ヘルペスができたらどうする?正しい治し方と気をつけること
まずはヘルペスの正しい知識から
ヘルペスと聞くと、「うつる病気」「水ぶくれができる」といった印象を持つ方が多いかもしれません。実は、ヘルペスは誰でもかかる可能性のあるごく身近なウイルス感染症です。
誰にでも起こる身近なウイルス感染症
60代以上の日本人のほとんどがHSVの抗体を持っているといわれています。感染経路は接触感染が中心で、キスや性行為、タオルの共有などが主な原因です。
近年は家庭内感染が減った影響で、若年層の感染率は低下しています。大人になって初めて感染すると重症化することもあるため、注意が必要です。
なぜストレスや疲れで再発するのか
ウイルスは神経節に潜伏しており、体の免疫力が下がると再活性化します。たとえば風邪をひいたり、強い紫外線を浴びたり、疲れが溜まったりすると、再び活性化して症状が現れるのです。
ヘルペスは「ストレスのバロメーター」とも言われます。忙しい時期や季節の変わり目、睡眠不足が続いたときなどに再発しやすく、日常生活と密接に関わっている病気だといえるでしょう。
「完治しないウイルス」の意味
ヘルペスウイルスは、体から完全に排除されることはありません。「治る」とは症状が一時的におさまることで、ウイルス自体は神経の中に残ります。再発を予防・管理することが治療の主な目的です。
ヘルペスの主な症状と出やすい部位
感染した部位によって、現れる症状が異なります。代表的なのは「口唇ヘルペス」と「性器ヘルペス」です。
口唇ヘルペス:唇や口のまわりにできる水ぶくれ
ピリピリとした違和感のあと、唇や口の周囲に小さな水ぶくれができます。数日でかさぶたになり、1〜2週間ほどで治癒しますが、再発を繰り返すことがあります。
性器ヘルペス:デリケートゾーンに現れる症状
性器や肛門周辺に水ぶくれや潰瘍ができ、排尿時の痛みや発熱を伴うこともあります。初感染は重くなる傾向があり、女性は症状が強く出やすいことが特徴です。
初感染と再発で異なる症状
初感染では、体がウイルスに初めて反応するため、症状が強く出やすく、発熱や倦怠感、リンパ節の腫れなどの全身症状を伴うこともあります。再発の場合は症状が比較的軽く、違和感だけで済む場合もあります。
ヘルペスの症状はこう進む
ヘルペスの症状は突然現れるように見えて、段階的に進行していきます。
チクチク・ピリピリしたら要注意
前兆として違和感(ピリピリ、ムズムズ)が出ることが多く、人によってはかゆみや軽い痛みを感じることもあります。
水ぶくれができたあとの経過
前兆の数日後、数日以内に小さな赤いできものや水ぶくれが現れます。これが典型的なヘルペスの発疹です。水ぶくれは1つのこともあれば、群がって複数できることもあり、強いかゆみや痛みを伴うことがあります。
数日後には水ぶくれが破れてただれ、かさぶたができていきます。通常、初発の場合は症状が強く、完治までに2週間程度が目安です。
受診するタイミングは
・初めてヘルペスと思われる症状が出たとき
・水ぶくれが広がっている、または強い痛みや発熱があるとき
・繰り返し再発して日常生活に支障をきたしているとき
・妊娠中に性器ヘルペスを発症した場合
ヘルペスの正しい治し方
ここでは、ヘルペスにかかったときの正しい対処法と、治療薬について解説します。
ヘルペスは放置していても自然に治る?
ヘルペスの症状は、多くの場合1〜2週間ほどで自然におさまります。ただし、「ウイルスが治った」わけではなく、あくまで一時的に症状が落ち着いただけにすぎません。ウイルス自体は神経に潜伏して残り、体調や免疫の低下をきっかけに再発を繰り返す可能性があります。初感染や重症の場合は特に放置は禁物です。
抗ウイルス薬が治療の中心
治療の基本は「抗ウイルス薬」です。ウイルスの増殖を抑えることで、症状の早期改善や再発予防につながります。前兆を感じた段階で服用を始めると、水ぶくれができる前に抑えられる場合もあります。
飲み薬・塗り薬の違い
内服薬はウイルス全体に作用し、症状が強いときに使われます。性器ヘルペスや症状が重い口唇ヘルペスの場合は、内服薬が治療の中心です。
塗り薬は症状が出ている部分に直接塗布することで、かゆみや痛みなどの不快感をやわらげるサポートをします。ただし、ウイルスの増殖を大きく抑えるほどの効果は内服薬よりは限定的です。症状の程度に応じて両方を併用することもあります。
軽症なら市販薬でもいい?
