【皮膚科医師監修】帯状疱疹になったらいつまで安静?治療期間と日常生活の注意点
帯状疱疹の治療期間はどれくらい?
帯状疱疹は、発症すると強い痛みや水ぶくれを伴う皮膚の病気です。早期に治療を始めることで症状を軽減し、後遺症のリスクも抑えられます。
治療期間は、一般的に2〜3週間程度とされています。抗ウイルス薬を発疹から3日以内に服用開始できた場合、1週間ほどで水ぶくれがかさぶたへと変化し、その後2〜3週間かけて皮膚が回復していく流れが一般的です。
ただし、痛みの強さや体力、免疫状態によって治り方には個人差があります。皮膚の症状が治まっても、神経の痛みが1ヶ月以上続くケースもあり、高齢者では「帯状疱疹後神経痛」に移行することも少なくありません。
帯状疱疹は水ぼうそうウイルスが原因
子どもの頃にかかる「水ぼうそう」と同じウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因です。水ぼうそうが治った後も、このウイルスは体内の神経節に潜んでいます。加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下すると、再びウイルスが活性化し、神経に沿って皮膚に移動して炎症を起こします。
皮膚に帯状の水ぶくれが現れるとともに、ピリピリ・チクチクとした神経痛を伴うのが特徴です。体の左右どちらか一方に症状が出ることが多く、顔や背中、胸、腹部などに発症します。
治療が遅れると後遺症につながる可能性も
帯状疱疹は、早期の治療が非常に重要になります。なぜなら、治療のタイミングによって、治るまでの期間や後遺症のリスクが大きく変わるからです。
治療が遅れると「帯状疱疹後神経痛(PHN)」という後遺症が残る可能性が高まります。これは、皮膚症状が治った後も、神経のダメージによって痛みが数ヶ月から年単位で続くことがある状態です。
PHNのリスクは高齢者に多い傾向がありますが、若い人でも発症することがあり、初期の痛みが強いほど神経痛に移行しやすいとされています。そのため、発疹が出たら3日以内の受診が非常に重要です。
治療に必要な期間とその流れ
帯状疱疹の治療は、ウイルスの活動を早期に抑えることが鍵です。治療がスムーズに進めば、皮膚症状は数週間で落ち着くケースが多いですが、経過には個人差があります。ここでは、治療の流れや期間の目安をわかりやすく解説します。
抗ウイルス薬は発疹後3日以内に服用開始が理想
帯状疱疹の治療で最も重要なのが、抗ウイルス薬の早期服用です。発疹が出てから72時間(3日以内)に薬を服用し始めることで、ウイルスの増殖を抑え、皮膚の症状や神経へのダメージを最小限に抑えられます。「ちょっとした湿疹かな?」と思っても、体の片側だけに痛みと発疹が出るような場合は、早めに医師の診察を受けましょう。
抗ウイルス薬の内服期間は7日間が基本
処方される抗ウイルス薬は、7日間服用するのが基本的な治療期間とされています。薬を飲み始めて2〜3日ほどで症状が軽くなったように感じることもありますが、自己判断で中止せず、医師の指示通り最後まで飲み切ることが大切です。
薬の種類としては「バラシクロビル」や「ファムシクロビル」などが一般的に使われています。重症の場合には入院して点滴による治療が行われることもあります。
水ぶくれやかさぶたが治るまでの皮膚症状は約3週間
発疹が出てから1週間ほどで水ぶくれがかさぶたに変わり始め、そこからさらに2週間ほどかけて皮膚の状態が落ち着いていくのが一般的です。皮膚症状の回復には全体で約3週間程度かかると考えておくとよいでしょう。
ただし、炎症がひどい場合や水ぶくれが破れてしまった場合などは、さらに時間がかかることもあります。水ぶくれは無理に触らず、ガーゼなどで清潔に保護しながら自然にかさぶたになるのを待ちましょう。
痛みが長引くことも。帯状疱疹後神経痛に注意
皮膚症状が治った後も、「ピリピリ」「ズキズキ」とした痛みが残ることがあります。これは「帯状疱疹後神経痛(PHN)」という後遺症です。ウイルスによって傷ついた神経が長く痛みを感じ続ける状態で、発症から3ヶ月以上経っても痛みが続く場合に診断されます。
ひどいケースでは、電気が走るような痛みや触れるだけでズキズキする痛みが何ヶ月も続くこともあります。もし痛みが長引くようであれば、早めに医師に相談し、神経痛の治療やペインクリニックの受診を検討しましょう。
帯状疱疹の治療中に気をつけること
