粉瘤は何科で治療してもらえる?粉瘤ができる原因や治療方法について詳しく解説
更新日:2025年01月8日
この記事では、粉瘤ができる原因や治療方法、そしてどの診療科で治療を受けるべきかを詳しく解説します。
粉瘤とは
粉瘤は、アテロームとも呼ばれ、皮膚の内側に袋状の腫れ物ができた状態です。この袋には、通常は皮膚から剥がれ落ちるはずの角質や皮脂がたまります。つまり、皮膚の一部が袋の中に閉じ込められてコブのようになったもののことです。
顔や首、背中、耳の後ろなどができやすい場所で、皮膚の上に少し盛り上がったしこりとして現れます。中心には小さな開口部があり、強く押すと臭いドロドロした物質が出てきたり、時間とともに少しずつ大きくなったりすることがありますが、見た目以外には特に害はありません。
粉瘤の原因
袋状の腫れ物は、皮膚の表面近くにある毛穴の一部が陥没して生じます。この袋の内側は皮膚の表面と同じ構造をしており、ここに角質や皮脂がたまることで形成されるのが粉瘤です。これは、手のひらや足の裏のような毛が生えない部分にもできます。この場合、小さな傷がきっかけとなり、イボウイルスが関与していると考えられています。
不潔にしていることが原因で、粉瘤ができるわけではありません。原因は、完全にはわかっていないのです。
粉瘤の種類には、表皮嚢腫と外毛根鞘性嚢腫、多発性毛包嚢腫(脂腺嚢腫)があります。外毛根鞘性嚢腫は主に頭部にできることが多く、表皮嚢腫よりも硬く感じられます。多発性毛包嚢腫は腕や首、わきにたくさんでき、内部にはマヨネーズのような黄色くてドロッとした物質が含まれていますが、臭いはありません。
粉瘤とニキビやイボや脂肪腫との違い
粉瘤と似ている他の皮膚疾患が存在するため、注意しましょう。
粉瘤とニキビとの違い
ニキビとは見た目や臭い、治療方法の違いで見分けられます。ニキビは毛穴が詰まった状態から始まり、悪化すると化膿します。ただし、どんなにひどくなっても大きさは数ミリ程度です。
一方、粉瘤は皮脂や角質などの老廃物が溜まってできるもので、真ん中に黒い点が見えるのが特徴です。この黒い点は開口部と呼ばれ、そこから悪臭が漏れることがあります。ニキビのように見えることもありますが、ニキビと違って急にできるものではなく、元々しこりのようなものを感じることがほとんどです。また、粉瘤は薬では治りません。
粉瘤とイボとの違い
粉瘤は初期には腫れを伴わないことが多く、時間とともに徐々にしこりが大きくなります。イボとは異なり、1cm以上の大きさになることがほとんどです。
一方、イボは主にウイルス感染や加齢によって発生します。ウイルス性イボはざらざらした表面で、小さな隆起が多発することが特徴です。痛みやかゆみは伴わず、角質を削ると出血することがあります。特に足の裏にできた場合、タコやウオノメと間違えられることがほとんどです。
粉瘤と脂肪腫との違い
脂肪腫というのは、皮膚の下にできるやわらかい脂肪の塊のことです。一方、粉瘤は、皮膚の表面にある皮脂や角質が集まってできたものです。日常的には、脂肪のかたまりという言葉でアテロームを指すことが多いようですが、実は異なるものです。
脂肪腫は、皮膚の下にある他の組織と独立して存在しているため、指で押すと皮膚とは別に動くのが特徴です。一方、粉瘤は皮膚と一体化しているため、押すと皮膚と一緒に動きます。
脂肪腫は体のどこにでもできる可能性があり、通常は痛みなどの症状はありません。しかし、血管が含まれるタイプでは、触ると痛いことがあります。治療方法としては、外科手術で取り除くことが一般的ですが、大きな脂肪腫の場合は、手術前にMRI検査をしてその位置を確認することがあります。
粉瘤のできやすい場所
粉瘤は体のどこにでもできる可能性がありますが、特に顔や首、背中、そして耳の後ろなどにできやすい場所です。これらの部位は皮膚の下に老廃物がたまりやすいため、粉瘤が発生しやすくなります。
頭
痛みを感じることは少ないため、頭にできた場合、気づかないかもしれません。気が付くと、柔らかいしこりができている場合があります。頭部にできた場合、炎症が進行すると髪が抜けることもあるため、注意しましょう。頭部の粉瘤は少し硬いのが特徴です。
顔
