えてニキビが悪化することがあります。
汗を放置する
脇の下は汗腺が多く、汗をかきやすい場所です。汗を放置すると、毛穴が詰まり、細菌が繁殖しやすくなり、ニキビが悪化する原因になります。
制汗剤の過剰使用
制汗剤を使うことで汗や臭いを抑えることができますが、過剰に使用することは良くありません。制汗剤のパウダー成分が毛穴を塞ぎ、毛穴に汚れや汗が詰まる原因となります。
自宅でできる脇ニキビのセルフケア
脇ニキビを予防したり改善したりするためには、日常的に意識して行えるケアが大切です。ここでは、自宅でできる簡単で効果的な脇ニキビのセルフケア方法を紹介します。
隅まで丁寧に洗い、しっかり流す
脇ニキビを予防するためには、脇を洗う際に丁寧にケアすることが重要です。洗うときは、洗浄剤をしっかり泡立てて優しく洗ってください。ゴシゴシ擦らず、優しくなでるように洗うことで、肌への刺激を抑え、毛穴の詰まりを防ぎます。洗い終わったら、十分にすすいで汗や皮脂、制汗剤の成分などを残さないようにしましょう。
保湿を忘れない
脇の下は乾燥しやすいため、洗浄後は必ず保湿をしましょう。保湿を行うことで、肌のバリア機能が強化され、ニキビができにくい状態になります。顔用の化粧水や乳液などを使って、肌に潤いを与えることが大切です。保湿をしっかり行うことで、肌のターンオーバーも正常になり、脇ニキビが治りやすくなります。
ムダ毛処理は前後のケアがポイント
ムダ毛処理をする際は、処理前後のケアをしっかり行うことが重要です。カミソリを使用する場合は、肌を保護するためにワセリンやクリームを塗り、毛の流れに沿って優しく剃りましょう。毛抜きを使う場合は、事前にホットタオルで脇を温めて毛穴を開き、毛が抜けやすくなるようにします。処理後は、肌がダメージを受けているので、化粧水や乳液でしっかり保湿しましょう。
生活習慣を見直す
脇ニキビを予防するためには、スキンケアだけでなく生活習慣も重要です。十分な睡眠を確保し、規則正しい食生活を心がけましょう。ビタミン類やタンパク質をバランスよく摂取することが、肌の健康を維持するために役立ちます。
また、ストレスが溜まらないように自分に合った方法でリラックスする時間を持つことも大切です。生活習慣を見直すことで、肌トラブルを防ぐための土台作りができます。
ニキビではない?見た目が似ている皮膚疾患
ニキビだと思っていたのに、なかなか治らない。そんな場合は、別の皮膚疾患であることが少なくありません。ニキビと間違える可能性のある皮膚疾患の特徴をみていきましょう。
粉瘤
皮膚の下に袋状のポケットができ、その中に皮脂や角質がたまってしこりとなる良性の腫瘍です。初期には痛みや赤みがほとんどなく、小さなしこりとして触れるだけなのでニキビと見分けがつきにくいことがあります。しかし、袋の中で老廃物が増えると徐々に大きくなり、何度も繰り返し炎症を起こすと赤く腫れて痛みを伴うようになります。
触るとしっかりとした硬さが感じられるのが特徴です。粉瘤にはしばしば中央に「へそ」と呼ばれる小さな黒い点(開口部)があり、ここから皮脂が酸化して黒く見えます。
アクネ菌などによるものではないため、市販のニキビ薬では改善せず、再発しやすい点も異なります。炎症や痛みが続く場合は、内容物を出すだけでなく袋ごと外科的に摘出しないと根本的な解決になりません。
毛嚢炎
毛穴の奥にある毛包(毛嚢)に細菌や真菌が侵入して炎症を起こす疾患です。肌に小さな傷やかきむしりがあるとそこから菌が入り込みやすくなります。また、温泉やプールなど不衛生な環境で緑膿菌が原因となる「温浴毛包炎」や、マラセチアという真菌が毛包内で増えることで起こる「マラセチア毛包炎」もあります。ただし、主な原因菌は黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌です。
発症すると、毛穴に一致して赤いポツポツ(丘疹)が現れ、やがて膿をもった膿疱に変化します。かゆみや軽い痛みを伴うことが多く、出来やすい場所は首の後ろや太もも、臀部など皮膚が厚い部位です。膿疱が固いしこりに発展すると「せつ」と呼ばれ、さらに周囲に広がると全身症状を伴う「よう」へと進行する場合があります。
化膿性汗腺炎
汗腺や毛包の炎症が慢性化し、膿を伴うしこりやトンネル(瘻孔)が皮下に形成される疾患です。初期にはわきの下や股、臀部、太ももの付け根などに、赤く腫れたおできのような結節(せつ)がポツンと現れます。これが進行すると内部に膿がたまり(膿腫)、さらに炎症が広がると皮膚表面が破れてぷよぷよした膿瘍となり、やがて瘻孔から膿が漏れ出すことがあります。
男性ではわきの下や臀部、女性では胸の下やわき、股が好発部位です。長期化すると皮膚が厚く繊維化し、太いひも状の瘢痕が残ることも多く、痛みや臭い、衣服への汚れのほか、歩行や座位が困難になるなど日常生活への影響が大きくなります。
