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医薬品

病院でもらう湿布の医薬品「モーラステープ」は市販で買える?一般の商品「ケトプロフェンパップ」との違いについて

監修薬剤師 廣瀬安國
2020年11月24日
モーラステープと同じ有効成分の市販薬が存在していることをご存知でしょうか?
モーラステープは病院でもらうことができる医療用医薬品ですが、注意点もいくつかあります。そのため市販薬の「ケトプロフェンパップ」にも使用するためには注意して欲しいことがあります。
今回は、モーラステープやケトプロフェンパップの注意点と違いについて解説します。

医薬品モーラステープの薬について

モーラステープは、痛みや炎症を抑える目的で使用される貼付剤です。数ある痛みを抑えるお薬の中でも非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類されており、成分としてはケトプロフェンというものが配合されています。
その他にも、モーラステープだけでなくモーラスパップというものも存在しています。テープ剤は、粘着力が強くて伸縮力にすぐられている素材を利用し、剥がれにくいことが最大なメリットですが、かぶれが起きやすいデメリットが存在しています。パップ剤は、水分を多く含んだ厚みのある素材を使用しているためひんやりとして患部を冷やす効果があり、かぶれが起きにくいメリットがあります。デメリットとしては剥がれやすいので長時間貼ることが難しいことがあります。
テープ剤とパップ剤は、使用する部位の皮膚の状態や動きの大きさによって使い分けるといいでしょう。膝や肩などの動きの大きい関節部であればテープ剤、腰などの動きが少なく広い部位でかぶれが気になる方はパップ剤を選んでみるといいでしょう。

ケトプロフェンという医療成分が解熱鎮痛作用を示す

モーラステープの薬効成分であるケトプロフェンは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類される解熱鎮痛薬です。体内には、痛みや炎症、発熱を引き起こす原因になっている「プロスタグランジン」というものが存在しています。プロスタグランジンは、体内でシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素を利用することで産生されますが、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)はシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することでプロスタグランジンの生成を抑えることで解熱鎮痛作用を発揮します。ケトプロフェンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の中でも「プロピオン酸系」と呼ばれ、比較的副作用の少ない成分とされています。その他の特徴としては古い世代のテープ剤などで使用されていた薬剤に比べると独特な匂いが少ないといわれています。

関節リウマチや変形性関節症、変形性脊椎症等の腰痛症などに使われる

モーラステープが他の非ステロイド性抗炎症薬の外用剤と異なる点は、関節リウマチや変形性関節症、変形性脊椎症などの鎮痛にも使われることにあります。
関節リウマチは、両手足の指の関節が対称的に腫れてこわばるようになる疾患で関節の痛みなどの症状だけでなく、貧血や微熱、体のだるさなど全身症状も伴います。比較的女性に多いといわれています。
変形性関節症も関節リウマチと同様に慢性の関節炎を伴う疾患です。関節の構成要素が変性して軟骨の破壊と骨、軟骨の増殖性変化を伴い痛みが伴います。比較的女性に多いですが、重労働者の男性に発症することが多いです。
変形性脊椎症は、加齢によって生じるもので無症状の方も多いですが、椎間板の変形が進むと慢性的な痛みと動きづらさが起きます。脊椎管狭窄症の原因にもなります。
ロキソニンテープなどモーラステープ以外の外用剤の効能には関節リウマチに適応がないものも存在しているので関節リウマチの治療をされている患者にも使いやすいお薬といえます。

薬の用法用量は?

モーラステープの用法用量としては1日1回患部に1枚貼るようにしてください。
痛みが続くからといって1日以上貼り続けると、テープ剤にある薬効成分のほとんどが皮膚へ移行しているため効果はほとんどありません。さらに、長時間テープ剤を貼ってしまうとかぶれなどの皮膚トラブルを起こす可能性が高くなります。そのため、用法用量を守って1日以上同じテープを貼らないようにしてください。皮膚が弱い方は貼る時間を短くするか、パップ剤など皮膚刺激が少ない薬剤への変更など検討してみてください。

注意すべき副作用や特徴は

湿布には副作用が少なく気軽に使えるイメージをもられる方も存在しますが、医薬品であることに変わりはないので個人差はあるものの副作用を起こす方もいます。
テープ剤、パップ剤の共通して副作用としては長時間貼ることでかぶれることがあり、接触皮膚炎ともよばれています。かぶれを放置すると色素が抜け落ちたり、全身に皮膚炎が拡大して重篤化することがあるので症状があらわれたら使用を中止してください。
また、妊婦や胎児に対する安全性が確認されていないため、妊娠中、妊娠の可能性のある方は医師に相談する必要があります。特に、妊娠後期には使用ができないとあるので注意してください。その他にも、モーラステープで注意するべき副作用として光線過敏症とアスピリン喘息があります。

光線過敏症とは

モーラステープの特徴的な副作用として光線過敏症と呼ばれるものがあります。
光線過敏症は、モーラステープを貼っていた場所に日光の紫外線が当たると赤みやかゆみの伴う発疹、炎症が起きてしまう症状で日光アレルギーとも呼ばれています。光線過敏症は、モーラステープを剥がした後でも薬効成分が皮膚に残るため日光の紫外線が当たることで引き起こされてしまうので注意が必要です。対策としては日光が当たらないように服のしたに隠れるようにモーラステープを貼ることです。どうしても服からはみ出てしまう場合にはサポーターなどの布を被せるようにしましょう。

