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発熱外来は 何度から受診できる?発熱の原因や症状、対処方法について解説

監修医師 中路 幸之助
更新日:2024年07月28日

更新日:2024年07月28日

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発熱は、感染症や炎症などの原因によって、身体が戦うために体温が平常時よりも高くなることです。多くの場合、発熱は体が感染症と戦っている証拠ですが、いつ医師の診察を受けるべきかを判断するのは難しいかもしれません。どういった症状がある場合や何度の熱が出た場合に、受診すれば良いでしょうか?

この記事では発熱外来を受診するタイミング、発熱の原因や症状、発熱に対する対処方法についても解説します。発熱時にどう対応するべきか、この記事を参考にしてください。

発熱とは

感染症や炎症などの原因により、体温が通常より高くなった状態が「発熱」です。身体は、脳の特定の部分が温度を管理していて、普段は一定の温度を保っています。しかし、温度管理システムが「もっと熱を出せ」と指令を出した場合に、体温が上昇します。その命令を出すのは、風邪やインフルエンザのような感染症、免疫系の問題やがんなどの病気が原因のひとつです。

 

発熱は年齢や性別に関係なく、誰でも起こることがあります。多くの場合は一時的なものですが、時には深刻な健康問題のサインかもしれません。発熱が長引く場合には注意しましょう。

発熱外来は何度から受診できる?

発熱外来とは、感染症が疑われる方を診察するために一般外来とは別に設けられた診療科目です。新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症の拡大を防ぐために、感染が疑われる患者さんとそうでない患者さんを分けて診察することを目的としています。

 

発熱外来を受診する目安としては、体温が37.5℃以上の場合です。新型コロナウイルスだけでなく、他の感染症も発熱の原因となるため、発熱が見られる場合は、その原因を特定することが大切です。ただし、平熱によっても体温の基準はかわるため、この数値はあくまで目安にしてください。

発熱とともに起こりやすい体の反応

体が熱を管理しようとした場合に起こる症状があります。

 

発熱が始まるとき

寒さを感じたり、体が震えたりすることがあります。これは体が熱を産生しようとしているサインです。


発熱が続いているとき

体全体が熱く感じられることがあります。また、心臓の鼓動や呼吸が早くなるのは、体が熱に対応しようとしているためで、関節や筋肉の痛みは身体が感染と戦っている証拠です。

 

熱が下がるとき

汗をかくことで身体を冷却しようとします。

 

これらの症状は、体が熱をコントロールしようとする自然な反応の一部です。そのため、通常は心配ありません。

ウイルスや細菌の感染

発熱の原因として一番多いのが感染によるものです。身体がウイルスや細菌のような病原体に対抗するために、免疫システムが活性化し侵入者を撃退しようとするときに起こります。その他の感染症でも発熱することが多々ありますが、ここでは一部のみを紹介します。

 

感冒、上気道感染
発熱の他にも鼻水やくしゃみ、喉の痛み、頭痛、腹痛などの症状が現れることがありますが、通常は軽度で、特別な治療をせずとも約1週間で回復することが一般的です。

 

RSウイルス感染症
2歳以下の子どもに多く見られ、風邪に似た症状が出ます。生後6ヶ月未満の赤ちゃんが感染すると、高熱や肺炎を引き起こすリスクが高まります。

 

インフルエンザ
急激な高熱と筋肉痛や関節痛が起こり、通常の風邪よりも症状が重いことが特徴です。

 

突発性発疹
1歳未満の乳幼児に多く、高熱が2〜3日続いた後に体中に赤い発疹が出ます。ただし、感染しても症状が全く現れないこともあります。

 

溶連菌感染症
喉に感染して高熱や喉の強い痛みを引き起こし、時には発疹やイチゴ舌(舌にブツブツができる)が見られることもあります。

 

扁桃炎
喉の奥の扁桃が赤く腫れて、高熱や喉の痛みが強く出る病気です。溶連菌が原因の場合、他の合併症を引き起こす可能性があります。

 

尿路感染症
膀胱炎のみでは発熱しにくいですが、感染が腎臓にまで進行して腎盂腎炎になると高熱が出ることがあります。

 

肺炎
高熱の他に胸の痛みや強い咳、痰が特徴です。命に関わる危険があるため注意しましょう。

 

急性中耳炎
鼻風邪の後に発症することが多く、急な発熱と共に耳痛や耳だれが見られます。乳幼児は耳を触ったり、不快そうにしたりすることで痛みを表現することがあります。

感染症以外の病気

発熱は感染症だけでなく、他の健康問題からも起こることがあります。

 

自己免疫疾患
免疫システムが誤って自分の身体を攻撃してしまう病気です。たとえば、関節リウマチは関節が変形することがあり、SLE(全身性エリテマトーデス)は内臓を含む体全体に影響を及ぼします。

 

ホルモン異常
甲状腺の炎症、亜急性甲状腺炎が原因で、甲状腺の痛みと共に発熱が起こることがあります。

 

悪性腫瘍(がん)
がん自体により体温が高めになることがありますが、いつもより高くなった場合は注意が必要です。がん治療中に発熱がある場合は、自己判断せずに医師に相談しましょう。