帯状疱疹
水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によって起こる疾患で、ニキビとはまったく異なります。最初に現れる症状は、皮膚の違和感やピリピリとした痛み、しびれです。その2〜7日後に赤い斑点や小さな盛り上がりが現れ、水ぶくれ(水疱)へと進行します。
発疹と痛みは体の片側、神経の走行に沿って帯状に広がるのが特徴です。水ぶくれは10〜15日でかさぶたになり、約1か月で治りますが、皮疹が消えた後も「帯状疱疹後神経痛」として長引く痛みを残すことがあります。
脂肪腫
皮膚のすぐ下に柔らかい「しこり」として現れる良性の腫瘍です。成長はゆっくりで、直径数ミリ程度のものから10センチ以上に達する大きなものまで幅がありますが、痛みを感じることはほとんどありません。内部は成熟した脂肪細胞でできており、押すとプニプニと弾力を感じるのが特徴です。
ニキビとは異なり、皮膚表面に膿や赤みを伴わず、毛穴とも関係がありません。好発部位は背中や肩、首まわり、次いで太ももやお尻など、身体の深い部分に比べて皮下脂肪が多いところです。顔や手足の先端部には比較的できにくく、発症は中年以降に多い傾向があります。男女差はあまりなく、肥満や特別な生活習慣との関連も明確ではありません。
脇のニキビが気になる場合は放置せず皮膚科を受診しよう
脇のニキビは見えにくい場所だからといって軽視せず、早めに皮膚科を受診して専門家の手でケアしましょう。適切な処置を行うことで炎症の拡大や痛みを抑え、再発防止につながります。
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まとめ
脇にできるニキビは、毛穴のつまりや衣類との摩擦、ムダ毛処理といった日常的な刺激が原因で起こりやすく、自己流ケアでは症状を悪化させてしまうかもしれません。見た目が似ている他の皮膚疾患もあるため、自己判断で放置しないようにしましょう。まずは優しく洗浄して保湿を徹底し、生活習慣を見直してください。それでも気になる場合は、早めに皮膚科で専門的な診断と治療を受けることが大切です。
脇の下にできたしこりや赤み。「これはニキビ?」と思う方も多いかもしれません。実は、脇の下はニキビができやすい部位のひとつです。汗やムダ毛処理による刺激、衣類との摩擦などが原因となり、炎症が起きることがあります。ただし、見た目が似ていても、別の皮膚疾患の可能性もあるため注意が必要です。この記事では、脇の下にできるニキビの原因や自宅でできるケア方法、そして似た病気との見分け方について、医師監修のもとで詳しく解説します。
脇にニキビができやすい理由は
脇の下にニキビができるのは、顔や背中と同様に毛穴の詰まりや皮膚への刺激などが関係しています。汗や皮脂が多く分泌されやすく、衣類との摩擦も起こりやすいため、肌トラブルの原因が重なりやすい部位です。これらの要因が複合的に影響し、ニキビが形成されやすい環境を作り出しています。
脇にニキビができる主な原因
以下のような要因が、脇ニキビの主な原因として挙げられます。
毛穴の詰まり
脇には汗腺や皮脂腺が多く、汗や皮脂がたまりやすい環境です。これらが毛穴に詰まると、細菌が繁殖しやすくなり、ニキビができてしまいます。さらに、制汗剤に含まれるパウダーが毛穴を塞いでしまうことも原因の一つです。
ムダ毛処理による刺激
カミソリや毛抜きによるムダ毛処理は、肌表面に細かな傷をつけてしまう原因の一つです。この傷から細菌が侵入し、炎症を起こしてニキビができることがあります。
摩擦・衣類とのこすれ
脇の皮膚はデリケートで、衣類のこすれやボディタオルによる摩擦でもダメージを受けやすい部分です。汗をかいた後にタオルで強く拭いたり、きつい衣類を長時間着用したりすると、摩擦が刺激となってニキビの原因になることがあります。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンの変動は皮脂分泌を活発にし、毛穴詰まりを起こしやすくします。思春期や生理前後、睡眠不足や不規則な生活などによってホルモンバランスが乱れると、ニキビができやすくなる傾向があります。これは脇の下でも例外ではありません。
ストレスや生活習慣の影響
ストレスは自律神経やホルモンバランスに影響を与え、免疫力の低下や肌荒れを引き起こす原因となります。また、偏った食事や運動不足、寝不足も肌の状態に影響を与えます。
脇ニキビを悪化させるNG行動
脇ニキビができた際、治りを早めるためには、避けるべき行動があります。以下に挙げる行動は、ニキビの悪化を引き起こす原因となるため、できるだけ避けるようにしましょう。