最初はほとんど目立たず、ニキビやしこりのように感じるかもしれません。しかし、放置していると次第に大きくなり、皮膚が隆起して目立つようになります。さらに、特有の臭いを放ったり、細菌感染により炎症が起きる可能性があります。自身で潰してしまうと、炎症が悪化する恐れがあり、また中の組織が残ると再発するため注意しましょう。
耳たぶや耳の裏
耳のまわりは、粉瘤ができやすく、特に耳たぶや耳の後ろなどがよく見られる場所です。化膿性汗腺炎という病気も、耳やその周囲にできることが多く、粉瘤と見分けがつきにくいかもしれません。また、ケロイドと呼ばれる盛り上がった傷跡と混同されることもあります。
首・ワキ
わきの下や首、腕の外側などに、小豆くらいの大きさの粉瘤がたくさんできることがあります。肌色や灰色がかって見えることがあり、触ると硬いことが特徴です。数個からときに20〜30個できることがあります。首の目立ちやすい場所にできた場合、隠すのが難しく、見た目が気になっていまいます。
胸
胸の正中部にも、小豆程度の大きさの粉瘤が多数できることがあります。場所によっては目立つため、気になるかもしれません。
背中・お尻
背中やお尻にできた粉瘤は、自分では見つけにくい場所です。お尻に出来た場合は、座った時に違和感などを感じることがあります。
手足
皮膚の表面近くにある毛穴の部分が皮膚の中に入り込んでできますが、毛がない足の裏や手のひらにもできます。外傷や手術などで皮膚が傷ついたときに、皮膚の一部が内部に入り込むことが原因です。
足の裏にできた場合、体重がかかるので外側に盛り上がりません。内部でしこりのようになるため、タコやウオノメと間違えられることがあります。これには、ヒューマンパピローマウイルス(イボウイルス)が関与していることもわかっています。
鼠径部・陰部
ペニスや陰嚢にできるものは、臭いのあるドロッとした内容物を貯め多くなると、皮膚が隆起してきます。炎症が起こった場合、赤くなり痛みが出ますが、炎症がなければ痛みやかゆみはありません。炎症がある場合は、切開して内容物を出し、抗生物質を使って治療しますが、根本的な治療は摘出することです。
女性のデリケートゾーンは分泌腺が多く、老廃物がたまりやすいため、粉瘤が発生しやすくなります。股の部分は皮膚が薄いため、炎症が大きく広がりやすく、ひどく腫れて激しい痛みを伴うこともあります。そのため、日常生活に大きな影響が出るかもしれません。
鼡径部(股の付け根)にできる粉瘤は、初めは小さくても何度も炎症を繰り返すと傷跡が残り、広範囲にわたって切除が必要な場合があります。早期に治療を行うことで、小さなうちに粉瘤を取り除けます。
粉瘤ができたら皮膚科か形成外科へ
粉瘤は、皮膚科の医師であればすぐに診断できます。女性の場合、デリケートな部位にできた場合は婦人科に行くこともありますが、基本的には皮膚科に相談するのが良いでしょう。手術は、再発を防ぐために完全に取り除くことが重要です。多くの手術を行っている皮膚科を選ぶことをお勧めします。
顔など目立つ場所にできた場合や、できるだけ傷跡を残さないようにしたい場合は、形成外科での治療も選択のひとつです。これにより、傷跡を最小限に抑えつつ、適切な治療を受けられます。
粉瘤の治療方法
粉瘤の治療方法は、場所や症状によって異なります。一般的に、アテロームが良性で炎症や痛みを伴わない場合、治療せずに様子を見ることがほとんどです。しかし、見た目が気になる場合や、炎症や破裂の可能性がある場合は、外科手術で切除するのがおすすめになります。多くの場合、局所麻酔で日帰り手術が可能です。
ただし、アテロームが炎症を起こし、赤みや腫れ、強い痛みがある場合は、まず膿を出すために腫瘍の表面を切開する緊急処置が必要になります。
くり抜き法
小さな円筒状のメスを使って皮膚の一部をくり抜き、中の袋を取り出す簡単な手術です。くり抜いた部分は縫わずに自然治癒を待つため、施術時間は短いですが、治癒には時間がかかります。
この方法の利点は、傷が小さくて目立ちにくいことです。治療する部分に麻酔をかけ、専用の器具を使って皮膚に小さな穴を開けます。穴を通して、中身を押し出しながら袋を取り除きます。手術時間も10〜20分程度と短く、小さなものであれば簡単に取り除くことが可能です。
ただし、穴が小さいため、袋が完全に取り除かれないと再発することがあります。また、大きな粉瘤や皮膚に強くくっついている場合には、この方法が適さないことがあります。
顔や首、腕など、傷跡が目立ちやすい場所にできた小さな粉瘤を取るのに適した方法です。