アスピリン喘息とは

アスピリン喘息は、モーラステープを含めた非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用することで重篤な喘息発作を起こしてしまいます。内服薬だけでなく外用剤でも皮膚から薬効成分を浸透させて体内に入るためアスピリン喘息を引き起こすので過去にこのような経験がある方は使用できません。喘息のような症状がでた場合には病院へ受診してください。

モーラステープは市販薬として販売されていない

モーラステープは、薬局薬店で市販されているOTC医薬品とは違い、医師の診断のもとに処方箋が発行されて処方箋をもとに薬局で交付される「医療用医薬品」に分類されます。医療用医薬品は一部の例外を除いて原則的に処方箋なしにモーラステープを手に入れることができません。例外として、やむを得ない事情があって処方を受けれない患者に対して薬剤師が対面で必要最小量を販売する「零売」というものがありますが、ほとんどの薬局で対応していないのが現状です。

一般の湿布の商品としてケトプロフェンパップが販売されている

モーラステープは市販されていない医療用医薬品に分類されていますが、同じ成分、効果の医薬品が市販薬として販売されています。
モーラステープに配合されている薬効成分の名前はケトプロフェンとよばれ、オムニードケトプロフェンパップという商品名で販売されています。
価格については店舗によって異なりますが、医療機関に受診して薬局で交付をしてもらうよりも場合によっては市販を購入することで価格を抑えることができる可能性もあります。
モーラステープとは違い、短期的に痛みを抑えることを目的とした製品であるため効能に関節リウマチの適応はありませんが、様々な痛みを抑える効果を期待できます。

販売元のメーカーはどこ?

医療用医薬品であるモーラステープはサロンパスなどの湿布で有名な久光製薬が製造していますが、市販されているオムニードケトプロフェンパップという商品はテイコクファルマケアが製造しています。

用途は腱鞘炎や筋肉痛などの痛みに限られる

医療用医薬品であるモーラステープとは違い、市販薬であるケトプロフェンパップは長期間使用することを想定されていません。そのため、関節痛や腰痛などの他には、腱鞘炎や筋肉痛、捻挫や打撲などの一時的な鎮痛を目的にした効能が記載されています。関節リウマチなどの慢性的な疾患の治療をされている方や、ケトプロフェンパップを使用しても痛みが改善しない場合などは医師、薬剤師または登録販売者に相談した方がいいでしょう。

薬剤師に使用目的を伝えましょう

ケトプロフェンパップも医薬品であるため副作用が存在しています。外用剤によくある副作用としてかぶれがありますが、その他にも光線過敏症やアスピリン喘息など特に注意する必要のある副作用も存在しています。妊娠中の方には使用ができないこともあるので購入する前に薬剤師に相談するようにしましょう。
ケトプロフェンパップを貼る場所が日光に晒されてしまうような場所の場合には光線過敏症を起こすことがありますが、薬剤師に相談すれば光線過敏症をおこさない外用剤を提案してもらうこともできます。また、解熱鎮痛剤でアレルギーを起こしたことがあることを相談することでアスピリン喘息を防ぐこともできます。

通販での購入可否や価格について

ケトプロフェンパップは、薬局薬店以外にも通販サイトで購入できます。薬局薬店が近くにない地域に住んでいる方や日中忙しくて店舗になかなかいけない方には通販での購入がおすすめです。通販サイトで購入する場合には送料がかかることがあるので店舗で購入するより価格が高くなることがあります。大手通販サイトでは定期的にセールを行ったり、ポイント還元をしていることがあるので工夫することで価格を抑えて安く購入することがあります。人によっては病院で受診するよりも価格が抑えれる可能性もあります。
ケトプロフェンパップは、第2類医薬品に分類されるので薬剤師が不在でも購入できますが、初めて購入する場合には湿布だと軽く考えずに副作用やアレルギーなどのリスクを少なくするためにも薬剤師に相談した方がいいでしょう。

痛みが長い時間続く場合や他の症状が懸念される場合は病院へ受診しましょう

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、痛みを感じる原因であるプロスタグランジンの産生を抑制する解熱鎮痛薬であり、痛みの原因を直接取り除くようなものではありません。そのため、筋肉痛のような一時的な痛みの場合であれば問題はないですが、ケトプロフェンパップを貼っても痛みが続く場合には重大な病気である可能性も否定できません。痛みを抑える作用を持った貼り薬などの商品も同じように直接原因を抑えることができません。また、アスピリン喘息という喘息発作を起こしてしまうと最悪の場合には呼吸困難になることもあります。皮膚症状も重篤になると治癒するのに時間がかかってしまうので製品を使用しても症状が続く場合や副作用と思われる症状が起きた場合には使用している薬剤を中止して病院へ受診しましょう。
参考文献
モーラステープL40mgの基本情報
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/26/2649729S3084.html
【2020年】《基礎知識》湿布薬「モーラステープ」と「ロキソニンテープ」の違いと比較
https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/zbjmc
医薬品・医療機器等安全性情報
https://www.pmda.go.jp/files/000144777.pdf
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監修薬剤師 廣瀬安國
調剤薬局で薬剤師として従事。 薬剤師として学んだ知識と経験を活かして、医療用医薬品だけでなく身近に存在している市販薬についてもわかりやすく伝えることを意識して記事を執筆しています。
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