【医師監修】ニキビが膿でパンパンに腫れる原因とNG行動は?クレーターにならないための対処法


更新日:2025年06月10日

パンパンに膿んだニキビの正体は「黄ニキビ」
赤く腫れ、膿がたまってパンパンになったニキビは、見た目にもつらく、強い痛みを感じることがあります。この状態のニキビは「黄ニキビ」と呼ばれ、ニキビの中でも炎症が進行し、最も重症化した段階です。
黄ニキビとは?
一般的にニキビは、段階的に進行します。まず皮脂が毛穴に詰まる「白ニキビ」、その詰まりが酸化して黒く見える「黒ニキビ」、炎症が起こる「赤ニキビ」、そして炎症がさらに悪化して膿がたまった「黄ニキビ」と進んでいきます。つまり、黄ニキビはニキビの中でも重度の症状といえるのです。
黄ニキビは赤みや腫れが強く、中心部に膿がたまっているため、黄色や白っぽく見えるのが特徴です。この膿は、細菌の感染と炎症の結果としてできるもので、自然に治るのが難しくなってきます。
炎症と膿が溜まる仕組み
黄ニキビができる要因は、毛穴の詰まりと、そこで増殖するアクネ菌の影響です。皮脂の分泌が増えると毛穴が詰まりやすくなり、その中でアクネ菌が繁殖すると炎症が起きます。さらに炎症が悪化すると、膿が発生して患部が赤く腫れ上がり、やがて黄ニキビになります。
この段階では、アクネ菌に加えて黄色ブドウ球菌といった他の細菌も関与し、炎症が真皮層にまで及ぶこともあるため、ニキビ跡が残りやすいのが特徴です。
膿がパンパンのニキビができる原因
黄ニキビができるのには、いくつかの要因が関わっています。主な原因について見ていきましょう。
アクネ菌や黄色ブドウ球菌の増殖
毛穴に皮脂がたまることで、アクネ菌が増殖しやすい環境が生まれます。アクネ菌が繁殖すると、炎症を引き起こし、ニキビが赤く腫れてきます。この状態がさらに悪化すると、黄色ブドウ球菌などの他の細菌も増え、患部が化膿しやすくなります。これが、膿がパンパンに溜まった黄ニキビへと進行する原因のひとつです。
毛穴詰まりと皮脂分泌の悪化
皮脂の分泌量が多くなると、毛穴が詰まりやすくなります。詰まった毛穴は皮脂が排出できなくなり、内部に皮脂や汚れが溜まってしまいます。この状態が続くと、ニキビの原因菌であるアクネ菌が活性化し、炎症を引き起こして黄ニキビに発展するのです。皮脂の過剰分泌には、ホルモンバランスの乱れや思春期の影響などが関係しています。
食事、睡眠、ストレスの影響
食生活の乱れや睡眠不足、ストレスの蓄積も、黄ニキビを悪化させる要因です。これらは体のホルモンバランスや皮脂分泌に影響を与えるため、ニキビの発生や悪化を助長します。
さらに、免疫力が低下すると、細菌への抵抗力も弱まり、炎症が広がりやすくなることがあります。
洗顔のしすぎや肌を強くこするなどの間違ったスキンケアも、肌のバリア機能を損ない、黄ニキビの原因になることがあるため注意が必要です。
膿んだニキビで絶対NGな行動
間違ったケアをしてしまうと、症状が悪化したり、ニキビ跡が残ってしまうリスクが高まります。ついやってしまいがちなNG行動を知って、肌を守るための正しいケアを心がけましょう。
潰す
膿んだニキビを見ると、つい指や爪で潰してしまいたくなるかもしれません。しかし、自分でニキビを潰すと、皮膚の組織が壊れてしまい、クレーター状のニキビ跡が残ることがあります。また、手には多くの雑菌がついているため、炎症がさらに悪化するおそれもあるのです。膿を無理に出そうとせず、治りが遅いと感じる場合は皮膚科で適切な処置を受けましょう。
メイクや髪で隠す
ニキビを隠したくて、ファンデーションを厚く塗ったり、前髪で覆ったりする方もいるかもしれません。しかし、これらはニキビ部分を蒸れさせて悪化させる原因になります。
膿んだニキビにはできるだけ刺激を与えず、メイクを控えるのが理想的です。どうしてもメイクが必要な場合は、刺激の少ないアイテムを使い、クレンジングでやさしく落とすよう心がけましょう。
過剰に洗顔する
ニキビは毛穴の詰まりが原因だからといって、1日に何度も洗顔をするのは逆効果です。洗いすぎると肌に必要な油分まで失われ、乾燥によってかえって皮脂分泌が活発になり、ニキビが増えたり悪化することがあります。