帯状疱疹の治療中は、薬による治療だけでなく、日常生活でのちょっとした心がけが回復に大きく影響します。自己判断で無理をしたり、患部を刺激してしまうと、かえって症状が悪化する恐れもあります。ここでは、治療中に特に注意すべきポイントを紹介します。
痛みが治まっても薬は飲み続けるのが大切
薬を飲み始めて2〜3日ほどで症状が軽くなったように感じることもありますが、自己判断で中止しないようにしましょう。見た目の症状が軽くなっても、体内ではウイルスとの戦いが続いているかもしれません。中途半端に治療をやめてしまうと、症状がぶり返したり、後遺症のリスクが高まったりすることもあります。
帯状疱疹の治療薬は、ウイルスの増殖を抑えるのが目的です。処方された期間はしっかり飲み切ることが、早期回復と後遺症の予防につながります。痛み止めや塗り薬も同様に、医師の指示を守るようにしましょう。
症状が落ち着くまでは10日〜15日の安静が目安
帯状疱疹は、体の免疫力が落ちているときに発症しやすいため、治療中はできるだけ無理をせず、体を休めることが大切です。一般的には、症状が落ち着くまでの10日〜15日程度を目安に安静にしましょう。
仕事や家事が気になって動きたくなるかもしれません。しかし、症状がぶり返したり、回復が遅れる原因になることもあるため注意が必要です。痛みが強い、発疹が広範囲に広がっている、持病があるといった場合は特に、しっかり休養をとり体力の回復を優先してください。
患部を冷やさず、刺激しないよう注意しよう
帯状疱疹が出ている部分は、極めて敏感で痛みやすい状態です。冷たいタオルや氷などで患部を冷やすと血行が悪くなり、かえって痛みが強くなったり、ウイルスが活発化する原因になることがあります。なるべく温めて血流を促すようにしましょう。
また、水ぶくれができている場合は、患部に刺激を与えないことも重要です。ぴったりした服を着るのは避け、通気性の良い柔らかい素材の衣服を選んでください。
小さな子どもとの接触は控えよう
帯状疱疹そのものは人にうつることはありません。しかし、水ぼうそうにかかったことがない方に対しては、水ぼうそうとして感染する可能性があります。とくに、水ぶくれが破れた状態ではウイルスが外に出やすいため注意が必要です。
家庭内に小さなお子さんがいる場合は、水ぶくれが完全にかさぶたになるまでは接触を控えましょう。タオルやお風呂の順番を分ける、同じ布団で寝ないなどの工夫も感染予防になります。
帯状疱疹を早く治すためにできること
免疫力を高めることは、ウイルスの再活性化を抑えるだけでなく、皮膚や神経の修復にもつながります。ここでは、日常生活の中で意識したい回復のポイントをご紹介します。
規則正しい睡眠と栄養が回復を早める
帯状疱疹の回復には、体の免疫力を高めることが最も大切です。そのためには、十分な睡眠とバランスの取れた食事が欠かせません。睡眠は、ウイルスと戦う白血球の働きを活性化させる効果があるといわれており、最低でも1日7時間の睡眠を目指しましょう。また、栄養面では、たんぱく質やビタミンB群、亜鉛などを意識的に摂ることで、傷の修復や免疫力の維持に役立ちます。
疲れやストレスを溜めないよう、なるべく心身ともにリラックスできる時間を意識して取り入れることも、回復を早めるポイントです。
水ぶくれは触らず、衛生的に保護を
帯状疱疹の症状が進むと、赤い発疹が小豆大ほどの水ぶくれになります。これを無理に触ったり、潰したりするのは避けましょう。傷跡が残ったり細菌感染を引き起こすリスクがあります。
水ぶくれが破れると、ウイルスが外に漏れ出して感染リスクが高まるだけでなく、細菌による二次感染や傷跡の残る原因にもなります。日常生活では、ガーゼや通気性の良い保護材で覆って清潔を保つことが大切です。
患部は石けんを使ってやさしく洗い、ゴシゴシこすらずに丁寧に水分を拭き取るようにしましょう。衛生管理が行き届いていれば、皮膚症状の回復もスムーズになります。
無理な運動や飲酒は避けよう
治療中は、体に無理な負担をかけないことが基本です。激しい運動や長時間の外出はエネルギーを消耗させ、回復が遅れる原因になります。症状が落ち着くまでは、軽いストレッチや散歩程度に留めておきましょう。
アルコールの摂取も控えてください。アルコールは血管を拡張させて炎症を悪化させる恐れがあり、水ぶくれがある時期には症状が長引く原因になります。薬と相互作用を起こす可能性もあるため、飲酒は回復後まで我慢するのが安心です。
帯状疱疹の再発を防ぐために