軽い口唇ヘルペスで、過去に同じような再発経験があり、再発の前兆にすぐ気づける方は、初期対応として市販薬を活用するのも一つの方法です。ただし、市販薬ではウイルスそのものをしっかり抑えるのは難しく、症状が強い場合や性器ヘルペスには適していません。また、自己判断で他の皮膚炎と見分けがつかず、誤った治療をしてしまうリスクもあります。
部位別のヘルペスの治し方
顔や口まわりだけでなく、性器、目、指など、意外な場所にも発症することがあります。
口唇ヘルペスの治療
抗ウイルス薬の内服や塗り薬が基本です。再発の場合、前兆(ピリピリ、ムズムズ)を感じた段階ですぐに治療を始めると、水ぶくれができる前に抑えられることもあります。
性器ヘルペスの治療
抗ウイルス薬の内服が中心となります。初めての発症では痛みや発熱が強く出ることがあるため、早めの婦人科や泌尿器科の受診が必要です。
目にできた場合の治療
まぶたや目の表面(角膜)にヘルペスができるケースもあります。症状としては、目の痛み、充血、まぶたの腫れ、視界のぼやけなどです。治療は、抗ウイルス薬の内服と点眼薬が使われます。眼科での専門的な診察が必要です。自己判断で市販の目薬を使うのは絶対に避けましょう。
指にできた場合の治療
ヘルペス性ひょう疽は、指先に水ぶくれや痛みが現れます。症状が軽い場合でも、抗ウイルス薬の内服または塗り薬による治療が有効です。指から他の部位への感染を防ぐため、触らず、清潔を保ちましょう。
再発をくり返す人のための予防法
一度感染すると、疲れやストレス、体調不良をきっかけに再発をくり返すことがあります。ここでは、ヘルペスの再発を防ぐためにできる対策を紹介します。
日常生活で気をつけたいポイント
再発を防ぐには、免疫力の維持が重要です。とくに睡眠不足や疲労の蓄積、ストレスなどはウイルスの再活性化につながります。口唇ヘルペスは紫外線の刺激でも再発することがあるため、日差しの強い日には唇の保護を心がけましょう。風邪をひいたときや体力が落ちている時期も注意が必要です。
長期間内服する再発抑制療法とは
年に何度もくり返し現れるようなケースでは、抗ウイルス薬を毎日服用する再発抑制療法が検討されます。ウイルスが活性化するのを未然に抑えることを目的としたもので、3か月から半年、あるいはそれ以上の期間にわたって服薬を続けることになります。継続的な服用には医師の管理が必要です。
予兆で内服するPIT療法
ヘルペスには再発の予兆が現れることが多く、たとえばピリピリした違和感や軽い痛みが出た時点で自分で異変に気づける方も少なくありません。そうした再発の兆しを感じた瞬間に、すぐ抗ウイルス薬を服用するのがPIT療法(予兆時治療)です。あらかじめ医師に相談し、必要な薬を手元に用意しておくことが前提となるため、自己判断ではなく、予兆のパターンを把握できていることが重要です。
ヘルペスってうつるの?
ここでは、感染しやすいタイミングと、うつさないためのポイントについて解説します。
感染しやすいタイミング
ヘルペスが最も移りやすい時期は、水ぶくれができている間です。破れて浸出液が出ている時期はウイルス量が最も多く、感染力が非常に高いため注意しましょう。ただし、何の症状も出ていないときでも、ごく稀にウイルスが体の外に出ていることがあり、この状態で感染する場合もあります。
周囲にうつさないために
症状が出ているときは、特に周囲への配慮が大切です。水ぶくれがある間は、できるだけ患部に触れないようにし、うっかり触れてしまった場合はすぐに石けんで丁寧に手を洗いましょう。口唇ヘルペスがあるときは、タオルや食器、歯ブラシなどの共用は避け、自分専用のものを使ってください。性器ヘルペスの場合は、症状が出ている間の性行為は避けた方が安全です。
ヘルペスの治し方に関するよくある誤解
治療については誤解も多く広まっています。以下のことには注意しましょう。
「抗生物質で治る」はウソ?
ヘルペスには抗生物質は効きません。細菌にしか効かず、ウイルスであるヘルペスには無効です。間違って抗生物質を使ってしまうと、効果がないだけでなく、副作用のリスクや耐性菌の問題につながることもあります。必ず医療機関で診断を受け、適切な薬を処方してもらいましょう。
「一度治ったらもう大丈夫」は本当?
