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オンライン診療のメリット・デメリットとは?医師・薬剤師・患者さんなど人の動きからシステムの導入や利用まで紹介

監修医師 木村眞樹子
2020年12月1日
オンライン診療は新型コロナウイルスの感染症拡大防止に有効とされ、取り扱い方法が変更されてさらに便利になりました。それにより、初めてオンラインでの診療を受けられるとなると気になることが多くあるのではないでしょうか。また、実際にオンラインでの診療を利用するにはどのようにすればよいのでしょうか。オンライン診療について気になるシステムの導入や利用方法、メリット・デメリットを紹介します。

オンライン診療とは

オンライン診療はパソコンやスマートフォン等の通信機器の画面を通して医師が患者さんを診察する方法です。オンラインでの診療を開始した当初は、僻地や医師の少ない地域のみ遠隔医療の利用が許可されていました。その後、オンラインでの診療の利便性より2015年に厚生労働省がオンライン診療の全国的な解禁を通達しました。2018年に、オンラインでの診療に関するルールが明確化され、オンライン診療は全国的に普及し始めました。

厚生労働省より通達

上記の通り、厚生労働省は2015年にオンラインでの診療を全国的に解禁しました。厚生労働省の通達(*4)によると、元来、僻地や医師の少ない地域で行っていた遠隔医療を「例示」とし、情報通信機器の普及に伴って情報通信機器を応用し診療の支援に用いることの可能性を示唆した上で、遠隔診療についての基本的考え方を示すとのことでした。

新型コロナウイルス感染拡大に伴い初診でも可能に

オンラインでの診療は再診のみの利用が許可されていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、感染症拡大防止のため初診でもオンラインでの診療の受診が可能になりました。厚生労働省は新型コロナウイルス感染症が収束した場合、初診のオンラインでの診療については、変更することがあるといっています。また、オンライン診療で診れる疾患の数も増加しているといわれています。ですが、オンライン診療によって対応可能な疾患については今後、状況に合わせて情報も変更される可能性がありますので自身で確認する必要があります。

オンライン診療に必要なシステム

オンラインでの診療には各病院やクリニックにシステムを導入する必要があります。システムはサービス会社が提供しており、医療機関はサービス会社と提携する必要があります。サービス会社によって、電子カルテ上でオンラインでの診療が行えるサービスもあり、会社によって様々ですので、各サービスを比較する必要があります。

オンライン診療の流れ

では、実際にオンラインでの診療の流れについて説明します。どのように予約するのか、どのように診療が行われるのか、その後のお会計や薬の処方への対応はどうすればよいか等気になる点を厚生労働省のオンライン診療の手順(*3)に基づいて紹介します。

病院やクリニックに電話などを利用して受診

まずは、あなたの最寄りの病院やクリニック等の医療機関がオンラインでの診療に対応しているかどうか確認する必要があります。厚生労働省のホームページ(*2)から、オンラインでの診療に対応している病院やクリニックを探します。都道府県のホームページにも医療機関の一覧が記載されていますのでそちらも参考にしてみましょう。そして、予約したい病院やクリニックに電話してオンラインでの診療を希望することを伝えて予約しましょう。

医師による診察

オンライン診療での医師による診察はパソコンやスマートフォン等の機器を利用して行います。情報通信機器の画面を通して医師は問診を基に患者さんを診察します。診察開始時に本人確認行った後に、患者さんが医師に症状等気になることを伝えます。医師は画面を通して患者さんの症状に関する情報を収集します。

医療機関より患者さん希望の薬局へfaxなどを使い処方箋を送信

オンラインでの診療が終わると、医師は患者さんに必要な薬の処方箋を作成します。医師は患者さんの希望する薬局に処方箋の情報をfaxで送信します。処方箋の情報を受け取った薬局は、薬の調剤を行います。

薬局もしくは情報通信機器等を用いた薬剤師による服薬指導

薬局で薬剤師が患者さんの薬の調剤を終えると、患者さんに連絡します。電話で服薬指導を行ったり、配送について連絡したりします。薬局によって、アプリを使用したり情報通信機器を用いたシステムを導入したりして、画面を通して薬剤師が患者さんに薬の服薬指導を行うところもあります。

オンライン服薬指導をした場合は処方箋の郵送

上記の通り、電話やパソコン・スマートフォン等の情報通信機器等を利用して服薬指導を受けた場合、処方箋は患者さんの自宅に郵送されます。調剤された薬も薬局に取りに行く必要はなく、同様に郵送で患者さんの自宅に届けられます。

