頭痛と勘違いしやすい「頭の帯状疱疹」とは?知っておきたい症状と対策法
頭がズキズキ…それ、帯状疱疹かもしれません
「最近、頭の片側だけがズキズキと痛む…」ただの頭痛と思って放っておくと、実は帯状疱疹だったというケースがあります。帯状疱疹は水ぼうそうを引き起こすウイルスが再び活性化することで発症します。免疫力が落ちたときに、神経に沿って強い痛みと発疹が現れるのが特徴です。
胸や背中にできるイメージが強いですが、実は頭部にも発症します。髪に隠れて見落とされやすいだけに、症状を知って早めに気づくことがとても大切です。
頭部に帯状疱疹ができる原因
原因は水痘・帯状疱疹ウイルスです。子どもの頃に水ぼうそうにかかった人の体内には、このウイルスが一生潜んでいます。加齢や疲労、ストレス、風邪などで免疫力が低下すると、ウイルスが再び活性化し、神経に沿って炎症を起こします。
頭部から顔面で発症する割合は18%程です。頭部の場合、後頭神経や三叉神経などに沿ってウイルスが炎症を引き起こし、強い痛みとともに発疹が現れます。頭皮の帯状疱疹は発疹が髪の下に隠れてしまい、皮膚の変化に気づかないまま痛みだけが続くこともあるため注意が必要です。
帯状疱疹が発症しやすい方は
帯状疱疹は、誰にでも起こりうる病気です。加齢に伴って免疫機能が徐々に低下していくため50代から発症率が高まり、70代にかけて増加します。兵庫県や宮崎県で行われた大規模な調査では、60歳前後では女性の患者数が男性より多いという結果でした。
参考元『Shiraki K. et al.: Open Forum Infect Dis. 4(1), ofx007, 2017』
年齢以外にも、免疫力が弱っている人は帯状疱疹を発症しやすくなります。長期間の疲労や慢性的なストレス、不規則な生活習慣はもちろん、病気の治療で免疫抑制剤を使用している方や、白血病や悪性リンパ腫といった血液のがん、全身性エリテマトーデス(SLE)など自己免疫疾患を抱えている方は特に注意が必要です。骨髄移植や臓器移植後の方もリスクが高いとされています。
なお、水ぼうそうにかかったことがない人は、体内にウイルスが潜んでいないため、帯状疱疹になることはありません。しかし日本では15歳以上のほとんどの人が水痘・帯状疱疹ウイルスの抗体を持っているため、多くの方が帯状疱疹を発症する可能性があると言えます。
頭の帯状疱疹を見逃さないために知っておきたい症状
初期の痛みを見逃さないことがとても大切です。頭部の場合は、発疹が髪の毛に隠れてしまい、見た目で気づかないことが多く、痛みだけが手がかりになることがあります。
頭痛や神経痛との関係
痛みは、神経の炎症が原因です。頭の片側だけが「針で刺されたように」「電気が走るように」痛むのが特徴で、一般的な頭痛とは少し違います。
この痛みは発疹が出る数日前から始まることが多く、最初はただの神経痛や片頭痛と間違えやすいため注意が必要です。ウイルスが顔の三叉神経に影響を与えると、顔面の麻痺や目の異常が起こることもあります。
髪に隠れた発疹に注意
帯状疱疹は、痛みを感じた部位の皮膚に赤い発疹や水ぶくれができるのが特徴です。しかし、頭の場合は髪の毛で覆われているため、発疹を見落としがちです。痛みを感じたら、できるだけ髪をかき分けて皮膚を目で確認することが大切です。発疹が見つかれば診断は比較的簡単で、抗ウイルス薬を早めに服用することで重症化や後遺症を防げます。
頭部の帯状疱疹を放置するとどうなる?