 

血栓・塞栓症
長時間同じ姿勢でいることで知られるエコノミークラス症候群は、足のむくみや皮膚のうっ血と共に発熱を引き起こすことがあります。

 

薬の副作用
特定の薬剤が原因で発熱を引き起こすことがあります。原因となる薬剤を中止すると、通常3〜4日で熱は下がります。

 

発熱の原因が特定できない場合は、不明熱と呼びます。

体温調節機能の乱れ

運動したり、何か作業をしたりした時に身体は熱を生み出します。通常、身体はこの熱を上手に外に出して、体温を一定に保てます。これは、暑くなりすぎると血管が広がって皮膚の下を流れる血液が増え熱を外に逃がす仕組みです。さらに、汗をかいてその汗が蒸発することで、身体から熱を奪って涼しくします。

 

しかし、非常に暑い場所に長時間いると、体温を調節するシステムがうまく機能しなくなります。熱が外に逃げずに体内に閉じ込められてしまい、体温がどんどん上がってしまうのです。また、大量に汗をかくと水分だけでなく大切な塩分も失われてしまい、体の水分バランスが崩れます。これにより、筋肉のけいれん、めまい、失神、頭痛、吐き気など、熱中症のさまざまな症状が現れることがあります。

異なる感染源からの発熱とともに現れやすい症状

風邪やインフルエンザなどの場合、最初の数日間は何も症状が出ないことがあります。その後、体が反応し始めて発熱や鼻水、詰まった鼻、喉の痛み、咳、痰、関節や筋肉の痛み、寒気などの症状が現れます。

咳は外部から侵入した不要な物質を排除するための、自然な防御手段です。たとえば、ほこりや煙、風邪を引き起こすウイルスなどが呼吸器に入ったとしましょう。喉や気管、気管支の内側にある粘膜には、異物を感知するセンサーがあります。これが反応して、異物を取り除くため咳を引き起こします。

咽頭痛

咽頭痛は、のどに炎症が起こったときに痛みを伴う状態のことです。炎症の原因には、風邪のような感染症や、怪我、他の病気があります。痛みが強くなると、唾を飲むのも辛くなり、食事をするのも難しくなることがあります。

 

咽頭痛は多くの場合、風邪ウイルスによる感染が原因です。のどや扁桃腺が腫れて炎症を起こし、炎症が治まると咽頭痛も徐々に良くなっていきます。

鼻水

鼻水は、体がウイルスや細菌といった外からの侵入者に対抗するための一つの方法です。これらの微生物が鼻の粘膜に入り込むと、体は防御機構を働かせます。鼻腺は活発に働き始め、鼻水を通じてウイルスや細菌を洗い流そうとします。

 

これは、一般的に「鼻風邪」と呼ばれる症状の一部です。鼻水は、体が自己防衛するための自然な過程と言えるでしょう。

頭痛

身体がウイルスに対抗するとき、体温を上げたり、頭や筋肉、関節に痛みを感じさせる物質を作り出します。それが頭痛の原因になります。痛みや疲れがひどい場合は、インフルエンザである可能性が高いため、注意しましょう。

関節痛

関節痛が起こるのは、頭痛の原因になる同じ物質であるプロスタグランジンが活動している証拠です。プロスタグランジンは、ウイルスを撃退するために体温を上げたり、身体に炎症を起こすことでウイルスの拡散を防ぎます。

 

体温を高めることで、ウイルスが生き残りにくい環境を作り出し、身体の一部に炎症を引き起こし、ウイルスが広がるのを阻止します。この反応は、ウイルスから身体を守るために非常に重要ですが、強い炎症は関節痛を引き起こすことがあります。

発熱の際に注意が必要なケース

発熱の際に注意が必要な場合もあります。ここでは、注意が必要な症状と必要な方について説明します。

発熱時に注意が必要な症状

発熱があるときには、以下のような症状に特に注意が必要です。これらは、深刻な病気のサインかもしれません。

 

強い頭痛やのどの痛みが伴う

・息苦しさや長引く咳が続く

・皮膚に赤みや水ぶくれが出る

・症状が治まった後に、再び熱が出た

・高熱が何日も続く

・体が非常にだるい、または倦怠感が強い

・意識がぼんやりして、集中できない

・寒気が強く、体が震える

・血圧が普段と比べて低い

・水分を飲めない

・体のどこかがとても痛い

・尿が出ない状態が半日以上続く

 

これらの症状が見られたら、自己判断せず医療機関を受診しましょう。

発熱時に注意が必要な方

発熱が起きたとき、以下に該当する方は注意してください。

 

・高齢者

・基礎疾患を持つ方:糖尿病や心不全、慢性の呼吸器疾患、肝硬変など

・治療中の方:抗がん剤や免疫抑制剤の治療中

・医療デバイスを使用している方:人工弁やペースメーカーなど

・海外渡航歴のある方

 

