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シミ取りは皮膚科と美容外科どちらに行くべき?それぞれの特徴や治療内容について詳しく解説

監修医師 高藤 円香
更新日:2025年01月8日

更新日:2025年01月8日

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シミは紫外線や加齢、ホルモンバランスの乱れなどが原因で発生し、種類によって治療方法が異なることがあります。シミの改善を目指す際に「皮膚科」と「美容外科」どちらに行くべきか迷う方も多いでしょう。この記事では、それぞれの特徴や治療内容、メリット・デメリット、さらにアフターケアの方法について詳しく解説します。

そもそもシミとは

しみ(色素斑)は、主に紫外線を浴びることや年齢を重ねることでできる茶色い斑点のことです。中高年の方に多く見られ、顔や手などによく現れます。

シミができる原因

皮膚の最も外側にある表皮は、肌を守ることが重要な役割です。表皮の中にはケラチノサイト(表皮細胞)とメラノサイト(色素細胞)という細胞があります。紫外線を浴びると、メラノサイトがメラニンという色素を生成し、このメラニンがケラチノサイトに移動して細胞核を保護するのです。

 

皮膚の細胞は約6週間の周期で新しい細胞に生まれ変わり、古い細胞は自然にはがれ落ちます。これがターンオーバーです。メラニンが過剰に作られたり、ターンオーバーのリズムが乱れたりすると、メラニンが肌に残ってシミになってしまいます。

紫外線

シミができる主な原因は、紫外線です。紫外線には2種類ありますが、シミの主な原因となるのは「UVB」と呼ばれる紫外線になります。UVB波長が短くエネルギーの強い光です。肌の表面に直接届きやすく、強いダメージを与えます。その結果、肌はメラニン色素を大量に生成し、それがうまく排出されないとシミになってしまいます。

 

もう一つの紫外線、「UVA」は日常の柔らかな日光のような光です。UVAは、UVBほど肌に直接的なダメージを与えません。しかし、全紫外線の約95%を占めており、長期間照射されることで肌の内部に浸透し、メラニンを生成してシミを引き起こす可能性があります。

加齢

年齢を重ねると、肌の新陳代謝が遅くなり、不要なメラニン色素を体外に排出しにくくなります。その結果、メラニンが肌に長期間留まり、シミとして定着することがあります。

 

加齢によるシミは、長年紫外線を浴び続けたことが原因です。紫外線の影響で肌細胞がダメージを受け、メラニンが過剰に生成されるため、シミが生じやすくなります。

ホルモンバランスの乱れ

女性ホルモンのバランスの乱れは、特に肝斑(かんぱん)と密接に関連しています。女性ホルモンは、プロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)の2種類です。このうち、プロゲステロンはプラスミンという物質を刺激し、メラニンの生成を促進します。つまり、肌が黒ずむ可能性が高くなるのです。

 

プロゲステロンは、排卵後の約2週間や妊娠中に特に多く生成されます。また、経口避妊薬(ピル)を使用することでも多く生成されます。これらの期間や状況では、肌が黒ずみやすいため、なるべく紫外線を避ける方が良いでしょう。

生活習慣やストレス

生活習慣の乱れはシミができる要因のひとつです。たとえば、睡眠不足や栄養バランスが悪い食事、運動不足などが続くと、肌の調子が悪くなります。生活習慣の乱れは、肌の再生サイクル(ターンオーバー)を乱してしまうため、メラニン色素の排出が滞り、色素が肌の内部に溜まってシミが現れるのです。

 

喫煙

タバコを吸うことで、体内のビタミンCが多く消費されてしまいます。ビタミンCは、メラニンの生成を抑える働きがあるため、不足するとシミができやすくなります。ビタミンCはシミのない肌を保つために非常に重要な成分なのです。ビタミンCには既にできてしまったシミを薄くしたり、細胞の老化を遅らせたりする効果もあります。

 

