【医師監修】生理前にできるニキビの原因は?ホルモンとの関係をわかりやすく解説


更新日:2025年06月10日

生理前にニキビができやすくなる理由
ニキビが生理前に集中してできるのは、ただの偶然ではありません。実際には、体の中で起きているホルモンの変化や、自律神経の乱れ、代謝の低下などが複雑に絡み合っています。肌表面で起きていることだけでなく、内側で起きている生理的な変化を理解することで、原因を知ることができます。
ホルモンバランスの変化と皮脂分泌の関係
生理前には、女性ホルモンのひとつである「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の分泌が増えます。このホルモンは、体を妊娠に備えた状態に整えるために働きますが、同時に皮脂の分泌を促進する作用も持っています。その結果、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビができやすくなってしまうのです。
また、生理周期が乱れることで肌のターンオーバー(肌の生まれ変わり)が滞ることもあります。肌が古い角質をうまく排出できなくなると、毛穴詰まりが起こりやすくなり、ニキビの原因になります。
黄体ホルモンが与える肌への影響
黄体ホルモンの増加は、肌以外にもさまざまな影響を及ぼします。例えば、体が水分や栄養をため込みやすくなることで、むくみやすくなったり、精神的に不安定になったりする人もいます。こうした変化は生活習慣にも影響を与え、結果として肌トラブルが悪化しやすくなることもあるのです。
黄体ホルモンには平滑筋の運動を抑制する作用があり、腸蠕動が低下して便秘になりやすくなります。便秘によって腸内環境が悪化すると、腸内フローラの乱れによる全身性の炎症や免疫バランスの変化が、肌の状態に影響を及ぼす可能性があります。
ストレスや睡眠不足によるホルモンの乱れ
ホルモンバランスは、ストレスや睡眠の質にも大きく左右されます。強いストレスや睡眠不足が続くと、自律神経が乱れ、女性ホルモンの分泌も不安定になりやすくなります。その結果、肌のターンオーバーが乱れ、古い角質が残りやすくなるため、ニキビができやすくなる原因です。
また、肌のバリア機能も低下しやすく、乾燥しやすくなることで、外部からの刺激に敏感になり、さらにトラブルが悪化することもあります。
生理前のニキビが出やすい部位と特徴
生理前にできるニキビには、できやすい場所や症状にいくつかの特徴があります。ホルモンバランスの影響を受けやすい部位に集中して現れる傾向があり、同時に肌の乾燥やバリア機能の低下といった変化も見られます。「できやすさ」だけでなく、どこに、どのように出るのかを知ることで、早めのケアや予防につなげましょう。
フェイスライン・顎・眉間などにできやすい
顎やフェイスライン、頬、眉間は、髭や眉毛が生えるエリアで、男性ホルモンの影響を受けやすい部位です。黄体ホルモンの分泌が増える生理前は、皮脂の分泌が活発になりやすく、毛穴の詰まりや炎症を引き起こすことで、赤く目立つニキビができやすくなります。顔だけでなく、背中や胸元などの「体幹部」も男性ホルモンの影響を受けやすく、生理前に悪化しやすい場所です。
肌の乾燥やバリア機能の低下が関連
生理前はホルモンの変化によって肌のコンディションも不安定になり、乾燥や肌荒れが起こりやすくなります。卵胞ホルモンの分泌が減るタイミングでは、肌のうるおいやバリア機能が低下しやすく、外部刺激に敏感な状態になります。乾燥した肌は、ちょっとした刺激にも反応しやすく、ニキビや皮膚炎といったトラブルの引き金になるため注意しましょう。
生理前のニキビを予防する方法
毎日の生活習慣やスキンケアを見直すことで、予防・改善を目指せます。
しっかり保湿する
生理前は肌のバリア機能が低下しやすく、乾燥しやすい時期です。洗顔後はすぐに保湿を行い、水分と油分のバランスを整えてください。化粧水で肌にしっかり水分を与えたあと、乳液やクリームでうるおいをキープしましょう。皮脂が多いTゾーンなどは油分の多い保湿剤を避け、乾燥しやすい部分には適切な保湿を行うのが効果的です。
ビタミン・ミネラルを意識した食事
ニキビ予防には、ビタミンB群やビタミンC、亜鉛などのミネラルを含む食品を意識して取り入れましょう。過度なダイエットや食事抜きは栄養不足を招き、かえって肌荒れやニキビの原因になります。1日3食、バランスの良い食事をとることが基本です。
睡眠を十分にとる
睡眠中には、皮膚の修復を促す成長ホルモンが多く分泌されるため、しっかりと休息を取ることが大切です。理想は毎日同じ時間に寝起きすること。夜更かしを控え、朝は日光を浴びて体内時計をリセットする習慣をつけましょう。
ストレスをためない