帯状疱疹は一度かかると「もうならない」と思われがちですが、再発する可能性はゼロではありません。再びつらい症状に悩まされないためには、日頃からの予防が何より大切です。ここでは、帯状疱疹の再発を防ぐために意識したいポイントを解説します。
免疫力を維持することが最大の予防策
帯状疱疹の原因である水痘・帯状疱疹ウイルスは、初感染後も体内に潜伏し続けます。つまり、誰の体内にも再発の可能性があるということです。そして、ウイルスが再び活性化する最大のきっかけは免疫力の低下です。
再発を防ぐには免疫力を高く保つ生活習慣が基本になります。十分な睡眠、ストレスをためない心の余裕、栄養バランスのよい食事、そして適度な運動など、日々の積み重ねが大きな差になります。
忙しくて生活リズムが乱れがちな方や、慢性的な疲労を感じている方は注意しましょう。無理を続けると、知らないうちに免疫力が落ち、再発を招くことがあります。
50歳以上は予防接種も検討を
50歳を過ぎると、加齢により免疫力が自然と低下するため、帯状疱疹を未然に防ぐためのワクチン接種が推奨されるようになっています。接種できる帯状疱疹のワクチンは、生ワクチン(1回接種)と不活化ワクチン(2回接種)の2種類です。
副反応や費用面の違いもあるため、かかりつけ医と相談し、自分に合ったワクチンを選ぶようにしましょう。不活化ワクチンは予防効果が高く、10年程度の長期にわたる予防効果があるとされています。
症状に気づいたらすぐに受診を。適切な治療で後悔しないように
「もっと早く病院に行っておけばよかった」と後悔しないためにも、「ピリピリ」「チクチク」といった違和感や、体の片側に現れる発疹に気づいたら、すぐに皮膚科などの医療機関を受診しましょう。
適切な治療と安静、そして正しい知識があれば、帯状疱疹はしっかり回復できる病気です。焦らず、無理せず、自分の体と向き合う時間を持つことが、最善の対策になります。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
帯状疱疹の症状が出ていても、「仕事が忙しくて病院に行けない」「子どもがいて外出が難しい」といった理由で、受診を後回しにしてしまう方もいるかもしれません。そんなときは、オンライン診療を利用するのもひとつの方法です。早期治療が大切な帯状疱疹だからこそ、「通えないから治療できない」を避ける手段として、オンライン診療を活用しましょう。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、インターネット環境があれば、スマートフォンやパソコン、タブレットを使って医師の診察を受けられる医療サービスです。ビデオ通話を通じて医師が問診や診察を行い、必要があれば処方箋の発行もできます。予約から支払いまですべてオンラインで完結できるのが大きな特徴で、通院の手間もありません。軽症のうちに受診したい場合や、繰り返しの通院が難しい方におすすめです。
SOKUYAKUとは
「SOKUYAKU(ソクヤク)」は、オンライン診療とお薬の受け取りをスムーズに行える医療サービスです。アプリ上で簡単に診察予約から薬の受け取りまでが完了するサービスで、忙しい方や初めてオンライン診療を利用する方にも使いやすい設計になっています。
専門スタッフによるサポート体制や、お気に入りのクリニック・薬局の登録機能もあり、お薬手帳のデジタル化にも対応しています。薬は最短で当日または翌日に自宅へ配送されるため、症状がつらいときでも安心です。時間に追われる日々の中でも、自分の健康を後回しにしないために、こうしたサービスをうまく活用しましょう。
オンラインで受診できる医療機関を探す⇒
まとめ
帯状疱疹は、早めの治療と無理をしない生活習慣が回復を早める鍵になります。見た目の症状が軽くなっても、帯状疱疹後神経痛などの後遺症が残ることもあるため、途中で油断せず、最後までしっかり治療を続けることが大切です。「少しおかしいな」と感じたら、我慢せずに早めに皮膚科を受診し、医師の診断や指示に従って正しいケアを行いましょう。早期の対応が、つらい症状を長引かせないための一歩です。
帯状疱疹と診断されると、「どのくらい安静にすべき?」「仕事や家事はいつ再開できるの?」と不安を感じる方も多いでしょう。帯状疱疹はウイルスによって起こる病気で、スムーズな回復には早めの治療と十分な安静が欠かせません。この記事では、治療期間の目安や日常生活で気をつけたいポイントを、わかりやすくご紹介します。
帯状疱疹の治療期間はどれくらい?