小さな円筒状のメスを使って皮膚の一部をくり抜き、中の袋を取り出す簡単な手術です。くり抜いた部分は縫わずに自然治癒を待つため、施術時間は短いですが、治癒には時間がかかります。
この方法の利点は、傷が小さくて目立ちにくいことです。治療する部分に麻酔をかけ、専用の器具を使って皮膚に小さな穴を開けます。穴を通して、中身を押し出しながら袋を取り除きます。手術時間も10〜20分程度と短く、小さなものであれば簡単に取り除くことが可能です。
ただし、穴が小さいため、袋が完全に取り除かれないと再発することがあります。また、大きな粉瘤や皮膚に強くくっついている場合には、この方法が適さないことがあります。
顔や首、腕など、傷跡が目立ちやすい場所にできた小さな粉瘤を取るのに適した方法です。
メスを使った切除縫縮
メスを使った切除では皮膚を切開し、中身と袋全体を慎重に取り出します。最後に傷口を縫い合わせて閉じます。この方法のメリットは、再発の可能性が低いことです。
サイズに合わせて切開するため、袋を完全に取り除けます。袋を取り除ければ、再び皮脂や角質が溜まることがないため、再発のリスクが減ります。
背中のような傷が目立ちにくい部分や、大きなものを取り除く際によく使われる方法です。
大きさや皮膚との癒着具合に関係なく対応できるため、さまざまな状況で利用される治療法です。ただし、傷跡が目立つ可能性があるというデメリットがあります。
メスを使った切除では皮膚を切開し、中身と袋全体を慎重に取り出します。最後に傷口を縫い合わせて閉じます。この方法のメリットは、再発の可能性が低いことです。
サイズに合わせて切開するため、袋を完全に取り除けます。袋を取り除ければ、再び皮脂や角質が溜まることがないため、再発のリスクが減ります。
背中のような傷が目立ちにくい部分や、大きなものを取り除く際によく使われる方法です。
大きさや皮膚との癒着具合に関係なく対応できるため、さまざまな状況で利用される治療法です。ただし、傷跡が目立つ可能性があるというデメリットがあります。
粉瘤ができたら早めに医師に相談しましょう。
粉瘤は良性の腫瘍のため、通常は危険ではありません。ただし、自然には治らず、時間が経つと大きくなることがあります。大きくなったものは悪臭を放ったり、炎症を引き起こして痛みや膿が出たりすることがあります。
小さいうちに手術で取り除くのがお勧めです。また、まれなケースですが、悪性の腫瘍の可能性もあります。そのため、自己診断で決めつけずに、専門医の診断を受けることが重要です。
通院が難しい場合はオンライン診療もおすすめ
粉瘤が気になって治療したくても、通院が難しい場合があります。そんな場合は、放置はせずにオンライン診療を活用してみましょう。
オンライン診療とは
オンライン診療は、自宅などにいながらインターネットを使って医師の診察を受けられる医療サービスです。スマートフォンやタブレット、パソコンを使って、ビデオチャットを通じて医師と直接話せます。診察の予約から問診、診断、薬の処方箋の発行や支払いまで、すべてのプロセスをオンラインで完了できるため、時間や場所にとらわれずに医療を受けられます。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKUは、オンライン診療がさらにスムーズに受けられるサービスです。アプリを使って、予約から薬の受け取りまでの全ステップを簡単に行えます。困った場合には、専門スタッフのサポートを受けることが可能です。
お気に入りのクリニックや薬局を登録したりできる機能もあり、さらに薬を管理するためのお薬手帳をデジタル化できるため、とても便利です。また、全国どこでも当日または翌日に薬を受け取れるため、急いでいるときでも助かります。
まとめ
粉瘤は放置していても治りません。薬も効かないため、皮膚科や形成外科を受診しましょう。場所によって、取り除く方法も変わります。粉瘤について正しい知識を持つために、この記事が参考になれば幸いです。気になる場合は、早めに医療機関で相談しましょう。
医師
眞鍋 憲正
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
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