発症後に適切な治療を受ければ症状は一旦おさまります。しかし、ウイルスは神経に潜伏して残るため、再発する可能性があります。「治ったからもう一生出ない」と油断せず、再発予防や前兆時の早期対応が大切です。
ヘルペスを早く、正しく治すためには放置せず皮膚科を受診しよう
ヘルペスの症状は自然におさまることもありますが、だからといって放置するのはおすすめできません。適切な治療を受けることで、症状を早く軽く済ませられ、再発の予防にもつながります。特に初めて症状が出た場合や、痛みや広がりが強い場合は、自己判断せず早めに皮膚科を受診しましょう。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
放置したいわけではないけど、「仕事や育児で病院に行く時間がとれない」「近くに皮膚科がない」ということもあるでしょう。忙しくて病院に行けないという人でも、近年では自宅にいながら診察を受けられる方法があります。それが、オンライン診療です。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、インターネットに接続されたスマートフォン、タブレット、パソコンなどを使って、自宅にいながら医師とビデオ通話で診察を受けられる医療サービスです。診察の予約、問診、診断、薬の処方、支払いまで、すべての流れをオンライン上で完結します。病院に行く時間がない方でも、医師の診察を受ける機会を確保できます。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKU(ソクヤク)は、オンライン診療をスムーズに行えるサービスです。診察の予約から、医師とのやり取り、薬の受け取りまで、すべてをアプリ内で簡単に完了させられます。
専門スタッフによるサポートを受けられ、使い慣れたクリニックや薬局を登録しておける機能もあります。お薬手帳の情報もアプリで管理できるため、通院記録の管理も簡単です。全国どこに住んでいても、当日または翌日に処方薬を受け取れる体制が整っているため、急ぎのときにも安心です。
オンラインで受診できる医療機関を探す⇒
まとめ
ヘルペスは自然におさまることもありますが、適切な治療を受けることで、症状を軽くし、再発を防げます。市販薬で様子を見るべきか、それとも医療機関を受診すべきか迷ったときは、自己判断せず専門家に相談するのが安心です。再発を防ぐには、日ごろの体調管理や予防もかかせません。気になる症状があれば、早めに皮膚科で診てもらいましょう。
「またあの場所に水ぶくれが…」そんな症状に悩まされていませんか?それは「ヘルペス」かもしれません。知らないうちに感染し、ストレスや疲れをきっかけに何度も症状が出ることもあります。この記事では、ヘルペスとは何か、治し方、そして再発を防ぐための注意点までわかりやすくお伝えします。
まずはヘルペスの正しい知識から
ヘルペスと聞くと、「うつる病気」「水ぶくれができる」といった印象を持つ方が多いかもしれません。実は、ヘルペスは誰でもかかる可能性のあるごく身近なウイルス感染症です。
誰にでも起こる身近なウイルス感染症
60代以上の日本人のほとんどがHSVの抗体を持っているといわれています。感染経路は接触感染が中心で、キスや性行為、タオルの共有などが主な原因です。
近年は家庭内感染が減った影響で、若年層の感染率は低下しています。大人になって初めて感染すると重症化することもあるため、注意が必要です。
なぜストレスや疲れで再発するのか
ウイルスは神経節に潜伏しており、体の免疫力が下がると再活性化します。たとえば風邪をひいたり、強い紫外線を浴びたり、疲れが溜まったりすると、再び活性化して症状が現れるのです。
ヘルペスは「ストレスのバロメーター」とも言われます。忙しい時期や季節の変わり目、睡眠不足が続いたときなどに再発しやすく、日常生活と密接に関わっている病気だといえるでしょう。
「完治しないウイルス」の意味
ヘルペスウイルスは、体から完全に排除されることはありません。「治る」とは症状が一時的におさまることで、ウイルス自体は神経の中に残ります。再発を予防・管理することが治療の主な目的です。
ヘルペスの主な症状と出やすい部位
感染した部位によって、現れる症状が異なります。代表的なのは「口唇ヘルペス」と「性器ヘルペス」です。
口唇ヘルペス:唇や口のまわりにできる水ぶくれ
ピリピリとした違和感のあと、唇や口の周囲に小さな水ぶくれができます。数日でかさぶたになり、1〜2週間ほどで治癒しますが、再発を繰り返すことがあります。
性器ヘルペス:デリケートゾーンに現れる症状
性器や肛門周辺に水ぶくれや潰瘍ができ、排尿時の痛みや発熱を伴うこともあります。初感染は重くなる傾向があり、女性は症状が強く出やすいことが特徴です。
初感染と再発で異なる症状
初感染では、体がウイルスに初めて反応するため、症状が強く出やすく、発熱や倦怠感、リンパ節の腫れなどの全身症状を伴うこともあります。再発の場合は症状が比較的軽く、違和感だけで済む場合もあります。