帯状疱疹は、発症すると強い痛みや水ぶくれを伴う皮膚の病気です。早期に治療を始めることで症状を軽減し、後遺症のリスクも抑えられます。
治療期間は、一般的に2〜3週間程度とされています。抗ウイルス薬を発疹から3日以内に服用開始できた場合、1週間ほどで水ぶくれがかさぶたへと変化し、その後2〜3週間かけて皮膚が回復していく流れが一般的です。
ただし、痛みの強さや体力、免疫状態によって治り方には個人差があります。皮膚の症状が治まっても、神経の痛みが1ヶ月以上続くケースもあり、高齢者では「帯状疱疹後神経痛」に移行することも少なくありません。
帯状疱疹は水ぼうそうウイルスが原因
子どもの頃にかかる「水ぼうそう」と同じウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因です。水ぼうそうが治った後も、このウイルスは体内の神経節に潜んでいます。加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下すると、再びウイルスが活性化し、神経に沿って皮膚に移動して炎症を起こします。
皮膚に帯状の水ぶくれが現れるとともに、ピリピリ・チクチクとした神経痛を伴うのが特徴です。体の左右どちらか一方に症状が出ることが多く、顔や背中、胸、腹部などに発症します。
治療が遅れると後遺症につながる可能性も
帯状疱疹は、早期の治療が非常に重要になります。なぜなら、治療のタイミングによって、治るまでの期間や後遺症のリスクが大きく変わるからです。
治療が遅れると「帯状疱疹後神経痛(PHN)」という後遺症が残る可能性が高まります。これは、皮膚症状が治った後も、神経のダメージによって痛みが数ヶ月から年単位で続くことがある状態です。
PHNのリスクは高齢者に多い傾向がありますが、若い人でも発症することがあり、初期の痛みが強いほど神経痛に移行しやすいとされています。そのため、発疹が出たら3日以内の受診が非常に重要です。
治療に必要な期間とその流れ
帯状疱疹の治療は、ウイルスの活動を早期に抑えることが鍵です。治療がスムーズに進めば、皮膚症状は数週間で落ち着くケースが多いですが、経過には個人差があります。ここでは、治療の流れや期間の目安をわかりやすく解説します。
抗ウイルス薬は発疹後3日以内に服用開始が理想
帯状疱疹の治療で最も重要なのが、抗ウイルス薬の早期服用です。発疹が出てから72時間(3日以内)に薬を服用し始めることで、ウイルスの増殖を抑え、皮膚の症状や神経へのダメージを最小限に抑えられます。「ちょっとした湿疹かな?」と思っても、体の片側だけに痛みと発疹が出るような場合は、早めに医師の診察を受けましょう。
抗ウイルス薬の内服期間は7日間が基本
処方される抗ウイルス薬は、7日間服用するのが基本的な治療期間とされています。薬を飲み始めて2〜3日ほどで症状が軽くなったように感じることもありますが、自己判断で中止せず、医師の指示通り最後まで飲み切ることが大切です。
薬の種類としては「バラシクロビル」や「ファムシクロビル」などが一般的に使われています。重症の場合には入院して点滴による治療が行われることもあります。
水ぶくれやかさぶたが治るまでの皮膚症状は約3週間
発疹が出てから1週間ほどで水ぶくれがかさぶたに変わり始め、そこからさらに2週間ほどかけて皮膚の状態が落ち着いていくのが一般的です。皮膚症状の回復には全体で約3週間程度かかると考えておくとよいでしょう。
ただし、炎症がひどい場合や水ぶくれが破れてしまった場合などは、さらに時間がかかることもあります。水ぶくれは無理に触らず、ガーゼなどで清潔に保護しながら自然にかさぶたになるのを待ちましょう。
痛みが長引くことも。帯状疱疹後神経痛に注意
皮膚症状が治った後も、「ピリピリ」「ズキズキ」とした痛みが残ることがあります。これは「帯状疱疹後神経痛(PHN)」という後遺症です。ウイルスによって傷ついた神経が長く痛みを感じ続ける状態で、発症から3ヶ月以上経っても痛みが続く場合に診断されます。
ひどいケースでは、電気が走るような痛みや触れるだけでズキズキする痛みが何ヶ月も続くこともあります。もし痛みが長引くようであれば、早めに医師に相談し、神経痛の治療やペインクリニックの受診を検討しましょう。
帯状疱疹の治療中に気をつけること
帯状疱疹の治療中は、薬による治療だけでなく、日常生活でのちょっとした心がけが回復に大きく影響します。自己判断で無理をしたり、患部を刺激してしまうと、かえって症状が悪化する恐れもあります。ここでは、治療中に特に注意すべきポイントを紹介します。