オンライン診療のメリット

オンラインでの診療は、予約・診察から薬の受け取りまでパソコンやスマートフォン一つで自宅で行えるメリットがあります。ますます便利になるオンラインでの診療ですが、他にどのようなメリットがあるのでしょうか。感染症拡大防止等、様々な観点から紹介します。

新型コロナの感染防止対策

現在、流行中の新型コロナウイルス感染症の感染防止に対してもオンラインでの診療は有効です。例えば、オンラインでの診療により、病院やクリニック内の混雑が緩和され、飛沫感染や空気感染等の2次感染を予防することができます。病院やクリニックには、様々な年齢の患者さんがいます。一般の人より免疫力の弱い高齢者や子どもへの感染を防止することもできます。

在宅やへき地など医療機関の不足した地域

僻地や医師の少ない地域では、自宅から医療機関まで遠く、病院やクリニックに行くのに時間もかかります。また、そのような地域では高齢者も多く、かかりつけ医が必要な人も多いので、電話や遠隔での医療を通して診療が行えることは大きなメリットといえます。

通院などの時間と費用の削減

病院やクリニック等医療機関を受診する際に、困ることの一つとして、通院の時間や待ち時間が挙げられます。特に混雑している医療機関では待ち時間が長いといわれています。オンラインでの診療は予約から薬の受け取りまで、オンラインでの対応であり、予約時間から診察が開始されるので、通院に必要な時間や待ち時間はありません。

オンライン診療のデメリット

オンライン診療は感染症拡大防止や通院時間や待ち時間の節約、地域によるメリット等多くありました。では、オンラインでの診療のデメリットはどのようなことがあるのでしょうか。オンライン診療のデメリットについて紹介します。

情報通信機器等の準備や導入、普及

オンラインでの診療にはパソコンやスマートフォン等の情報通信機器を使用します。そのため、機器の準備が必要となります。また、機器を準備するだけでなく、オンラインでの診療に必要なシステムの導入やオンラインに対応していることを患者さんに普及させることも必要となり、準備に時間がかかることもデメリットとして挙げられます。

対面診療ではないため病気の症状や検査など情報不足

オンラインでの診療は情報通信機器の画面を通して医師による診察が行われます。触診や聴診等を医師は行えうことができず、患者さんの症状に関する詳しい情報を得ることが難しいといわれます。オンラインでの情報のみでは診断が難しい場合や、患者さんに必要な検査も行えないため、追加の検査や治療が必要な場合、患者さんが来院して医師と対面で診察と治療を受ける必要があります。

急変に対応できない

オンライン中に患者さんが急変した場合、すぐに患者さんの処置に取り掛かることは難しいため、患者さんの症状に対応するまで時間がかるデメリットがあります。このことより、オンラインでの診療はほとんどの病気に対応できつつあるといわれていますが、現状はまだ課題も多くあるといわれています。

オンライン診療では処方できない場合も

オンライン診療のデメリットの一つとして、オンライン診療では処方できない薬があります。例えば、薬の副作用のリスクが高い薬が挙げられます。睡眠剤や抗不安薬等の向精神薬や免疫抑制剤、ジギタリス製剤、管理の必要な麻薬類等の処方を医師はできません。オンライン診療で処方できない薬は対面での診察が必要になります。

オンライン診療のデメリットを減らすことが課題

オンライン診療は情報通信機器の導入の手間や患者さんの症状に関する情報収集の難しさ等デメリットがあります。ですが、オンラインでの診療のデメリットを減らして、オンライン診療の普及が進むことで、ますます医療を必要としている人々に適切な医療が届くようになったり、院内で待つ時間や費用も少なくなります。

オンライン診療システムを実施しているか事前に確認してみましょう

オンラインでの診療の実施は病院やクリニックによって異なります。必ず厚生労働省のホームページやあなたのお住いの都道府県のホームページを確認してオンライン診療に対応している医療機関かどうか確認しましょう。また、病院やクリニックに診察の予約をする際にも、オンライン診療での予約の旨を伝えるだけでなく、支払い方法や薬の受け取り方法等についても事前に確認しておくと円滑にオンラインでの診療を受けることができます。
参考文献
(1)厚生労働省 オンライン診療の適切な実施に関する指針
(2)厚生労働省 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について
(3)厚生労働省 医療機関が電話やオンラインによる診療を行う場合の手順と留意事項
(4)厚生労働省 情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について
(5)NHK 「オンライン診療」かかりつけ医を基軸に 日本医師会
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監修医師 木村眞樹子
現役医師、産業医 10年以上大学病院で臨床に従事、産業医として企業の健康経営にも携わる 2019年より医療ライターとしても活動している
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