この条件に該当する場合、症状が重くなるリスクがあります。

発熱時の対処法

発熱時には安静にすることが一番の対処法です。解熱剤については、様子を見ながら使用するようにしてください。

できるだけ安静にして身体を休める

発熱があるときは、まずは安静にして体力を温存し、免疫システムがしっかりと働けるように支援することが大切です。寒ければ暖かくして、暑ければ涼しくして、体温調節を心がけましょう。また、体を無理に動かすと症状が悪化することがあります。特に熱が高いときや、体がだるくて動くのが辛いときは、無理をせずに休むことが重要です。

 

入浴は体力を消耗するため、発熱中は避けシャワーで済ませるか、全く入らない方が良いでしょう。熱が下がった後も、体力が完全に回復するまで数日間は安静にすることをお勧めします。汗をかいたらこまめに替えて清潔を保ち、水分補給も忘れずに行ってください。

解熱剤は様子を見ながら服用する

解熱剤は、病気自体を治療するものではなく、発熱自体が免疫システムの働きを助けるため、無理に体温を下げることはおすすめできません。解熱剤は、症状を和らげるために使うことがあります。発熱による不快感が強い場合は、使ってください。

 

ただし、他の薬を服用している方、小さな子供や妊婦、高齢者、呼吸器疾患や高血圧などの持病がある方は、解熱剤を服用する前に医師に相談することが重要です。

発熱で通院がつらい時は、オンライン診療もおすすめ

発熱があり受診が難しい場合には、オンライン診療を活用しましょう。

オンライン診療とは

オンライン診療は、インターネットに接続されたデバイスを通じて、自宅で医師の診察を受けられるサービスです。このサービスを利用することで、スマートフォン、タブレット、パソコンを使ってビデオチャットで医師と直接話ができます。診察の予約、問診、診断、薬の処方箋の発行、そして支払いまで、すべてオンラインで行えるため時間の節約にもつながります。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUは、インターネットを通じてオンライン診療や薬の配送を受けられるサービスです。このサービスを通じて、予約から薬の受け取りまでをスムーズに行えます。

 

お気に入りのクリニックや薬局を登録する機能もあります。また、デジタル化されたお薬手帳を利用することで、紙の手帳を持ち歩く必要がありません。さらに、全国どこでも(※)、処方された薬を当日または翌日に受け取ることが可能です。これにより、どこにいても迅速に医療サービスを受けられます。

 

※一部離島を除く

まとめ

発熱とは、感染症などの原因により、体温が正常体温を超えた状態を指します。多くの要因によって引き起こされる一般的な体の反応です。ただし、深刻な病気のサインとなることもあります。持続する高温や他の深刻な症状がある場合には、医療機関を受診してください。

 

自宅でできる対処法としては、水分をしっかり取り、安静にすることが大切です。早めに適切な対応をすることで、症状を和らげ病気の早期発見につながります。発熱について正しく理解し、適切に対処しましょう。

コメント 発熱は、体内に入ってきた細菌・ウイルスを排除する生体の防御反応の一つなので、必要以上に心配することはありません。発熱のある子供や高齢者に対して、解熱剤などで急に解熱させると、ショックや低体温を来すことがあり注意を要します。また、インフルエンザ感染症などで解熱剤による脳症の発症の可能性も指摘されており、安易な解熱剤の使用は避けるべきと考えます。しかし、発熱がつづくと体力を消耗したり、脱水症状をおこしたりするため、その際は比較的安全に使えるアセトアミノフェン製剤の使用が推奨されています。

監修医コメント

医師
中路 幸之助

発熱は、体内に入ってきた細菌・ウイルスを排除する生体の防御反応の一つなので、必要以上に心配することはありません。発熱のある子供や高齢者に対して、解熱剤などで急に解熱させると、ショックや低体温を来すことがあり注意を要します。また、インフルエンザ感染症などで解熱剤による脳症の発症の可能性も指摘されており、安易な解熱剤の使用は避けるべきと考えます。しかし、発熱がつづくと体力を消耗したり、脱水症状をおこしたりするため、その際は比較的安全に使えるアセトアミノフェン製剤の使用が推奨されています。

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監修医師 中路 幸之助
医療法人愛晋会中江病院 内視鏡治療センター 専門領域はアレルギー・膠原病内科, 神経内科, 消化器内科, 血液内科, 肝胆膵内科, 呼吸器内科, 総合内科, 感染症科, 循環器内科, 腎臓内科, 内分泌代謝科, 糖尿病内科, 内科 経歴:1991年に兵庫医科大学を卒業後、 兵庫医科大学、獨協医科大学を経て、1998年 医療法人協和会に所属。 2003年から現在まで、医療法人愛晋会中江病院の内視鏡治療センターで臨床に従事している。 専門分野はカプセル内視鏡・消化器内視鏡・消化器病。学会活動や論文執筆も積極的に行っており、日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医・学会評議員、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員、日本消化管学会代議員・近畿支部幹事、日本カプセル内視鏡学会認定医・指導医・代議員を務めているほか、 米国内科学会(ACP)の上席会員(Fellow)でもある。 主な研究内容・論文として、カプセル内視鏡 消化器内視鏡 消化器病 保有免許・資格は、米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医 日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医 日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医
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