痛みが治まっても薬は飲み続けるのが大切
薬を飲み始めて2〜3日ほどで症状が軽くなったように感じることもありますが、自己判断で中止しないようにしましょう。見た目の症状が軽くなっても、体内ではウイルスとの戦いが続いているかもしれません。中途半端に治療をやめてしまうと、症状がぶり返したり、後遺症のリスクが高まったりすることもあります。
帯状疱疹の治療薬は、ウイルスの増殖を抑えるのが目的です。処方された期間はしっかり飲み切ることが、早期回復と後遺症の予防につながります。痛み止めや塗り薬も同様に、医師の指示を守るようにしましょう。
症状が落ち着くまでは10日〜15日の安静が目安
帯状疱疹は、体の免疫力が落ちているときに発症しやすいため、治療中はできるだけ無理をせず、体を休めることが大切です。一般的には、症状が落ち着くまでの10日〜15日程度を目安に安静にしましょう。
仕事や家事が気になって動きたくなるかもしれません。しかし、症状がぶり返したり、回復が遅れる原因になることもあるため注意が必要です。痛みが強い、発疹が広範囲に広がっている、持病があるといった場合は特に、しっかり休養をとり体力の回復を優先してください。
患部を冷やさず、刺激しないよう注意しよう
帯状疱疹が出ている部分は、極めて敏感で痛みやすい状態です。冷たいタオルや氷などで患部を冷やすと血行が悪くなり、かえって痛みが強くなったり、ウイルスが活発化する原因になることがあります。なるべく温めて血流を促すようにしましょう。
また、水ぶくれができている場合は、患部に刺激を与えないことも重要です。ぴったりした服を着るのは避け、通気性の良い柔らかい素材の衣服を選んでください。
小さな子どもとの接触は控えよう
帯状疱疹そのものは人にうつることはありません。しかし、水ぼうそうにかかったことがない方に対しては、水ぼうそうとして感染する可能性があります。とくに、水ぶくれが破れた状態ではウイルスが外に出やすいため注意が必要です。
家庭内に小さなお子さんがいる場合は、水ぶくれが完全にかさぶたになるまでは接触を控えましょう。タオルやお風呂の順番を分ける、同じ布団で寝ないなどの工夫も感染予防になります。
帯状疱疹を早く治すためにできること
免疫力を高めることは、ウイルスの再活性化を抑えるだけでなく、皮膚や神経の修復にもつながります。ここでは、日常生活の中で意識したい回復のポイントをご紹介します。
規則正しい睡眠と栄養が回復を早める
帯状疱疹の回復には、体の免疫力を高めることが最も大切です。そのためには、十分な睡眠とバランスの取れた食事が欠かせません。睡眠は、ウイルスと戦う白血球の働きを活性化させる効果があるといわれており、最低でも1日7時間の睡眠を目指しましょう。また、栄養面では、たんぱく質やビタミンB群、亜鉛などを意識的に摂ることで、傷の修復や免疫力の維持に役立ちます。
疲れやストレスを溜めないよう、なるべく心身ともにリラックスできる時間を意識して取り入れることも、回復を早めるポイントです。
水ぶくれは触らず、衛生的に保護を
帯状疱疹の症状が進むと、赤い発疹が小豆大ほどの水ぶくれになります。これを無理に触ったり、潰したりするのは避けましょう。傷跡が残ったり細菌感染を引き起こすリスクがあります。
水ぶくれが破れると、ウイルスが外に漏れ出して感染リスクが高まるだけでなく、細菌による二次感染や傷跡の残る原因にもなります。日常生活では、ガーゼや通気性の良い保護材で覆って清潔を保つことが大切です。
患部は石けんを使ってやさしく洗い、ゴシゴシこすらずに丁寧に水分を拭き取るようにしましょう。衛生管理が行き届いていれば、皮膚症状の回復もスムーズになります。
無理な運動や飲酒は避けよう
治療中は、体に無理な負担をかけないことが基本です。激しい運動や長時間の外出はエネルギーを消耗させ、回復が遅れる原因になります。症状が落ち着くまでは、軽いストレッチや散歩程度に留めておきましょう。
アルコールの摂取も控えてください。アルコールは血管を拡張させて炎症を悪化させる恐れがあり、水ぶくれがある時期には症状が長引く原因になります。薬と相互作用を起こす可能性もあるため、飲酒は回復後まで我慢するのが安心です。
帯状疱疹の再発を防ぐために
帯状疱疹は一度かかると「もうならない」と思われがちですが、再発する可能性はゼロではありません。再びつらい症状に悩まされないためには、日頃からの予防が何より大切です。ここでは、帯状疱疹の再発を防ぐために意識したいポイントを解説します。
免疫力を維持することが最大の予防策