頭部にできると、ただの頭痛や神経痛と勘違いされやすく、発見や治療が遅れるケースが少なくありません。しかし、頭部の帯状疱疹を放置すると、強い痛みが長く残ったり、目や耳に深刻な障害が残ることもあります。
後遺症として残る帯状疱疹後神経痛
代表的な後遺症の一つが「帯状疱疹後神経痛(PHN)」です。皮膚の発疹や水ぶくれが治った後も、神経の損傷が原因で痛みが続く状態を指します。痛みの感じ方には個人差がありますが、「焼けるような」「ズキズキする」「針で刺されたような」と表現することが多いです。
衣服に少し触れただけでも強い痛みを感じる「アロディニア」という状態に悩まされる方もいます。この痛みは、夜眠れなくなるほど強いこともあり、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
帯状疱疹後神経痛を防ぐためには、発疹が出てからできるだけ早く抗ウイルス薬で治療を始めることが重要です。50歳以上の人では、帯状疱疹後神経痛に移行するリスクが高く、約5人に1人がこの後遺症に悩まされると言われています。
目や耳に影響が出るケースもあるので要注意
鼻やおでこなど目に近い部分に帯状疱疹が発症すると、「眼部帯状疱疹」と呼ばれ、角膜炎や結膜炎などの目の病気を引き起こす恐れがあります。放置すると視力が低下したり失明のリスクがあるため、早期の診察が重要です。
また、耳の周りに帯状疱疹ができた場合は、「ラムゼイ・ハント症候群」と呼ばれる合併症を引き起こし、顔面神経麻痺や難聴、めまいなどを伴うことがあります。
運動神経が傷つくと顔や腕の筋肉が動かしにくくなったり、胸やお腹、腰の神経が侵されると、腹筋麻痺や排尿障害といった症状が現れることもあります。
脳炎や髄膜炎を引き起こす可能性
まれに脳や脊髄など中枢神経にも影響を及ぼすことがあります。脳炎や髄膜炎を発症すると、強い頭痛や発熱、意識障害、けいれんといった深刻な症状が出る場合があります。適切な治療が遅れると後遺症や命に関わることもあるため、普段と違う頭痛や高熱、意識の変化を感じたときは、迷わず医療機関を受診してください。
帯状疱疹による頭痛への治療方法は
帯状疱疹の頭痛は適切な治療を受けることで痛みを和らげ、後遺症を防ぐことが可能です。ここでは、帯状疱疹による頭痛への治療方法をわかりやすく解説します。
抗ウイルス薬による早期治療
帯状疱疹を引き起こすウイルスは、体の中に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが再び活性化することで発症します。このウイルスの増殖を抑えるために最も大切なのが、抗ウイルス薬による早期治療です。抗ウイルス薬は、ウイルスが増えるのを防ぎ、症状を軽くする役割があります。症状が重かったり、免疫力が低下している場合は、入院して点滴で抗ウイルス薬を投与することが必要になることもあります。
強い痛みに対する痛み止め
抗ウイルス薬だけでは痛みを完全に抑えることが難しいため、痛み止めによる治療も並行して行われます。痛みの程度に応じて、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が使用されますが、これらで効果が不十分な場合には、オピオイド系の強い鎮痛薬が処方されることもあります。
そのほかの治療法
痛みを和らげる方法としては、局所療法も有効です。痛みのある部分にリドカインパッチなどの局所麻酔薬を貼ることで、直接痛みを緩和できます。
痛みが特に強く、薬だけでは抑えきれない場合には、ペインクリニックで神経ブロックを行うことがあります。これは、神経の周囲に局所麻酔薬を注射し、痛みの伝わりを遮断する治療です。
帯状疱疹による痛みは心の負担にもなります。ストレスを溜め込まないようにし、必要に応じてカウンセリングを受けるなど心のケアも大切です。
頭の帯状疱疹を防ぐための方法
帯状疱疹は誰にでも起こり得る病気ですが、日頃から予防を心がけることで発症リスクを大幅に下げられます。予防策を知っておくことが大切です。
ワクチン接種でリスクを下げる
帯状疱疹の予防には、50歳以上の方を対象にしたワクチン接種があります。体内に潜んでいるウイルスに対する免疫を高めることで、発症リスクを抑え、もし発症しても症状が軽く済むとされています。