触る・つぶす
触れることで手の雑菌がニキビに触れ、炎症を悪化させる可能性があります。また、つぶすことでニキビが化膿し、最終的にニキビ跡が残ることもあります。気になるからと言って無理に触らないようにしましょう。
こすりすぎ・洗いすぎ
脇の下はデリケートな部位なので、過剰な摩擦や洗浄を避けることが重要です。ゴシゴシと力を入れて洗ったり、強く拭いたりすると、皮膚にダメージを与え、皮脂分泌が増えてニキビが悪化することがあります。
汗を放置する
脇の下は汗腺が多く、汗をかきやすい場所です。汗を放置すると、毛穴が詰まり、細菌が繁殖しやすくなり、ニキビが悪化する原因になります。
制汗剤の過剰使用
制汗剤を使うことで汗や臭いを抑えることができますが、過剰に使用することは良くありません。制汗剤のパウダー成分が毛穴を塞ぎ、毛穴に汚れや汗が詰まる原因となります。
自宅でできる脇ニキビのセルフケア
脇ニキビを予防したり改善したりするためには、日常的に意識して行えるケアが大切です。ここでは、自宅でできる簡単で効果的な脇ニキビのセルフケア方法を紹介します。
隅まで丁寧に洗い、しっかり流す
脇ニキビを予防するためには、脇を洗う際に丁寧にケアすることが重要です。洗うときは、洗浄剤をしっかり泡立てて優しく洗ってください。ゴシゴシ擦らず、優しくなでるように洗うことで、肌への刺激を抑え、毛穴の詰まりを防ぎます。洗い終わったら、十分にすすいで汗や皮脂、制汗剤の成分などを残さないようにしましょう。
保湿を忘れない
脇の下は乾燥しやすいため、洗浄後は必ず保湿をしましょう。保湿を行うことで、肌のバリア機能が強化され、ニキビができにくい状態になります。顔用の化粧水や乳液などを使って、肌に潤いを与えることが大切です。保湿をしっかり行うことで、肌のターンオーバーも正常になり、脇ニキビが治りやすくなります。
ムダ毛処理は前後のケアがポイント
ムダ毛処理をする際は、処理前後のケアをしっかり行うことが重要です。カミソリを使用する場合は、肌を保護するためにワセリンやクリームを塗り、毛の流れに沿って優しく剃りましょう。毛抜きを使う場合は、事前にホットタオルで脇を温めて毛穴を開き、毛が抜けやすくなるようにします。処理後は、肌がダメージを受けているので、化粧水や乳液でしっかり保湿しましょう。
生活習慣を見直す
脇ニキビを予防するためには、スキンケアだけでなく生活習慣も重要です。十分な睡眠を確保し、規則正しい食生活を心がけましょう。ビタミン類やタンパク質をバランスよく摂取することが、肌の健康を維持するために役立ちます。
また、ストレスが溜まらないように自分に合った方法でリラックスする時間を持つことも大切です。生活習慣を見直すことで、肌トラブルを防ぐための土台作りができます。
ニキビではない?見た目が似ている皮膚疾患
ニキビだと思っていたのに、なかなか治らない。そんな場合は、別の皮膚疾患であることが少なくありません。ニキビと間違える可能性のある皮膚疾患の特徴をみていきましょう。
粉瘤
皮膚の下に袋状のポケットができ、その中に皮脂や角質がたまってしこりとなる良性の腫瘍です。初期には痛みや赤みがほとんどなく、小さなしこりとして触れるだけなのでニキビと見分けがつきにくいことがあります。しかし、袋の中で老廃物が増えると徐々に大きくなり、何度も繰り返し炎症を起こすと赤く腫れて痛みを伴うようになります。
触るとしっかりとした硬さが感じられるのが特徴です。粉瘤にはしばしば中央に「へそ」と呼ばれる小さな黒い点(開口部)があり、ここから皮脂が酸化して黒く見えます。
アクネ菌などによるものではないため、市販のニキビ薬では改善せず、再発しやすい点も異なります。炎症や痛みが続く場合は、内容物を出すだけでなく袋ごと外科的に摘出しないと根本的な解決になりません。
毛嚢炎
毛穴の奥にある毛包(毛嚢)に細菌や真菌が侵入して炎症を起こす疾患です。肌に小さな傷やかきむしりがあるとそこから菌が入り込みやすくなります。また、温泉やプールなど不衛生な環境で緑膿菌が原因となる「温浴毛包炎」や、マラセチアという真菌が毛包内で増えることで起こる「マラセチア毛包炎」もあります。ただし、主な原因菌は黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌です。
発症すると、毛穴に一致して赤いポツポツ(丘疹)が現れ、やがて膿をもった膿疱に変化します。かゆみや軽い痛みを伴うことが多く、出来やすい場所は首の後ろや太もも、臀部など皮膚が厚い部位です。膿疱が固いしこりに発展すると「せつ」と呼ばれ、さらに周囲に広がると全身症状を伴う「よう」へと進行する場合があります。
化膿性汗腺炎