ヘルペスの症状はこう進む
ヘルペスの症状は突然現れるように見えて、段階的に進行していきます。
チクチク・ピリピリしたら要注意
前兆として違和感(ピリピリ、ムズムズ)が出ることが多く、人によってはかゆみや軽い痛みを感じることもあります。
水ぶくれができたあとの経過
前兆の数日後、数日以内に小さな赤いできものや水ぶくれが現れます。これが典型的なヘルペスの発疹です。水ぶくれは1つのこともあれば、群がって複数できることもあり、強いかゆみや痛みを伴うことがあります。
数日後には水ぶくれが破れてただれ、かさぶたができていきます。通常、初発の場合は症状が強く、完治までに2週間程度が目安です。
受診するタイミングは
・初めてヘルペスと思われる症状が出たとき
・水ぶくれが広がっている、または強い痛みや発熱があるとき
・繰り返し再発して日常生活に支障をきたしているとき
・妊娠中に性器ヘルペスを発症した場合
ヘルペスの正しい治し方
ここでは、ヘルペスにかかったときの正しい対処法と、治療薬について解説します。
ヘルペスは放置していても自然に治る?
ヘルペスの症状は、多くの場合1〜2週間ほどで自然におさまります。ただし、「ウイルスが治った」わけではなく、あくまで一時的に症状が落ち着いただけにすぎません。ウイルス自体は神経に潜伏して残り、体調や免疫の低下をきっかけに再発を繰り返す可能性があります。初感染や重症の場合は特に放置は禁物です。
抗ウイルス薬が治療の中心
治療の基本は「抗ウイルス薬」です。ウイルスの増殖を抑えることで、症状の早期改善や再発予防につながります。前兆を感じた段階で服用を始めると、水ぶくれができる前に抑えられる場合もあります。
飲み薬・塗り薬の違い
内服薬はウイルス全体に作用し、症状が強いときに使われます。性器ヘルペスや症状が重い口唇ヘルペスの場合は、内服薬が治療の中心です。
塗り薬は症状が出ている部分に直接塗布することで、かゆみや痛みなどの不快感をやわらげるサポートをします。ただし、ウイルスの増殖を大きく抑えるほどの効果は内服薬よりは限定的です。症状の程度に応じて両方を併用することもあります。
軽症なら市販薬でもいい?
軽い口唇ヘルペスで、過去に同じような再発経験があり、再発の前兆にすぐ気づける方は、初期対応として市販薬を活用するのも一つの方法です。ただし、市販薬ではウイルスそのものをしっかり抑えるのは難しく、症状が強い場合や性器ヘルペスには適していません。また、自己判断で他の皮膚炎と見分けがつかず、誤った治療をしてしまうリスクもあります。
部位別のヘルペスの治し方
顔や口まわりだけでなく、性器、目、指など、意外な場所にも発症することがあります。
口唇ヘルペスの治療
性器ヘルペスの治療
抗ウイルス薬の内服が中心となります。初めての発症では痛みや発熱が強く出ることがあるため、早めの婦人科や泌尿器科の受診が必要です。
目にできた場合の治療
まぶたや目の表面(角膜)にヘルペスができるケースもあります。症状としては、目の痛み、充血、まぶたの腫れ、視界のぼやけなどです。治療は、抗ウイルス薬の内服と点眼薬が使われます。眼科での専門的な診察が必要です。自己判断で市販の目薬を使うのは絶対に避けましょう。
指にできた場合の治療
ヘルペス性ひょう疽は、指先に水ぶくれや痛みが現れます。症状が軽い場合でも、抗ウイルス薬の内服または塗り薬による治療が有効です。指から他の部位への感染を防ぐため、触らず、清潔を保ちましょう。
再発をくり返す人のための予防法
一度感染すると、疲れやストレス、体調不良をきっかけに再発をくり返すことがあります。ここでは、ヘルペスの再発を防ぐためにできる対策を紹介します。
日常生活で気をつけたいポイント
再発を防ぐには、免疫力の維持が重要です。とくに睡眠不足や疲労の蓄積、ストレスなどはウイルスの再活性化につながります。口唇ヘルペスは紫外線の刺激でも再発することがあるため、日差しの強い日には唇の保護を心がけましょう。風邪をひいたときや体力が落ちている時期も注意が必要です。
長期間内服する再発抑制療法とは
年に何度もくり返し現れるようなケースでは、抗ウイルス薬を毎日服用する再発抑制療法が検討されます。ウイルスが活性化するのを未然に抑えることを目的としたもので、3か月から半年、あるいはそれ以上の期間にわたって服薬を続けることになります。継続的な服用には医師の管理が必要です。
予兆で内服するPIT療法
ヘルペスには再発の予兆が現れることが多く、たとえばピリピリした違和感や軽い痛みが出た時点で自分で異変に気づける方も少なくありません。そうした再発の兆しを感じた瞬間に、すぐ抗ウイルス薬を服用するのがPIT療法(予兆時治療)です。あらかじめ医師に相談し、必要な薬を手元に用意しておくことが前提となるため、自己判断ではなく、予兆のパターンを把握できていることが重要です。
ヘルペスってうつるの?
