帯状疱疹は一度治っても終わりじゃない？再発する割合と症状は？

帯状疱疹は再発する病気？一度かかった後も油断できない

帯状疱疹は、一度かかればもう二度と発症しないと思われがちですが、実際には再発する可能性があります。

ウイルスは体に残っている

一度治っても原因となるウイルスが完全に消えるわけではありません。体内の神経に潜んでいます。発症を経てウイルスに対する免疫がつきますが、時間が経つとその免疫が弱まることがあります。年齢を重ねたり、強い疲労やストレスが続いたりすると、再びウイルスが活動を始め、帯状疱疹が再発することがあるのです。

再発はどれくらいの頻度で起きる？

帯状疱疹診療ガイドライン2025では、帯状疱疹の再発率は、一般的には1〜6％程度とされています。健康な人であれば一度の発症で免疫がつくため、再発はそう多くありません。ただし、免疫機能が低下している方では、再発率が5〜6％に上がるといわれています。

参考元『帯状疱疹診療ガイドライン 2025』

帯状疱疹の再発はいつ起きやすい？

再発のタイミングについては個人差があります。

平均的にはどのくらいで再発する？

帯状疱疹の再発については、宮崎県の43の皮膚科診療所で34,877人の患者データを解析した大規模な研究があります。この調査によると、調査対象のうち約6.41%の人が再発を経験していました。再発までの平均的な期間は約13.7年とされており、発症から3年目以降に再発が増え始め、3年から11年の間に多くみられる傾向がわかっています。

参考元『Shiraki K, et al. Open Forum Infectious Diseases. 2017』

すぐに再発することはある？

一度帯状疱疹にかかると、体内にウイルスに対する抗体ができるため、1年未満で再発するのは非常にまれです。ただし、がんやHIV感染症、強い免疫抑制剤の治療を受けている場合など、免疫力が極端に低下すると数年で再発することもあります。

帯状疱疹を再発しやすい方の特徴は？

誰でも発症する可能性がありますが、再発しやすい人にはいくつかの共通点があります。

年齢と性別が関係？

再発する人は50歳以上の中高年に多いことがわかっています。特に女性の方が男性よりも再発率が高いとする報告もありますが、詳しい理由はまだ解明されていません。

礎疾患があるとリスクが高まる？

糖尿病やがん、免疫抑制剤を使用している人は、免疫力が低下しやすく、帯状疱疹の再発リスクが高まります。

帯状疱疹が再発した場合、どんな症状？

再発時の帯状疱疹は、初めてのときと症状が少し異なる場合があります。

症状が軽くなる傾向がある

一度帯状疱疹にかかると、ウイルスに対する免疫が残っているため、再発した場合は皮膚症状や痛みの程度が軽くなることが多いです。また、帯状疱疹後神経痛（PHN）と呼ばれる後遺症になるリスクも低いとされています。

発疹は別の場所に出ることが多い

再発すると、最初に出た場所とは別の神経に沿って発疹が現れることが一般的です。これは、一度帯状疱疹が出た神経では再発しにくくなるためだと考えられています。ただし、まれに同じ場所に出ることもあるため、違和感を感じたら早めに医療機関を受診してください。

帯状疱疹の再発を防ぐには？

ここでは、日常生活で気をつけたいポイントと、ワクチンによる予防について紹介します。

免疫力を保つ生活習慣を心がけよう

帯状疱疹の原因となるウイルスは、体の免疫が弱くなると再び活性化しやすくなります。免疫力を維持するためには、十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動が基本です。睡眠不足や栄養の偏り、激しい疲労は免疫機能を低下させる要因になります。無理のない範囲で散歩やウォーキングなどを習慣にし、ストレスをため込みすぎないことも大切です。自分に合ったリフレッシュ法を取り入れて、心身ともに健康を保ちましょう。

帯状疱疹ワクチンも検討を

年齢とともに帯状疱疹の発症率は高くなるため、50歳以上の方はワクチン接種も予防の選択肢の一つです。帯状疱疹ワクチンは発症や重症化を防ぐ効果が期待できます。ただし、すべての人が接種できるわけではありません。体調や持病などを含めて医師と相談のうえ検討しましょう。また、ワクチンを接種しても、日常生活での体調管理を続けることが大切です。

帯状疱疹ワクチンについて詳しく解説

帯状疱疹の再発が不安なときは、早めに医師に相談を

帯状疱疹は一度治っても、体調の変化や免疫力の低下がきっかけとなり、再発することがあります。「また発症するのではないか」と不安を感じたときや、違和感や痛みが続く場合は、自己判断せずに早めに医師に相談しましょう。症状が軽いうちに適切な治療を受けることで、重症化や帯状疱疹後神経痛のリスクを減らせます。

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まとめ

帯状疱疹は、一度治っても油断できません。免疫力が低下しているときには注意が必要です。たとえ症状が軽くても放置せず、「再発かもしれない」と感じたら早めに医療機関を受診しましょう。日頃から生活習慣を整え、必要に応じてワクチンを検討することが、再発予防には効果的です。つらい痛みや後遺症を防ぐためにも、普段から自分の体調に目を向けて過ごしましょう。