予防接種は定期接種の対象年齢が決まっている場合もあるため、かかりつけ医と相談し、自分に合ったタイミングで接種を検討しましょう。体調が悪い時は接種を避け、接種後は30分ほど病院で待機して、体調に変化がないか確認することも大切です。
免疫力を落とさない生活習慣がカギ
帯状疱疹を防ぐには、ワクチンに加えて免疫力を保つ日常の習慣が重要です。バランスの良い食事を心がけ、適度に体を動かし、質の良い睡眠をとることで、免疫力を下げにくくできます。疲れやストレスが溜まると免疫は弱まるので、趣味の時間を作るなどしてリラックスできる時間を持つことも大切です。
頭部にできる帯状疱疹に似た病気
頭皮に赤みやブツブツができたり、ヒリヒリ感があったりすると「帯状疱疹かもしれない」と心配になる方もいるでしょう。実際には、帯状疱疹に似た症状を引き起こす他の病気もあります。適切に治療を進めるために、見分け方を知っておくと安心です。
頭部湿疹
頭皮に湿疹ができて炎症を起こしている状態の総称です。原因は人によって様々で、例えばシャンプーや整髪料などの化学物質が原因の接触皮膚炎、乾燥が原因の皮脂欠乏性皮膚炎、アトピー体質に伴う湿疹などが含まれます。
頭皮が赤くなったり、かゆみやフケが増えたり、時には小さな水疱ができることもありますが、帯状疱疹と違ってウイルス感染による強い神経痛はありません。症状が続く場合は皮膚科で適切な診断を受けましょう。
脂漏性皮膚炎
皮脂の分泌が活発な頭皮や生え際、顔などに起こりやすい皮膚炎です。赤みやかゆみ、大きめのフケが出るのが特徴で、ひどくなるとフケがかさぶたのように固まることもあります。
原因には、皮脂を栄養とするマラセチアというカビの一種が関わっていると考えられています。帯状疱疹と違い、左右対称に広がりやすく、強い痛みは出ません。治療には抗真菌薬入りのシャンプーやステロイド外用薬が使われます。
毛嚢炎
毛穴に細菌が感染して起こる皮膚の炎症で、頭皮にもよく見られます。赤く小さなブツブツや膿を持った吹き出物ができ、押すと軽い痛みを感じることがあります。
帯状疱疹との大きな違いは、神経に沿った激しい痛みはなく、皮膚表面の炎症にとどまる点です。多くは自然に治りますが、悪化すると抗菌薬が必要な場合もあります。繰り返す場合や腫れが大きくなる場合は、皮膚科で治療を受けましょう。
頭の痛みがいつもと違うと感じたら早めに受診を
普段から頭痛に悩まされている人は多いですが、もし「いつもの頭痛と違う」と感じた場合は、自己判断で放置せず、早めに専門医に相談することが大切です。頭の帯状疱疹は、初期症状として頭痛に似た痛みを感じることがあり、一般的な頭痛薬では改善しないこともあります。放置すると水疱が広がり、神経痛が長引くリスクもあるため、早期の受診と治療が回復を早めるポイントです。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
仕事や育児などで、なかなか病院に行く時間が取れない方はオンライン診療を活用しましょう。帯状疱疹のように、早期の診察と薬の処方が重要な病気こそ、すぐに医師と相談できる環境を整えておくと安心です。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、スマートフォンやパソコン、タブレットなどを使って、インターネット経由で医師の診察を受けられる医療サービスのことです。予約から問診、診察、薬の処方箋の発行や支払いまで、すべてを自宅で完結できるため、外出が難しいときや感染症が心配なときにも非常に便利です。ビデオチャットを通じて医師と直接会話できるため、対面診療とほとんど変わらない安心感があります。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKU(ソクヤク)は、オンライン診療をさらに手軽に利用できるサービスです。使い方はとてもシンプルで、アプリで診察予約からお薬の受け取りまでスムーズに行えます。
専門スタッフのサポートが受けられるほか、よく利用するクリニックや薬局を登録しておける機能や、お薬手帳をアプリ内で管理できる機能も搭載されています。全国どこでも当日または翌日に薬が届くので、忙しい方や急な症状の場合にも安心です。