感染しやすいタイミング
ヘルペスが最も移りやすい時期は、水ぶくれができている間です。破れて浸出液が出ている時期はウイルス量が最も多く、感染力が非常に高いため注意しましょう。ただし、何の症状も出ていないときでも、ごく稀にウイルスが体の外に出ていることがあり、この状態で感染する場合もあります。
周囲にうつさないために
症状が出ているときは、特に周囲への配慮が大切です。水ぶくれがある間は、できるだけ患部に触れないようにし、うっかり触れてしまった場合はすぐに石けんで丁寧に手を洗いましょう。口唇ヘルペスがあるときは、タオルや食器、歯ブラシなどの共用は避け、自分専用のものを使ってください。性器ヘルペスの場合は、症状が出ている間の性行為は避けた方が安全です。
ヘルペスの治し方に関するよくある誤解
治療については誤解も多く広まっています。以下のことには注意しましょう。
「抗生物質で治る」はウソ?
ヘルペスには抗生物質は効きません。細菌にしか効かず、ウイルスであるヘルペスには無効です。間違って抗生物質を使ってしまうと、効果がないだけでなく、副作用のリスクや耐性菌の問題につながることもあります。必ず医療機関で診断を受け、適切な薬を処方してもらいましょう。
「一度治ったらもう大丈夫」は本当?
発症後に適切な治療を受ければ症状は一旦おさまります。しかし、ウイルスは神経に潜伏して残るため、再発する可能性があります。「治ったからもう一生出ない」と油断せず、再発予防や前兆時の早期対応が大切です。
ヘルペスを早く、正しく治すためには放置せず皮膚科を受診しよう
ヘルペスの症状は自然におさまることもありますが、だからといって放置するのはおすすめできません。適切な治療を受けることで、症状を早く軽く済ませられ、再発の予防にもつながります。特に初めて症状が出た場合や、痛みや広がりが強い場合は、自己判断せず早めに皮膚科を受診しましょう。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
放置したいわけではないけど、「仕事や育児で病院に行く時間がとれない」「近くに皮膚科がない」ということもあるでしょう。忙しくて病院に行けないという人でも、近年では自宅にいながら診察を受けられる方法があります。それが、オンライン診療です。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、インターネットに接続されたスマートフォン、タブレット、パソコンなどを使って、自宅にいながら医師とビデオ通話で診察を受けられる医療サービスです。診察の予約、問診、診断、薬の処方、支払いまで、すべての流れをオンライン上で完結します。病院に行く時間がない方でも、医師の診察を受ける機会を確保できます。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKU(ソクヤク)は、オンライン診療をスムーズに行えるサービスです。診察の予約から、医師とのやり取り、薬の受け取りまで、すべてをアプリ内で簡単に完了させられます。
専門スタッフによるサポートを受けられ、使い慣れたクリニックや薬局を登録しておける機能もあります。お薬手帳の情報もアプリで管理できるため、通院記録の管理も簡単です。全国どこに住んでいても、当日または翌日に処方薬を受け取れる体制が整っているため、急ぎのときにも安心です。
まとめ
ヘルペスは自然におさまることもありますが、適切な治療を受けることで、症状を軽くし、再発を防げます。市販薬で様子を見るべきか、それとも医療機関を受診すべきか迷ったときは、自己判断せず専門家に相談するのが安心です。再発を防ぐには、日ごろの体調管理や予防もかかせません。気になる症状があれば、早めに皮膚科で診てもらいましょう。
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
1.
当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
2.
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3.
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皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療
2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業


















































