皮膚がピリピリ、チクチクする、帯状疱疹かもしれない！何科に行くべき？

もしかして帯状疱疹？初期サインとは

帯状疱疹は、体の片側に痛みや発疹が現れる病気です。発症の初期には、皮膚に違和感や痛みを感じることが多く、発疹が現れる前に体の片側に痛みやかゆみが先行することがあります。このような初期のサインに気づいたら、早期に医師に相談しましょう。

体のどちらかに症状が出る

特徴的な症状は、体の左右どちらか一方にのみ現れることです。症状は神経に沿って帯状に広がるため、最初は小さな違和感として感じることがほとんどですが、次第に痛みが増してきます。この痛みは、ジンジンとした感じや焼けるような痛みとして表現され、非常に不快です。

体の柔らかいところに症状が出る

現れやすい場所は、皮膚が薄い柔らかい部分です。多くは胸部や背中、腹部などの上半身に現れますが、顔や首にも症状が出ることがあります。これらの場所で痛みや違和感を感じる場合、帯状疱疹の可能性を考えて早めに受診を検討しましょう。

痛みやかゆみのあと発疹が出る

最初に痛みやかゆみ、違和感が現れ、その後に発疹が現れるのが特徴です。初めは小さな赤い盛り上がりやぶつぶつが現れますが、次第にこれらが水ぶくれになり、数が増えていきます。水ぶくれは帯状に並んで広がることから、「帯状疱疹」と呼ばれています。

痛み？赤み？何科に行けばいいか迷ったら

帯状疱疹かどうかわからない場合、どの科を受診すべきか迷うかもしれません。ここでは、何科を受診すべきかみていきましょう。

発疹が出たら皮膚科が基本

帯状疱疹は皮膚に現れる症状が特徴的な病気です。そのため、発疹や赤みが現れたら、まず皮膚科を受診しましょう。

皮膚科では、発疹の状態をしっかりと確認し、帯状疱疹か他の皮膚疾患かを正確に診断できます。皮膚症状を放置すると、進行して痛みが強くなり、後遺症が残る可能性があるため、早期に受診することが重要です。

痛みだけならペインクリニックという選択肢も

初期症状として、痛みが先に現れることがあります。この場合、皮膚に発疹が出る前に痛みが強くなることもあり、帯状疱疹かどうか判断がつきにくいことがあります。そのような場合、ペインクリニックを受診することも一つの選択肢です。

ペインクリニックでは、神経痛を和らげる治療が受けられますが、抗ウイルス薬の処方はされない場合があります。そのため、皮膚科と連携して治療を受けることが大切です。痛みが続くと生活の質が低下するため、早期に対処しましょう。

はっきりしない症状は内科で

症状がまだはっきりしない場合や、痛みが強くて皮膚症状がまだ確認できない場合は、内科を受診するのも一つの方法です。内科では、体全体の状態をチェックし、必要に応じて皮膚科やペインクリニックへと紹介してくれます。発熱や頭痛を伴う場合には、他の疾患の可能性もあるため、内科で総合的に診断してもらうことが重要です。

帯状疱疹の治療はスピードがカギ！

治療は早期に始めることが重要です。抗ウイルス薬は皮疹出現後72時間以内、または水疱形成前でも痛みのみで疑う場合に開始することが推奨されています。

ここでは、診断方法と治療について解説します。

帯状疱疹の診断はどのようにする？

診断は、皮膚に現れる特徴的な症状を目で確認します。小さな水疱が帯状に分布している皮膚症状が見られると、帯状疱疹と診断されることが一般的です。しかし、皮膚症状だけで診断が困難な場合もあります。

ツァンク試験

感染部位から採取した細胞を顕微鏡で観察し、ウイルス感染の兆候を確認します。

水痘・帯状疱疹ウイルス抗原検査薬

ウイルス抗原の存在を調べる方法です。

血液検査

水痘・帯状疱疹ウイルスの抗体の有無や量を調べます。

これらの検査は、症状が初期の段階であったり、典型的な水疱が現れる前に受診した場合に有用です。

治療はウイルスの増殖を抑える薬で進行を食い止める

治療は抗ウイルス薬が基本です。ウイルスが増殖する過程で、ウイルスのDNAの合成を妨げることで、ウイルスの増殖を抑制します。症状が軽い場合や中程度の場合は、内服薬が処方されます。

症状が重い場合や免疫機能が低下している場合には、入院して抗ウイルス薬を点滴で投与することが必要です。点滴での治療は、薬の吸収速度が速く、より強力にウイルスの増殖を抑えられます。