ストレス

ストレスを感じると、ホルモンバランスが乱れやすくなり、肌のターンオーバーにも悪影響を及ぼします。また、ストレスが酸化物質である活性酸素を増やし、それが肌にダメージを与えることもあるのです。ストレスが強くなってしまうと、睡眠不足が続くかもしれません。その場合、ホルモンバランスがさらに崩れ、肌の再生サイクルが乱れてしまいます。結果として、メラニンが皮膚に留まりやすくなり、シミができやすくなります。

誤ったスキンケア

過剰なスキンケアにも注意が必要です。洗顔やスキンケアをしすぎると、肌のターンオーバーが乱れてしまいます。たとえば、必要以上に保湿力の高い美容液やクリームを使うと、肌が甘やかされて自己再生力が弱まります。その結果、ターンオーバーがうまくいかず、シミができやすくなるのです。

 

また、強くこすりすぎる洗顔やマッサージも肌にダメージを与えるため避けましょう。ターンオーバーやメラニン色素の生成に悪影響を及ぼし、シミができやすくなります。

 

肌のターンオーバーが滞ると、普段の日差し(紫外線A波)でも色素沈着が起こりやすくなります。つまり、日常の紫外線を浴びるだけでもシミができやすくなってしまうのです。

シミの種類

シミにはさまざまな種類があり、特徴も異なります。

老人性色素斑

老人性色素斑は、年齢を重ねると現れるシミで、日光によるダメージや加齢が主な原因とされています。このシミは、30代頃から徐々に目立つようになりますが、若い人でも発生することがあり、性別も関係ありません。

 

老人性色素斑は茶色い色をしていることが多く、境界線がはっきりしているのが特徴です。シミができる場所はさまざまで、顔全体に広がることもあれば、特定の部分に集中することもあります。たとえば、日光が当たりやすい手の甲や腕にも出現することが一般的です。

そばかす

そばかすは、肌にできる小さな茶色い斑点です。これは遺伝の影響を受けやすく、子どもでも見られます。また、紫外線を浴びると色が濃くなることがあります。

 

顔の頬や鼻ができやすい場所です。ただし、背中や手などにも現れます。多くの部分に広がる傾向があり、他のシミと比べて一つ一つの大きさが小さいのが特徴です。また、女性に多く見られます。季節によって、そばかすの色が濃くなったり薄くなったりすることもあります。

肝斑

肝斑(かんぱん)は、特に30代以降の女性に見られる肌のシミです。ただし、男性に全く現れないわけではありません。このシミは、頬の上部に現れることが多く、左右対称に現れるのが特徴です。色は比較的薄いですが、広い範囲に広がることや、大きなシミとして現れることもあります。

 

原因は完全には解明されていません。紫外線、肌への刺激、炎症、ホルモンバランスの乱れなどが影響していると考えられています。また、体質が関係していることも少なくありません。

後天性真皮メラノサイトーシス

思春期以降に顔の特定の部分に現れる青色や灰色のシミのことです。このシミは、頬骨や目尻、下まぶた、額などに現れ、両側対称に広がることが特徴になります。そのため、見た目から加齢によるシミやそばかす、肝斑などと間違えるかもしれません。

 

日本人や中国人の女性に多く見られますが、男性にも発生することがあります。主に1〜3mmほどの小さな点状のシミとして現れます。このシミは後天的に発生し、特に思春期以降に目立ち始めることがほとんどです。

色素沈着

肌がダメージを受けたあとにできるシミのことで、日焼けや怪我、ニキビ、火傷のあとにできることが多いです。軽いものであれば時間の経過とともに消えることがありますが、体質や生活習慣によって異なります。大きな傷ができたり、同じ箇所に何度も炎症が起こると、長期間シミが残ることもあります。

 

