抜け毛の治療は皮膚科でもできる?皮膚科を受診するメリット・デメリットについて詳しく解説
更新日:2025年01月9日
抜け毛の治療は皮膚科でもできる?
抜け毛が気になると、どの科を受診すればいいのか、分かりにくいかもしれません。実は、抜け毛の種類や原因によって受診すべき科が異なります。たとえば、ストレスが原因であれば心療内科、産後の抜け毛であれば産婦人科や皮膚科、頭皮に湿疹や炎症がある場合や原因がわからない場合には皮膚科が考えられます。
皮膚科での抜け毛治療
抜け毛が気になるだけでなく、頭皮にかゆみやフケ、炎症、できもの、傷などのトラブルが見られる場合は、皮膚科に行くのが良いでしょう。
誤ったヘアケアやストレス、肌質に合わないシャンプーやパーマ、ヘアカラーなどが原因で頭皮環境が悪化し、細かいフケが増えて毛穴が詰まり、炎症を引き起こして脱毛症になることがあります。また、髪をいつも同じ場所で結んだり分けたりすることで、局所の血行不良が原因で脱毛することもあります。
肌に明らかなトラブルがある場合は皮膚科を受診し、治療を受けても抜け毛が改善しない場合は、他の診療科で相談することも考えましょう。
心療内科での抜け毛治療
抜け毛の原因によっては、心療内科を受診する必要があります。たとえば、抜毛症は、自分で髪の毛や体毛を引き抜いてしまう病気です。この病気は、自分でもそれが悪いと分かっていても、やめられません。専門的な治療が必要な場合、認知行動療法などが行われます。
AGAクリニックでの抜け毛治療
皮膚に特別な症状がない抜け毛については、AGAクリニックがおすすめです。薄毛治療の専門家が揃っていて、頭皮の状態や生活習慣に合わせた詳しい聞き取りや検査を行っています。それぞれの状態に合った治療法を提供していて、豊富な種類の薬や薄毛専門の検査機器、治療機器を用いた治療を行っています。
皮膚科で薄毛を治療するメリット
皮膚科では、抜け毛の原因がはっきりしていない場合や、いきなりAGA治療専門のクリニックへ通うことに抵抗がある場合などに、身近で敷居が低いため、安心して受診できます。
身近に多い
皮膚科は日常的に通いやすい場所に多く存在します。たとえば、自分の住んでいる地域や職場の近くにある病院やクリニックの皮膚科で、簡単に診察を受けられます。すでに皮膚のトラブルで通っている場合は、馴染みの医師に診てもらえるので安心です。
敷居が低い
皮膚科は治療の入り口としても適しています。原因が明らかでない抜け毛について、まず皮膚科で診察を受けてみることで、他の皮膚疾患が関係しているかどうかを確認できます。原因がはっきりしたら、その後で専門のクリニックに通うことが可能です。
頭皮のトラブルに詳しい
皮膚科医は皮膚の病気に関する専門家です。薄毛の原因が皮膚の問題によるものであれば、皮膚科医がその原因を見つけて適切に治療してくれます。たとえば、脂漏性皮膚炎という頭皮の病気が原因で薄毛が進行している場合は、まずその病気を治療することが重要です。
皮膚科で薄毛を治療するデメリット
抜け毛の原因がAGAだった場合は、皮膚科よりも専門のクリニックのほうが充実したケアを受けられるかもしれません。
抜け毛の治療に特化していない
皮膚科は抜け毛治療を専門にしているわけではないので、抜け毛治療に特化した設備や医師がいません。そのため、治療の選択肢が少なくなります。たとえば、薄毛専門のクリニックでは、毛髪診断士や育毛カウンセラーなどがいて、さまざまな角度から抜け毛の原因を探り、治療を行っていますが、皮膚科ではそういった専門のスタッフがいないことがほとんどです。
治療方法の選択肢が少ない
皮膚科での治療方法は、薬が中心です。そのため、治療の選択肢が限られてしまいます。薄毛専門のクリニックでは、薬に加えて頭皮への施術や生活習慣の改善アドバイスなど、総合的なケアが受けられますが、皮膚科では総合的な治療は期待できません。
皮膚科での抜け毛治療方法
抜け毛の種類によっても治療方法が変わります。
頭皮に炎症がある場合
原因を特定し、それを取り除くことが重要です。たとえば、皮膚の感染症が原因であれば抗生物質が処方され、炎症を抑えるためにステロイドクリームや外用薬が使用することがあります。真菌感染が原因であれば、抗真菌クリームやシャンプーが効果的です。ビタミンやミネラルの不足が原因である場合、サプリメントが処方されることがあります。
脱毛症の場合