帯状疱疹の原因である水痘・帯状疱疹ウイルスは、初感染後も体内に潜伏し続けます。つまり、誰の体内にも再発の可能性があるということです。そして、ウイルスが再び活性化する最大のきっかけは免疫力の低下です。
再発を防ぐには免疫力を高く保つ生活習慣が基本になります。十分な睡眠、ストレスをためない心の余裕、栄養バランスのよい食事、そして適度な運動など、日々の積み重ねが大きな差になります。
忙しくて生活リズムが乱れがちな方や、慢性的な疲労を感じている方は注意しましょう。無理を続けると、知らないうちに免疫力が落ち、再発を招くことがあります。
50歳以上は予防接種も検討を
50歳を過ぎると、加齢により免疫力が自然と低下するため、帯状疱疹を未然に防ぐためのワクチン接種が推奨されるようになっています。接種できる帯状疱疹のワクチンは、生ワクチン(1回接種)と不活化ワクチン(2回接種)の2種類です。
副反応や費用面の違いもあるため、かかりつけ医と相談し、自分に合ったワクチンを選ぶようにしましょう。不活化ワクチンは予防効果が高く、10年程度の長期にわたる予防効果があるとされています。
症状に気づいたらすぐに受診を。適切な治療で後悔しないように
「もっと早く病院に行っておけばよかった」と後悔しないためにも、「ピリピリ」「チクチク」といった違和感や、体の片側に現れる発疹に気づいたら、すぐに皮膚科などの医療機関を受診しましょう。
適切な治療と安静、そして正しい知識があれば、帯状疱疹はしっかり回復できる病気です。焦らず、無理せず、自分の体と向き合う時間を持つことが、最善の対策になります。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
帯状疱疹の症状が出ていても、「仕事が忙しくて病院に行けない」「子どもがいて外出が難しい」といった理由で、受診を後回しにしてしまう方もいるかもしれません。そんなときは、オンライン診療を利用するのもひとつの方法です。早期治療が大切な帯状疱疹だからこそ、「通えないから治療できない」を避ける手段として、オンライン診療を活用しましょう。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、インターネット環境があれば、スマートフォンやパソコン、タブレットを使って医師の診察を受けられる医療サービスです。ビデオ通話を通じて医師が問診や診察を行い、必要があれば処方箋の発行もできます。予約から支払いまですべてオンラインで完結できるのが大きな特徴で、通院の手間もありません。軽症のうちに受診したい場合や、繰り返しの通院が難しい方におすすめです。
SOKUYAKUとは
「SOKUYAKU(ソクヤク)」は、オンライン診療とお薬の受け取りをスムーズに行える医療サービスです。アプリ上で簡単に診察予約から薬の受け取りまでが完了するサービスで、忙しい方や初めてオンライン診療を利用する方にも使いやすい設計になっています。
専門スタッフによるサポート体制や、お気に入りのクリニック・薬局の登録機能もあり、お薬手帳のデジタル化にも対応しています。薬は最短で当日または翌日に自宅へ配送されるため、症状がつらいときでも安心です。時間に追われる日々の中でも、自分の健康を後回しにしないために、こうしたサービスをうまく活用しましょう。
まとめ
帯状疱疹は、早めの治療と無理をしない生活習慣が回復を早める鍵になります。見た目の症状が軽くなっても、帯状疱疹後神経痛などの後遺症が残ることもあるため、途中で油断せず、最後までしっかり治療を続けることが大切です。「少しおかしいな」と感じたら、我慢せずに早めに皮膚科を受診し、医師の診断や指示に従って正しいケアを行いましょう。早期の対応が、つらい症状を長引かせないための一歩です。
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3.
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4.
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皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療
2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業


















