顔や体のどの部分にも現れることがあるのが特徴です。シミの色や形は原因によって異なり、たとえば虫刺されやかぶれの後にもシミができることがあります。

脂漏性角化症

脂漏性角化症は、老人性イボとしても知られています。年齢を重ねるとできやすくなりますが、発症の理由ははっきりと分かっていません。遺伝の影響が大きいと考えられており、また紫外線も一因とされています。

 

この症状は主に顔やこめかみに現れますが、体のどこにでも発生する可能性があります。最初は平らなシミが見られますが、時間が経つと盛り上がってくるのが特徴です。そして、褐色や黒色に変わり、さまざまな大きさになります。

シミ取りは皮膚科と美容外科どちらに行くべき?

保険が使えるシミの治療なら、皮膚科に行きましょう。ただし、シミに対する治療は、全てには保険が効きません。そのため、保険が使えないシミを治療したい場合は、美容外科を選択するのも一つです。

 

普通の皮膚科でも保険が効かない治療を受けられますが、美容外科の方が、シワ取りなどの設備が整っていることが一般的です。そのため、自由診療を選ぶ場合、美容外科の方が治療の方法が豊富になります。

 

どの治療を受けたいか、そしてどこで受けるかを考える際に、それぞれのクリニックの特長を理解しておくことが重要です。

皮膚科でのシミ取り方法

皮膚科で受けられるシミ取り治療は、主に内服薬と一部のレーザー治療です。また、塗り薬を使うこともあります。

 

処方されるのは成分に「ビタミンC」「ビタミンE」「L-システイン」「トラネキサム酸」が含まれている内服薬です。ビタミンCはメラニン色素の生成を抑え、既に黒くなったメラニンを元に戻す作用があります。ビタミンEはビタミンCの効果を助け、L-システインは肌の新陳代謝を促進し、トラネキサム酸はメラニンの活性化を抑える効果があります。

皮膚科のメリット・デメリット

皮膚科のシミ取り治療には費用面でのメリットがありますが、治療の選択肢が限られる点に注意しないといけません。

 

メリットは、保険が適用される場合に治療費を抑えられることです。たとえば、事故などでできたシミや、生まれつきあるシミは保険の対象となることがあります。病院によって方針が異なることもありますが、希望に応じて、保険の範囲内で治療法を提案してくれることが一般的です。

 

デメリットとしては、保険が適用される治療法に限定されるため、選択肢が少なくなるかもしれません。また、保険が適用されない治療法を選択した場合、美容外科よりも治療費が高くなることがあります。

美容外科のシミ取り方法

美容外科では、シミの種類や大きさに合わせて、レーザー治療やピーリングなどの方法でシミ取りを行います。レーザーの種類が多いことが特徴です。一般皮膚科でもシミに対するレーザー治療は行われますが、使用できるレーザーの種類は限られています。一方、美容外科では、保険適用外のさまざまなレーザー治療や光治療を選べます。

 

どの種類のシミにどのレーザーを照射するのか、光治療が適しているのかなど、迷うかもしれません。効果的な治療を選択するために、専門的な知識を持った医師の診察が必要です。

美容外科のメリット・デメリット

美容外科のシミ取り治療は選択肢が多く、効果的な治療が受けられる一方で、費用や信頼性に注意が必要です。

 

美容外科のシミ取り治療では、たくさんの治療方法が選べるという点がメリットになります。シミ取りだけでなく、肌の他の悩みについても一緒に相談できるのも魅力です。

 

一方で、最先端の技術や機器を使った治療は費用が高くなることがあります。安価な治療を提供する美容外科もありますが、費用だけで選ぶのはリスクがあるかもしれません。信頼できる美容外科を選ぶことが重要です。

シミ治療が保険適用になる条件

シミ治療は一般的には、高額になると思うかもしれません。しかし、シミの除去にも健康保険が適用されることがあります。特に、太田母斑や扁平母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着など、シミというよりもアザや外傷によるものには、保険診療が適用されます。これらの治療は、トラネキサム酸やビタミンCなどの内服薬の処方や一部のレーザー治療です。