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まとめ
頭にできる帯状疱疹は、頭痛や神経痛と勘違いされやすく、発見が遅れると後遺症が残る恐れがあります。発疹が髪の毛に隠れていると見つけにくいため注意が必要です。もし「普段の頭痛とは違う」と感じたら、迷わず早めに皮膚科を受診しましょう。日頃から免疫力を落とさない生活習慣を心がけ、必要に応じてワクチン接種も検討して、帯状疱疹の発症を予防することが大切です。
頭皮の奥がチクチク痛んだり、触れるとピリッとした痛みが続いたり…「ただの頭痛」と思い込んでいませんか?それは頭の帯状疱疹かもしれません。体にできるイメージが強い帯状疱疹ですが、髪の下に隠れて頭に発疹ができることもあります。気づかずに放置すると、痛みが長引いたり重症化することもあるので注意が必要です。この記事では、頭部に現れる帯状疱疹の特徴、正しい対処法を紹介します。
頭がズキズキ…それ、帯状疱疹かもしれません
「最近、頭の片側だけがズキズキと痛む…」ただの頭痛と思って放っておくと、実は帯状疱疹だったというケースがあります。帯状疱疹は水ぼうそうを引き起こすウイルスが再び活性化することで発症します。免疫力が落ちたときに、神経に沿って強い痛みと発疹が現れるのが特徴です。
胸や背中にできるイメージが強いですが、実は頭部にも発症します。髪に隠れて見落とされやすいだけに、症状を知って早めに気づくことがとても大切です。
頭部に帯状疱疹ができる原因
原因は水痘・帯状疱疹ウイルスです。子どもの頃に水ぼうそうにかかった人の体内には、このウイルスが一生潜んでいます。加齢や疲労、ストレス、風邪などで免疫力が低下すると、ウイルスが再び活性化し、神経に沿って炎症を起こします。
頭部から顔面で発症する割合は18%程です。頭部の場合、後頭神経や三叉神経などに沿ってウイルスが炎症を引き起こし、強い痛みとともに発疹が現れます。頭皮の帯状疱疹は発疹が髪の下に隠れてしまい、皮膚の変化に気づかないまま痛みだけが続くこともあるため注意が必要です。
帯状疱疹が発症しやすい方は
帯状疱疹は、誰にでも起こりうる病気です。加齢に伴って免疫機能が徐々に低下していくため50代から発症率が高まり、70代にかけて増加します。兵庫県や宮崎県で行われた大規模な調査では、60歳前後では女性の患者数が男性より多いという結果でした。
参考元『Shiraki K. et al.: Open Forum Infect Dis. 4(1), ofx007, 2017』
年齢以外にも、免疫力が弱っている人は帯状疱疹を発症しやすくなります。長期間の疲労や慢性的なストレス、不規則な生活習慣はもちろん、病気の治療で免疫抑制剤を使用している方や、白血病や悪性リンパ腫といった血液のがん、全身性エリテマトーデス(SLE)など自己免疫疾患を抱えている方は特に注意が必要です。骨髄移植や臓器移植後の方もリスクが高いとされています。
なお、水ぼうそうにかかったことがない人は、体内にウイルスが潜んでいないため、帯状疱疹になることはありません。しかし日本では15歳以上のほとんどの人が水痘・帯状疱疹ウイルスの抗体を持っているため、多くの方が帯状疱疹を発症する可能性があると言えます。
頭の帯状疱疹を見逃さないために知っておきたい症状
初期の痛みを見逃さないことがとても大切です。頭部の場合は、発疹が髪の毛に隠れてしまい、見た目で気づかないことが多く、痛みだけが手がかりになることがあります。
頭痛や神経痛との関係
痛みは、神経の炎症が原因です。頭の片側だけが「針で刺されたように」「電気が走るように」痛むのが特徴で、一般的な頭痛とは少し違います。
この痛みは発疹が出る数日前から始まることが多く、最初はただの神経痛や片頭痛と間違えやすいため注意が必要です。ウイルスが顔の三叉神経に影響を与えると、顔面の麻痺や目の異常が起こることもあります。
髪に隠れた発疹に注意
帯状疱疹は、痛みを感じた部位の皮膚に赤い発疹や水ぶくれができるのが特徴です。しかし、頭の場合は髪の毛で覆われているため、発疹を見落としがちです。痛みを感じたら、できるだけ髪をかき分けて皮膚を目で確認することが大切です。発疹が見つかれば診断は比較的簡単で、抗ウイルス薬を早めに服用することで重症化や後遺症を防げます。
頭部の帯状疱疹を放置するとどうなる?