痛みも我慢せず伝えてください

痛みは発疹が現れる前から始まることが多く、強くなることがあります。帯状疱疹による痛みは非常に強く、日常生活に支障をきたすこともあるため、適切な鎮痛治療が必要です。痛みに対しては、鎮痛剤を用いた治療が行われます。ただし痛み止めは、痛みの緩和を目的とした治療法であり、帯状疱疹の発症や進行そのものを抑えるものではありません。

顔や耳に出たら要注意！部位によっては専門科の受診も必要

帯状疱疹が顔や耳に現れることがありますが、この場合には特別な注意が必要です。放置すると、視力や聴力に影響を及ぼす可能性があるため、早急に専門的な治療を受けましょう。

目に出たらすぐ眼科へ

眼部帯状疱疹は、目の周りに現れることで、視力に影響を与える可能性があります。鼻部に発疹が見られる場合、眼合併症を引き起こすリスクが高くなるため、迅速な対応が必要です。眼合併症には結膜炎や角膜炎、虹彩毛様体炎などがあり、進行すると視力低下や失明に繋がる恐れがあります。

目の周りに異常を感じた場合や、症状が目に現れた場合は、すぐに眼科を受診しましょう。

目の周辺にできる帯状疱疹について詳しく解説

耳に出たら耳鼻科へ

耳性帯状疱疹は、耳に激しい痛みと水疱が現れる病気です。耳介や外耳道に痛みが出て、数日後に水疱が現れることが一般的ですが、症状が進行すると、顔面神経麻痺や難聴、めまいなどの症状が現れることもあります。

症状が現れた場合、早期に耳鼻科を受診することが重要です。初めは耳の痛みだけで水疱が現れないことも多いため、耳に痛みを感じた場合は早めに症状を確認してもらいましょう。

耳の周辺にできる帯状疱疹について詳しく解説

帯状疱疹と間違えやすい病気は？

帯状疱疹の初期症状は、他の皮膚疾患と似ていることが多く、発疹や痛みが現れる前段階で判断が難しい場合があります。そのため、似た症状を引き起こす病気について理解しておきましょう。

虫刺され

蚊やダニ、ノミ、毛虫、ムカデなどに刺されたことが原因で皮膚に炎症が生じた状態です。虫刺されによる皮膚炎は、かゆみや発赤、腫れ、水ぶくれなどを引き起こしますが通常、刺された部分に限局して現れます。

どちらも水ぶくれを伴うことがあるため、見た目が似ることがありますが、虫刺されでは発疹が広がることはなく、通常は特定の部位で収束します。

単純ヘルペス

口唇ヘルペスの予防と対処法について解説

口唇や陰部などに小さな水ぶくれが現れる病気で、一般的に「口唇ヘルペス」として知られています。帯状疱疹は片側の神経に沿って水疱が帯状に現れますが、単純ヘルペスは水疱が一部に現れ、粘膜部分に多く見られます。症状の発生場所や治療法に違いがあるため、適切な診断が重要です。

接触性皮膚炎

化粧品や金属製の装飾品、洗剤など、外的物質に触れることで皮膚に炎症が生じた状態です。接触した部分に紅斑や小水疱が現れることがあり、帯状疱疹の発疹に似ていることがあります。ただし、皮膚が触れた部分に限局して現れることが特徴で、片側に帯状に広がることはほとんどありません。

皮膚に症状がある場合は、放置せず皮膚科を受診しよう

帯状疱疹は、皮膚に特徴的な症状が現れる病気です。発疹や水疱が現れた場合、その症状が帯状疱疹かどうかを早期に確認し、適切な治療を受けることが大切です。皮膚に異常を感じた場合には、放置せずに迷わず皮膚科を受診してください。

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まとめ

帯状疱疹の治療は、皮疹が出てからできるだけ早く始めることが大切です。発症後72時間以内の治療開始が理想とされています。皮膚に赤みや水ぶくれが見られる場合は、まず皮膚科を受診するのが基本です。まだ発疹がなく、痛みだけがある場合はペインクリニック、熱を伴いはっきりしない場合は内科で相談するのも良いでしょう。さらに、目の周りや耳など特定の部位に症状が出た場合は、眼科や耳鼻科を受診する必要です。「しばらく様子を見る」のではなく、「できるだけ早く専門の医師に相談する」ことで、重症化や後遺症を防ぐことにつながります。少しでも不安を感じたら、ためらわずに医療機関を受診しましょう。