男性型脱毛症の治療法は外用薬、内服薬、そして自家植毛手術の3つです。女性型脱毛症には、主にミノキシジルの外用薬が用いられます。また、低出力の光やレーザー治療も効果的とされていますが、保険適用外です。男性型脱毛症の内服薬で使われるフィナステリドやデュタステリドは女性には推奨されません。
円形脱毛症
ステロイドを脱毛部位に直接注射する方法や、化学物質を用いて免疫バランスを変える局所免疫療法、そしてステロイドの外用療法が治療方法です。重症例では、ステロイドを短期間大量に投与する治療法もあります。その他、紫外線療法や内服薬、外用液、液体窒素療法などがあります。
外用薬
抜け毛の原因によって、以下の薬を使い分けます。
ミノキシジル
頭皮に塗ることで、髪の成長を促す効果があり、特に頭頂部や前頭部の薄毛に効果的です。
頭皮に塗ると毛母細胞が刺激されて細胞分裂が活発になり、髪が生えやすくなります。
ミノキシジルと内服薬の併用も可能です。プロペシアなどの内服薬で薄毛の進行を抑えながら、ミノキシジルで髪の成長を促すという方法が効果的とされています。
ステロイド
皮膚の炎症を抑えるために使用します。アトピー性皮膚炎や湿疹など、皮膚が赤くなったり痒くなったりするのは、皮膚に炎症が起きているからです。この薬を使うことで、炎症が治まり、赤みや痒みが軽減されます。
塩化カルプロニウム液
脱毛症や白斑(皮膚の白い斑点)の治療に使われる薬です。髪の毛の成長を促す効果と血流を良くする効果があります。多くの種類の脱毛症に効果があり、男女問わず使用できます。
内服薬
代表的な内服薬は以下になります。
フィナステリド
男性型脱毛症(AGA)の進行を抑える薬です。AGAは、体内の男性ホルモンが特定の酵素と結びついて、髪の成長を妨げる物質に変わることで起こります。この物質が髪の成長を止めて、抜け毛が増える原因になるのです。
フィナステリドは、この特定の酵素の働きを抑えることで、髪の成長を妨げる物質が作られにくくなります。その結果、抜け毛の進行が止まります。しかし、すべてのAGAの人に効果があるわけではありません。
効果がしっかりとわからないこともある可能性もあります。
デュタステリド
AGAの治療に使われるカプセルタイプの薬です。この薬は、体内で作られるDHTという物質を抑える働きがあります。DHTは、髪の成長を妨げる原因となる物質で、AGAの主な原因です。デュタステリドを使うことで、DHTの量を減らし、脱毛の進行を防げます。
長期間続けることで効果が現れやすく、薬をやめると脱毛が再び進行することがあるため、継続して服用することが重要です。
ミノキシジル
内服薬は体内に直接成分を取り込むため、外用薬よりも高い効果が期待できます。その一方で、副作用のリスクも高くなる可能性があるため、内服薬を使用する場合は必ず医師の診断を受けましょう。
セファランチン
抗アレルギー作用や血液幹細胞増加作用を持つ薬です。造血機能の回復を促進し、末梢血管を拡張して末梢循環障害を改善します。毛根などに栄養を供給するため、円形脱毛症の治療に用いられます。
漢方薬
十全大補湯、柴胡加竜骨牡蛎湯などを処方することがあります。漢方には、抜け毛や脱毛を直接治療する特効薬はありませんが、体質を改善することで髪に良い影響を与えられます。つまり、漢方薬を使って体質を整えることで、抜け毛や脱毛を予防できるというわけです。
抜け毛でお悩みの場合は、早めに医師に相談しましょう。
抜け毛が増えているかどうか、毎日注意深く観察してください。また、抜け毛だけでなく、頭皮に他の問題がないかも確認する必要があります。自分一人で解決しようとせず、早めに専門家に相談しましょう。専門的な診断を受けることで、抜け毛の原因を特定し、最適な治療法を見つけられます。
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まとめ
抜け毛は皮膚科でも治療ができます。頭皮トラブルが原因の場合には、皮膚科での診療が適しています。ただし、専門的な治療を希望する際には、AGAクリニックなども選択肢に入れるのが良いでしょう。抜け毛にお悩みの方は、まず皮膚科を受診し、原因に応じた治療を始めることが重要です。この記事を参考に、早めに行動し健康な髪を取り戻してください。
医師
高藤 円香
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
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