頭部にできると、ただの頭痛や神経痛と勘違いされやすく、発見や治療が遅れるケースが少なくありません。しかし、頭部の帯状疱疹を放置すると、強い痛みが長く残ったり、目や耳に深刻な障害が残ることもあります。
後遺症として残る帯状疱疹後神経痛
代表的な後遺症の一つが「帯状疱疹後神経痛(PHN)」です。皮膚の発疹や水ぶくれが治った後も、神経の損傷が原因で痛みが続く状態を指します。痛みの感じ方には個人差がありますが、「焼けるような」「ズキズキする」「針で刺されたような」と表現することが多いです。
衣服に少し触れただけでも強い痛みを感じる「アロディニア」という状態に悩まされる方もいます。この痛みは、夜眠れなくなるほど強いこともあり、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
帯状疱疹後神経痛を防ぐためには、発疹が出てからできるだけ早く抗ウイルス薬で治療を始めることが重要です。50歳以上の人では、帯状疱疹後神経痛に移行するリスクが高く、約5人に1人がこの後遺症に悩まされると言われています。
目や耳に影響が出るケースもあるので要注意
鼻やおでこなど目に近い部分に帯状疱疹が発症すると、「眼部帯状疱疹」と呼ばれ、角膜炎や結膜炎などの目の病気を引き起こす恐れがあります。放置すると視力が低下したり失明のリスクがあるため、早期の診察が重要です。
また、耳の周りに帯状疱疹ができた場合は、「ラムゼイ・ハント症候群」と呼ばれる合併症を引き起こし、顔面神経麻痺や難聴、めまいなどを伴うことがあります。
運動神経が傷つくと顔や腕の筋肉が動かしにくくなったり、胸やお腹、腰の神経が侵されると、腹筋麻痺や排尿障害といった症状が現れることもあります。
脳炎や髄膜炎を引き起こす可能性
まれに脳や脊髄など中枢神経にも影響を及ぼすことがあります。脳炎や髄膜炎を発症すると、強い頭痛や発熱、意識障害、けいれんといった深刻な症状が出る場合があります。適切な治療が遅れると後遺症や命に関わることもあるため、普段と違う頭痛や高熱、意識の変化を感じたときは、迷わず医療機関を受診してください。
帯状疱疹による頭痛への治療方法は
帯状疱疹の頭痛は適切な治療を受けることで痛みを和らげ、後遺症を防ぐことが可能です。ここでは、帯状疱疹による頭痛への治療方法をわかりやすく解説します。
抗ウイルス薬による早期治療
帯状疱疹を引き起こすウイルスは、体の中に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが再び活性化することで発症します。このウイルスの増殖を抑えるために最も大切なのが、抗ウイルス薬による早期治療です。抗ウイルス薬は、ウイルスが増えるのを防ぎ、症状を軽くする役割があります。症状が重かったり、免疫力が低下している場合は、入院して点滴で抗ウイルス薬を投与することが必要になることもあります。
強い痛みに対する痛み止め
抗ウイルス薬だけでは痛みを完全に抑えることが難しいため、痛み止めによる治療も並行して行われます。痛みの程度に応じて、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が使用されますが、これらで効果が不十分な場合には、オピオイド系の強い鎮痛薬が処方されることもあります。
そのほかの治療法
痛みを和らげる方法としては、局所療法も有効です。痛みのある部分にリドカインパッチなどの局所麻酔薬を貼ることで、直接痛みを緩和できます。
痛みが特に強く、薬だけでは抑えきれない場合には、ペインクリニックで神経ブロックを行うことがあります。これは、神経の周囲に局所麻酔薬を注射し、痛みの伝わりを遮断する治療です。
帯状疱疹による痛みは心の負担にもなります。ストレスを溜め込まないようにし、必要に応じてカウンセリングを受けるなど心のケアも大切です。
頭の帯状疱疹を防ぐための方法
帯状疱疹は誰にでも起こり得る病気ですが、日頃から予防を心がけることで発症リスクを大幅に下げられます。予防策を知っておくことが大切です。
ワクチン接種でリスクを下げる
帯状疱疹の予防には、50歳以上の方を対象にしたワクチン接種があります。体内に潜んでいるウイルスに対する免疫を高めることで、発症リスクを抑え、もし発症しても症状が軽く済むとされています。
予防接種は定期接種の対象年齢が決まっている場合もあるため、かかりつけ医と相談し、自分に合ったタイミングで接種を検討しましょう。体調が悪い時は接種を避け、接種後は30分ほど病院で待機して、体調に変化がないか確認することも大切です。
免疫力を落とさない生活習慣がカギ