市販薬で様子をみる
薬局で手軽に購入できる市販薬は便利ですが、すべてのニキビに合うわけではありません。膿んだニキビは炎症が強くなっているため、自己判断での薬の使用はかえって肌に負担をかけてしまう場合があります。
放置する
「そのうち治るだろう」と思って膿んだニキビを放置するのもNGです。炎症が続くと色素沈着や凹凸のあるニキビ跡になりやすく、回復にも時間がかかってしまいます。
パンパンに腫れたニキビが潰れたときの対処方法
黄ニキビは膿が溜まりパンパンに腫れることが多く、無意識のうちに潰れてしまうこともあります。潰してしまった直後の肌はとてもデリケートな状態です。以下の応急処置を参考に、正しいケアを行いましょう。
膿や血液はふき取る
まずは出てきた膿や血液を清潔なティッシュやガーゼで優しく拭き取りましょう。強く擦るのではなく、優しく押さえるようにして吸い取るのがポイントです。膿が広がってしまうと、周囲に新たなニキビができてしまう原因にもなるため、丁寧に行いましょう。
ティッシュで拭き取る際は、膿や血を周囲に広げないように、内側から外側に向かって拭くようにしてください。血がなかなか止まらない場合は、清潔なガーゼで押さえておくと良いでしょう。
清潔にする
膿や血を拭き取った後は、患部をぬるま湯でやさしく洗い流して清潔に保ちましょう。石けんを使うとしみたり刺激になることがあるため、水のみで洗い流すのがベストです。
顔全体を洗う必要はありませんが、ニキビができた部分には手を清潔にしてから触れるようにしてください。水分を拭き取る際も、雑菌がつきにくい使い捨てのペーパータオルやタオルティッシュの使用がおすすめです。摩擦は禁物なので、優しく押さえるように水分を取るようにしましょう。
保護する
洗浄後は、ワセリンなどでしっかり保湿をし、絆創膏などで軽く保護してあげましょう。傷口は乾燥しやすく、外部刺激を受けやすいため、保護しておくことで治りを早める効果が期待できます。
翌日以降は、赤みやかさぶたの状態を見ながら、ニキビ跡を予防するための薬(アダパレンなど)を塗布するのも有効です。ただし、患部に刺激を感じた場合は無理に使わず、医師に相談しましょう。
メイクは傷が塞がるまで控えるのが理想ですが、やむを得ずメイクをする場合は、低刺激でノンコメドジェニック処方のものを選び、丁寧に落とすようにしてください。
黄ニキビを繰り返さないためのセルフケア
黄ニキビは、適切なケアを怠ると繰り返してしまう可能性があります。再発を防ぐためには、日々の生活の中で肌に優しい習慣を取り入れることが大切です。
正しいスキンケア
洗顔は清潔な手でやさしく行い、しっかり泡立てた洗顔料を使って、肌に摩擦を与えないよう丁寧に洗い流しましょう。すすぎ残しがあると刺激になるため、ぬるま湯で十分に洗い流すことが大切です。
洗顔後は、必ず保湿を行って肌の水分バランスを整えてください。乾燥は皮脂の過剰分泌を引き起こすため、ニキビを悪化させる要因になります。ニキビが気になる方は、刺激の少ないものを選びましょう。
バランスの良い食事
脂質や糖質の多い食事は皮脂の分泌を活発にさせ、毛穴詰まりの原因となります。インスタント食品やスナック菓子などはできるだけ控え、野菜、果物、魚、大豆製品などを中心とした栄養バランスの良い食事を心がけましょう。肌のターンオーバーを促すビタミンCや皮脂分泌を整えるビタミンB群なども意識して取り入れることが、ニキビの予防に役立ちます。
睡眠をしっかりとる
質の良い睡眠は、肌の回復にとって欠かせません。睡眠中には成長ホルモンが分泌され、肌細胞の修復や再生が行われます。夜更かしや不規則な睡眠が続くとターンオーバーのリズムが乱れ、ニキビの治りが遅くなる原因にもなります。毎日なるべく同じ時間に寝起きし、十分な睡眠時間を確保することを意識しましょう。寝つきが悪い場合は、ぬるめのお湯に浸かってリラックスするなど、就寝前の環境づくりも大切です。
ストレスをためない
ストレスはホルモンバランスを乱し、皮脂の分泌を増やす要因となるため、ニキビを悪化させる一因です。仕事や人間関係でストレスを感じたときは、早めにリフレッシュする時間を確保しましょう。