生理前にイライラしやすくなるのもホルモンの影響ですが、過度なストレスが重なるとニキビが悪化しやすくなります。気分転換できる時間を意識的にとったり、軽い運動や趣味に取り組むなど、自分に合ったストレス解消法を見つけてみましょう。
生理周期にあわせたスキンケア
肌の状態は生理周期によって大きく変化します。時期ごとにスキンケアを調整することが効果的です。
生理中
肌が敏感になりやすい時期なので、低刺激でシンプルなケアを。無理に新しいアイテムを使うのは避けましょう。
卵胞期(生理後〜排卵)
肌の調子が安定する時期になります。角質ケアや毛穴ケアなど、少し攻めたケアを取り入れるのもおすすめです。
黄体期(排卵後〜生理前)
皮脂分泌が増えてニキビができやすくなる時期です。しっかり保湿しつつ、過剰な油分ケアは避けましょう。
間違ったケアがニキビを悪化させる
間違ったケアはかえって悪化したり、ニキビ跡が残ってしまう原因になります。
潰す
ニキビを無理に潰したり膿を出そうとすると、雑菌が入りやすくなり、炎症が悪化したり色素沈着・凸凹などのニキビ跡につながるリスクがあります。
何度も洗う
過度な洗顔は、必要な皮脂まで取り除いてしまい、かえって肌の乾燥やバリア機能の低下を招きます。乾燥を補おうとして皮脂分泌が増え、ニキビが悪化するという悪循環に注意しましょう。
髪やメイクで隠す
マスクや髪の毛で隠してしまうと、蒸れや摩擦で刺激が加わり、症状を悪化させてしまうことがあります。また、ファンデーションなどの油分を含むメイクアイテムを重ね塗りするのも、毛穴詰まりやアクネ菌の増殖を招く原因になります。
ニキビは放置せずに皮膚科を受診しよう
ニキビは自然に治ることもありますが、放置してしまうと炎症が進んだり、ニキビ跡が残ってしまう可能性があるため、皮膚科での診察を受けましょう。早めに適切な治療を受けることで悪化を防ぎ、肌トラブルの長期化も避けられます。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
「病院に行きたいけれど、仕事や家事でなかなか時間が取れない…」そんな方には、オンライン診療という選択肢があります。ニキビのように慢性的に悩む症状には、継続したケアが必要なことも多いため、オンライン診療を上手に活用することで、早期改善を目指せます。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンなどのインターネット接続されたデバイスを通じて、自宅にいながら医師の診察を受けられる医療サービスです。予約、問診、診察、薬の処方や支払いまですべてオンラインで完結します。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKUは、オンライン診療に特化したサービスで、アプリを使って簡単に診察の予約から薬の受け取りまで行えます。お気に入りのクリニックや薬局を登録できるほか、専門スタッフによるサポートも充実しています。
お薬手帳をデジタルで管理できる機能もあり、利便性が高いのが特長です。全国どこでも、診察後に当日または翌日にはお薬を受け取れるため、忙しい方にとって心強いサービスといえます。
まとめ
生理前にできるニキビは、ホルモンバランスの変化によって皮脂分泌が増えたり、肌のバリア機能が弱まることが主な原因です。日頃のスキンケアや生活習慣を見直すことに加えて、生理周期に応じた肌対策を取り入れることで、予防や改善につながります。悪化を防ぐためには、自己流のケアを避け、必要に応じて皮膚科で適切な治療を受けることも重要です。繰り返すニキビとうまく付き合いながら、健やかで安定した肌を目指しましょう。

医師
五藤 良将

この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
- 当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
- 当コラムにおいて、医療及び健康管理関連の資格を持った方による助言、評価等を掲載する場合がありますが、それらもあくまでその方個人の見解であり、前項同様に内容の正確性や有効性などについて保証できるものではありません。
- 当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。
- 前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は一切責任を負うものではありません。


SOKUYAKUの使い方
-
STEP1
診療予約
-
STEP2
オンライン問診
-
STEP3
オンライン診療
-
STEP4
オンライン服薬指導
-
STEP5
おくすり配達
※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。