帯状疱疹を防ぐには、ワクチンに加えて免疫力を保つ日常の習慣が重要です。バランスの良い食事を心がけ、適度に体を動かし、質の良い睡眠をとることで、免疫力を下げにくくできます。疲れやストレスが溜まると免疫は弱まるので、趣味の時間を作るなどしてリラックスできる時間を持つことも大切です。
頭部にできる帯状疱疹に似た病気
頭皮に赤みやブツブツができたり、ヒリヒリ感があったりすると「帯状疱疹かもしれない」と心配になる方もいるでしょう。実際には、帯状疱疹に似た症状を引き起こす他の病気もあります。適切に治療を進めるために、見分け方を知っておくと安心です。
頭部湿疹
頭皮に湿疹ができて炎症を起こしている状態の総称です。原因は人によって様々で、例えばシャンプーや整髪料などの化学物質が原因の接触皮膚炎、乾燥が原因の皮脂欠乏性皮膚炎、アトピー体質に伴う湿疹などが含まれます。
頭皮が赤くなったり、かゆみやフケが増えたり、時には小さな水疱ができることもありますが、帯状疱疹と違ってウイルス感染による強い神経痛はありません。症状が続く場合は皮膚科で適切な診断を受けましょう。
脂漏性皮膚炎
皮脂の分泌が活発な頭皮や生え際、顔などに起こりやすい皮膚炎です。赤みやかゆみ、大きめのフケが出るのが特徴で、ひどくなるとフケがかさぶたのように固まることもあります。
原因には、皮脂を栄養とするマラセチアというカビの一種が関わっていると考えられています。帯状疱疹と違い、左右対称に広がりやすく、強い痛みは出ません。治療には抗真菌薬入りのシャンプーやステロイド外用薬が使われます。
毛嚢炎
毛穴に細菌が感染して起こる皮膚の炎症で、頭皮にもよく見られます。赤く小さなブツブツや膿を持った吹き出物ができ、押すと軽い痛みを感じることがあります。
帯状疱疹との大きな違いは、神経に沿った激しい痛みはなく、皮膚表面の炎症にとどまる点です。多くは自然に治りますが、悪化すると抗菌薬が必要な場合もあります。繰り返す場合や腫れが大きくなる場合は、皮膚科で治療を受けましょう。
頭の痛みがいつもと違うと感じたら早めに受診を
普段から頭痛に悩まされている人は多いですが、もし「いつもの頭痛と違う」と感じた場合は、自己判断で放置せず、早めに専門医に相談することが大切です。頭の帯状疱疹は、初期症状として頭痛に似た痛みを感じることがあり、一般的な頭痛薬では改善しないこともあります。放置すると水疱が広がり、神経痛が長引くリスクもあるため、早期の受診と治療が回復を早めるポイントです。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
仕事や育児などで、なかなか病院に行く時間が取れない方はオンライン診療を活用しましょう。帯状疱疹のように、早期の診察と薬の処方が重要な病気こそ、すぐに医師と相談できる環境を整えておくと安心です。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、スマートフォンやパソコン、タブレットなどを使って、インターネット経由で医師の診察を受けられる医療サービスのことです。予約から問診、診察、薬の処方箋の発行や支払いまで、すべてを自宅で完結できるため、外出が難しいときや感染症が心配なときにも非常に便利です。ビデオチャットを通じて医師と直接会話できるため、対面診療とほとんど変わらない安心感があります。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKU(ソクヤク)は、オンライン診療をさらに手軽に利用できるサービスです。使い方はとてもシンプルで、アプリで診察予約からお薬の受け取りまでスムーズに行えます。
専門スタッフのサポートが受けられるほか、よく利用するクリニックや薬局を登録しておける機能や、お薬手帳をアプリ内で管理できる機能も搭載されています。全国どこでも当日または翌日に薬が届くので、忙しい方や急な症状の場合にも安心です。
まとめ
頭にできる帯状疱疹は、頭痛や神経痛と勘違いされやすく、発見が遅れると後遺症が残る恐れがあります。発疹が髪の毛に隠れていると見つけにくいため注意が必要です。もし「普段の頭痛とは違う」と感じたら、迷わず早めに皮膚科を受診しましょう。日頃から免疫力を落とさない生活習慣を心がけ、必要に応じてワクチン接種も検討して、帯状疱疹の発症を予防することが大切です。
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
1.
当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
2.
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4.
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