趣味に没頭したり、軽い運動や深呼吸、家族や友人との会話など、自分に合った方法でストレスを発散することが大切です。気づかないうちにストレスが蓄積していることもあるので、定期的に心と身体を整える時間を持つよう心がけましょう。
皮膚科での治療法
ここでは、皮膚科でよく行われる代表的な治療法について紹介します。
塗り薬
塗り薬には、ニキビの種類や症状に応じたさまざまなタイプがあります。市販薬よりも有効成分の濃度が高く、効果的に炎症を抑えたり、毛穴詰まりを改善したりします。
例えば、「アダパレン」はターンオーバーを整えて毛穴の詰まりを防ぎ、「過酸化ベンゾイル」はアクネ菌を殺菌する作用がある塗り薬です。これらを組み合わせた薬も多く使われており、継続的な使用でニキビの再発予防にもつながります。
飲み薬
炎症の強い黄ニキビや広範囲にわたる場合には、塗り薬に加えて飲み薬が処方されることがあります。抗生物質は、アクネ菌の増殖を抑えて炎症を鎮める効果があります。さらに、漢方薬やビタミン剤が補助的に用いられることもあります。内服薬は体の内側から働きかけるため、外用薬だけでは効果が不十分な場合に有効です。
ケミカルピーリング
保険適用外ですが、有効な治療方法の一つです。グリコール酸などの成分を肌に塗布し、古い角質をやさしく取り除くことで毛穴の詰まりを解消し、肌のターンオーバーを促進します。継続的に受けることで、ニキビができにくい肌質を目指すことも可能です。
膿がパンパンのニキビは痕になる前に早めに皮膚科へ
膿がたまったニキビは、すでに炎症が進んでいる状態であり、放置してしまうとニキビ跡が残るリスクが高くなります。無理につぶしたり、市販薬だけで済ませたりせず、できるだけ早い段階で皮膚科を受診しましょう。専門的な治療を受けることで、炎症の早期改善や再発予防、そしてニキビ跡の軽減が期待できます。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
「仕事や学校で忙しくて、皮膚科に行く時間がない」「近くに信頼できるクリニックがない」といった理由で通院をためらっている方には、オンライン診療という選択肢もあります。
オンライン診療とは
オンライン診療は、インターネットに接続されたスマートフォンやパソコンなどのデバイスを使って、医師の診察を受けられるサービスです。自宅や職場など好きな場所からビデオ通話を通じて医師と会話できるため、待ち時間や移動の手間を省けます。診察後は処方箋が発行され、薬局での受け取りや配送も選べるなど、すべてをオンラインで完結させることが可能です。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKUは、オンライン診療をスムーズに行えるアプリ型サービスです。診察の予約、診療、薬の受け取りまで一連の流れがスマートフォンひとつで完結し、時間がない方でも簡単に利用できます。
お気に入りのクリニックや薬局の登録ができるほか、薬の配送も当日または翌日に対応しており、スピーディーな受け取りが可能です。サポート体制も整っているため、初めての方でも安心して利用できます。
まとめ
膿がたまり腫れ上がった黄ニキビは、炎症がかなり進行している状態です。そのまま放置したり、自分で潰してしまったりすると、ニキビ跡やクレーターなどの肌トラブルにつながる恐れがあります。自己流で対処するのではなく、正しいスキンケアと生活習慣の見直し、そして早めの皮膚科受診による適切な治療が重要です。悪化を防ぎ、なめらかな肌を取り戻すためにも、正しい知識を持って丁寧に向き合っていきましょう。

医師
高藤 円香

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※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。
ただ、潰してしまうとそこから感染のリスクが増えたり、クレーターになる可能性が高くなります。早めに治療を開始すること、治療により再発を防ぐことが大切です。ニキビに悩まれている方は良いケアの方法を見つけてくださいね。