 

一方で、美容を目的としたシミの治療は基本的に保険の適応外になります。たとえば、老人性色素斑やそばかす、肝斑、炎症後色素沈着などは、美容のために薄くしたり消したりする場合、保険が適用されません。

皮膚科や美容外科でのシミ取り治療後のアフターケア方法

シミ治療を受けた後の肌ケアについて、以下の点に注意してください。

 

保護する

レーザーを当てた後の肌はとても敏感で、軽い火傷を負った状態です。治療後は必ず保護テープを貼り、照射部位をしっかり守りましょう。かさぶたが早く剥がれてしまうと、色素沈着が起こる可能性があるので注意が必要です。

 

刺激をさける

治療部位に刺激を与えないことも重要です。気になるかもしれませんが、触ったり、こすったりしないように心がけましょう。刺激を与えると、シミや色素沈着が再発する原因となります。

 

スキンケアを行う際も、特に摩擦に気をつけてください。治療当日でも洗顔は可能ですが、強くこすらず、優しく泡で洗うようにしましょう。スクラブ洗顔は避けるべきです。

 

紫外線対策

紫外線対策は重要です。保護テープを外した後も、紫外線から肌を守るために日焼け止めをしっかり塗ることを忘れないでください。紫外線に当たるとシミが再発しやすくなります。

シミが気になる場合は医師に相談しましょう。

シミが気になる場合には医師に相談しましょう。シミと思っていても他の病気の可能性もあります。シミが普段日光に当たらない場所にできた場合や、シミの部分がただれてきた場合には注意が必要です。また、平らだったシミが徐々に盛り上がってきたり、短期間で目立って大きくなったりする場合、痛みやかゆみを感じる場合も診てもらいましょう。早めに医師に相談することで、適切な診断と治療を受けられます。

忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ

シミが気になるけど、日々忙しくて医療機関に足を運ぶ時間が取れないこともあるでしょう。そんな場合には放置せず、オンライン診療がおすすめです。

オンライン診療とは

オンライン診療について

 

オンライン診療とは、インターネットを介して医師の診察を自宅で受けられるサービスのことです。スマートフォンやパソコン、タブレットなどのデバイスを利用して、ビデオチャットを通じて医師と直接会話できます。診察の予約から問診、診断、薬の処方箋発行や支払いまで、すべてをオンライン上で完結することが可能です。

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SOKUYAKU(ソクヤク)というサービスでは、アプリを通じてオンライン診療を簡単に行えます。予約から薬の受け取りまでの手続きがスムーズで、困った場合には専門スタッフのサポートが受けられます。

 

お気に入りのクリニックや薬局の登録機能もあり、デジタルのお薬手帳を利用して管理することも可能です。全国どこでも当日または翌日にお薬を受け取れることも特徴になります。

まとめ

シミ取り治療は、皮膚科では保険適用の場合もあり気軽に相談しやすく、美容外科では専門的な設備や技術を活かして効果的な施術が可能です。シミの種類や症状、自分の予算や希望に合わせて最適な治療を選ぶことが大切です。治療後のアフターケアをしっかり行い、医師の指導を受けることで美しい肌へと近づけるでしょう。シミ治療について疑問がある場合は、まず医師に相談し、適切な診療を受けることをおすすめします。

コメント 皮膚科と美容外科についてははっきりと区別するのが難しい分野もあると思います。ただし、治療が特化しているクリニックでは診断をきちんと行なってもらえるかどうかが大切になると思います。

監修医コメント

医師
高藤 円香

皮膚科と美容外科についてははっきりと区別するのが難しい分野もあると思います。ただし、治療が特化しているクリニックでは診断をきちんと行なってもらえるかどうかが大切になると思います。

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監修医師 高藤 円香
経歴は防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科 保有免許・資格は皮膚科専門医
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