汗腺や毛包の炎症が慢性化し、膿を伴うしこりやトンネル(瘻孔)が皮下に形成される疾患です。初期にはわきの下や股、臀部、太ももの付け根などに、赤く腫れたおできのような結節(せつ)がポツンと現れます。これが進行すると内部に膿がたまり(膿腫)、さらに炎症が広がると皮膚表面が破れてぷよぷよした膿瘍となり、やがて瘻孔から膿が漏れ出すことがあります。
男性ではわきの下や臀部、女性では胸の下やわき、股が好発部位です。長期化すると皮膚が厚く繊維化し、太いひも状の瘢痕が残ることも多く、痛みや臭い、衣服への汚れのほか、歩行や座位が困難になるなど日常生活への影響が大きくなります。
帯状疱疹
水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によって起こる疾患で、ニキビとはまったく異なります。最初に現れる症状は、皮膚の違和感やピリピリとした痛み、しびれです。その2〜7日後に赤い斑点や小さな盛り上がりが現れ、水ぶくれ(水疱)へと進行します。
発疹と痛みは体の片側、神経の走行に沿って帯状に広がるのが特徴です。水ぶくれは10〜15日でかさぶたになり、約1か月で治りますが、皮疹が消えた後も「帯状疱疹後神経痛」として長引く痛みを残すことがあります。
脂肪腫
皮膚のすぐ下に柔らかい「しこり」として現れる良性の腫瘍です。成長はゆっくりで、直径数ミリ程度のものから10センチ以上に達する大きなものまで幅がありますが、痛みを感じることはほとんどありません。内部は成熟した脂肪細胞でできており、押すとプニプニと弾力を感じるのが特徴です。
ニキビとは異なり、皮膚表面に膿や赤みを伴わず、毛穴とも関係がありません。好発部位は背中や肩、首まわり、次いで太ももやお尻など、身体の深い部分に比べて皮下脂肪が多いところです。顔や手足の先端部には比較的できにくく、発症は中年以降に多い傾向があります。男女差はあまりなく、肥満や特別な生活習慣との関連も明確ではありません。
脇のニキビが気になる場合は放置せず皮膚科を受診しよう
脇のニキビは見えにくい場所だからといって軽視せず、早めに皮膚科を受診して専門家の手でケアしましょう。適切な処置を行うことで炎症の拡大や痛みを抑え、再発防止につながります。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
忙しくて外出が難しい場合でも、スマートフォンやパソコンを使って自宅から専門医の診察を受けられるのがオンライン診療の大きなメリットです。通勤・育児・仕事の合間など、ライフスタイルに合わせて利用できるオンライン診療を活用して、早めにきちんと治療を始めましょう。
オンライン診療とは
オンライン診療は、インターネットに接続できるスマートフォンやタブレット、パソコンを用いて、自宅や職場から医師の診察を受けられる医療サービスです。予約から問診、診断、処方箋発行、支払いまですべてオンラインで完結できるため、通院の手間を大幅に削減できます。ビデオチャット機能を通じて皮膚の状態や症状を医師に直接見せることで、対面診療とほぼ同等の質の高い診察が可能です。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKUはオンライン診療をよりスムーズに行えるサービスです。アプリ上での予約から問診、ビデオ通話による診察、処方箋の発行、さらにはお薬の受け取り手続きまで一連の流れをワンストップでサポートしてもらえます。
お気に入りのクリニックや提携薬局を登録できるほか、紙の手帳をデジタル化したお薬手帳機能も搭載しているため、再診時でも便利です。全国どこからでも当日または翌日には薬を自宅や指定の薬局で受け取れるため、忙しい方や外出が難しい方も安心して利用できます。
まとめ
脇にできるニキビは、毛穴のつまりや衣類との摩擦、ムダ毛処理といった日常的な刺激が原因で起こりやすく、自己流ケアでは症状を悪化させてしまうかもしれません。見た目が似ている他の皮膚疾患もあるため、自己判断で放置しないようにしましょう。まずは優しく洗浄して保湿を徹底し、生活習慣を見直してください。それでも気になる場合は、早めに皮膚科で専門的な診断と治療を受けることが大切です。
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
1.
当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
2.
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3.
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4.
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